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2016年9月21日 (水)

平成28年秋作 ニンジンの栽培

Dscf3039(平成28年11月16日記入)

現在の小林農場の人参の主力品種「小泉冬越し五寸」。耐寒性があり、現在収穫時期を迎えているこの品種の人参が、来春の3月まで収穫・出荷されてゆくこことになります。

この品種の人参の色が、少し薄いと感じられる方もいるかもしれません。種まきが遅れると着色しにくくなる品種らしいので、遅い時期に人参の種をたくさん播く傾向がある小林農場では、収穫された人参の色も薄くなってしまう傾向があるのかもしれません。

秋作の人参の種まきは、だいたい、7月上旬から8月中旬の間に行われます。あまり早く種を播いても、冬が来る前に人参は大きくなりすぎて割れてしまったりして、品質が落ちます。現在収穫されている人参は、8月3日に種まきして育てました。出荷するにはちょうど良い大きさになっています。

冬に出荷する人参は、7月の終わりから8月の中旬の間に種まきすると良いように思いました。7月中に種まきした人参は、冬が来るまでに収穫すると良さそうです。

人参の色が濃くても薄くても、その中身の味にはあまり関係がないようです。小林農場の人参の色は薄いですが、「とてもおいしい」と複数の方々より好評をいただいております。農薬や化学肥料の使用をやめただけでも作物の味は向上する傾向があるようですが、特に無農薬栽培の人参は、その味の向上がはっきりとわかりやすいと言われています。

小泉冬越し五寸は、食べると人参の香りが口の中にとても広がる、私の好みの品種です。私のお気に入りの品種を野菜セットに入れられるのは、楽しいものです。

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Dscf2867「人参の葉」を野菜セットに入れてみました。

人参の根を肥大させるために、葉が込み合っている部分からいくつか葉を間引きますが、その間引かれた葉をその場に捨てずに大事に持ち帰れば、商品として出荷できます。

人参の香りを楽しめる食材です。味噌汁やスープの香りづけにしたり、またはゴマ和えにしたり、いろんな料理に利用できます。かき揚げやてんぷらにして食べるとおいしく、揚げ物を料理する方々には嬉しい食材なのではないでしょうか。

人参の葉の独特の細かな切れ込みが美しく、害虫に食べられることはほとんどありません。虫に喰われた穴が目立つ小松菜よりも出荷しやすい品目のように思います。

あまり葉が大きくなりすぎて人参畑が葉で込み合ってしまうと人参の生育に良くありませんですし、葉の食感も筋っぽくなって食べにくくなります。人参の葉を出荷できる期間は短いですが、私のお気に入りの品目なので、売り込みたいと思います。

Dscf2869根部では、人参の赤ちゃんが肥大し始めています。 

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7月から8月にかけて、人参の種を時期をずらしながら何回にも分けて種まきしました。

Dscf28569月18日撮影。1番最初に種まきされた人参。7月13日に種まき。10月に入る頃から収穫開始予定。

Dscf28609月18日撮影。最も最後に種まきされた人参。8月21日に種まき。ちょっと遅い時期の種まきとなり、冬の寒さが本格的になる前に十分に根が肥大してくれるかどうか、注目。

人参の種は条件が良くないと発芽しないこともあり、発芽させるのが難しい作物です。土が乾燥していたら発芽しないので、天気予報で雨が予想される日の前日あたりを狙って種まきするようにしています。

種を播いた後は、その播き溝の上に一輪車を走らせてタイヤで踏んで土を鎮圧します。こうして種と土を密着させておくと、種は乾きにくくなります。最後に播き溝にもみ殻を振りまいて、土が直射日光にさらされて乾いてしまわないようにします。

7月に種まきされた人参は、発芽が不良でした。おそらく、種の播き方が少なかったためだと思います。人参の種まきは、ケチらずにたっぷりと種を播かないと発芽させにくく、粘土質の小林農場の畑は特にその傾向が強いように思います。

人参の種は、一粒一粒が単独で土の上に芽を出すよりも、他のまわりの種といっしょに「いっせいのせっ」と土を持ち上げるほうが発芽しやすいようです。その後もお互いに葉と葉が触れ合うくらいの密な状態を維持しているほうが、安心して生育してゆくようです。

8月に入ってから、人参の種の播き方を修正して、たっぷりと種を播くようにしました(種代がかさみましたが)。遅まきした人参の種は、順調に発芽してくれました。

種まき後、うっかりして、もみ殻をまき忘れてしまった所がありましたが、その場所はやはり発芽が悪かったです。改めてもみ殻をまいておく必要性を再確認しました。

小林農場の畑は粘土質なので、直射日光を浴びたり強い雨に叩かれたりすると、表面がおせんべいみたいにパリパリに固まり、種が発芽しにくくなります。もみ殻には、土の表面が固まってしまうことを防ぐ効力もあるように思います。

小林農場ではいつの間にか秋作の人参の種まきがどんどん遅くなってきていますが、本当は6月の下旬から人参の種まきを始めていってもよいと思います。梅雨が明けて土が乾燥する頃に種を播くよりも、梅雨が明ける前に種を播いたほうが、発芽させやすいです。

年を越してから収穫する人参は7月、8月に種まきしたほうがちょうど良い大きさの人参を収穫しやすいですが、来年は、年内に収穫する人参の種を、6月下旬から播いてみようと思います。

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Dscf2768たくさん作っておきたい人参。しかし、除草作業にとても手間がかかり、たくさん作ると除草が大変です。

今年は試しに、真夏の暑い時期に、写真のように、人参の種を播く前に、畝に10日間ほどビニールを張ってみました。こうすると、土中の雑草の種は蒸し焼きされます。

これは「太陽熱除草」と呼ばれる栽培技術で、除草剤を使わなくても楽に雑草を退治できる除草方法として注目されています。

Dscf2841


Dscf2842


発芽した人参の芽。右の写真は太陽熱除草を施した畝で育てている人参。ほとんど雑草が生えていません。

左の写真は、太陽熱除草を施さずに同じ日に種まきして育てている人参。雑草もよく発芽しています。

太陽熱除草のような技術を取り入れてゆけば、人参も大量に作りやすくなるでしょう。

ただ、太陽熱によって、雑草の種だけでなく、有用な微生物まで蒸し焼きされている懸念はあります。もうしばらく、太陽熱除草を施した人参と施していない人参の今後の生育の様子を比較しながら観察してみたいと思います。

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