端境期を転じて 平成28年5月13日
端境期を転じて 平成28年5月13日 日中は汗ばむほどの陽気です。みなさん、いかがおすごしでしょうか。 5月に入ってすぐ、玉ねぎの収穫が始まりました。今回は玉レタスやスナップエンドウなども新たに野菜セットに加わりました。 先週まで葉物野菜が待てども待てどもなかなか大きく育たず、出荷できる大きさの葉物野菜をかき集めて出荷するのに大変苦労しました。この春は葉物野菜をほとんど収穫できそうもないと頭を抱えていたら、この1週間で後から種まきされた葉物野菜がグンと伸びて、今回の出荷ではずいぶん葉物野菜の出荷に余裕がありました。気温も高くなって野菜の生育も活発となり、1週間経てばコロコロと畑の状況が変わります。 4月の間中ずっと、この農場通信で「今の時期は野菜の端境期(はざかいき)で、出荷できる野菜の種類が少ない」と、みなさんにしつこいと思われるくらいに繰り返しお伝えしていたような気がします。今でも十分とは言えませんが、谷間から這い上がることができたとは思います。まだ5月の間はどうしても野菜の種類が葉物系に偏ってしまいますが、6月に入ればジャガイモなどの根菜系やキュウリなどの夏野菜も加わるでしょう。 4月の間、1回だけ知り合いの方の竹林でタケノコを掘らしていただき、野菜セットにタケノコを加えたことがありました。さらに竹林の近くで栽培されているコゴミも摘ませていただきました。5年前の福島第一原発事故の放射能汚染の影響で、現在の栃木県内ではタケノコや山菜などの「山の幸」を出荷するときは注意が必要ですが、食の安全性に強い関心を持っていらっしゃる竹林の持ち主さんは、すでにご自身の土地で採れる山の幸を検査機関で検査して、安全性を確かめてくれていました。 すぐ近くの農家の方が、たくさんのフキの葉を持ち運んでいるのを目にしました。ウドの樹も目に入りました。こうやって見渡してみると、タケノコ、コゴミ、フキの葉、ウド、アスパラガスなど、ちょうど野菜の端境期に採れる食材がたくさんあることに気付かされます。これらの栽培方法を学んで育てられれば、4月でも内容豊富な野菜セット作れると思いました。 3月のうちに収穫した人参を我が家の家庭用冷蔵庫に入れたので、気温が高くなる4月にも冷蔵保存しながら人参を野菜セットに加えることができました。人参は鮮度が少し落ちても十分においしく食べられることが分かりました。 通常は乾麺や小麦粉などの小林農場の加工品は、ご希望される方にのみ販売しています。4月は出荷できる野菜が少なかったので、代わりに加工品を積極的に野菜セットに加えました。今年初めて作った人参ジャムは特に気に入ってくださった方が多く、5月には人参ジャムのご注文を数件の方からいただくことができました。端境期は加工品をみなさにご試食していただくのに良い機会でした。 「災い転じて福となす」という言葉がありますが、端境期を転じて新たな福をもたらせるような図太い農家になりたいものです。
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