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2016年7月

2016年7月31日 (日)

平成28年7月29日の野菜セット

今回の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、玉ねぎ、人参、ナス、ピーマン、キュウリ、シシトウ、トマト、ミニトマト、サヤインゲン、モロヘイヤ、クウシンサイ、青シソ

夏人参、ズッキーニ、春サヤインゲン・・・などの収穫がそろそろ終了します。

それでもまだまだ収穫できる野菜の種類は多く、「どーれーにーしーよーおーかーなー」と鼻唄を交えながら野菜セットに入れる野菜を選んでいるような感じ。

お盆がすぎて夏野菜の勢いが衰え始めるまでは、余裕をもって野菜セットを出荷してゆけるでしょう。

今回の野菜セットに入れられなかった作物(他の野菜に席をゆずって)

Dscf2652ゴーヤ。

Dscf2653バジル。

Dscf2657ツルムラサキ。私の大好きな青物野菜ですが「ツルムラサキは苦手なので、野菜セットに入れないでください。」というご要望をいただくこともあり、最近はセットに入れなくなりました。

Dscf2647オクラ。本来はすでに収穫時期を迎えている作物ですが、今年は調子が悪く、出遅れています。少しずつ少しずつ、出荷していこうと思います。

Dscf2661株ネギ。去年の3月に種を播いて今年の4月に収穫時期を迎えた株ネギでしたが、出荷する前に花を咲かせて固くなってしまったものもあり、それをそのまま畑に残していました。

今年の6月頃には、株元より新たに若い葉が分けつして、7月には再び出荷できるくらい、柔らかでおいしそうな葉が伸びてきました。ネギは一年で寿命を終えるのではなく、数年間生きることができる多年草のような作物です。

2016年7月28日 (木)

未知を含んだ奥深き食事 平成28年5月27日

未知を含んだ奥深き食事 平成28年5月27日

向暑の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  作物を育てるために必要な肥料は主に、化学肥料と有機質肥料の2つに分類されます。近年の科学は、作物が生育してゆくのに必要な栄養素を発見してきましたが、作物に必須と思われる栄養素を鉱物などから抽出されて作られたのが化学肥料です。化学肥料に含まれているのは特定の栄養素のみで、例えば作物の生育を調べて窒素が不足していると診断されれば、窒素を抽出して作った化学肥料を与えると、作物の生育が良くなります。

有機質肥料は、米ぬか、家畜フン、わら、落ち葉などの動物・植物由来の有機物を発酵させて作られた肥料です。昔から日本の農家は、身近に手に入る有機物で肥料を作って使用してきました。畑に散布された有機質肥料を作物の根が吸収するには、まず最初にその有機物を土の中の微生物や小動物が分解して、根が吸える状態にする必要があります。

効率が重視されている現在の農業では、散布すればすぐに作物が吸収するので計算しやすい化学肥料の使用量が増加しています。有機質肥料はいつ分解されて作物に吸収されるのか計算しづらく、作るのにも手間がかかるので、その使用量は減少しています。

人の食べ物に例えるのであれば、有機質肥料はお米や野菜や肉などの食材で、化学肥料はサプリメントです。サプリメントは、人の体に不足している栄養素を効率的に補ってくれますが、だからといってお米や野菜を食べずにサプリメントだけで食事をすまそうとすれば、特定の栄養素ばかりを過剰に摂取することになり、人の体はおかしくなります。

サプリメントには科学によって解明されている栄養素しか含まれていません。お米や野菜などの中には、今でも科学者によって発見されていない未知の栄養素もいろいろと含まれていることでしょう。まだ人類が栄養学の知識を持っていなかった大昔の頃から人々に食べられてきた食材の中には、人が人工的に栄養素を抽出したりつけ加えたりしなくても、人の健康を維持する栄養が自然とバランス良く含まれていると考えられています。

  作物に栄養を供給して生育を助けてくれるのは、土の中に暮らす微生物や小動物です。有機質肥料は土の中の生き物たちのエサになります。土の中に多様な生き物を増やしてゆくことを、農家は「土作り」と呼んでいますが、作物にすぐに吸収されて土中の生き物たちのエサにはならない化学肥料には、「土作り」の効果はあまりありません。人の体も普段からちゃんとした食事をとらないとサプリメントに依存し続けなくてはいけなくなりますが、畑も有機質肥料を散布して土の中に豊かな生態系を築かないと、ずっと化学肥料に依存しなくてはいけなくなります。

有機質肥料の中でも微生物などの小さな生き物による複雑な食物連鎖が繰り広げられ、肥料は「生命の塊」となって畑に与えられます。科学では解明しきれない未知の力を有し、昔から土を作るために使われてきた有機質肥料が、小林農場の作物の主な食事となります。

2016年7月27日 (水)

今年度の秋作の予習

秋に種を播く秋作作物を、以下のように分類してみました。

科が同じ作物、肥料の必要量が似ている作物、作付け期間が似ている作物を同じ区分に含めてみました。畑によって含まれている肥料の量や物理的な特徴など、ずいぶん違うので、そのときの土の状態を見極めて、以下に区分けされた作物のグループを適所に配置してゆこうと思います。

  ・秋まき葉物野菜区(ほうれん草以外の葉物野菜。どんな土地でも育つ)

  ・秋まきほうれん草区(肥沃な土地で育てること)

  ・秋まき結球野菜区(キャベツ、白菜など。肥沃な土地で育てること)

  ・人参、大根、カブ区(土がホロホロとしていて物理性の良い土地で育てること)

  ・大豆、小豆区(あまり肥沃ではない土地で育てたい)

  ・緑肥区(ライムギなど。作付けされていない土地全てで育てたい)

  ・加工品区(麦、ナタネなど。やせた土地でも育つ)

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「秋まき結球野菜」と「秋まきほうれん草」を作付けする土地には、作付け前にしっかりと堆肥を施して、できるだけ土を肥やしておくこと。

Dscf2221収穫期を迎えた小麦。あまり肥沃な土地で小麦を育てると、収穫期になると小麦は倒れてしまい収穫しにくくなって収量が減ってしまいます。

小麦はやせた土地でも十分に生育できますし、むしろ、下手に肥料を与えない方が育てやすいと思います。小林農場の小麦は収穫時期を迎えても倒れることなく収穫しやすいのですが、それはやせた土地で小麦を栽培しているからだと思います。

堆肥を投入すれば畑は肥えてゆきますが、広い畑をすべて肥やそうとすれば、いくら堆肥があっても足りません。小麦や大豆のように、やせた土地でも育つことのできる作物もあるので、やせ地が畑に存在していてもかまいません。入手できる量が限られた堆肥を、肥やしたい畑のみに集中的に施し、その他の土地では小麦や大豆や根菜類などのあまり肥料を必要としない作物を育てればよいでしょう。

2016年7月26日 (火)

平成28年7月25日、26日の野菜セット

今回の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、玉ねぎ、人参、ナス、キュウリ、ピーマン、シシトウ、米ナス、ズッキーニ、トマト、ミニトマト、サヤインゲン、モロヘイヤ、青シソ

キュウリの寿命は比較的短いので、小林農場は、4月と6月と7月の3回に分けてキュウリの種を播いています。そうすると、梅雨の頃から10月に霜が降りるまでの長い期間、キュウリの収穫を連続して楽しめます。

Dscf2609_27月24日撮影。6月に種まきして育てたキュウリ。

Dscf2606親ツルの節には黄色い花が咲き、すでに実もなり始め、まもなく収穫時期を迎えようとしています。間もなく衰えていこうとしている4月播きのキュウリに代わって、これらの6月播きのキュウリがこれより活躍してくれるでしょう。

Dscf2613_2先週に種まきされて、発芽したばかりのキュウリの苗。秋に収穫時期を迎える予定。

キュウリの品種を選ぶ時の注意点

・キュウリは品種は、「節成型(節成り型)」と「枝成型(飛び節成り型)」に分類されます。この2つの違いについては、「トーホク種苗会社」のサイトにまとめられています。

キュウリを短期間にたくさん収穫するよりも、長期間に少しずつ収穫したい小林農場は、節成型よりも枝成型の品種を選ぶと良いと思います。

・キュウリの品種は、「支柱作り型」と「地這え型」に分類されます。「支柱作り型」は支柱に昇らせてキュウリを育てる品種。「地這え型」は地を這わせてキュウリを育てる品種。

いちいちかがみながら作業をしなくてはいけない「地這え型」よりも、立ちながら作業ができる「支柱作り型」のほうが断然、作業はしやすいです。しかし、秋になって台風がやってくると、強風によって支柱はなぎ倒されてしまう危険があるため、秋に収穫するキュウリは、「地這え型」の品種を選んでいます。

2016年7月24日 (日)

平成28年 大豆の生育

大豆の除草作業について。大豆の株元に生えている雑草がまだ小さいうちに土をかぶせてしまえば、雑草は生育することができなくなります。大豆の株元に土を寄せてくれる便利な機械があるので、そのような機械を使えば、広い大豆畑でも一人で雑草を抑えることができるでしょう。

Dscf25977月22日撮影。7月3日に種まきした大豆。種まき後20日ですっかり大豆が雑草に覆われてしまいました。これだけ雑草の背丈が伸びてしまったら、土をかぶせて抑えることはできません。しかたがないから、四つん這いになって、手で大豆の株元の雑草を取り除きました。

Dscf2594除草後。

除草作業は、「適期」に行うことが大事だと思います。作業を始めるのが遅れると、手間が何倍にも増大します。

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先日、農場の近所で大豆栽培の勉強会が行われました。そのまとめです。

種まき

  種まきの時期は6月下旬から7月上旬。毎年、自家採種されている在来の品種は、年々、同じ時期に種を播くと、樹ばかりが元気に育って実があまり成らなくなってしまう傾向があるようです(これを「樹ボケ」といいます)。よって、在来の品種を栽培する場合は、年々、種を播く時期を遅らせてやると、樹ボケを防ぐことができるようです(樹ボケは、種を播く時期が早すぎると発生する傾向があるよううです)。

除草

  種まき後、20日ほど経った頃が除草しやすいようです。発芽してそれなりの大きさに育っている大豆の株元に土を寄せて、雑草の上に土をかぶせます。それから10日後くらいにもう1度同じように土寄せすれば、雑草を抑えられます。

害虫

  大豆の主な害虫は、ハスモヨトウやカメムシなど。それらの天敵であるアマガエルやクモが大豆畑に棲んでいれば、虫害を抑えることができます。農薬を散布すると害虫だけでなく天敵にも被害が及ぶので、農薬を使用しないほうがよいでしょう。

大豆の土壌改良効果

  大豆は生育中に、空気中のチッソを捕まえて土に固定してくれます。よって、大豆を栽培した後は、その畑には、作物が生育してゆくのに必要なチッソが含まれ、後作の作物の生育を助けます。

  ただ、作物が生育してゆくにはチッソ以外の他の栄養素も必要です。麦のようなあまり肥料を必要としない作物は大豆の後作にとても良く育ちますが、キャベツのような肥料をたくさん必要な作物を育てる場合は、大豆が固定してくれたチッソのみで生育できるかどうかはわかりません。

  大豆がチッソ固定能力を発揮させるためには、種を狭い所にたくさん播いて密植させてぎゅうぎゅうに生育させるよりも、間隔を空けて種を播き1株1株をがっしりと健全に育てると良いようです。

  収穫された大豆も栄養をたくさん含んでいるので、良い肥料の材料になります。商品にならないようなクズ大豆があれば、それらを捨ててしまわず、肥料作りに利用すると良いようです。

勉強会で紹介された品種

  サトノホホエミ、サトウイラズ、シオヤ在来、アオヤマ在来,エンレイ など

Dscf25557月16日撮影。7月3日に播種して発芽した大豆。今年、近所の農家の方よりゆずっていただいた種を播きました。品種は「八郷在来」。

大豆は収穫後、長期保存ができます。大豆をちゃんと収穫できれば、収穫できる生野菜の種類が少なくなる季節に、代わりに貯蔵しておいた大豆を野菜セットに加えてセットの種類数を確保することができるようになります。大豆の料理方法もそんなに難しくないので、貴重な商品となるでしょう。

ただ、商品として大豆を出荷する直前には、豆を一粒一粒点検して、クズ豆があれば取り除くという、おそろしく手間な作業が必要です。この作業をさっさとすます方法があれば、教えていただきたいです。

 

2016年7月23日 (土)

平成28年7月22日の野菜セット

今回の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、玉ねぎ、人参、ナス、キュウリ、ピーマン、シシトウ、ズッキーニ、トマト、ミニトマト、サヤインゲン、モロヘイヤ、青シソ

トマトの収穫が始まっています。

Dscf2524トマトの実は、最初は青く、やがて熟して赤くなって甘くなって、食べられるようになります。

まだ実が真っ赤に熟す前に収穫しても、その実をしばらくどこかに置いておけば、やがて実は赤く染まって熟します(これを「追熟する」といいます)。でも、最もおいしいトマトは、真っ赤に熟してから収穫するトマトです。真っ赤に熟すのを待ってから収穫するのが基本です。

ただ、真っ赤に熟すまで収穫せずにいると、実が割れてしまったり、虫に食べられてしまったりして、収量が落ちる場合もあります。小林農場では、真っ赤に染まる一歩手前で実を収穫することが多いです。

Dscf2571収穫した直後の大玉トマト。

お届けしたトマトをそのまま食べずに常温に数日間置いておけば、追熟して、もっと赤くて甘いトマトが食べられるようになるでしょう。私は個人的には酸味が残っているトマトが好きなので、真っ赤に染まる前にトマトを食べています。

Dscf2579収穫直後のミニトマト。

ミニトマトは大玉トマトと比べて、追熟しにくいようです。収穫する適期を少し慎重に選ぶ必要があります。収穫したミニトマト味見してみて、どれくらい赤く染まっていればおいしく食べられるのか、確かめています。

本当は真っ赤に染まってから収穫すれば最も甘いミニトマトを食べられるのですが、前述しているとおり、熟すと実が割れやすくなってしまいます。雨除けして土を乾燥させながら栽培すると実が割れにくくなるので、トマト栽培では雨除けする場合が多いです。

2016年7月21日 (木)

苗にこしらえたお弁当  平成28年5月20日

苗にこしらえたお弁当  平成28年5月20日

風薫るさわやかな季節となりました。みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  作物の苗を育てる床土は、農場を取り囲む山林からかき集めた落ち葉に米ぬかや家畜糞などを加えて発酵させて1年間ほど熟成して作っています。私が小林農場を始めた初年度は熟成された床土を用意していませんでしたので、山林から土をそのまま農場に持ち帰って苗作り用のポットに詰めて床土とし、そこに作物の種を播いて苗を育ててみました。

  ところが発芽した野菜の苗はいつまで経っても大きくならず、やがて立ち枯れしてしまいました。人がちゃんと有機物を発酵させて熟成させてあげなければ、良い床土を作れないのだということを学びました。人が足を踏み入れないような荒地でも旺盛に自生している野草と違って、野菜は人が管理している土でないとまともに生育できません。人のいない山奥に野菜の種が播かれても発芽はしませんし、発芽してもまともに育たないでしょう。

  現在、ナスやピーマンなどのいろんな夏野菜の苗が植え付けられて、畑がにぎやかになってきました。苗を植え付ける前に、まず苗を植える箇所に少し深めに溝を掘り、そこに肥料を投入して土を埋め戻し、その上に苗を植え付けてゆきました。

  このように作物の下に投入される肥料は「弁当肥」とも呼ばれています。苗の根が伸びて弁当肥が投入された部分にまで伸びると、作物は肥料を吸い上げることができるようになります。夏野菜は5月に植え付けられてから10月までの長い期間、畑で生育しますが、その間に作物がお腹をすかせて弱ってしまわぬように、前もって弁当肥を施しておきます。

  去年は、夏野菜は秋に入る前から急速に息切れしてしまい、実をあまりならしてくれなくなりました。去年使用した弁当肥は米ぬかを主体に発酵させたものでしたが、米ぬかは分解するのが早いので、あまり肥効が長続きしないのかもしれません。昼休みに箱のフタ開けてみたらカビていて食べられなくなっている、もちの悪い弁当に似ているかもしれません。

先日、隣の町の養鶏場までうかがい肥料を分けていただきました。肥料の材料は主にワラやモミガラなど分解が遅い有機物で、そこに鶏ふんが加わって発酵されています。無農薬栽培で育てた穀物の副産物や安全性の高いエサを食べている鶏の鶏ふんなどを主体にして作られた安全性の高い肥料なので、今までも度々、こちらの養鶏場から肥料を分けていただいていますが、この肥料を今年は夏野菜の弁当肥として使用することにしました。「もちの良い弁当」として期待できるのではないでしか。

 夏野菜の生育は肥料の種類やその施し方にも影響され、人の管理が生育の良し悪しを決めます。まだまだ夏野菜の栽培方法は試行錯誤中。夏野菜の苗の植え付けの時期になるといつも、本棚から専門書を取り出して、土や肥料についてイチから学び直したくなります

2016年7月20日 (水)

平成28年7月18日、19日の野菜セット

今回の野菜セットの内容は、以下のとおりです。

ジャガイモ、玉ねぎ、人参、ナス、キュウリ、ピーマン、シシトウ、米ナス、大玉トマトまたはミニトマト、サヤインゲン、モロヘイヤ、青シソ、ミョウガ

モロヘイヤ、クウシンサイ、青シソ、ハーブ類。夏の暑さに強い希少な葉物野菜です。

葉物野菜をできるだけ良い状態で出荷するためには、乾燥させすぎても湿らせすぎてもいけません。

気温が上がる時間帯になると葉はしおれてしまうので、今までは早朝の日が昇らないうちに、これらの葉物野菜を収穫してきました。しかし、その時間帯では葉は朝露でびっしょりと濡れてしまっています。あまりに濡れた状態で袋詰めすると葉が傷みやすくなってしまうかもしれません。そこで収穫する時間帯を変えて、日が十分に照り始めて葉の上の朝露が蒸発して乾いた後、素早く収穫するようにしてみました。

収穫したらすぐに、葉物野菜を冷蔵庫に入れて、箱詰めされるまで冷やすようにしてみました。野菜を収穫した後にしっかりと冷やすことを「予冷」と言いますが、予冷しておくと収穫物の状態を良好に保てるようです。

宅急便で野菜セットをお届けする場合、夏はクール便を利用すればより良い状態で野菜セットをお届けできますが、送料が高くなってしまいます。皆さんに負担していただいている野菜セットの送料をできるだけ安く抑えられるように、クール便を使わなくても無事にお届けできる方法を考察しています。

ジャガイモなどの根菜類やナスなどの果菜類は、冷蔵しなくても無事にお届けできますが、葉物野菜を夏の暑い時期でも宅急便で良い状態のままお届けするには、少し工夫が必要だと思っています。

Dscf2561朝露が消えて乾いてから収穫された青シソ。

2016年7月16日 (土)

平成28年7月15日の野菜セット

今回の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、人参、玉ねぎ、小ネギ、ナス、キュウリ、ピーマン、シシトウ、米ナス、大玉トマトまたはミニトマト、ズッキーニ、サヤインゲン、モロヘイヤ、クウシンサイ、青シソ

Dscf25427月15日撮影。大玉トマトを初収穫。まだ出荷できる量は少ないですが、これからトマトの収穫全盛期を迎え、もっとたくさんのトマトを野菜セットの中に入れられると思います。

Dscf2504_2


人参はなかなか肥大せず、小柄な人参を野菜セットに入れています。おそらく、今後も人参は肥大することがなさそうな感じなので、今年の夏の人参は不作となりそうです。野菜セットに入れる人参の量も少なくしています。

おそらく、私が人参を間引く作業が遅れたために、人参が素直に肥大しなくなってしまったのだと思います。今後は適期に間引くように心がけたいと思います。

人参は小さくても味はおいしく、私は畑仕事中にお腹がすくと、小さな人参を畑から引き抜いて土をふき取り、そのままポリポリとおやつ替わりに食べています。大きい人参よりも、むしろ小さい人参のほうが扱いやすいかもしれません。

人参の外皮もそのままおいしく食べられます。外皮に付着している農薬を気にして料理する前に外皮を切り除く方もいるようですが、小林農場の無農薬栽培の人参では、そのような手間をかける必要はありません。

人参の出荷できる時期について

小林農場では、2月の厳寒期にビニール資材を利用して土を防寒しながら人参の種まきをして、それが収穫されるのが6月に入ってすぐです。続いて気温が暖かくなってきた3月から4月に露地に種まきした人参が、6月下旬より収穫され、酷暑の8月に入るまで収穫されます。

7月に種まきされた人参は、10月上旬より収穫が始まります。6月下旬に種まきすれば、もっと早く収穫を開始することができるでしょう。

7月下旬から8月上旬に種まきすると、12月までにちょうど良い大きさに肥大した良質の人参を、低温で長期保存ができる冬の間中ずっと、翌年の3月の終わりまで出荷できます。

まとめると、人参が収穫できる時期は、6月上旬から7月の終わりまでと、10月上旬から翌年の3月までの、全部で年間8か月間。

8,9,4,5月の4か月間は人参の収穫ができなくなりますが、もし農場に冷蔵庫があれば、人参の収穫期にあらかじめ人参を冷蔵庫にしまって冷蔵保存すれば、この4か月間にも人参の出荷が可能となります。人参は、収穫されてから日が経っても、冷蔵保存していれば、あまり味が落ちません。

多くの消費者にとって、人参は1年を通して欲しい食材です。一年間を通してたくさの人参が出荷できるようになれば、食品店など業者の方々との信頼関係が作りやすくなり、1年を通して人参のご注文をいただけるようになるかもしれません。人参のような貯蔵の効く作物をうまく利用すると、専業農家が生計を成り立たせてゆきやすくなるかもしれません。

2016年7月14日 (木)

端境期を転じて   平成28年5月13日

 

端境期を転じて   平成28年5月13日

 

日中は汗ばむほどの陽気です。みなさん、いかがおすごしでしょうか。

 

  5月に入ってすぐ、玉ねぎの収穫が始まりました。今回は玉レタスやスナップエンドウなども新たに野菜セットに加わりました。

 

  先週まで葉物野菜が待てども待てどもなかなか大きく育たず、出荷できる大きさの葉物野菜をかき集めて出荷するのに大変苦労しました。この春は葉物野菜をほとんど収穫できそうもないと頭を抱えていたら、この1週間で後から種まきされた葉物野菜がグンと伸びて、今回の出荷ではずいぶん葉物野菜の出荷に余裕がありました。気温も高くなって野菜の生育も活発となり、1週間経てばコロコロと畑の状況が変わります。

 

  4月の間中ずっと、この農場通信で「今の時期は野菜の端境期(はざかいき)で、出荷できる野菜の種類が少ない」と、みなさんにしつこいと思われるくらいに繰り返しお伝えしていたような気がします。今でも十分とは言えませんが、谷間から這い上がることができたとは思います。まだ5月の間はどうしても野菜の種類が葉物系に偏ってしまいますが、6月に入ればジャガイモなどの根菜系やキュウリなどの夏野菜も加わるでしょう。

 

  4月の間、1回だけ知り合いの方の竹林でタケノコを掘らしていただき、野菜セットにタケノコを加えたことがありました。さらに竹林の近くで栽培されているコゴミも摘ませていただきました。5年前の福島第一原発事故の放射能汚染の影響で、現在の栃木県内ではタケノコや山菜などの「山の幸」を出荷するときは注意が必要ですが、食の安全性に強い関心を持っていらっしゃる竹林の持ち主さんは、すでにご自身の土地で採れる山の幸を検査機関で検査して、安全性を確かめてくれていました。

 

  すぐ近くの農家の方が、たくさんのフキの葉を持ち運んでいるのを目にしました。ウドの樹も目に入りました。こうやって見渡してみると、タケノコ、コゴミ、フキの葉、ウド、アスパラガスなど、ちょうど野菜の端境期に採れる食材がたくさんあることに気付かされます。これらの栽培方法を学んで育てられれば、4月でも内容豊富な野菜セット作れると思いました。

 

  3月のうちに収穫した人参を我が家の家庭用冷蔵庫に入れたので、気温が高くなる4月にも冷蔵保存しながら人参を野菜セットに加えることができました。人参は鮮度が少し落ちても十分においしく食べられることが分かりました。

 

  通常は乾麺や小麦粉などの小林農場の加工品は、ご希望される方にのみ販売しています。4月は出荷できる野菜が少なかったので、代わりに加工品を積極的に野菜セットに加えました。今年初めて作った人参ジャムは特に気に入ってくださった方が多く、5月には人参ジャムのご注文を数件の方からいただくことができました。端境期は加工品をみなさにご試食していただくのに良い機会でした。

 

  「災い転じて福となす」という言葉がありますが、端境期を転じて新たな福をもたらせるような図太い農家になりたいものです。

 

2016年7月12日 (火)

7月11日、12日の野菜セット

今回の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、人参、玉ねぎ、小ネギ、ナス、キュウリ、ピーマン、ズッキーニ、シシトウ、サヤインゲン、ミニトマト、モロヘイヤ、クウシンサイ、青シソ

Dscf2500ミニトマトの出荷を開始。1軒につきまだこれっぽちの量しか出荷できませんが、これから収穫最盛期を迎えて出荷量が増えてゆくと思います。

Dscf25077月12日撮影。ミニトマトの現在の様子。樹はどんどん上へ伸びてゆき、その間、葉、葉、葉、花、葉、葉、葉、花・・・と下から順番に葉が3枚出た後に実をならす花芽が1枚出て、その後も葉が3枚出て花芽が1枚出て、これを繰り返します。

Dscf2524株元には1番最初に出た花芽。すでに実は赤くなって収穫を開始。

Dscf2527

その上には2段目の花芽。実はまだ未熟で、みんな青い。

Dscf25293段目の花芽。西洋では、ミニトマトの実が実っている様子を「キツネのシッポ」と呼ぶようです。

Dscf25304段目の花芽。

Dscf25365段目の花芽。黄色い花がまだ残っています。やがて花は落ちて実が丸く肥大します。

Dscf25316段目。花が開花していて、まだ実の姿は見られません。

Dscf2532

一番上の方には、まだつぼみをつけたばかりの7段目の花芽。一般的には、7段目の花芽が開花する頃に、1段目から実が赤く熟して収穫が始まると言われています。

2016年7月11日 (月)

平成27年植え付け ニンニクの栽培

Dscf24006月下旬撮影。貯蔵しているニンニク。例年と同じようにコンテナに入れて、直射日光の当たらない室内になるべく風通しを良くして置いておきました。が、いくつかのニンニクは貯蔵中に傷んでしまいました。

今年は、ニンニクが収穫適期を迎えるよりも早く、畑より収穫をすませました。収穫が早すぎると、ニンニクは貯蔵中に傷みやすくなる傾向があるようです。

ちなみに、収穫が遅すぎると、中からすぐ芽が出やすくなり、形がボコボコとして品質が落ちるようです。去年はニンニクの収穫が遅れたので、確かに変な形のニンニクが多かったです。

けっこう、ニンニクは収穫期に神経を使う作物です。ニンニクの植え付けを秋分の前に行えば、次の年の梅雨入りの前にちょうどよく収穫適期を迎えられると思います。

Dscf2480コンテナに入れたままにしていると傷みが進行してしまうかもしれませんので、もう一度日に干してよく乾かした後、直射日光の当たらない軒下に吊るして貯蔵することにしました。

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Dscf2258収穫直前のニンニクの様子。梅雨入りする前の、まだ土がよく乾いていた頃に収穫。

Dscf2250収穫されたニンニク。収穫適期のニンニクは、球のお尻が平らになりますが、今年収穫されたニンニクはお尻が丸いものが多く、少し収穫するのが早すぎた感じがしました。もう少し収穫を待てば、球はもっと太ってくれたかもしれません。

梅雨に入っても収穫しないでいると、畑で球は湿気て傷んでしまいます。梅雨に入る前にニンニクが収穫適期を迎えてくれることが理想です。今回のニンニクは去年の9月27日に植え付けて育てましたが、少し植え付ける時期が遅かったと思います。次は秋分の頃に植え付けようと思います。

ニンニクは収穫されてから長期間、保存できます。夏から秋に移り変わる9月に、一時的に収穫できる野菜の種類が少なくなるので、その頃に代わりにニンニクを野菜セットに入れてゆきたいと思います。

2016年7月10日 (日)

平成27年播種 サヤエンドウ、ソラマメ

Dscf24087月9日撮影。採種用に収穫したソラマメ。食用に収穫する場合はまだサヤが若くて青々とした緑色の頃に収穫します。それをそのまま収穫しないでいると、サヤは畑で熟して黒くなってカラカラと乾いてゆき、サヤの中で種が結実します。

Dscf2494サヤから取り出された種。今年は豆が大きくなる品種「お多福(ウタネ育成)」から採種。
今年の春のソラマメ栽培では、アブラムシの食害により、ずいぶん多くのソラマメが病気にかかり、枯れてしまいました。アブラムシの破壊力をみくびっていました。次回の栽培では、アブラムシの発生が確認されたら、早急に取り除こうと思います。

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Dscf21055月23日撮影。収穫時期を迎えたソラマメ。去年の春、農場の畑で育てたソラマメより採種して、その種を去年の秋に播いて育てた。元の品種は「早生そら豆(トーホク育成)」だったと思うけれども、それが小林農場によって育成された品種として生まれ変わった。新たな品種名を「天空白羅(てんくうしらら)」と命名した。

よくソラマメの種まきでは発芽に失敗してしまうことが多かったが、この品種は発芽率が良くて育てやすかった。豆の大きさは少し小さく、大きな豆を望む方々には物足りないかも。今後、大きな豆を実らせている株から採種してその種を次年度に播けば、大きな豆をつけてくれる株を増やしてゆくことができると思う。

Dscf21115月23日撮影。キヌサヤエンドウ。ソラマメと同様、去年育てたキヌサヤエンドウより採種した種より栽培した。元の品種は「早生赤花絹えんどう(トーホク育成)」だったと思うけれど、小林農場が育成した品種に生まれ変わり、新たな品種名を「風谷梨花(かざたになしか)」と命名。

上の写真は、収穫しないで採種のためにそのまま残しているサヤ。中身の種がすでに膨らんできている。6月中にサヤの中で種が実り、採種される。

今年はさらに、サヤインゲンも採種して、その品種を育成してゆこうと思う。他の作物と比べて、豆類の自家採種は簡単だと思う。私のように自家採種に慣れていない人が自家採種を始めたいと思ったとき、豆類の自家採種から始めるとよいと思う。

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4月22日撮影

Dscf0680サヤインゲンのまわりを除草して、ツルがネットにからみついて登っていけるように誘因した。

2月の終わる頃までの厳寒期は防寒用の布をかぶせて防寒。とても順調に生育していて、複数のツルが分枝していた。

3月に入る頃になって防寒用の布を取り去って除草をした後、枯れてしまうツルが目立った。手鎌で除草をしている時に、サヤインゲンの根も傷めてしまったのかもしれない。その後、生育は停滞した。

Dscf0681花ははっきりと開花している。キヌサヤエンドウは開花してから15日後、スナップエンドウは20日後に実をならして収穫できる。

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3月上旬に撮影

Dscf0417


ソラマメ。緑の葉を茂らせて、とても順調に育っていた。冬の間は防寒用の布をかぶせて防寒し、3月に入ってすぐの頃に布を外した。ソラマメは背丈が10cmくらいの頃が最も耐寒性のある状態だと言われている。

新芽の部分に、アブラムシがびっしりと群がったいた。アブラムシはソラマメの代表的な害虫で、ソラマメの収量を減らすてしまうことはあるが、ソラマメを枯らしてしまうほどの力はないと思う。取り除くのは大変なので、放っておくことにした。そのうち、ソラマメの天敵のテントウムシがアブラムシを食べてくれると思う。

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11月撮影

(画面をクリックすると画面が拡大されて見やすくなります。)

Dscf1480_2今年の春に栽培したキヌサヤエンドウから採種した種。写真の左は晩生の白花キヌサヤ。写真の右は早生の赤花キヌサヤ。同じキヌサヤエンドウでも、品種が違うと、種の色も形もこんなに違う。

11/7に種まき。去年までは購入してきた種を播いていたので、自分で採種した種でサヤエンドウを栽培するのは今年が初めて。ちゃんと発芽してくれるだろうか?

Dscf1475だいたい種まきしてから10日後くらいに、キヌサヤエンドウの発芽がそろった。スナップエンドウも自分で採種した種を播いたが、2週間以上経ってようやく発芽がそろい始めてきた。まずは一安心。

Dscf1343購入してきたスナップエンドウの種も種まきした。自家採種したスナップエンドウとの生育の様子を比較したいと思う。販売されているスナップエンドウの種はたいてい種子消毒されていて、それを示すために種は濃い色で着色されている。消毒されていない種を利用したい場合は、自家採種するとよい。

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Dscf145411/8にソラマメを播種。写真の中央に見える茶色の物体がソラマメの種。発芽を良くするためには、種の上に土をかけすぎず、少し種の頭が表面に見えるくらいが良いようだ。

Dscf1473播種後10日間ほどで、発芽が始まった。

2016年7月 9日 (土)

参議院選挙前夜 選挙の投票率はどれだけ上がるのか?

明日、7月10日の日曜日は参議院選挙の投票日です。

5年前の福島第一原発事故では、福島や東北・関東地方の農家は酷い目にあいました。日本の将来を考えれば原発をなくしたほうがよいと思いますので、私は「脱原発」を明言している候補者に1票を投じたいと思います。

個人が一生懸命にインターネット上で脱原発を訴えたり、集団で「原発反対」のデモを行っているだけでは、脱原発は実現されないでしょう。選挙で脱原発を訴えている候補者に1票を投じて脱原発を実行してくれる国会議員の数を少しでも増やしていく以外に、脱原発を実現してゆくための有効な手段はありません。脱原発を切望する一般庶民にとっては、選挙権は唯一の有効な武器であり、この武器を使わない手はないでしょう。

原発を必要としているのは原発利権の恩恵を受けている政治家たちだけで、一般庶民には原発は必要ありません。現在は九州地方以外は原発が再稼働されていなく、それでも国民は不自由なく暮らしています。

原発事故は自国を滅ぼし、他国にまで被害を及ぼすものすごい破壊力があります。選挙では経済対策や社会保障に注目が集まりますが、どんなに経済が好調ですばらしい社会保障が構築されたとしても、原発事故が起きればそんなものは全部吹き飛ばされて無になるでしょう。選挙戦では安全保障も注目されていますが、もし政治家が国民の安全を真剣に考えるのであれば、まずは国民の命を危険にさらしている原発を取り除くことを一番最初にやらなければおかしいです。

日本の将来を真剣に考えて原発が必要だと思って原発を推進している政党に1票を投じるのであれば、それはそれでよいと思います。なぜ原発が必要だと思うのか、その方の意見をじっくりお聞きできればと思います。まったく政治に関心のなく選挙にも参加しない人とは何をお話しすればよいのかわかりませんが、日本の将来を真剣に考えている者同士なら、たとえ原発に対する意見が違っても、心を通わせ合える部分はあると思います。

どれだけの日本人が原発や政治のことを真剣に考えて、選挙にちゃんと参加するのか。今回の選挙では、もちろんどの候補者が選ばれるのかはとても気になりますが、それ以上に私は、選挙の投票率に注目したいと思います。

平成28年7月8日、9日の野菜セット

今回の野菜セットの内容は、以下のとおりです。

ジャガイモ、玉ねぎ、人参、小ネギ、ナス、キュウリ、ピーマン、ズッキーニ、シシトウ、サヤインゲン、モロヘイヤ、クウシンサイ、バジル、青シソ

Dscf2469先週、たくさんのバジルのご注文をいただき、バジルの葉をたくさん摘んで集めて、出荷しました。上の写真は収穫された後のバジルの株。ほとんど全部の葉を摘んでしまったので、枯れてしまわないか少し心配したけれども・・・

Dscf24861週間後、左の写真のように、また新たに新芽を茂らせて、再び葉を摘んで収穫することができました。

バジル、モロヘイヤ、クウシンサイなど、夏に収穫できる葉物野菜の株は、次々にに新芽を生やします。それらを摘んで収穫された後もすぐに、さらに新芽を次々と派生させて、同じ株から何度も新芽を収穫できます。
害虫が葉を食べてしまうよりも早い勢いで次から次へと芽を生やすので、これらの葉物野菜の栽培では、農薬を使わなくても虫食われ穴がほとんど目立たないきれいな葉を収穫できます。

2016年7月 8日 (金)

畑の片隅での実験   平成28年5月6日

畑の片隅での実験   平成28年5月6日

初夏の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  今年の2月に種まきされたカブですが、順調に生育していれば今頃たくさん収穫されていたのですが、まだ芽が発芽したばかりの頃に害虫に食い尽くされてしまい、ほとんど収穫できなくなりました。カブや葉物野菜の栽培では、このようなことは少なくありません。

  順調に育って収穫されても、無農薬栽培では害虫が葉を食った痕が目立つことが多く、虫が苦手な消費者の方々にはどうしても敬遠されてしまいます。虫害を少なくするために、策を練ってみました。

  害虫は肥料の香りに誘われて畑にやってきます。畑にまく肥料を少なくすれば、害虫の被害が減ります。畑の片隅にずっと管理されないまま荒地のようになっていた空間があったので、そこを耕して畑として使えるようにして、この数十年間全く肥料をまいたことのないこの畑で、肥料をいっさい与えずに葉物野菜を育ててみました。

狙い通りに、害虫の被害は少なかったです。農薬を使用していない割には虫食い穴が目立たないきれいな葉物野菜を収穫できていると思います。春よりも秋のほうが虫害が激しいので、秋にも無肥料での栽培を試してみたいです。

ただ、種まきされてから30日経っても40日経ってもなかなか大きくならず、これ以上待っても大きくなりそうもないので、小さなままで収穫することにしました。しばらく野菜セットに入る葉物野菜は小柄なものになるかと思います。この大きさでは収穫するのも手間ですし、収量は上がらないし、料理もしにくいだろうし、商品として売りにくいです。

  葉物野菜は順調に生育するためには肥料を必要とする場合もあり、種まきする前に畑に肥料を施すことが、葉物野菜の栽培の基本です。今回、葉物野菜がなかなか大きくならないのは肥料をまいていないのが原因だと推測しています。

いっぽう、葉物野菜のすぐ隣では二十日大根が順調に育ち、たくさん収穫されています。二十日大根などの根菜類は肥料の有無に関係なく生育してくれる感じがします。作物によっては肥料を好む作物もあれば、肥料をそんなに必要としない作物もあります。

肥料のやりすぎは虫害が悪化させるだけでなく、過剰な肥料は地下水を汚染するなど自然環境を損ねてゆきます。地域から入手して肥料の材料としている米ぬかの中には稲作中に散布された農薬も混ざっているだろうし、現在は米ぬかや家畜フンを材料とする有機質肥料の中にも、微量ではありますが、化学物質がどうしても混入してしまいます。稀ではありますが、それらの有機質肥料で育てた作物を食べると、体がとても敏感な方はそれらの化学物質に反応を起こしてしまう場合もあります。

作物が健全に育つためには肥料が必要な場合が多いので、小林農場では有機質肥料を畑に散布して土を作るやり方を基本としています。いっぽうで、肥料を少なくしてゆける栽培技術も研究してゆきたいとは思っています。新たに開墾された畑の片隅では、肥料をなくしても作物がまともに育つかどうか、実験が行われています。    

追記  この後、葉物野菜は順調に育ち、収量も上がりました。ただ、虫害も目立つようになり、肥料をまいて育てた作物と同じくらいにこの畑で育てた作物にも害虫が発生していました。

2016年7月 6日 (水)

ジャガイモ収穫適期 考

ジャガイモは6月より収穫適期を迎え、収穫されたイモは次の年の春まで貯蔵できます。

良い状態で長期間貯蔵するためには、収穫後にイモをしっかりと乾燥させることが大事です。しかし、収穫適期を迎える6月はちょうど梅雨の湿っている時期で、イモを乾かすのに手間がかかり難しいです。

以前に梅雨の頃に収穫したイモを乾かして貯蔵室にしまったら、数日後、多くのイモが貯蔵室の中で傷んでしまい、傷んだイモを取り除く作業で大変な思いをしたことがあります。十分に乾燥していると思って貯蔵室に入れたのだけれども、本当はちゃんと乾燥していませんでした。

7月に入って梅雨が明ければ、空気が乾燥して晴れの天候が続き、日に干していればイモが簡単に乾きます。梅雨の時期に収穫したイモは乾燥の作業に手間もかかり神経も使い、さらに貯蔵中に傷んでしまうイモもいくつか出てくるので、ときどき貯蔵しているイモを全部、点検しなくてはいけなくなる場合もあります。いっぽうで梅雨明け後に収穫すると、確実に収穫後のイモを乾燥できるので、乾燥の作業に手間をかける必要もなく、貯蔵中にいたんでしまうイモはほとんどないので点検する手間も省け、後の管理が楽です。

梅雨のうちにできるだけ早く土からイモを掘り出さなければ、畑の中で湿気て傷んでしまうイモも出てくるので、収量は減ります。だから、収穫適期を迎えたらすぐに、イモを全部収穫するのが基本です。でも、私は梅雨が明けてから本格的にイモを収穫することが多いです。それで目立って収量が減っているという感じはあまりしません。梅雨明け後でも、イモが良い状態のままで、うんざりするくらいにたくさん土の中に残っています。梅雨の時期に大急ぎで土から掘り出しても、乾燥に失敗すれば貯蔵中に多くのイモが傷み、収量は減ります。

梅雨のうちにできるだけ早く全てのイモを土から掘り出す場合は、たくさんのイモを広げて乾燥させるためにできるだけ広くて雨除けの屋根がついている空間が必要です。また、あまり長く日に当ててイモを広げたままにしていると、やがてイモの表面は緑化してしまい、品質が落ちます。ちゃんとイモを乾かすには十分に時間をかけなくてはいけませんが、時間をかけすぎると緑化してしまうので、適期に広げていたイモを短時間に一気に箱に詰めて、日の当たらない貯蔵室に運ばなくてはいけません。それをするには、人手がたくさん必要です。

イモを広げる空間や、イモの乾燥・貯蔵作業にかかわれる人手が確保できない場合は、一気に全部のジャガイモを収穫するよりも、数か月間かけて少しずつイモを収穫してゆくやり方のほうが良いと思います。

2016年7月 5日 (火)

平成28年7月4日、5日の野菜セット

今回の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、玉ねぎ、人参、大根、ナス、キュウリ、ピーマン、ズッキーニ、米ナス、シシトウ、サヤインゲン、モロヘイヤ、クウシンサイ、青シソ

5月上旬より玉ねぎが、6月上旬より人参が、そして6月下旬よりジャガイモが出荷されて、野菜セットに「カレー3点セット」が揃いました。

Dscf2398_2今回出荷したジャガイモの品種は「キタアカリ」。左の写真です。

Dscf2394


右の写真は「トヨシロ」という品種です。

同じジャガイモでも品種によって少しだけ表情が違うということが、こうやって見比べてみるとわかります。

キタアカリは芽が深くて表面が少しゴツゴツとしていて、よく見ると芽の色が桃色に染まっています。

トヨシロは芽が浅くて、なめらかで色白の美肌です。

食味の良さに定評のあるキタアカリは火に通すとホクホクとしますので、そのままジャガバターにしたりサラダにしたりするとおいしいです。火の通りが早いので、煮すぎに注意。カレーなど、煮込む料理には、トヨシロが活躍してくれます。

他にも「インカのめざめ」や「メークイン」などの品種も作りました。野菜セットに入るジャガイモの品種は季節によって変わってゆくので、それぞれ独特で違った品種の個性をお楽しみできます。

2016年7月 4日 (月)

平成28年 キュウリの生育

Dscf27808月15日撮影。キュウリの樹。品種は「霜月青長F2」。小林農場が採種して育成した品種です。

親ツルから次から次に子ツル、孫ツルを伸ばして、たくさん花を咲かせて実をならしています。放っておくと茂りすぎるので、実を収穫しながらツルも少しずつ切り落としてせん定しています。

Dscf2776同じキュウリでも、小林農場ではいろんな品種を栽培しています。写真の中の右のキュウリは「ステータス夏(ナント交配)」。左のキュウリは霜月青長F2。

このように見比べてみると、霜月青長は少し色白なのが特徴です。

ステータス夏のように、現在市販されているキュウリの品種の多くは、緑色が濃くなるように改良されているようです。そして、実を固くして、日持ちが良くなるように改良されているようです。

霜月青長は、食べると、その実が柔らかくて歯切れが良いです。色白のキュウリは、実が柔らかいものが多いようです。実の柔らかなキュウリを求めている消費者の方々にはおすすめです。
霜月青長は私が気に入った品種なのですが、他ではあまり栽培されなくなっているみたいで、今は種屋さんに寄ってもこの品種の種を入手できません。小林農場が自分で種を採っていかないと、この品種は絶滅するかもしれません。

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キュウリの寿命は比較的短いので、小林農場は、4月と6月と7月の3回に分けてキュウリの種を播いています。そうすると、梅雨の頃から10月に霜が降りるまでの長い期間、キュウリの収穫を連続して楽しめます。

Dscf2609_27月24日撮影。6月に種まきして育てたキュウリ。

Dscf2606親ツルの節には黄色い花が咲き、すでに実もなり始め、まもなく収穫時期を迎えようとしています。間もなく衰えていこうとしている4月播きのキュウリに代わって、これらの6月播きのキュウリがこれより活躍してくれるでしょう。

Dscf2613_2先週に種まきされて、発芽したばかりのキュウリの苗。秋に収穫時期を迎える予定。

キュウリの品種を選ぶ時の注意点

・キュウリは品種は、「節成型(節成り型)」と「枝成型(飛び節成り型)」に分類されます。この2つの違いについては、「トーホク種苗会社」のサイトにまとめられています。

キュウリを短期間にたくさん収穫するよりも、長期間に少しずつ収穫したい小林農場は、節成型よりも枝成型の品種を選ぶと良いと思います。

・キュウリの品種は、「支柱作り型」と「地這え型」に分類されます。「支柱作り型」は支柱に昇らせてキュウリを育てる品種。「地這え型」は地を這わせてキュウリを育てる品種。

いちいちかがみながら作業をしなくてはいけない「地這え型」よりも、立ちながら作業ができる「支柱作り型」のほうが断然、作業はしやすいです。しかし、秋になって台風がやってくると、強風によって支柱はなぎ倒されてしまう危険があるため、秋に収穫するキュウリは、「地這え型」の品種を選んでいます。

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キュウリの生育状態は、その実の形から診断できると言われています。

まっすぐ伸びている実が多い・・・生育は順調。

曲がっている実が多くなる・・・成り疲れ、水分不足、肥料切れ

お尻が太った形の実が多くなる・・・日照不足、夜温が高すぎる

お尻が細い形の実が多くなる・・・高温、乾燥、成り疲れ

実の形がまっすぐ伸びなくなったら、できるだけ実を早めに摘みとって樹の負担を軽くして樹勢を回復させてやると良いらしいです。

Dscf24717月3日撮影。今朝収穫したキュウリの実。曲がっているキュウリはほんの数本で、ほとんどがまっすぐ!

「曲がったキュウリも味そのものに大きな違いはない。しかし、曲がったキュウリは見てくれが悪く、箱詰めもしにくいことから、すっかり落ちこぼれ烙印を押されてしまった。そして、曲がったキュウリを作らないように、キュウリの先に重りを垂らしたり、筒状の型の中でキュウリを太らせたりという、笑えないようなことが行われたのである。

そもそもキュウリとて、生き物である。いくら環境を同じにしても、同じものができないところが、生き物のおもしろさであり、すばらしさである。ところが、みかけの良さや箱詰めのしやすさを追求するあまり、工業製品のように同じものを揃えることが求められるようになってしまった。

(中略)

最近では、曲がったキュウリや昔のキュウリの味を懐かしむ声もあって、行き過ぎた野菜生産の近代化を見直そうという動きも出ている。ところが今度は「曲がったきゅうり」がその象徴的な存在となり、曲がっているキュウリのほうが良いというような風潮が出ている始末だ。これもキュウリにとって迷惑な話だろう。キュウリだって、できることならまっすぐに伸びたいと頑張っているのだ。」(稲垣栄洋著「身近な野菜のなるほど観察記」より)

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Dscf23606月19日撮影6月11日に種まきしたキュウリの苗。ほぼ順調に発芽。

Dscf2358キュウリなどのウリ科の作物を食害するウリハムシが盛んに飛び回っているため、苗の上には防虫ネットをかぶせる。

2016年7月 3日 (日)

平成28年7月1日の野菜セット

今回の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、玉ねぎ、人参、大根、ナス、キュウリ、ピーマン、ズッキーニ、米ナス、シシトウ、サヤインゲン、白菜、モロヘイヤ、青シソ

 

「食べきれないので野菜の量をすくなくしてほしい」「その野菜は好物なのでもっとほしい」

「特定の野菜にアレルギー反応があるので、その野菜を除いてほしい」など  

小林農場は野菜セットを定期購入されている方々からのご要望を、私のできる範囲で承っています。ご相談ください。

 

臨戦態勢   平成28年4月28日

臨戦態勢   平成28年4月28日

惜春の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  すでに何度も農場通信でお伝えしていますように、春先は1年間で最も出荷できる野菜の種類が少ない、野菜の端境期(はざかいき)です。特に今年の場合は、5月に入っても例年と比べて収穫できる野菜の種類数が少なくなって端境期が長引くかもしれません。

  その理由は、今春はキャベツなどの春野菜の種まきが遅れてしまったためです。去年は5月下旬より春に播いたキャベツなどの春野菜の収穫が始まりましたが、今年は6月に入る頃まで収穫を待たなくてはいけなくなるかもしれません。

  さらにキュウリなどの夏野菜の種まきも遅れました。6月に梅雨入りする頃、高温多湿の気候に弱い春野菜は傷んでいって収穫ができなくなりますが、その頃には夏野菜の収穫が始まっていないとまた、出荷野菜の種類数が少なくなります。夏野菜の種まきが遅れたことによって収穫開始日も遅れ、6月も種類数を確保するのに苦労するかもしれません。今年の春はあまりにのんびりと種を播きすぎたと反省しています。

夏から秋に変わってゆく季節の変わり目である9月にも、再び出荷できる野菜が少なくなります。カボチャはちょうど9月頃に収穫され、秋の端境期に新たに出荷できるとても心強い作物となります。今日、カボチャの種を去年よりも多めに播いておきました。

他にもマクワウリやトウガンなどの作物の種も播いておきました。これらの作物も9月に出荷できるようなので、秋の端境期の穴埋めをしてくれることを期待しています。

5月と6月に出荷野菜の種類数を確保するのに苦労することになったのは、のんびりと種まきをしていた自分のせい。今さらこのことを悔やんでいてもしかたがないので、すでに私の頭の中は9月の端境期の対策に切り替えられ、今のうちから手をうっています。

去年の5月はどれを野菜セットに入れようか迷うほどたくさんの種類の野菜が収穫できていたし、6月の谷間にも夏野菜が収穫され始めて種類数をうまく確保できていました。小林が怠けさえしなければ、農場の畑は一年を通して収穫の恵みをもたらしてくれます。去年の播種時期を模範として、今年の播種時期を反面教師とすればよいと思います。

間もなく「八十八夜」を迎えます。雑草が盛んに伸び始め、いよいよ農作業が本格化する時期です。のんびりとしていたら、雑草に作物が食われてしまいます。早朝5時には作業服に着替えて畑へ飛び出して仕事を始めるようになり、小林農場は臨戦態勢に入りました。

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