平成28年春 葉物野菜全般
今まで数年間、畑として管理されていなくて草が生い茂っていた土地を耕して、今春はこの新しくできた畑で葉物野菜を栽培している。
1番最初にこの畑に種まきしたのが3月の春分くらいだが、通常は種まきしてから1か月もすれば収穫時期を迎えるものだが、今回は1か月以上経ってもなかなか大きくならず、先週の金曜日の野菜セットの出荷では収量を確保するのに苦労した。この畑は葉物野菜との相性が良くないと思った。
しかし、4月に入ってから種まきされた葉物野菜がこの2,3日でグンと伸びて、今日の野菜セットの出荷では葉物野菜の収量に余裕があった。後から種まきされた葉物野菜が、1番最初に種まきされた葉物野菜を追い越して生育している。これからの葉物野菜の収穫に期待を持たせてくれた。
1度にたくさん葉物野菜の種を播くと、みんな同じ時期に収穫を迎えてしまうので、収穫しきれなくなる。この春はだいたい10回くらいに小分けして、葉物野菜の種を播いた。今回のように、種まきした日の気候条件によって、その作物の生育の様子が違ってくる。できるだけ小分けして種まきしておけば、「種まきした時の条件が悪くて全く作物が生育できなくて収穫できなかった」という危険性は少なくできる。
小林農場ではしばしば、キスジノミハムシという害虫によって葉物野菜やカブが壊滅的な被害を受けて消えてなくなってしまうことがあった。
害虫は畑にまかれた肥料の香りに引き寄せられてやって来るので、この新しい畑では肥料をいっさいまかずに葉物野菜を栽培してみた。この畑で7回ほど種まきしたが、全てほとんどキスジノミハムシの被害を受けずに無事に発芽してくれている。
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2月6日に種まきしてビニールトンネルで保温して栽培したほうれん草。品種は「アトラス(サカタ交配)」。収穫開始。
2月20日に種まきしてビニールトンネルで保温して栽培した小松菜。品種は「照彩小松菜(トーホク交配)」。収穫開始。
2月6日に種まきしてトンネル栽培で保温して育てたはつか大根。
ここ数年間はこの時期のトンネル栽培の成績が良くなく、資材費ばかりが無駄に費やされてしまっていたが、今年はこの数年間の中で最もよくできたと思う。まだまだ満足できる収量ではないけれど、ギリギリ合格だと思う。野菜セットに入れる分は確保できた。
小林農場では資材に頼らずできるだけ自然に作物を育てることを基本にしている。ビニール資材を使って作物の生育を早めるやり方は本来の小林農場のやり方ではない。でも、今は野菜の端境期。この時期に収穫できる野菜は少なく、ビニール資材を使わなくては本当に野菜セットに入れられる野菜がなくなってしまうので、この時期だけはビニールを使用する。一年を通して収量を確保してゆくことを最優先させる。
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3月中旬撮影
2月6日に播種してビニールトンネルをかけて防寒して育てたほうれん草。本当はその右隣にはカブの種を播いていたのだが、発芽はしたが、その後、消えてなくなった。おそらく、発芽したばかりの幼い頃に、キスジノミハムシという爪の先ほどもない小さな甲虫に食い尽くされてしまったのだと思う。
キスジノミハムシは小松菜やカブなどのアブラナ科の作物を好んで食べ、今までにも何度もこの害虫によって壊滅的な被害を受けてきた。この春、対策をたててみた。
対策1 一度にたくさんの種を播かず、何度にも分けて少しずつ播いてゆく。害虫が発生する時期もあれば発生しない時期もあり、時期をずらして何回か播けば、全滅は避けられる。
葉物野菜を播いた畝。この畝には、小松菜、ほうれん草、山東菜、からし菜、水菜、フダンソウ、チンゲンサイ、かぶ、紫首かぶ、人参の10種類の種が少しずつ播かれている。このように、だいたい5月に入るまで10回くらいに分けて、少しずついろんな作物の種を播いてゆきたい。
ちなみに、畝の上には防寒用の布をかぶせているが、これは害虫が畝の中に入り込むことを少しくらいは防いでくれると言われている。
対策2 害虫はシュンギクなどの特有の香りのある植物を嫌って近づこうとしない。よって、アブラナ科の葉物作物の近くにシュンギクも生えていれば、葉物作物への虫害は減る。葉物作物の種にシュンギクの種を少しだけ混ぜて、播いてみた。
左は小松菜の種。右はシュンギクの種。だいたいこれくらいの比率で混ぜてみた。
対策3 畑に肥料を多く入れすぎると、肥料の香りに誘われて害虫が畑に寄ってくる。肥料が少ないと、虫害が減る。
小林農場の畑の片隅に数年間放置されて荒地のようになっていた畑があったが、去年、この畑をよく耕して畑として使えるようにした。数年間全く肥料を与えていないこの畑で、今後も肥料を与えずに葉物野菜を作ることにした。キャベツや白菜などは肥料を与えずに育てるのは難しいが、小松菜などの葉物野菜なら肥料を与えなくてもそこそこ育つのではないだろうか。
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2月上旬撮影
2月6日に播種して、ビニールトンネルで保温しながら育てている葉物野菜の畝。
右の写真は2月20日に撮影。所々で小さな芽が顔をのぞかせ、発芽を確認。
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小林農場の畑は粘土質で、どうしても土はゴロゴロと固まりやすい。種を播いた後、上手に土を種の上にかぶせることが難しので、種の上には土の代わりにもみ殻を薄くかけてみた。(使用するもみ殻の量は、4列で30mくらいの長さの畝に、だいたい平コンテナーに2杯ほど)。
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