炎天下の畑にて 平成28年8月11日
炎天下の畑にて 平成28年8月11日
酷暑の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。
関東地方でも連日30度を越すような猛暑が続いております。早朝はしゃきりと立っていたキュウリの葉も、強烈な日光が降り注ぐお昼になると、水分がどこかに蒸発してしまったかのようにダラリと下に垂れています。夕方になればまた、葉を広げて元に戻ります。
6月の下旬頃から収穫時期を迎えているジャガイモ。小林農場では梅雨が明けてから本格的にイモを掘り出しています。掘り出したイモを夏の強い日差しにさらしておけば簡単にイモは乾き、長期貯蔵がしやすくなります。
9月に入ると秋雨が降るようになって、畑は湿気ってイモが乾きにくくなります。できれば8月中に全てのイモを収穫しておきたいのですが、果たして間に合うかどうか。ジャガイモといっしょに、私の体も強烈な日差しにさらしながら、イモの収穫を急いでいます。
秋に収穫されるキャベツやレタスなどの種まきも開始されています。間もなく、冬に収穫される白菜も種まきも行う予定です。これらの作物は暑さに弱く、高温の中では発芽しにくいのですが、種がまかれてから収穫されるまで時間がかかり、種まきが遅れると収穫時期を迎える前に寒い冬を迎えて生育しなくなってしまうので、今の時期に種まきを行う必要があります。苗床に種を播いた後は発芽するまで直射日光の当たらない日陰に苗床を置いたりして、工夫しながら秋冬野菜を暑さから守って発芽させています。
強烈な直射日光が降り注ぎ、雨も少ないこの時期に秋冬野菜の苗を畑に植えてゆくことになるので、苗がしおれてしまうことなくちゃんと根が張ってくれるまでは、気が抜けません。世間では「お盆休み」を迎えて多くの人々が里帰りをしますが、この時期は畑仕事がちょうど多忙な頃でもあり、野菜農家は何日間も外出することはできません。
酷暑の時期になると、多くの農家は日が昇って外が明るくなったらすぐ、まだ涼しい早朝のうちから畑仕事を始めます。代わりに昼になるとたっぷりと休憩時間をとり、昼の猛烈な暑さをやりすごします。きちんと仕事時間が決まっているサラリーマンとは違い、農家の時間の使い方は自由自在。調子が悪くていつもよりも昼寝の時間を長くしても、誰も文句を言う人はいません。
私が農業研修生として農場に住み込んで農業研修させていただいた時は、お盆の頃の畑仕事は忙しすぎて、農場にお盆休みをいただきたいとは言いにくく、少し恨めしく思うこともありました。農家として独立した今は、普段から自分の好きな時にちょっとずつ休めるので、お盆休みやゴールデンウイークのような大型連休をほしいとは思わなくなりました。お墓参りに行けずにご先祖さまにはもうしわけありませんが、お盆休みの最中でも、小林農場は全力営業しております。
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