顔を見せられるようになった農場 平成28年2月18日
顔を見せられるようになった農場 平成28年2月18日
余寒の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。
現在の農業では、農家と消費者がお互いに「顔の見える関係」を築いてゆくことが重視されるようになってきました。消費者は農作物を作っている農家がどんな人物なのかを知ればより安心してその農作物を購入できますし、農家は消費者の顔を思い浮かべることにより、より懸命に、より誠実に、農作物を生産しようとします。
「顔の見える関係」は、安心できる農作物を安定して生産させていくために、有効な仕組みとして機能しています。私のまわりの農家の皆さんも自身の田畑で「田植え体験」や「芋ほり体験」などの催しを開いて、消費者を田畑に迎え入れて交流をはかったりしています。
いっぽうで、小林農場。整理整頓が苦手な私は、数年間、足の踏み場がなくなるほど農場の敷地を散らかしてしまっていたので、小林農場を訪れてくるお客さんを気持ち良く迎え入れられるよう、去年から今年の冬にかけて、一生懸命に農場の大掃除に取り組みました。
この大掃除では、今まで使用してきた作業小屋を一度解体して違う場所に建て直すなど、大掛かりな再整備も行われました。この再整備に関わってくださった皆さんを招いて、先週、新設された私の住まいのお座敷にて食事会を開催いたしました。小林農場の畑からとって来た野菜を使って、鍋料理を用意しました。東京や横浜で暮らしている私の家族もかけつけて、食事会の準備を手伝ってくれました。食事会に参加してくださった皆さんも料理を持ち寄ってくださいました。
私はこのような食事会を主催することに慣れていなくて、主催者としての役割を果たすことができていませんでしたが、私に代わって皆さんが場を盛り上げてくれたので、楽しい食事会となりました。人にお見せするには恥ずかしくなるくらいに散らかっていた農場が、今では人を迎え入れて食事を楽しめるくらいにきれいになりました。感慨深いです。
現在私が暮らしている農場内に建てられた住まいは、大工仕事が達者な近所の方が建ててくださいました。私が仕事場として利用している作業小屋は、前の地主さんが建てたものです。中山間地に開拓されたこの農場の敷地は,開拓精神にあふれるまわりの方々の熟練された職人技によって手作りされました。
そして私がやって来るずっと前から根を張っていたコブシの樹が立派に枝を広げて敷地内に鎮座しています。農場の外に目をやると、山々の間に牧草地が広がり、まるで中山間地に突如、北海道の広野が現れたような風景が農場を取り囲んでいます。
農場に消費者の皆さんを大勢招いて催し物を開く能力は、残念ながら今の小林農場にはありません。でも、農場の見学を希望される方々を個別にご案内することならば、喜んでお引き受けしたいと思っています。小林農場の見学を希望される方はどうぞ遠慮なく、事前に小林までご連絡ください。美しい農場の自然の中へ、くつろぎにお越しください。
« 栽培暦 3月27日~4月2日(農場の販売戦略について) | トップページ | 4月5日の野菜セット »
「農場通信」カテゴリの記事
- (再掲載)健康や長生きよりも大切なもの 令和3年1月2日(2022.08.11)
- 子供の安全が第一 令和4年2月17日(2022.08.03)
- 無農薬栽培の筋 令和4年2月3日(2022.07.31)
- 低すぎる種の国内自給率 令和4年1月27日(2022.07.23)
- 感染は必ずしも悪いことではない 令和4年1月20日(2022.07.17)
コメント