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2016年12月21日 (水)

地元で頑張っている作物を応援  平成28年10月6日

地元で頑張っている作物を応援  平成28年10月6日

秋の夜長、みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  クウシンサイは東南アジアの熱帯地域が原産で、古くから沖縄で栽培されてきました。モロヘイヤと同じように真夏の暑さの中でも葉をしおらせてしまうことなく生育し、モロヘイヤと違って秋に入っても収穫できて、農家にとっては頼りになる葉物野菜です。

地を這うように茎と葉を伸ばして辺りの地面を茎葉で覆ってゆく姿は、生命力あふれる雑草の姿に似ています。伸びた茎葉を摘んで収穫してゆくのですが、その後すぐに新芽を生やして新たに茎葉を伸ばしてゆくので、繰り返し収穫してゆくことができます。

とても栽培しやすい作物ではありますが、一般的に料理の食材としては馴染みのない葉物野菜だと思います。私自身もこの葉物野菜をどのようにしたらおいしく食べられるのか、研究中です。この秋はクウシンサイをできるだけ毎日、料理するようにしてきました。  

クウシンサイは油との相性が良いので炒め物にすると良いと料理本には書いてありますが、私は最近、おひたしにして食べることが好きになりました。ゆでるとモロヘイヤのような粘り気が目立つようになり、おもしろい食感のおひたしとなります。 

クウシンサイの上部は葉、下部は茎ですが、それぞれ火の通り方が違い、最初に葉と茎を切り分けて別々に料理すると扱いやすいです。茎は少し固くてコリコリとした食感ですが、できるだけ細かく切ってから炒めたほうがこの食感をもっと楽しめると思いました。 

  クウシンサイを食べやすいように料理しようといろいろと試みてきましたが、やはりほうれん草などの今まで食べ慣れてきた葉物野菜の食べやすさにはかないませんでした。しかし、夏野菜が次々と姿を消し、ほうれん草などの秋野菜がまだ収穫時期を迎えず、出荷できる野菜が減って心細くなる9月に、クウシンサイだけは力強く葉を茂らせ、農場にたくさんの収穫をもたらしてくれました。その姿には、私もずいぶん元気づけられました。

  「スーパーで買い物すると同じ野菜ばかり買ってしまうけれども、野菜セットには今まであまり料理したことない野菜も入っていて、料理する野菜の種類が増えました」という声をみなさんよりいただくことがあります。スーパーでは一般家庭でお馴染みの人気野菜が全国から取り寄せられて、どの季節にも販売されています。いっぽうで、小林農場の野菜セットの中には、地元の風土に適して元気に生育するのだけれど、一般的にあまり知られていない作物も混ざっています。それらの「知られざる地元野菜」を皆さんにご紹介してゆくことに、野菜セットの価値があると思います。

  温暖で雨の多い日本列島では、温暖湿潤を好む稲がよく生育します。だからお米が日本の食生活の中心となり、何枚もの田んぼが並ぶ田園風景が日本人の原風景となりました。その地域の気候に適した作物が、その民族の風習や文化の礎を作ることもあります。自分の地域で元気に育つ作物を日常的に食べ続けてゆくようにすると、個性のある地域特有の食文化を新たに創造してゆけるかもしれません。

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