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2016年9月

2016年9月28日 (水)

9月26日、27日の野菜セット(野菜セットの中に入れる野菜の量について)

今回の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、玉ねぎ、葉ネギ、キュウリ、ナス、ピーマン、カボチャ、ミニトマト、サヤインゲン、サンチュ、モロヘイヤ、クウシンサイ、青シソ、人参の葉

Dscf2876
レタスの一種、サンチュが収穫時期を迎え、野菜セットに入れてみました。サニーレタスや玉レタスが収穫時期を迎えるまで、サンチュを出荷してゆきたいと思います。

Dscf2880_2株を丸ごと収穫するのではなく、葉を1枚1枚かきとって収穫します。すると、数日後にはまた、株元から新たに葉が伸びてきて、何度も葉をかきとりながら収穫できます。

株ごと出荷されるサニーレタスや玉レタスと違って、葉を1枚ずつちぎって出荷されるサンチュは、あまり長く保存ができません。皆さんが受け取ったサンチュをすぐに食べきれるように、野菜セットにあまりたくさんの量のサンチュを入れすぎないように気をつけています。

食べきれないほどのたくさんの野菜をセットに入れてしまうと、受け取る側には負担を与えてしまいます。野菜セットの中の野菜は、多ければ多いほど良いとはかぎりません。

小林農場の野菜セットでは、野菜の種類数は豊富ですが、一つ一つの品目の量は食べきりやすい量でお届けしたいと考えています。

「この野菜は苦手なので野菜セットから除いてほしい」「この野菜は好物なので野菜セットに多く入れてほしい」などのご要望を皆さんからいただくこともあり、できる範囲でご要望にお応えしています。

小林農場のような数十世帯のみに野菜セットをお届けしているような小さな規模の農場は、各世帯のご要望に合わせた個別の対応がやりやすいです。

2016年9月25日 (日)

9月23日の野菜セット(来年への秋の端境期への対策について)

9月23日の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、玉ねぎ、葉ネギ、ナス、キュウリ、ピーマン、ゴーヤ、カボチャ、ミニトマト、サヤインゲン、モロヘイヤ、クウシンサイ、青シソ、人参の葉

いよいよ「秋の端境期(はざかいき)」が深まってきている感じです。ナス、ピーマン、キュウリなどの夏野菜の収量はますます減ってゆき、なんとか実をかき集めながら野菜セットに分配しています。

ゴーヤ、ミニトマト、モロヘイヤ、青シソなどの、夏の間中収穫し続けてきた夏野菜がまもなくいっせいに野菜セットから姿を消すでしょう。

7月9日に種まきされたサヤインゲン(品種は極早生種の「マンズナル」)が9月の上旬から収穫できましたが、10月に入ろうとする頃には収量が落ちて、間もなく収穫できなくなるような感じです。

去年は7月18日に種まきしたサヤインゲン(ツルなしの品種)が、9月下旬から11月に入るまで収穫することができました。来年は時期ををずらしながら何回かに分けてサヤインゲンの種まきを行い、秋の端境期の間ずっと、サヤインゲンの収穫を楽しもうと思います。

この時期に出荷しようと思って栽培していたトウガンやショウガは、雑草の中に埋もれてしまい、生育できず。人参などの主要な作物の管理に専念していると、どうしてもこれらのあまり主要ではない作物の管理には手が回らなくなってしまいます。ほんの半日でもトウガンやショウガの周りに生えている草を刈る時間を捻出できていれば、今ごろ、これらの作物も野菜セットに加えることができたでしょう。

Dscf2871ほんのわずかだけ収穫できたトウガン。煮込んでおいしくいただきました。

シシトウもこの時期にはまだ収穫できる作物で、私も栽培していました。辛くないトウガラシのはずなのですが、収穫したシシトウを味見してみるとなんだかものすごく辛いシシトウが混ざっていました。これに当たると、全身から汗が噴き出そうになります。

少しくらい辛いのが混ざっていることはシシトウにはよくあることですが、あまりに辛いシシトウに当たる確率が高いので、シシトウを出荷するのをやめました。小林農場でシシトウを栽培すると辛くなりやすいのかもしれません。来年はシシトウの代わりに、以前に栽培していた伏見甘長トウガラシを栽培したいと思います。

Dscf2856夏野菜が姿を消してゆく中、いよいよ収穫時期を迎えようとしている人参。

2016年9月22日 (木)

トマトの収穫 開始    平成28年7月21日

トマトの収穫 開始 平成28年7月21日

花火の音が聞こえる季節となりました。みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  例年どおり、7月に入ってトマトが収穫され始めました。去年は大玉トマトの栽培に失敗してほとんど収穫できず、ミニトマトのみの出荷となりました。大玉トマトはミニトマトよりも用途は広くて需要も高いので、今年は大玉トマトの栽培に力を入れてみました。

  トマトの故郷は南米アンデス山脈の高地で、強い日光が降り注ぐ乾燥した気候の中で誕生しました。夏の暑い時期に生育する作物ですが、日本の夏は雨が多くて多湿です。湿った環境を嫌うトマトを栽培するには、日本の気候はふさわしくありません。

専業農家は雨除けハウスの中でトマトを育てています。小林農場も普段は苗を育てたりするために使用しているビニールハウスを、夏になるとトマトの苗を植えてトマト栽培に利用しています。

  同じ作物を同じ場所で毎年栽培し続けていると、やがて「連作障害」が発生して、作物の生育が悪くなってしまいます。毎年、作物は違う畑で栽培するのが作物栽培の基本です。小林農場にはそんなにたくさんのビニールハウスがあるわけではないので、どうしてもトマトを毎年、同じハウスの中で栽培しなくてはいけませんでした。

今年の春に新たにビニールハウスを新設して、大玉トマトをその中で育てています。場所を新たに移し、今までのところ大玉トマトの栽培は順調。今年は大玉トマトが安定して収穫できそうな様子です。

雨除けハウスを大玉トマトにゆずり、今年はミニトマトを全部、露地の畑で栽培することになりました。ミニトマトは大玉トマトと比べれば栽培しやすいですが、やはり乾燥した環境を好む植物であることに変わりなく、どうしても雨が降って土が湿ると真っ赤に熟した実は割れやすくなってしまいます。割れてしまう前に、実が真っ赤に熟すより先に早めに収穫するようにしています。ミニトマトを収穫している時にいくつかつまみ食いしながら味見していますが、真っ赤に熟すまで待たなくても味はしっかりとしていておいしいです。

雨除けハウスに植えきれなかった大玉トマトの苗を、露地の畑にも植えてみました。大玉トマトは雨に当たると確実に品質が落ちるので、試しに、支柱を建てて即席の雨除け用ビニールを苗の上にとりつけてみました。

こんな簡単な雨除けで大玉トマトがまともに収穫できれば、トマト栽培はもっと気楽になります。毎年、場所を変えながらトマトを栽培しやすくなるので、連作障害の心配もしなくてすみます。今後の「即席雨除けハウス栽培」の収量を注目してみてゆこうと思います。

「いつ、トマトが野菜セットの中にはいるのですか?」というご質問を、毎年必ず、どなたかからいただいています。アンデス山脈から海を渡ってやって来たトマトは、今ではすっかり、日本で愛される作物となりました。トマトは数ある野菜の中でも最も栽培の難しい野菜の一つですが、多くの消費者の方々に最も喜んで受け取ってくださる野菜の一つでもあり、労力を費やしてでも栽培する甲斐のある作物でもあります。

黙々と伝わってゆくこと    平成28年7月14日

 

黙々と伝わってゆくこと  平成28年7月14日

    長雨が続き、梅雨が明けない今日このごろです。みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  5年前の福島第一原発事故により、福島や東北・関東地方の農地は放射能によって汚染され、私たち農家は苦しい想いをしました。次に原発事故が発生すれば今度こそ日本は滅亡してしまうかもしれないという強い危機感があり、7月10日の参議院選挙では、私は原発の再稼働を反対している立候補者や政党に投票しました。

今回の選挙で勝利したのは、今後も原発を再稼働させてゆくことを明言している自民党でした。私のように今すぐに原発をなくしてゆくべきだと考えている人は少数派のようです。この数年間、国政選挙が行われる度に、自民党が勝利しています。今の日本の情勢を見ていると、よほどのことが起こらない限り、この先しばらく自民党政権は安泰で、ゆえに、原発も維持されていくでしょう。

  農場の畑では、先日、ネギの苗が雑草に飲み込まれてしまいそうになっていたので、きれいに耕した畑に苗を植え替えました。すっかり雑草に囲まれてしまったモロヘイヤやオクラなども、四つん這いになってひたすら株元に生えている雑草を手で引き抜き、雑草の森から救出しました。選挙があろうがなかろうが、淡々と生えてくる雑草を黙々と私が引き抜いてゆく、いつもの夏の農場の光景が変わることはありません。

  人それぞれ考え方が違うので、私の思い通りに日本の社会を変えてゆくのは難しいですが、小林農場の中では他の誰の意見にも左右されることなく、私の好きなように私の理想を実現してゆけます。原発のような装置に頼らなくてもよいささやかな暮らしを、この農場の中なら実現してゆけます。私のこの想いを、皆さんにお届けしている野菜の中に詰め込んでいます。声高に「原発反対」を訴えることに時間を費やすよりも、農場で黙々と畑仕事することに専念したほうが、私の想いを強く伝えてゆけるような気がいたします。

この通信を読んでくださっている方の中には、今回の選挙で自民党に投票された方もいると思います。私は自民党の今の政策に反対なので他の政党を応援してゆこうと思っていますが、たとえ選挙で投票する政党が違っていても、小林農場の野菜を食べてくださっている方々とならば、今後も野菜を通じてお付き合いしてゆくことができます。

考え方が違う者同士がお互いの考えをぶつけ合いながら議論することはとても大切なことですが、あまりに対立が深まりすぎてお互いに顔を会わせるのも嫌になってしまったりしたら、話し合いができなくなってしまいます。しかし、「好きな映画」とか「好きな歌」とか、お互いが共有して共感できる話題があれば、政治的な考え方が違っていても、継続して顔を会わせやすくなるでしょう。

このように本当に素晴らしい映画や歌などは多くの人々に愛され、人と人を結びつける「接着剤」のような役割を果たすこともあります。「本当においしい食材」もまた、どんな考えの持ち主にも共有されやすいものだと思いますし、小林農場がそのような食材をみなさんに提供できるようになれればよいと思っています。

 

2016年9月21日 (水)

平成28年秋作 ニンジンの栽培

Dscf3039(平成28年11月16日記入)

現在の小林農場の人参の主力品種「小泉冬越し五寸」。耐寒性があり、現在収穫時期を迎えているこの品種の人参が、来春の3月まで収穫・出荷されてゆくこことになります。

この品種の人参の色が、少し薄いと感じられる方もいるかもしれません。種まきが遅れると着色しにくくなる品種らしいので、遅い時期に人参の種をたくさん播く傾向がある小林農場では、収穫された人参の色も薄くなってしまう傾向があるのかもしれません。

秋作の人参の種まきは、だいたい、7月上旬から8月中旬の間に行われます。あまり早く種を播いても、冬が来る前に人参は大きくなりすぎて割れてしまったりして、品質が落ちます。現在収穫されている人参は、8月3日に種まきして育てました。出荷するにはちょうど良い大きさになっています。

冬に出荷する人参は、7月の終わりから8月の中旬の間に種まきすると良いように思いました。7月中に種まきした人参は、冬が来るまでに収穫すると良さそうです。

人参の色が濃くても薄くても、その中身の味にはあまり関係がないようです。小林農場の人参の色は薄いですが、「とてもおいしい」と複数の方々より好評をいただいております。農薬や化学肥料の使用をやめただけでも作物の味は向上する傾向があるようですが、特に無農薬栽培の人参は、その味の向上がはっきりとわかりやすいと言われています。

小泉冬越し五寸は、食べると人参の香りが口の中にとても広がる、私の好みの品種です。私のお気に入りの品種を野菜セットに入れられるのは、楽しいものです。

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Dscf2867「人参の葉」を野菜セットに入れてみました。

人参の根を肥大させるために、葉が込み合っている部分からいくつか葉を間引きますが、その間引かれた葉をその場に捨てずに大事に持ち帰れば、商品として出荷できます。

人参の香りを楽しめる食材です。味噌汁やスープの香りづけにしたり、またはゴマ和えにしたり、いろんな料理に利用できます。かき揚げやてんぷらにして食べるとおいしく、揚げ物を料理する方々には嬉しい食材なのではないでしょうか。

人参の葉の独特の細かな切れ込みが美しく、害虫に食べられることはほとんどありません。虫に喰われた穴が目立つ小松菜よりも出荷しやすい品目のように思います。

あまり葉が大きくなりすぎて人参畑が葉で込み合ってしまうと人参の生育に良くありませんですし、葉の食感も筋っぽくなって食べにくくなります。人参の葉を出荷できる期間は短いですが、私のお気に入りの品目なので、売り込みたいと思います。

Dscf2869根部では、人参の赤ちゃんが肥大し始めています。 

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7月から8月にかけて、人参の種を時期をずらしながら何回にも分けて種まきしました。

Dscf28569月18日撮影。1番最初に種まきされた人参。7月13日に種まき。10月に入る頃から収穫開始予定。

Dscf28609月18日撮影。最も最後に種まきされた人参。8月21日に種まき。ちょっと遅い時期の種まきとなり、冬の寒さが本格的になる前に十分に根が肥大してくれるかどうか、注目。

人参の種は条件が良くないと発芽しないこともあり、発芽させるのが難しい作物です。土が乾燥していたら発芽しないので、天気予報で雨が予想される日の前日あたりを狙って種まきするようにしています。

種を播いた後は、その播き溝の上に一輪車を走らせてタイヤで踏んで土を鎮圧します。こうして種と土を密着させておくと、種は乾きにくくなります。最後に播き溝にもみ殻を振りまいて、土が直射日光にさらされて乾いてしまわないようにします。

7月に種まきされた人参は、発芽が不良でした。おそらく、種の播き方が少なかったためだと思います。人参の種まきは、ケチらずにたっぷりと種を播かないと発芽させにくく、粘土質の小林農場の畑は特にその傾向が強いように思います。

人参の種は、一粒一粒が単独で土の上に芽を出すよりも、他のまわりの種といっしょに「いっせいのせっ」と土を持ち上げるほうが発芽しやすいようです。その後もお互いに葉と葉が触れ合うくらいの密な状態を維持しているほうが、安心して生育してゆくようです。

8月に入ってから、人参の種の播き方を修正して、たっぷりと種を播くようにしました(種代がかさみましたが)。遅まきした人参の種は、順調に発芽してくれました。

種まき後、うっかりして、もみ殻をまき忘れてしまった所がありましたが、その場所はやはり発芽が悪かったです。改めてもみ殻をまいておく必要性を再確認しました。

小林農場の畑は粘土質なので、直射日光を浴びたり強い雨に叩かれたりすると、表面がおせんべいみたいにパリパリに固まり、種が発芽しにくくなります。もみ殻には、土の表面が固まってしまうことを防ぐ効力もあるように思います。

小林農場ではいつの間にか秋作の人参の種まきがどんどん遅くなってきていますが、本当は6月の下旬から人参の種まきを始めていってもよいと思います。梅雨が明けて土が乾燥する頃に種を播くよりも、梅雨が明ける前に種を播いたほうが、発芽させやすいです。

年を越してから収穫する人参は7月、8月に種まきしたほうがちょうど良い大きさの人参を収穫しやすいですが、来年は、年内に収穫する人参の種を、6月下旬から播いてみようと思います。

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Dscf2768たくさん作っておきたい人参。しかし、除草作業にとても手間がかかり、たくさん作ると除草が大変です。

今年は試しに、真夏の暑い時期に、写真のように、人参の種を播く前に、畝に10日間ほどビニールを張ってみました。こうすると、土中の雑草の種は蒸し焼きされます。

これは「太陽熱除草」と呼ばれる栽培技術で、除草剤を使わなくても楽に雑草を退治できる除草方法として注目されています。

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発芽した人参の芽。右の写真は太陽熱除草を施した畝で育てている人参。ほとんど雑草が生えていません。

左の写真は、太陽熱除草を施さずに同じ日に種まきして育てている人参。雑草もよく発芽しています。

太陽熱除草のような技術を取り入れてゆけば、人参も大量に作りやすくなるでしょう。

ただ、太陽熱によって、雑草の種だけでなく、有用な微生物まで蒸し焼きされている懸念はあります。もうしばらく、太陽熱除草を施した人参と施していない人参の今後の生育の様子を比較しながら観察してみたいと思います。

平成28年9月19日、20日の野菜セット(人参の葉について)

今回の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、玉ねぎ、葉ネギ、ナス、キュウリ、ピーマン、オクラ、ゴーヤ、カボチャ、ミニトマト、サヤインゲン、モロヘイヤ、クウシンサイ、青シソ、人参の葉

Dscf2867「人参の葉」を野菜セットに入れてみました。

人参の根を肥大させるために、葉が込み合っている部分からいくつか葉を間引きますが、その間引かれた葉をその場に捨てずに大事に持ち帰れば、商品として出荷できます。

人参の香りを楽しめる食材です。味噌汁やスープの香りづけにしたり、またはゴマ和えにしたり、いろんな料理に利用できます。かき揚げやてんぷらにして食べるとおいしく、揚げ物を料理する方々には嬉しい食材なのではないでしょうか。

人参の葉の独特の細かな切れ込みが美しく、害虫に食べられることはほとんどありません。虫に喰われた穴が目立つ小松菜よりも出荷しやすい品目のように思います。

あまり葉が大きくなりすぎて人参畑が葉で込み合ってしまうと人参の生育に良くありませんですし、葉の食感も筋っぽくなって食べにくくなります。人参の葉を出荷できる期間は短いですが、私のお気に入りの品目なので、売り込みたいと思います。

Dscf2869根部では、人参の赤ちゃんが肥大し始めています。

栽培暦 9月11日~9月17日(人参の種まきについて)

この週に行った仕事です。

収穫・出荷  整理整頓  育苗  ジャガイモ収穫  虫捕り  播種(京菜など)  草刈り  米ぬかを入手  長ネギの土寄せ  播種(玉ねぎ、ニンニク、大根、葉物野菜など)  定植(白菜、レタス類、シュンギクなど)  人参の間引き

7月から8月にかけて、人参の種を時期をずらしながら何回にも分けて種まきしました。

Dscf28569月18日撮影。1番最初に種まきされた人参。7月13日に種まき。10月に入る頃から収穫開始予定。

Dscf28609月18日撮影。最も最後に種まきされた人参。8月21日に種まき。ちょっと遅い時期の種まきとなり、冬の寒さが本格的になる前に十分に根が肥大してくれるかどうか、注目。

人参の種は条件が良くないと発芽しないこともあり、発芽させるのが難しい作物です。土が乾燥していたら発芽しないので、天気予報で雨が予想される日の前日あたりを狙って種まきするようにしています。

種を播いた後は、その播き溝の上に一輪車を走らせてタイヤで踏んで土を鎮圧します。こうして種と土を密着させておくと、種は乾きにくくなります。最後に播き溝にもみ殻を振りまいて、土が直射日光にさらされて乾いてしまわないようにします。

7月に種まきされた人参は、発芽が不良でした。おそらく、種の播き方が少なかったためだと思います。人参の種まきは、ケチらずにたっぷりと種を播かないと発芽させにくく、粘土質の小林農場の畑は特にその傾向が強いように思います。

人参の種は、一粒一粒が単独で土の上に芽を出すよりも、他のまわりの種といっしょに「いっせいのせっ」と土を持ち上げるほうが発芽しやすいようです。その後もお互いに葉と葉が触れ合うくらいの密な状態を維持しているほうが、安心して生育してゆくようです。

8月に入ってから、人参の種の播き方を修正して、たっぷりと種を播くようにしました(種代がかさみましたが)。遅まきした人参の種は、順調に発芽してくれました。

種まき後、うっかりして、もみ殻をまき忘れてしまった所がありましたが、その場所はやはり発芽が悪かったです。改めてもみ殻をまいておく必要性を再確認しました。

小林農場の畑は粘土質なので、直射日光を浴びたり強い雨に叩かれたりすると、表面がおせんべいみたいにパリパリに固まり、種が発芽しにくくなります。もみ殻には、土の表面が固まってしまうことを防ぐ効力もあるように思います。

小林農場ではいつの間にか秋作の人参の種まきがどんどん遅くなってきていますが、本当は6月の下旬から人参の種まきを始めていってもよいと思います。梅雨が明けて土が乾燥する頃に種を播くよりも、梅雨が明ける前に種を播いたほうが、発芽させやすいです。

年を越してから収穫する人参は7月、8月に種まきしたほうがちょうど良い大きさの人参を収穫しやすいですが、来年は、年内に収穫する人参の種を、6月下旬から播いてみようと思います。

2016年9月19日 (月)

平成28年9月16日の野菜セット(出荷作業の心得について)

9月16日の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、玉ねぎ、ナス、キュウリ、ピーマン、カボチャ、オクラ、ゴーヤ、赤ピーマン、米ナス、ミニトマト、サヤインゲン、モロヘイヤ、クウシンサイ、青シソ

収穫したナスやピーマンやキュウリを、箱詰めする前に簡単に選別して、見栄えが良くておいしそうな物を選んで野菜セットの中に入れています。今回の野菜セットでは小さくてあまり見栄えの良くないナスやピーマンしか野菜セットに入れられず、なんだかさみしい印象のセット内容となりましたので、今まで貯蔵して温存してきたカボチャを、ようやく出荷してみました。

カボチャは、食べきりやすい大きさに切り分けて野菜セットに入れています。できるだけもちを良くするため、種とワタの部分を取り除いてから袋に密封してお届けしています。

どの野菜も、皆さんが野菜セットを受け取った後にすぐに箱から冷蔵庫に移しやすいように、袋に詰めてお届けしています。できるだけ皆さんが受け取りやすいように、丁寧な出荷を心がけています。

私が農業研修生として農家の方のもとで農業研修を受けていた頃、出荷作業では丁寧であることはもちろん、「速さ」も求められました。丁寧に出荷しようとしてあまり時間をかけていると、「丁寧にやりすぎないように」と注意をいただくこともありました。

皆さんに良質な作物をお届けしてゆくためには、畑仕事に時間をかけなくてはいけません。そのため、出荷作業にかける時間をどれだけ短くできるかが重要になります。

以前は私は、野菜セットの配送日の前日から配送の準備を始めていましたが、現在は配送日の前日もしっかりと畑仕事に時間を費やし、配送日当日に、収穫・箱詰め・配送を全部、すますようにしています。

仕事が丁寧であっても、時間がかかりすぎていては、けっきょく最後になると時間に余裕がなくなり、仕事が雑になります。皆さんのお宅に野菜セットをお届けする時間も遅くなります。「丁寧」と「速い」を相反させずにうまくかみ合わせてゆくことがプロと呼ばれる人々の仕事ぶりなのだと、出荷作業をしていると思います。

2016年9月14日 (水)

9月12日、13日の野菜セット(秋の端境期の見通しについて)

今回の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、玉ねぎ、葉ネギ、ナス、キュウリ、ピーマン、オクラ、ゴーヤ、米ナス、ミニトマト、サヤインゲン、モロヘイヤ、クウシンサイ、青シソ

夏野菜から秋野菜に切り替わってゆくまでの空白の期間「秋の端境期(はざかいき)」を迎えています。収穫できる野菜の種類が減る時期です。

Dscf2809ナス、ピーマン、キュウリなどの夏の果菜類は、量は減るものの、なんとか10月の中旬までは少しずつ出荷し続けていける予定です。

Dscf2802モロヘイヤ、青シソなどの炎天下でもしおれることなく生育してくれた葉物野菜も花を咲かせ始め、間もなく出荷が終了します。クウシンサイはしばらく出荷できると思います。日本では馴染みの薄い葉物野菜ではありますが、炒め物にも汁の実にも使えて、この時期の希少な葉物野菜です。

Dscf28499月になってもたくさん赤い実を実らせてくれている「マイクロトマト」。果たしてこれが、あとどれだけこの調子を維持してくれるだろうか。

現在は葉ネギを野菜セットに入れ始めていますが、これからは長ネギを出荷しはじめようと思っています。

Dscf2856人参の葉。去年は人参を10月に入ってすぐに収穫を開始していましたが、今年もだいたいそれくらいから収穫でしょう。

去年は間引いた人参の葉も野菜セットに入れたりして、端境期の野菜セットの種類数を確保していました。他に、間引いた大根の葉やカブの葉も野菜セットにいれていました。

Dscf2819そして、数週間前に収穫して、端境期が深まってゆく時期まで温存していたカボチャ。間もなく、野菜セットに登場です。

栽培暦 9月4日~9月10日(ネキリムシの被害について)

この週に行った仕事の内容です。

収穫・出荷  整理整頓  育苗  定植(白菜、キャベツ、レタス類など)  堆肥を入手、散布  除草(キャベツ、ブロッコリー、人参など)  ジャガイモ収穫  播種(大根、カブ、葉物野菜など)  麦を唐箕にかけて、製粉へ  草刈り、トラクター耕  虫捕り

9月4日に白菜やレタス類の苗を畑に植えてから1週間。ネキリムシによってたくさん根元から切り倒されて消えてしまいました。

苗を畑に植えてから毎朝、畑に足を運んで苗を見守っています、ネキリムシに切り倒された苗を見つけたら、そこを掘り返すとネキリムシが出てくるので、捕まえてつぶしています。

しかし、8月、9月はネキリムシが活発に動き回っているようで、ものすごい勢いで次々に苗を切り倒して、そして、土を掘り返しても見つからない場合が多いです。被害の拡散を防ぐことができませんでした。

これより、遅く種まきして育てた白菜の苗を植えてゆきますが、今まで植えた畑とは違う畑に植えようと思います。畑によって害虫の発生率もずいぶん違うので、畑を変えることによって害虫被害を軽減できることもあります。

植える時期が少し違っても、害虫の発生率が違うようです。8月28日に畑に定植したレタス類やキャベツはほとんどネキリムシの被害を受けなかったので、この秋はネキリムシが少ないと安心してそのすぐ隣に9月4日に白菜やレタス類の苗を植えたら、ほとんどがネキリムシの餌食になって消えてなくなりました。

時期を少しずつずらして種を播き、とにかく苗をたくさん作っておき、畑に植えた苗が害虫に食べられて消えてゆく度に新たに苗を植えて補い、「もうこれ以上は食べきれません。」とネキリムシに言わせるまで苗を次から次に植えてゆく。今は、こんな対策しか思いつきません。

秋作のアブラナ科の作物だけは、どうしても害虫による深刻な被害を受けやすいです。その他の作物については、そんなに深刻な虫害を受けることはないです。

Dscf2722定植される前のキャベツやブロッコリーの苗。

次週の仕事の予定

収穫・出荷  整理整頓  育苗  草刈り  種まき(玉ねぎ、大根、かぶ、葉物野菜、京菜、ニンニクなど)  定植(白菜、シュンギクなど)  米ぬかを入手  人参の除草・間引き  長ネギの除草、土寄せ  ジャガイモ収穫  カボチャの収穫  果菜類の管理  虫捕り 

 

2016年9月12日 (月)

平成28年9月9日、9月10日の野菜セット(お盆がすぎた後のキュウリの栽培について)

n今回の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、玉ねぎ、葉ネギ、ナス、キュウリ、ピーマン、オクラ、ゴーヤ、米ナス、赤ピーマン、ミニトマト、サヤインゲン、モロヘイヤ、クウシンサイ、ニンニク

Dscf28487月21日に種まきしたキュウリが収穫され始めました。

今回のキュウリは、ツルが地を這って生育する「地這いキュウリ」です。地這いキュウリの実は、スラリと長く伸びるのではなく、ずんぐりとしたかわいらしい形になる傾向があります。

今までのキュウリは支柱にツルを昇らせて生育させていました。そうしたほうが収量は良いのですが、台風などによる強風を受けると生育が停滞します。

今年は6月に種まきして支柱作りで育てていたキュウリが8月に入った頃からたくさん実をならしてくれましたが、8月下旬に台風が関東地方に上陸したのを境に収量が減り、9月に入ったらほとんど収穫できなくなってしまいました。野菜セットにキュウリを入れることができないこともありました。

8月以降に確実にキュウリをたくさん収穫しようとするのであれば、支柱作りのキュウリだけではなく、地這いキュウリを早い時期から種まきしておくとよいと思いました。また、台風の季節にも支柱作りでキュウリを育てるなら、長い期間少しずつ収穫されてゆく品種よりも、短期間でたくさん収穫できる短期決戦型の「節成りキュウリ」の品種を選べば、台風の影響を受ける前にできるだけたくさん収穫できるように思います。

お盆がすぎた頃から、キュウリはよく売れます。秋になってもキュウリを絶え間なくたくさん収穫し続けるコツは、同じ日に同じ品種をたくさん種まきして同じ育て方で育てるのではなく、できるだけ違う品種を少しずつ時期をずらしながら種まきしていろんな育て方で育ててやることだと思います。

2016年9月11日 (日)

栽培暦 平成28年8月28日~9月3日(たくさん栽培しておきたい人気作物について)

この週に行った仕事です。

収穫・出荷  整理整頓  育苗  草刈り  播種(葉物野菜、大根、カブなど)  定植(キャベツ、レタス類など)  カボチャ収穫  人参の間引き  ジャガイモ収穫・乾燥  

小林農場では、たくさんの種類の作物を少量ずつ栽培する「少量多品目栽培」を基本としています。

いっぽうで、より効率的に収入を得るために、売れる見込みのある人気作物はできるだけ大量に栽培してゆきたいと考えています。

今までいろんな作物をいろんな販売先に出荷して、どの作物が需要が高いのか把握できるようになってきました。今後は以下の作物をできるだけ大量に栽培できるように力をいれてゆきたいと思います。

ジャガイモ

地元の学校給食の食材として需要が高いです。特に「シンシア」ような大きくイモが肥大する品種は好まれて利用されて、出荷がしやすいです。

また、冬になればジャガイモの需要が高まるので、しっかりと長期間貯蔵しておけば、冬になれば直売所などでよく売れます。

「土寄せ機」と「芋堀機」と、大量のイモを長期間貯蔵するための大量のコンテナと広い暗室を用意できれば、大量生産が可能。

玉ねぎ

地元の学校給食用の食材として需要が高いです。

また、5月上旬ごろから収穫できる早生系の玉ねぎは、どこの販売先でも需要が高いです。

人参

地元の学校給食の食材として需要が高いです。

また、冬にも長期間貯蔵ができて、冬の鉄板野菜です。暖かくなる春になっても、大型の業務用冷蔵庫があれば、さらに長く冷蔵貯蔵ができます。

また、今年初めて人参を加工して作った「人参ジャム」が大好評。加工品は加工費がかかるので売れなければ損をしますが、売り切れれば生で出荷するよりも何倍もの利益を得られます。複数の方々が新たに人参ジャムが加工されるのを楽しみに待ってくださっているので、加工用の人参の栽培にも力を入れてみたいと思います。

ほうれん草

冬になればどの販売先でも需要が高まります。

最近改良されているほうれん草の品種は耐寒性があり、冬でも葉はあまり霜枯れせず青々としていて、出荷しやすいです。小林農場が好んで作っている品種は「アトラス」や「ソロモン」。特にソロモンは、暖かくなってゆく3月に入ってもトウがたちにくく、長く収穫ができています。

菜の花

ちょうど出荷できる野菜が激減する春の端境期(はざかいき)に収穫時期を迎え、直売所などでとてもよく売れます。

キュウリ

お盆がすぎる頃より需要が高まり、どの販売先でもよく売れます。今年は小林農場でもお盆がすぎた後、キュウリの収量が激減してしまいましたが、9月に入ってもキュウリがたくさん収穫できた年もありました。

キュウリは夏の間いつでも種まきができるので、お盆がすぎた後に収穫の最盛期を迎えられるように、種まきの時期を調整したいと思います。

お盆がすぎると台風がやってくるので、支柱にツルを昇らせてゆく栽培方法よりも、ツルを地に這わせる「地這えキュウリ」をもっと多く栽培したほうが良いかも。

小麦

小麦粉は確実に売り切れる見込みのある人気加工品。品種は香りが良くて、国産小麦の中では粘りの強い「南部」を使用。

また、乾麺に加工しておけば、野菜セットに入れられる野菜の種類が減る端境期に、代わりに乾麺をセットに入れれば、セットの内容を豊富に保つことができます。

余裕があれば大量に栽培しておきたい、他の人気作物

冬に長期貯蔵ができる作物・・・長ネギ、里芋、大根、かぶ、白カボチャ、ゴボウ、白菜など

冬に露地でも生育する葉物野菜・・・油菜、京菜、壬生菜、ターサイ、チヂミ菜など

春の端境期にも収穫できる作物・・・株ネギ、春キャベツ、ヤマイモ、しろ菜など

長期間、貯蔵ができて好きな時に出荷できる作物・・・カボチャ、ニンニクなど

Dscf2768たくさん作っておきたい人参。しかし、除草作業にとても手間がかかり、たくさん作ると除草が大変です。

今年は試しに、真夏の暑い時期に、写真のように、人参の種を播く前に、畝に10日間ほどビニールを張ってみました。こうすると、土中の雑草の種は蒸し焼きされます。

これは「太陽熱除草」と呼ばれる栽培技術で、除草剤を使わなくても楽に雑草を退治できる除草方法として注目されています。

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発芽した人参の芽。右の写真は太陽熱除草を施した畝で育てている人参。ほとんど雑草が生えていません。

左の写真は、太陽熱除草を施さずに同じ日に種まきして育てている人参。雑草もよく発芽しています。

太陽熱除草のような技術を取り入れてゆけば、人参も大量に作りやすくなるでしょう。

ただ、太陽熱によって、雑草の種だけでなく、有用な微生物まで蒸し焼きされている懸念はあります。もうしばらく、太陽熱除草を施した人参と施していない人参の今後の生育の様子を比較しながら観察してみたいと思います。

次週の仕事の予定

収穫・出荷  整理整頓  育苗  草刈り  播種(葉物野菜、大根、カブなど)  定植(白菜、キャベツ、レタス類など)  ジャガイモの収穫  カボチャの収穫  小麦唐を唐箕にかけて、製粉へ  除草(人参、キャベツ、ブロッコリーなど)  虫捕り  堆肥の入手・散布

理想の現実化   平成28年7月7日

理想の現実化  平成28年7月7日

参議院選挙の開票日が間近に迫ってきました。みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  私が大学生だった頃に農家になる決心をしたのは、自然環境に優しい暮らしを送りたいと思ったからです。「不耕起栽培」を行っている農家の田畑に何度か足を運んで見学させていただき、そちらで行われていた不耕起栽培についての勉強会にも参加いたしました。

  「不耕起栽培」とは、田畑を耕さずに作物を栽培する栽培方法です。現在の農業は、たいていトラクターで田畑を耕してから作物を育てますが、トラクターで耕すことによって土壌侵食は起こりやすくなりますし、ミミズなどの有用な小動物もひき殺してしまいます。人が耕さなくても植物の根やミミズなどが常に土を耕してくれていますので、不耕起栽培ではこれらの自然界の力をそのまま利用します。私が知っている限り、「不耕起栽培」は最も自然環境と調和した栽培方法です。

  ただ、耕さなくても作物をうまく育てるには、いろいろと手間のかかる作業が必要で、収量を増やすのは難しいです。家庭菜園のような小さな畑では不耕起栽培が可能でも、プロの専業農家の広い畑で不耕起栽培を実施しようとすれば、その手間は途方もありません。勉強会を開いていた農家の方も、以前は専業農家でしたが、不耕起栽培を始めた後はこのやり方で専業農家として生計を成り立たせてゆくのは難しいとお考えになり、販売するために作物を生産することをおやめになりました。それからは自給自足を目的とした栽培に専念しながら、不耕起栽培の指導に力を注いでいました。

不耕起栽培の勉強会に参加している参加者の方々のほとんどは、農業とは別の仕事に就き、自分の生活のあり方を見直すために家庭菜園を取り組みたいという想いを強く抱いているようでした。不耕起栽培を指導されている農家の方も、参加者に専業農家になることを勧めることはしませんでした。不耕起栽培のような技術が家庭菜園を取り組む人々の間で脈々と広まっていってほしいと、私も願っております。

  専業農家が収入を得るために畑を広くして数十、数百世帯分の量の農産物を生産しようとすれば、どうしても資源を大量消費しながら自然環境に負担をかけなくてはいけなくなります。「自然に優しい農業をしたい」という理想と「生計を成り立たせなくては農業を続けられない」という現実の間で、専業農家は農業を営んでいます。

  常に高品質の作物を出荷し続けながら消費者の皆さんと信頼関係を築いてゆくためには、「理想」と「現実」のつり合いのとれた栽培をしてゆかなくてはいけません。不耕起栽培は難しいですが、農薬を使わないで作物を栽培する無農薬栽培は、すでに専業農家が生計を成り立たせてゆく技術として確立されています。無農薬栽培で生計を長期間安定的に成り立たせてゆけるようになれば、不耕起栽培を試す余裕も生まれてくるでしょう。

  理想と現実のつり合いは、政治にこそ必要です。参議院の選挙戦では、各政党は自分たちが思い描いている日本の将来の理想の姿を有権者に訴えています。その理想は現実的に実現できるものなのか、それとも単なる美辞麗句なのか、有権者はそこに注目しています。

2016年9月 8日 (木)

平成28年9月5日、6日の野菜セット

今回の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、玉ねぎ、ナス、キュウリ、ピーマン、オクラ、ゴーヤ、赤ピーマン、米ナス、トマト、ミニトマト、モロヘイヤ、クウシンサイ、青シソ

夏から秋に移ってゆき、ナス、ピーマン、キュウリなどの夏野菜の樹は衰え、実を減らして収量が落ちてゆきます。今後は、その落ち方をどれだけ抑えられるかが焦点となります。

小林農場ではなかなか、ナスなどの夏野菜を上手に栽培できず、収量はあまり良くありませんでした。

他の農家の方々のナス畑と比べると、小林農場のナスの樹は葉を茂らせすぎていて、樹の内部のほうまで日光がいきわたっていなく、風通しも悪いように思います。

Dscf2825現在のナス畑の様子。葉をかきわけないと実を見つけることができないような感じです。外からすぐに実を見つけることができるくらいに、もっと枝や葉を切り落としたほうが良いかもしれません。

8月の上旬頃より、実を収穫したらその先の枝も切り落とすようにして、枝の数を減らしてゆきましたが、この程度のせん定では、すぐに樹は茂ってしまうようです。
「せっかく生えてきた枝や葉を切り捨てるなんてもったいない」とどうしても思ってしまうケチな性格な私は、せん定が苦手でした。きっと、それがナスを上手に栽培できない理由の一つだったように思います。

でも、どんなに私の栽培方法が下手でも、6月から10月にかけて、しっかりと野菜セットに出荷してゆけるだけの収量は確保できています。うまくできないならうまくできないなりに、最低限の結果は残してゆきます。

そして、うまくできない理由を推測して、来年、修正してゆきます。来年は、ナスの樹の勢いがあるもっと早い時期からどんどん枝を切り落として、常に風通しの良い環境を整えてみたいと思います。

2016年9月 5日 (月)

小林農場 公約集   平成28年6月30日

小林農場 公約集   平成28年6月30日

梅雨晴れの候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  現在は参議院の選挙戦の真最中。各政党・候補者は「選挙公約」の中で、自分たちが目指す理念を有権者に公開しています。選挙公約の中では、美辞麗句を並べた宣伝活動に終始しないよう、その理念を実現可能にするための明確な実施方法やその期限、数値目標を伴った財源などが表明されています。

そこで私もマネして、農場を支えてくださっている皆さんに向けて、簡単な「農場公約」を作ってみました。小林農場がどのような農業を目指しているのか、表明したいと思います。

 「小林農場は食の自給自足を目指します。」地域内で食を自給してゆくことこそが自然環境に優しい農業の姿であり、食の安全性を高めてゆくためにも重要だと考えています。

・農場で育てた野菜から自分で種を採って、農場で育てる野菜の品種をできるだけ自分で育成してゆきたいと思います。まずは今年、自家採種しやすい作物を10種類ほど選んで種を採り、徐々に自家採種する作物の種類を増やしてゆきたいと思います。

・畑に与えている肥料は、地域内の米ぬかやモミガラや家畜フンなどの有機物を利用して作成しています。今後は農場内で手に入る草や落ち葉や「緑肥」などの有機物を土作りに利用してゆくことにも力を注いでゆきたいと思います。

「小林農場は少量多品目栽培を目指します。」1つの種類の作物だけを大規模に栽培するのではなく、畑に多様な作物を少量ずつ育てるほうが土を健全に保てると考えています。

・年間50種類くらいの野菜や小麦などの穀物を栽培してゆきます。春夏秋冬を通していつも10種類以上の品目を出荷できるように作付けします。

・皆さんが普段からよく料理に使う作物、皆さんに人気の高い作物を特に力を入れて作付けいたします。皆さんのご要望を常に、確認してまいります。

「小林農場は生計が成り立つ農業を目指します。」私のような新規就農者でも農業で生活してゆけることを自ら証明してゆき、日本の農業を元気づけてゆきます。

・現在の小林農場の年収は200万円ほどで、この収入でなんとか経費や自分の生活費をまかなっています。より確実に生計を成り立たせてゆくために、来年の暮れまでに、300万円の年収を得られるよう、新たに販路を開拓してゆきます。

・農薬、除草剤、化学肥料は購入せず、暖房費のかかるハウス栽培は行わず、人工的な栽培を控えて自然界の力にゆだねる栽培法を実施することにより、出費を抑えます。お金をあまり持っていない人でも取り組めるような栽培方法を実践し、提案。

・「自給自足」「少量多品目」「消費者と生産者が顔の見える関係」を実現できる販売方法を優先。そのため、「野菜セットの販売」を、農場経営の柱とし、最も力をいれます。

「小林農場はみなさんに顔の見える農場を目指します。」農場通信やインターネット上の農場ブログなどで、農場の様子や考え方を随時、お伝えしてゆきます。

・以上の公約がちゃんと達成されているのかどうか、公開してまいります。

晴耕雨歌:歌のほうのページ

昼は精一杯、畑で汗を流し、夜になれば歌を楽しんで暮らす。

「晴耕雨歌」。これが小林農場が理想としている暮らしです。

実際は昼の畑仕事で力を使い果たして夜はぐっすりと眠ることしかできませんが、どんなに仕事が忙しくても歌を楽しむことを忘れずにいたいと思って、このページを作りました。

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アメリカ出身のアカペラグループ「Pentatonix(ペンタトニックス)」による「White Winter Hymnal」。まずはこの至高のハーモニーをお聞きください。今すぐ下のリンクをクリック!

White Winter Hymnal(Pentatonix)

ペンタトニックスは世界的に人気の高い5人組のグループです。私もファンですアカペラの最高峰を築いてきたグループだと思っています。

ペンタトニックスによるすばらしいアカペラが、たくさんインターネット上の動画で公開されています。最も新しく公開された曲は「Perfumeメドレー」です。なんとペンタトニックスが日本の楽曲を日本語でカヴァーしていて、これもまたまた見事なアレンジでした。

Perfumeメドレー(Pentatonix)

下記は小林が作成した「White Winter Hymnal」のカヴァーです。拙いカヴァーですが、よかったらクリックしてお聞きください。

White Winter Hymnal(小林)

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続いてアカペラコーラスグループによる童謡「ずいずいずっころばし」のすばらしいアカペラ演奏です。初めて「ずいずいずっころばし」を聴いて、感動しました。

「ずいずいずっころばし」

日本の心を次の世代に伝えてゆくこと。それは、日本の童謡を歌いこなせるようになること。誰かが子供たちにしっかりと童謡を歌い伝えてゆかなくてはいけません。

以下は小林の「ずいずいずっころばし」です。よろしかったらおききください。

「ずいずいずっころばし」(小林)

2016年9月 3日 (土)

平成28年9月2日の野菜セット(マイクロトマトについて)

今回の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、玉ねぎ、ナス、キュウリ、ピーマン、オクラ、ゴーヤ、米ナス、赤ピーマン、トマト、ミニトマト、モロヘイヤ、クウシンサイ、青シソ、ニンニク

夏から秋に移り、キュウリなどの夏野菜が収穫しにくくなっています。来週から野菜セットの内容も徐々に、夏から秋の野菜へと切り替えてゆきたいと思っています。

現在、野菜セットの中にお届けしている小さなトマトのほとんどは、「マイクロトマト」です。便宜上、「ミニトマト」と呼んでお届けしていますが、ミニトマトとはまた違う作物のようで、明らかにミニトマトよりもさらに小さいです。今年初めて、試しに栽培してみました。

Dscf2580中央は大玉トマト、左はミニトマト、そして右がマイクロトマト。

Dscf28309月2日撮影。現在のマイクロトマトの樹の様子。大玉トマトの樹もミニトマトの樹も次第に枯れてゆく中、マイクロトマトの樹だけは、青々とした葉をうっそうと茂らせて、藪になっています。

わき芽をせん定しても次から次に新たに芽を伸ばすので、途中でせん定をするのをやめました。後で、マイクロトマトはせん定をしなくても実をたくさんならしてくれることを知りました。この作物は、人間によって栽培される前のトマトの先祖に近いようで、あまり人間が世話をやかないほうがよいようです。

収穫時期が長いという話を聞いてマイクロトマトを栽培してみたのですが、大玉トマトもミニトマトも収穫できなくなってきた今の時期になっても、マイクロトマトだけは期待通り、毎朝、実を赤く実らせてくれています。

ただ、ミニトマトの半分くらいの大きさしかないので、実を採っても採っても、なかなか収穫カゴがいっぱいになりません。ミニトマトを収穫している感覚よりも、ブルーベリーを収穫している感覚に近いかもしれません。

味はミニトマトよりも酸味があって、また少し違います。小さいので、食べる時もブルーベリーを食べる感覚に近いかも。

配送中にマイクロトマトがつぶれてしまうことがあるようなので、気をつけたいと思います。ブルーベリーも大事にプラスチックの箱に入れられて運ばれたりしますが、マイクロトマトも野菜セットに詰める時には、もう少し補強したいと思います。

2016年9月 2日 (金)

平成28年8月29日の野菜セット

今回の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、玉ねぎ、ナス、キュウリ、ピーマン、オクラ、ゴーヤ、赤ピーマン、米ナス、トマト、ミニトマト、モロヘイヤ、クウシンサイ、青シソ

秋の気配を感じる今日この頃。お盆がすぎた頃より、ナスなどの夏野菜の樹は勢いが衰えてゆき、収量を減らしてゆきます。これからは、いかにして、その収量の減り方を緩やかにするかに力が注がれます。

ナスの樹は実をつけたままでいると疲れやすくなるので、現在は大きくなる前にできるだけ早く実を収穫するようにしています。

今の野菜セットに入っているナスは少し小さいかもしれませんが、小さくても味は相変わらずおいしいです。

今まで実をたくさんならしてきたキュウリの樹は、台風が関東地方に上陸した時を境に、ほとんど収穫できなくなってきました。少しの間、野菜セットにキュウリを入れるのが難しいかもしれません。

しかし、次の手は打ってあります。7月下旬に新たに畑に植えたキュウリの苗が、間もなく実をならし始めるでしょう。

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