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2016年3月

2016年3月29日 (火)

「自然栽培」について考える  平成28年2月4日

「自然栽培」について考える  平成28年2月4日

早春の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  去年の秋、地元の飲食店の方より依頼をいただき、ジュース加工用の人参を栽培して飲食店の方に出荷しました。先週、ようやく人参がジュースに加工されて、現在販売中です。小林農場を含めた複数の地元の農家がジュース加工用の人参を農薬を使わずに栽培して、安全性の高い人参ジュースをたくさん作りました。

  畑に含まれている肥料が少なければ少ないほど、そこで育つ作物の味は濃くなる傾向があります。今回の人参ジュース作りでは、各農家は農薬だけではなく肥料も畑に散布するのをやめて、「無肥料栽培」を実施して人参の味を濃くすることにこだわってみました。

  人が足を踏み入れないような山奥では、植物は人から肥料を与えられなくても生育して、森林を形成します。本来、植物は肥料を与えられなくても自生する力を持っています。

  現在の農業では、肥料の与えすぎによって作物や土の栄養過多の障害が目立つようになってきました。人が余計な肥料を与ないほうが作物は自分の力で健全に育つという考え方から、「無肥料栽培」がにわかに脚光を浴び始めています。肥料に頼らず自然界の力のみで作物を育てるという意味で、「無肥料栽培」は「自然栽培」とも呼ばれています。

  ただし、野菜は人の手助けを受けながら種を残してきた植物で、野原で人の手を借りずに自生できる野草とは違います。野菜は人に肥料を施されないと健全に生育できない場合が多いです。作物が肥料を必要としているのに「無肥料」にこだわって肥料を与えずにいれば作物はうまく育ちませんし、そのようなやり方を「自然な栽培」とは呼べません。

  時間をかけて土作りをしっかりとやれば、やがて作物は肥料を施さなくても健全に育つようになります。「自然栽培」とは「肥料を与えなくても作物がよく育つ栽培」のことであり、「なにがなんでも作物に肥料を与えてはいけない栽培」のことではないと思います。「肥料を与えてはいけない栽培」はやりたくありませんが、「肥料を与えなくてもよい栽培」を小林農場は目指してゆきたいと思います。

  以前に肥料を与えずにカボチャを栽培したことがありますが、ツルが伸びていかず全く収穫できませんでした。カボチャには肥料が必要だと考え直し、去年は肥料を与えて栽培したら、ちゃんと収穫できました。

  いっぽうで今までの私の経験では人参はそれほど肥料を与えなくても生育してくれましたので、無肥料でも人参が栽培できると判断しました。数年間放置されていた畑を耕して長く休養していたこの畑にジュース用の人参を無肥料で栽培し、ある程度収穫できました。

  農家に必要とされるのは観察力と柔軟性です。自分の頭の中で作り上げられた思い込みやこだわりをできるだけ排除して先入観のない目で作物を観察し、作物が肥料を必要としなければ肥料を与えず、肥料を必要とすれば肥料を与え、その時の状況に合わせて柔軟に対応を変えてゆく。そのようにして作物の気持ちを読み取り、その気持ちに寄り添うように手掛けるやり方こそが、真の意味での「自然な栽培」なのだと思います。

2016年3月28日 (月)

平成28年春 葉物野菜全般

今まで数年間、畑として管理されていなくて草が生い茂っていた土地を耕して、今春はこの新しくできた畑で葉物野菜を栽培している。

1番最初にこの畑に種まきしたのが3月の春分くらいだが、通常は種まきしてから1か月もすれば収穫時期を迎えるものだが、今回は1か月以上経ってもなかなか大きくならず、先週の金曜日の野菜セットの出荷では収量を確保するのに苦労した。この畑は葉物野菜との相性が良くないと思った。

しかし、4月に入ってから種まきされた葉物野菜がこの2,3日でグンと伸びて、今日の野菜セットの出荷では葉物野菜の収量に余裕があった。後から種まきされた葉物野菜が、1番最初に種まきされた葉物野菜を追い越して生育している。これからの葉物野菜の収穫に期待を持たせてくれた。

1度にたくさん葉物野菜の種を播くと、みんな同じ時期に収穫を迎えてしまうので、収穫しきれなくなる。この春はだいたい10回くらいに小分けして、葉物野菜の種を播いた。今回のように、種まきした日の気候条件によって、その作物の生育の様子が違ってくる。できるだけ小分けして種まきしておけば、「種まきした時の条件が悪くて全く作物が生育できなくて収穫できなかった」という危険性は少なくできる。

Dscf20415月9日撮影。4月に入ってから種まきされた葉物野菜。

小林農場ではしばしば、キスジノミハムシという害虫によって葉物野菜やカブが壊滅的な被害を受けて消えてなくなってしまうことがあった。

害虫は畑にまかれた肥料の香りに引き寄せられてやって来るので、この新しい畑では肥料をいっさいまかずに葉物野菜を栽培してみた。この畑で7回ほど種まきしたが、全てほとんどキスジノミハムシの被害を受けずに無事に発芽してくれている。

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Dscf05342月6日に種まきしてビニールトンネルで保温して栽培したほうれん草。品種は「アトラス(サカタ交配)」。収穫開始。

Dscf05352月20日に種まきしてビニールトンネルで保温して栽培した小松菜。品種は「照彩小松菜(トーホク交配)」。収穫開始。

Dscf05302月6日に種まきしてトンネル栽培で保温して育てたはつか大根。

Dscf0526ここ数年間はこの時期のトンネル栽培の成績が良くなく、資材費ばかりが無駄に費やされてしまっていたが、今年はこの数年間の中で最もよくできたと思う。まだまだ満足できる収量ではないけれど、ギリギリ合格だと思う。野菜セットに入れる分は確保できた。

小林農場では資材に頼らずできるだけ自然に作物を育てることを基本にしている。ビニール資材を使って作物の生育を早めるやり方は本来の小林農場のやり方ではない。でも、今は野菜の端境期。この時期に収穫できる野菜は少なく、ビニール資材を使わなくては本当に野菜セットに入れられる野菜がなくなってしまうので、この時期だけはビニールを使用する。一年を通して収量を確保してゆくことを最優先させる。

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3月中旬撮影

Dscf04642月6日に播種してビニールトンネルをかけて防寒して育てたほうれん草。本当はその右隣にはカブの種を播いていたのだが、発芽はしたが、その後、消えてなくなった。おそらく、発芽したばかりの幼い頃に、キスジノミハムシという爪の先ほどもない小さな甲虫に食い尽くされてしまったのだと思う。

キスジノミハムシは小松菜やカブなどのアブラナ科の作物を好んで食べ、今までにも何度もこの害虫によって壊滅的な被害を受けてきた。この春、対策をたててみた。

対策1  一度にたくさんの種を播かず、何度にも分けて少しずつ播いてゆく。害虫が発生する時期もあれば発生しない時期もあり、時期をずらして何回か播けば、全滅は避けられる。

Dscf0461葉物野菜を播いた畝。この畝には、小松菜、ほうれん草、山東菜、からし菜、水菜、フダンソウ、チンゲンサイ、かぶ、紫首かぶ、人参の10種類の種が少しずつ播かれている。このように、だいたい5月に入るまで10回くらいに分けて、少しずついろんな作物の種を播いてゆきたい。

ちなみに、畝の上には防寒用の布をかぶせているが、これは害虫が畝の中に入り込むことを少しくらいは防いでくれると言われている。

対策2  害虫はシュンギクなどの特有の香りのある植物を嫌って近づこうとしない。よって、アブラナ科の葉物作物の近くにシュンギクも生えていれば、葉物作物への虫害は減る。葉物作物の種にシュンギクの種を少しだけ混ぜて、播いてみた。

Dscf0458左は小松菜の種。右はシュンギクの種。だいたいこれくらいの比率で混ぜてみた。

対策3  畑に肥料を多く入れすぎると、肥料の香りに誘われて害虫が畑に寄ってくる。肥料が少ないと、虫害が減る。

小林農場の畑の片隅に数年間放置されて荒地のようになっていた畑があったが、去年、この畑をよく耕して畑として使えるようにした。数年間全く肥料を与えていないこの畑で、今後も肥料を与えずに葉物野菜を作ることにした。キャベツや白菜などは肥料を与えずに育てるのは難しいが、小松菜などの葉物野菜なら肥料を与えなくてもそこそこ育つのではないだろうか。

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2月上旬撮影

Dscf0347

2月6日に播種して、ビニールトンネルで保温しながら育てている葉物野菜の畝。

Dscf0343


右の写真は2月20日に撮影。所々で小さな芽が顔をのぞかせ、発芽を確認。

Dscf0344


小林農場の畑は粘土質で、どうしても土はゴロゴロと固まりやすい。種を播いた後、上手に土を種の上にかぶせることが難しので、種の上には土の代わりにもみ殻を薄くかけてみた。(使用するもみ殻の量は、4列で30mくらいの長さの畝に、だいたい平コンテナーに2杯ほど)。

(画像をクリックすると画像が拡大されて見やすくなります。)

2016年3月27日 (日)

栽培暦 3月20日~3月26日

この週に行った仕事です。

収穫・出荷  整理整頓  育苗  鶏ふんを入手、散布  加工用の人参を収穫、出荷  トラクター耕  ジャガイモの種イモを切り、植え付け  播種(葉物野菜、カブ、人参)  

小林のひとり言

3月はほうれん草がたくさん出荷できた。この1週間だけを計算してみると、だいたい35kgくらいのほうれん草を出荷し、約2万円分の収入になったと思う。

私の手先はまだまだ不器用で、ほうれん草を1束分を袋詰めするのに、収穫から袋詰めの作業時間を合わせて、平均して5分以上は費やされている。ほうれん草の出荷ばかりに時間が費やされ、畑仕事がなかなか進まなかった。

小林農場の野菜を食べてくださる方が増える度に、本当に嬉しく思う。この喜びを今後も味わえるように、「出荷が増えると畑仕事が滞る」という問題をできるだけ解消してゆきたい。例えばどこかの農場で働いているパートさんから手際の良い葉物野菜の袋の詰め方などを学ばせていただければ、私ももっと出荷作業にかける時間を短縮できると思う。まだまだ、出荷作業を改善していける余地はある。

2016年3月26日 (土)

平成27年 秋播きほうれん草

3月中旬撮影

この3月中は、ほうれん草がたくさん収穫できた。ほうれん草の品種は「ソロモン」(サカタ交配)。冬を越してきたほうれん草は3月になって暖かくなるとトウが立って(つぼみをつけること)収穫できなくなることが多いが、このソロモンはトウがたつのが遅いようで、3月になっても良い状態で収穫できた。

3月になってから収穫時期を迎えられるように、去年の10月25日に露地に種を播いた。その後は防寒用の布をかぶせずにいっさい防寒せず、生育を遅らせてみた。ほうれん草は寒さに強い葉物野菜。生育が進んで収穫時期を迎えるとほうれん草の葉も少し寒さに弱くなって霜枯れしやすくなるが、収穫時期を迎える前の若いほうれん草は寒さに強く、防寒しなくても凍死することなく冬を越せる。

Dscf0372狙い通りに2月の下旬より収穫時期を迎え、3月の端境期(はざかいき)になって収穫できる野菜が少なくなってゆく中、このほうれん草だけはよく収穫された。3月は間違いなく、「ソロモン」が小林農場の主役だった。

Dscf0430

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2月下旬撮影

ほうれん草畑。種まきしてから5か月間、全く除草をしていないので地面が雑草に覆われてしまっているが、雑草よりも早く生育したほうれん草は雑草に負けることなく、無事に収穫されている。

Dscf0385去年の10月21日に播種したほうれん草。冬の間は防寒用の布をかぶせて防寒。少しずつ春らしくなってゆく2月下旬に、全体的に収穫時期を迎えた。防寒用布をかぶせたままだと蒸れてしまう危険性があると思い、布を取り外した。その後も早朝になると霜が降りたが、葉は霜枯れすることがほとんどなく、青々とした状態を保っている。

Dscf0363収穫されたほうれん草。葉肉を厚くして地面を這うように葉を伸ばす冬のほうれん草とは違い、今収穫されているほうれん草は葉肉が薄く空に向かって立ち上がり、春に収穫されるほうれん草の姿に変わってきている。

小林農場ではあまりほうれん草栽培では間引きをしないが、間引いておくと、1株1株の茎はもっと太くなり、立派なほうれん草をもっとたくさん収穫できるようになると思う。

現在収穫しているほうれん草の品種は「ソロモン(サカタ交配)」。他の葉物野菜が次々に収穫時期を終えてゆく中、ソロモンだけが調子良く収穫されている。以前にソロモンを栽培した時も感じたことだが、この品種は冬だけではなく、3月にも良い状態で収穫できるように改良されているようだ。

真冬の間、小林農場の畑で最も収量が良かったほうれん草の品種は「アトラス(サカタ交配)」。真冬の間はアトラスをたくさん育て、冬の終わりから3月まではソロモンをたくさん育てると良いと思う。

3月25日の野菜セット

3月25日の野菜セットの内容です。

じゃがいも、人参、大根、里芋、ゴボウ、長ネギ、白カボチャ、小さなキャベツ、ほうれん草、菜の花

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3月中旬撮影

この3月中は、ほうれん草がたくさん収穫できた。ほうれん草の品種は「ソロモン」(サカタ交配)。冬を越してきたほうれん草は3月になって暖かくなるとトウが立って(つぼみをつけること)収穫できなくなることが多いが、このソロモンはトウがたつのが遅いようで、3月になっても良い状態で収穫できた。

3月になってから収穫時期を迎えられるように、去年の10月25日に露地に種を播いた。その後は防寒用の布をかぶせずにいっさい防寒せず、生育を遅らせてみた。ほうれん草は寒さに強い葉物野菜。生育が進んで収穫時期を迎えるとほうれん草の葉は少し寒さに弱くなって霜枯れしやすくなるが、収穫時期を迎える前の若いほうれん草は寒さに強く、防寒しなくても凍死することなく冬を越せる。

Dscf0372狙い通りに2月の下旬より収穫時期を迎え、3月の端境期(はざかいき)になって収穫できる野菜が少なくなってゆく中、このほうれん草だけはよく収穫された。3月は間違いなく、「ソロモン」が小林農場の主役だった。

Dscf0430

ほうれん草畑。種まきしてから5か月間、全く除草をしていないので地面が雑草に覆われてしまっているが、雑草よりも早く生育したほうれん草は雑草に負けることなく、無事に収穫されている。

2016年3月24日 (木)

農閑期   平成28年1月20日

農閑期   平成28年1月20日

寒気厳しきおりでございます。みなさん、いかがおすごしでしょうか。   

  12月の中頃に冬野菜の貯蔵作業を終えてから2月の立春をすぎるあたりに作物の種まきが再開されるまでの1か月半ほどは、小林農場にとっての「農閑期」となります。1年で最も寒い時期で、その間は畑の作物の生育は遅々とし、害虫は冬眠し、雑草は芽生えず、畑の様子は時が止まったようにひたすら静か。畑仕事に追われることがありません。

  農家が最も心にゆとりを持って暮らせる農閑期に、前年の農場の仕事ぶりをじっくり振り返って問題点を見つけ、それを改善してゆく準備を整えます。私の場合の問題点は、整理整頓が苦手なこと。畑や倉庫にいろんなものを散らかしっぱなしにしたまま仕事を進め、それで物をなくしたり壊したりしてしまい、仕事の効率を悪くしてしまいます。自分の欠点が分かっていても、それを解消してゆくことが難しいということを思い知る毎日でした。   

  今年に入ってすぐ、不必要なものを次々に農場の外へと送り出しています。物をたくさん農場の中に抱え込むから農場が散らかってゆくわけであって、物を少なくしてゆけば散らからなくなります。本当に必要としている物だけを選んで大切にしたいと思います。   

  物にとっても持ち主に使われずに放置されたままであり続けることは不本意なことだと思います。「物を大切にする」とは必ずしも「物を捨てない」ということではありません。使わなくなった物を軽やかに農場より「卒業」させてあげたいと思います。   

  気候が暖かくなって作物が元気に育ち、同時に害虫や雑草の勢いが増す頃、畑仕事は忙しくなります。「心を亡くす」と書いて忙しいと読みますが、畑仕事が忙しいことを言いわけにして道具を片づける時間を省き、道具を大切に扱う心のゆとりを失ってしまいます。整理整頓の癖をつけて農場をきれいに整えてゆくためにたっぷりと時間を費やせるのは、農閑期の今しかありません。二度と散らかることのないように、「大掃除」にはげんでいます。   

  小林農場には常に人手が足りないという問題点もあります。でも、あらためてまわりを見渡してみると、私にはスコップや鎌などの私の手足となって働いてくれる、たくさんの「道具」という名の強力な仲間がいることに気付きました。人手の不足を嘆く前に、まずはこれらの仲間を愛おしく思って大切にいたわって、農場のために大いに活躍してもらおう。農閑期というゆっくりとした時間の流れの中で、そのような気持ちを取り戻しています。   

  畑仕事が忙しくなっても心を亡くさずにゆとりを持って1年間を乗り切れるかどうかは、この農閑期にどれだけ仕事のしやすい環境を整えられたかにかかってきます。農閑期とは、忙しくしていた心にゆとりを与え、忙しさの中で傷んでいった農場の土台を修復していくことに時間をたっぷりと費やせる、1年間で最も重要で豊かな時期だと私は思っています。

2016年3月22日 (火)

平成27年7月播種のゴボウ

Dscf0435現在、出荷しているゴボウ。品種は「サラダゴボウ」(トーホク育成)と「うまいゴボウ」(トーホク育成)の2種類。品種名のとおり、サラダなどで食べても香りの良いおいしいゴボウだと思う。

どちらもあまり長く伸びない短根種で土から掘り出しやすい。粘土質で固い小林農場の畑では、短根種を選んでゴボウを栽培している。

ゴボウは、生育が進みすぎてある程度太くなりすぎると、中身に大きなスが入ってしまう。左の写真くらいの太さで収穫できればちょうど良いと思う。今年はちょうど良い太さのゴボウがよく採れている。

いつもは春にゴボウの種を播くが、この時期になるまで生育が進みすぎて太くなりすぎてしまっていた。今回は種を播く時期を遅らせて、去年の7月、梅雨明けの直前くらいに種を播いた。この播種日を、新たな播種暦に書き加えておこう。

3月22日の野菜セット

3月22日の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、人参、大根、里芋、ゴボウ、長ネギ、白カボチャ、小さなキャベツ、ほうれん草、菜の花、赤トウガラシ

2016年3月15日 (火)

無農薬野菜の宅配をしています。小林農場 風家(かざいえ)のブログ(毎週更新)  

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Pb081599Pa241535Pa030629

3月15日の野菜セット

3月15日の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、人参、大根、赤大根、里芋、ゴボウ、白カボチャ、長ネギ、ほうれん草、菜の花

小林のひとり言

前回まで野菜セットに入れていたカブの品質が低下してきたので、今回より野菜セットより外した。赤大根と白カボチャも来週には在庫がなくなる。

3月下旬から5月中旬までは、1年間で最も出荷できる野菜の種類が少なくなる、野菜の端境期(はざかいき)。この時期をどのようにして乗り切るかが、プロの野菜農家の腕の見せ所だ。

2016年3月13日 (日)

栽培暦 3月6日~3月12日

この週に行った仕事です。

収穫・出荷  整理整頓  育苗  切り干し大根を作る  踏み込み温床作り  育苗ハウスの整備

小林のひとり言

夏野菜を育てるための温床を作った。まずは温床の枠を作り、その中に落ち葉と米ぬかを入れて、水を加えて発酵させる。やがて発酵熱が発生して、その熱によって温床枠の中は暖まり、苗を温めることができるようになる。

できるだけたくさんの苗を温床に入れようと思ってついつい大きな温床枠を作ってしまったが、もっと小さくするべきだったと思う。温床枠を大きくしたら、そこに入れる落ち葉もたくさん入手しなくてはいけなくなるので、温床を完成させるまでの手間と時間が増えてしまう。

それに今年は、夏野菜の苗を少なくしようと思っている。夏野菜は夏になると毎日の管理に手間のかかる作物で、数を増やせば手間も増える。数を増やすのではなく、数を少なくして1本1本を確実に育ててゆくことにより、収量を確保してゆきたい。

私の欠点は、自分の身の丈をうまく測ることができないことだと思う。自分の生産力以上の量の野菜を栽培しようとして、けっきょくどの作物の栽培も手が回らず、中途半端な管理になってしまう。去年はせっかく栽培したジャガイモを掘り出しきることができず、多くのイモを無駄にした。

来週、ジャガイモの種いもを畑に植え付けるが、他にもいろんな畑仕事をしなくてはいけないので、1日で植え付け作業を終了しよう。欲張って2日も3日もかけて大量の種イモを植え付けようとしないように。大量に種イモを植え付けても、それらを全部収穫する時間を確保できるかどうか、分からないのだから。

年齢を重ねてゆけば、体力は落ちてゆく。もう無茶をしてたくさんの量の作物を栽培することは難しくなってゆくが、量を減らせば負担も減り、作業効率が上がって一つ一つの作物を大切に育てられるようになる。しっかりと自分の生産力を測った上で、作付け量を抑えながら作業効率を上げてゆくことで生産量を確保してゆく。これが今後の小林農場のやり方だと思っている。

Dscf0410完成した温床。温床枠が大きくて、用意した落ち葉だけでは枠の中が埋まらなかった。農場内に散らばっている落ち葉をかき集めて新たに加えようかとも思ったけれども、あまり温床作りばかりに時間をかけてもいられなかったので、倉庫にしまっていた稲わらを落ち葉の上に分厚く敷いてカサ増しした。

変則的な温床になってしまったが、順調に落ち葉は発酵熱を発生させ、温床内は暖まってきている。

2016年3月12日 (土)

3月11日、3月12日の野菜セット

3月11日、3月12日の野菜セットは以下のとおりです。

ジャガイモ、人参、大根、カブ、里芋、ゴボウ、白カボチャ、長ネギ、ほうれん草、菜の花

小林のひとり言

野菜の端境期(はざかいき)に入り、出荷できる野菜の種類数が減ってきている。

現在出荷している白カボチャは本来、冬の寒い時期に貯蔵しながら食べる作物で、今のように気温が暖かくなってゆくと次第に傷んでいってしまう。傷んだ部分を切り除きながら野菜セットに入れているけれども、おそらく、今の時期はお届けした白カボチャを冷蔵庫に入れていてもあまり長く保存できないかもしれない。今回の野菜セットではたくさんの量の白カボチャを切り分けながら入れたけれども、次回はすぐに食べきれる量に減らした方がよい。

ほうれん草は現在、調子良く畑からたくさん収穫できる。けっこうほうれん草をたくさん使うご家庭が多いので、他の野菜の出荷量が減った分、ほうれん草を増量して野菜セットに入れている。長ネギも現在たくさん収穫できてたくさんご家庭で使われる作物なので、少し増量して野菜セットに入れている。こんな風にして、なんとか端境期でも価格に見合ったちょうど良い量の野菜をお届けできるように努めてゆきたい。

2016年3月10日 (木)

3・11特集

東日本大震災とそれに伴う福島第一原発事故が発生してから5年。毎年3月11日は、あの時の記憶を刻印しながら今後への教訓にしてゆくための日です。

電力自由化 私はこう臨む

4月より電力が自由化され、電気を新たに販売する新規の電力会社が次々と名乗りを上げています。今までは関東地方に暮らしている一般家庭は東京電力からしか電気を購入することができませんでしたが、電力自由化によって、東京電力以外の電力会社からも電気を購入することができるようになります。

東京電力は、ずさんな管理によって福島第一原発事故を起こして東日本の広い範囲を放射能物質で汚染し、未だに事故の影響を収束させることができずにいます。それなのに、もはや安全性を確保してゆくのが難しいと分かった原発を、再び再稼働させようとしています。私には東京電力のその神経が理解できません。電力が自由化されたら、まずは東京電力から電気を購入することをやめて、他の電力会社に切り替えたいと思っています。

去年、農場で少し大掛かりな電気工事を行い、その時に東京電力の社員の方々にお世話になりました。その親切で丁寧な対応にはとても好感が持てました。社員のみなさんは、原発をこの先も使用し続ける会社の方針に従うしかないのでしょうが、頭の片隅にでも、東北・関東地方の農家は原発事故によって大変な損害をうけたことを覚えていていただきたいです。

契約先の電力会社の変更はそんなに手間はかからないようで、簡単な申し込みだけですむようです。どの電力会社と契約するかを決める際、インターネットで「電力自由化」と検索すると各社を電気料金やサービス内容などで比較できるサイトが表示されて、参考になります。原発に依存しないことを理念に掲げた電力会社があればその会社を応援してゆきたいと思いましたが、まだそのような会社は見つかりません。

電力自由化によって、誰でも発電できる状況が作られてゆくと思います。やがて各地域が水力や風力などの「自然エネルギー」によって自分たちに必要な電力を発電してゆける「電気の地産地消」が進展してゆくことを、私は期待しています。電力を得ようとすれば自然環境に負担を与えてしまうことが多く、「自然エネルギー」も例外ではありません。水の力や風の力によって生かされている生き物はたくさんありますから、それらを人間が電気を作るために消費したら、生態系になんらかの影響を及ぼすと考えられます。ただ「自然エネルギー」は電気を自給自足してゆけるという大きな利点があります。もう、原発のような遠い遠い誰が作っているのかよくわからないような電力に頼る必要がなくなります。

この電力自由化が「脱原発」の原動力になってくれるように願っています。

(このブログを読んでくださっている方々の中にも原発の稼働を望む方はいるかもしれませんが、小林農場は原発反対の立場です。)

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落ち葉床土の放射能検査の結果

小林農場で育てている苗の床土を、主に農場内でかき集めた落ち葉を発酵して作っています。落ち葉は特に放射能汚染を受けやすい素材ということなので、小林農場では毎年、落ち葉で作った床土を検査機関に提出して検査してもらい、安全性を確認しています。

今年の検査結果は、床土を2袋検査していただき、それぞれ

  44,39Bq/kg  69、57Bq/kg  でした。

国が定めている規制値400Bq/kgを大きく下回り、使用しても安全と判断できます。

原発事故後、福島県やその周辺地域の各自治体は定期的に農産物の放射能検査を行っていますが、放射能汚染の影響はほとんどないという結果が毎回、導き出されています。

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風化しなかった記憶  3・11回想

平成23年3月11日は多くの日本人にとって忘れえぬ永遠の日となりました。

その時私は、トラクターを運転しながら、畑を耕していました。トラクターの心地よい振動に身をまかせていると、突然、トラクター全体がバラバラに分解してしまうのではないかと思うくらいに、激しく横揺れし始めました。

トラクターのどこが壊れてしまったのか確かめようと、エンジンを切って座席から飛び降りて地に足をつけると、揺れていたのは大地そのものでした。わけがわからぬまま空を見上げると、電信柱をつたっている電線が、はち切れてしまわんばかりに暴れまわっていました。

あまりに大きくトラクターが揺れたので、最初はトラクターを壊してしまったのではないかと思い、かなり焦りました。しかし、揺れの原因がトラクターの故障ではなく地震によるものだと分かり、ほっと胸をなでおろして、トラクターの座席に座りなおし、耕運を再開しました。

それから数回、トラクターの運転中でもはっきりと体に感じる大きな余震が起こっていました。

予定どおりに畑を耕し終え、トラクターを運転しながら公道に出ると、アスフアルトのあちらこちらが地割れしている光景が私の目に飛び込んできました。「これはただの地震ではない」と気づいた時には、巨大地震発生から20分ほどがたっていました。

3月12日、巨大地震による被害で福島第一原発が水素爆発を起こし、大量の放射性物質が大気中に飛散してゆきました。政府や専門家が「放出された放射性物質がただちに人体に影響を与えることはないので、混乱せず、落ち着いてほしい。」と呼びかけていたので、私も普段どおりの生活を心がけることにしました。

一方、私に畑をお貸ししてくださっている地主さんはすぐに、ご自分の農場の全ての露地野菜の出荷の中止を決断されました。放射能物質を浴びてしまっている危険性があるからです。

「なるべく外には出ず、室内で待機していたほうがいい。雨が降ってきたら、雨には当たらないように。外に出る必要がある場合は、肌を大気に露出しないように全身を何かで覆って、マスクをつけたほうがいい。」地主さんより、放射能汚染から身を守るための丁寧なご忠告をいただきました。

事故は原子炉1基にとどまらず、3月12日から5日間の間に福島第一原発の複数の原子炉が次々に爆発、事態は刻々と深刻度を増してゆきました。私のまわりでも、栃木県の外へと素早く避難していく人も少なくありませんでした。

放射性物質は目にも見えなければ匂いもしません。なので、私にはさっぱり、自分の身が危険にさらされているかもしれないという危機感が沸かず、やりたい畑仕事が山ほどあったので、事故発生から数日後には、普通に畑仕事を再開していました。その頃はまだ福島第一原発から東日本一帯に放射性ヨウ素が飛散していたので、畑仕事で土をいじくりまくっていた私も、もしかしたら少なからず被ばくしてしまっているかもしれません。

原発事故から1週間後、栃木県産のほうれん草から暫定基準値を超える放射性物質が検出されたとして、栃木県全域でほうれん草の出荷は停止処分に。

小林農場の畑では、小松菜が収穫時期を迎え、出荷する予定でいました。ほうれん草と同じように放射性物質を浴びているはずの小松菜を出荷しても問題はないのだろうか?疑問に思って県に問い合わせてみると、「ほうれん草は検査したけれども、小松菜はまだ検査していない。」との返事でした。

「それじゃあ、小松菜も安全だとは言えないということですか?」とたずねると、「そのように心配しすぎると、栃木県産の野菜に対する風評被害が広がってしまうかもしれません。慎重に調査を続けたいと思います。」という回答がかえってきました。

当初の予定どおりに、小松菜を出荷してみました。私が初めて見つけた取引先からの初めての注文で、小林農場創立以来、記念すべき初の出荷でした。

出荷した後になって、安全性がはっきりと確かめられたわけでもない小松菜を出荷したことに罪悪感が沸きあがって怖くなり、気持ちが暗く沈みました。その頃、私のまわりの数軒の農家の方々は、事故発生後は、自分たちの作物を買って食べてくれる人々の健康を一番に考え、はっきりと作物の安全性が確認されるまでは、涙を呑んで全ての露地野菜の出荷を自粛していました。

小松菜を一度出荷したきり、しばらくの間、小林農場も全ての野菜を出荷することを自粛することにして、販路を開拓していくこともやめました。その間、出荷できるあてもないままに、例年どおりに畑に種を播いたり苗を育てながら暮らしていました。収穫されぬまま放置されていた小松菜は菜の花を咲かせ、きれいな黄色に畑は染まってゆきました。

事故発生1ヵ月半後、放射能検査を受けていた地主さんの畑の作物の検査結果が伝えられ、この地域はそれほど深刻な汚染を受けていないことが判明して、ようやく、出荷活動を再開することとなりました。

大災害や食の危険が脅かされるなどの非常時に小林農場はどのように対応していくのか。それが試された一件だったと思います。これから数年間にわたって向き合っていくこととなる放射能汚染の問題。注意深く対処していきたいと思います。

小林農場のある栃木県東部は、不幸中の幸いで、福島県に隣接している地域の中では比較的に放射能汚染の影響を受けずにすみました。でも、不幸にして深刻な汚染を受けた地域も多く、事故から5年たった今でも10万人以上の人々が住み慣れた町を離れ、避難生活を続けています。

2016年3月 9日 (水)

亡骸の層  平成28年1月7日

亡骸の層  平成28年1月7日。

新年のご挨拶をもうしあげます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

  正月の三が日、日本中の人々がめでたく新年を祝っていた頃に、私の祖母が静かに天寿を全ういたしました。99歳10か月の大往生でした

  私は正月に東京の実家に戻って家族と新年を迎え、父と母と共に横浜市の施設で暮らしている祖母に会いにいきました。体を自由に動かせずにベットに横たわっていた祖母は、寝返りをうつのにも介護士さんの手助けを必要としていました。体調を崩して何度も咳き込み、呼吸が苦しそうでした。祖母とはとても会話ができそうな状態ではなさそうでしたので、母だけ付き添いとして残り、父と私はすぐに退室することにしました。

  退室する前に、私は祖母の顔に自分の顔をできるだけ近づけながら、大きな声で短くあいさつをしました。ちゃんと祖母は私のことを認識してくれるのか少し不安でしたが、「「ああ・・・ああ・・・」と少しうなずき、一生懸命に笑顔を作って応えようとしてくれました。

  そして、声をしぼりだして、私に何かを話しかけてくれました。あまりにか細い声だったので危うく聞き逃してしまいそうになりましたが、確かに祖母は「人参ジュース、おいしかった・・・」と言っていました。一昨年、小林農場の人参をジュースに加工して販売し、祖母もジュースを飲んでくれていました。祖母は、私の人参ジュースのことを覚えてくれていたのです。全く予期していなかった祖母の言葉に、一瞬、私の目頭が熱くなりました。

  私が施設を去ってから1日も経たないうちに祖母は他界し、農場に戻っていた私のもとに訃報が届きました。祖母との最後の会話は私の記憶から離れることはないでしょう。

  作物を育てる土には、かつてその場で生まれて死んでいった草や虫や小動物などの死骸が多く含まれています。死骸はやがて分解されて土に還り、そこで新たに育つ作物に栄養や住処を与えます。ある農家の方は、畑の土のことを「亡骸の層」と呼んでいました。

  畑の土はそこで暮らす小さな生き物の活動によって豊かになりますが、「亡骸の層」がその生き物たちにすごしやすい環境を与えています。「生者」と「死者」がいっしょになって畑の土を作っていると思うと、畑が神聖な場所のように思えてきます。きっと私たちの社会も同じで、私たちはご先祖様の想いが積み重なった「亡骸の層」の上で暮らし、そして私たちもいずれは「亡骸の層」に加わり、次の世代を縁の下から支えてゆくのでしょう。

2016年3月 8日 (火)

3月8日の野菜セット

3月8日の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、人参、大根、赤大根、カブ、里芋、ゴボウ、白カボチャ、長ネギ、ほうれん草、菜の花

Dscf0400秋に種を播き冬を越してきた葉物野菜の中で唯一、春になっても良い状態で収穫されているのが、ほうれん草。他の葉物野菜はすっかり収穫できなくなったので、ほうれん草の量を少しだけ増やしてお届けしています。

Dscf0396


「菜の花」が3月に入って早々に野菜セットに登場。冬越しした葉物野菜は春になると葉が傷んで良い状態で収穫できなくなりますが、株元からつぼみと花茎を伸ばし始め、それを摘み取れば「菜の花」としておいしく食べられます(だから冬のうちに葉物野菜を全部収穫せず、「菜の花」を採るために一部は春まで畑に残しておきます)。

2016年3月 6日 (日)

栽培暦 2月28日~3月5日

この週に行った仕事です。

収穫、出荷  整理整頓  育苗  除草(玉ねぎ、サヤエンドウ)  落ち葉を入手  播種(キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、レタス類、白菜、シュンギクなど)  

Dscf0361左は除草する前の玉ねぎ畑。この状態になったら除草作業を始めないといけない。

Dscf0389


右は除草した後の玉ねぎ畑。

雑草がまだ小さいうちなら鎌をスッと通しただけで簡単に取り除けるし、手でも簡単に引っこ抜ける。雑草が大きくなってしまうと除草作業が10倍くらい困難になり、手がつけられなくなる。

よって除草作業は雑草が小さいうちに行うのが基本だが、これがなかなか実行できない。夏になって里芋の除草をしているうちに長ネギのまわりの雑草が生い茂り、長ネギの除草に苦労しているうちに人参のまわりの雑草が生い茂り、人参の除草に苦労している間に玉ねぎ苗のまわりの雑草が生い茂ってしまったりしている。この負の連鎖が、秋になって雑草が自然に枯れてくれるまで続いてしまう。

自分の能力でどれだけの面積の畑の雑草と対峙していけるかで、作物の作付け量をきめてゆきたい。あまり欲張って広い面積に作付けしてゆくよりも、効率的に除草できる面積で作付けしたほうが、結果的に収量を上げてゆけると思う。

2016年3月 4日 (金)

3月4日の野菜セット

3月4日の野菜セットの内容です。

2000円セット

ジャガイモ、人参、大根、赤大根、かぶ、里芋、ゴボウ、白カボチャ、長ネギ、ほうれん草、小松菜

1000円セット

ジャガイモ、人参、聖護院大根、かぶ、里芋、白カボチャ、長ネギ、ほうれん草、小松菜を少量ずつ

2016年3月 3日 (木)

短所は、自覚すれば長所になる  平成27年12月25日

短所は、自覚すれば長所になる  平成27年12月25日

今年も残りわずかとなりました。みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  私が農家として独立する前は、十年間ほど農業研修生として研修先の農場で住み込みで農業研修を受けてきました。研修生たちは失敗しないように必死に仕事をするのだけれども、それまで農業をやったことのない素人なので、必ず失敗をやらかします。それを承知の上で研修先の農家の方は農場経営に関わる大事な仕事を研修生たちに任せます。失敗を経験して痛い目にあいながら、研修生たちは学んでゆきます。

  失敗する度に自分たちの短所が浮き彫りにされてゆきます。そんな研修生たちに、「短所は、自覚すれば長所になる。」と研修先の農家の方はよくおっしゃっていました。

  人は誰にでも短所があります。短所を持っていることは決して悪いことではありません。短所を直視すれば、それはその人の成長の糧になります。身の回りの片づけが苦手な人が片づけを怠ったために自分の持ち物がどれだけ乱暴に扱われてきたかを思い返して真剣に反省すれば、その人は生まれ変わったように片づけの習慣を身につけるかもしれません。

  私が研修した農家の方は厳しい方で、自分の短所を直視しようとしない研修生には鬼のように叱りつけ、私もよく怒られました。でも、失敗をやらかして真剣に自分のいたらない部分を省みる研修生に対しては、仏のように優しく許してくれました。「自分の短所をしっかり見ろ」と叱られたことがあっても、「自分の短所をなくせ」と叱られたことはなかったと思います。私が研修中に学んだことは、栽培技術はもちろん、それ以上に農家として、人としての生き様でした。

  私が農家として独立した後も、お届けした野菜が傷んでいたなど、みなさんから数々のご指摘をいただく度に、自分の仕事の短所に気付くことができました。普通は、もし購入した商品が気に入らなかったら、消費者はわざわざ生産者に指摘することはせず、その生産者から商品を購入することをやめるでしょう。みなさんからのご指摘は、私にとっての宝です。

  私には短所のない完璧な農場を作ることはできません。しかし、短所に気付くことによって少しずつ問題を改善してゆくことならできます。自分の短所を見つけることを喜びにできる人は人生の達人。生きることが楽になるでしょう。

  「短所は、自覚すれば長所になる。」短所だらけの私には福音のような言葉であり、これが小林農場の精神だと思っています。今年最後の農場通信に、研修中に学んだこの言葉をみなさんと分かち合いたいと思いました。みなさん、よいお年を。

2016年3月 1日 (火)

3月1日の野菜セット

3月1日の野菜セットの内容です。

ジャガイモ、人参、大根、赤大根、カブ、里芋、白カボチャ、長ネギ、ほうれん草、小松菜、油菜、水菜

Dscf0365初めて出荷してみました、赤大根。

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外皮は首の部分を中心に紫色。中身もうっすらと紫色が入っています。辛味が少なく、スライスしてサラダで生食してもおいしいです。酢などに漬けるときれいに発色するので、甘酢漬けにも使われます。

Dscf0359


前回の野菜セットに入れてみたゴボウ。白カボチャも前回より積極的に野菜セットに入れるようにしています。

冬に収穫時期を迎えた葉物野菜は花を咲かせる準備を始めて、出荷できなくなってきました。3月下旬まで出荷する予定だった白菜も、今年は保存状態が良くなく、2月下旬で早々と出荷が終了しました。冬から春に移るのに合わせて、野菜セットの内容も入れ替わってきています。

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