野菜の値段、高騰 平成28年10月27日
野菜の値段、高騰 平成28年10月27日
秋冷の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。
「野菜売り場の野菜の値段が高すぎる!」という悲鳴が、あちらこちらから聞こえています。今年は9月の長雨や台風などの悪天候の影響で、全国的に野菜の生産量が少なく、そのため、スーパーなどの野菜売り場で売られている野菜の値段がすごく高くなっています。
小林農場でもこの秋作はかつてないくらいに不作でしたが、今までのところ、野菜セットの中の野菜の全体量はいつもと同じくらいのまま、いつもと同じ価格で出荷しています。小林農場のようにいろんな種類の野菜を栽培していれば、どんなに悪天候であっても、全ての作物が不作になるということがなく、中にはその天候に影響されずにまともに生育できる作物もあります。
この秋は、早い時期に種まきして育てたカブは害虫の被害にあって、ほんの少ししか収穫できませんでしたが、いっぽうで今年初めて栽培してみたハヤトウリは害虫に食べられることなく、10月より無事に収穫時期を迎えることができました。ハヤトウリは私にはまだ馴染みのない野菜で、料理方法を研究中ですが、食感がカブに似ているので、私と同じようにハヤトウリに慣れていない方々には、カブと同じように料理するようにおすすめしています。ハヤトウリがカブの穴を埋めてくれた形となりました。
このように、まともに育った作物が不作の作物の穴を埋めてくれるので、野菜セットの中の全体量が極端に増減することがありません。野菜セットの価格も常に一定です。
一般流通の野菜は、その季節の天候次第で激しく生産量が変動し、価格も大きく変動します。食材に費やす費用が乱高下すれば、消費者の皆さんの日常生活も落ち着かなくなって大変だと思います。小林農場は、そんな一般流通とは違う土俵で野菜をお届けしています。
直売所にも小林農場の野菜を出荷していますが、今はスーパーで売られている人参の値段がすごく高いので、直売所にいつもと同じ値段で人参を販売すると、よく売れます。今ならおそらく、いつもの値段よりも少し高い値段で販売しても、売り切れると思います。
今のうちに出荷できる人参を直売所に高い値段でどんどん販売すれば、たくさんの収入を得られます。ただ、そうすると、野菜セットに入れる人参がなくなってしまいます。人参はよく使われる野菜なので、人参がなければ野菜セットの内容も間が抜けてしまいます。
例え他の販売先で高い値段で野菜が売れるとしても、まずは野菜セットに入れる野菜を確保してゆくことを優先しています。直売所などへの販売はその年の天候に左右され、野菜がよく売れる時もありますが、売れない時は全く売れなくなります。値段を安くしなければ売れない時もあります。
野菜セットの販売では、適正な価格で途切れることなく確実に収入を得ることができます。出荷させていただいている全てのお店とのお付き合いを大切にしながらも、やはり、農場経営の柱は野菜セットの出荷だと考えています。
農場が淡々と生計を成り立たせていられるのは、定期的に野菜セットを購入し続けてくださっている皆さんのおかげです。変動せずに常に安定しているものを持っていると、気持ちに安心感を生み出すことができます。
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