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2016年11月 3日 (木)

半農半・・・    平成28年9月9日

 

半農半・・・    平成28年9月9日

朝夕は日毎に涼しくなってまいりました。みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  「半農半X」というおもしろい造語があります。生活の半分は「農」に費やして家庭菜園で自分の食材を自給し、残りの半分は「X」に費やし、自分に合った天職がこの中に入ります。例えば、小説家が小説を書きながら家庭菜園で食材を自給してゆけば「半農半著」、歌手が歌手活動をこなしながら家庭菜園をしてゆけば「半農半歌」と呼びます。自分の命の糧を自らの手で自給しながら自分の好きな仕事で生計を成り立たせてゆく「半農半X」は、今後の日本人が心豊かに暮らしてゆける生活のありかたとして注目されています。

  小林農場では、「少量多品目栽培」を行い、自分の食事の食材をできるだけ自分で自給したいと思っています。 自給自足を可能にしてゆくには、まず、自然環境が豊かでなくてはいけませんので、自給自足を目指すことによって、自ずと自然環境に優しい暮らしを営むことになります。多くの人々がいろんな職に就きながら家庭菜園で自分達の食を自給できるようになれば、もっと私たちの社会は自然環境に優しくなってゆくと思います。

農家も収入が少ないと農業を続けられないので、現在の農業では、あまり多種類の作物を作らずに、人気作物のみを大量生産してゆく栽培が主流です。そうしたほうが効率的に収入を得られますが、自分が食べる食材の多くをお店で購入しなくてはいけなくなります。

少量多品目なら自分の食べる食材の大部分を自給できますが、いろんな作物に細々とした管理を同時にこなさなくてはいけないので大量生産がやりにくく、収入を増やすにはあまり効率は良くありません。手が回らなくなって全種類の作物の収量が落ちこめば、消費者の皆さんにいつでも安定して供給してゆけなくなる恐れもあります。

小林農場は「持続可能な農業」を目指していますが、それは「自給自足が可能な農業」と「農家が生計を成り立たせてゆける農業」の2つの意味があると思います。しかし、この2つは、以上のような理由で、相反して両立できないことが多いです。

  1つの畑で2つの目的を両立するのが難しいのであれば、別々の畑で目的ごとに別々の管理をすればよいのではないかと、最近、思いつきました。いっぽうの畑では人気のある作物を単作で大量に生産する「生計を成り立たせることを目的とした農業」を行い、もういっぽうの畑では多品目の作物が共存して多様性のある豊かな自然環境を維持した「自然環境保護・自給自足を目的とした農業」を行えればよいのでしょう。

  小林農場は「半農半農」を目指してまいりたいと思います。半分は「生計を成り立たせるための農業」のために。半分は「自給自足を目指した少量多品目の農業」のために。私にとっての「半農半X」の「X」にも、やはり「農」の1文字を入れたいと思います。

  家庭菜園でも、栽培技術が上がれば、自分だけでは食べきれないほどの野菜が自ずと収穫できるようになります。そうなれば、多品目の野菜をセットにして販売して、定期的に収入を得ることができるようになります。野菜セットの販売とは、自給自足を実現させながら収入を得ることも可能にしてゆく、実に奥の深い販売方法だと思います。

 

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