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2016年1月 7日 (木)

「外畑」の思い出   平成27年11月12日

「外畑」の思い出   平成27年11月12日

初冬の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  小林農場ではそれぞれ、「下畑」、「新畑」、「外畑」と呼ばれている3枚の畑で作物を栽培してきました。そのうち、借地としてお借りしていた「外畑」を、この10月に地主さんにお返しすることになりました。

  自分の住まいから最も離れている畑だったので「外畑」と呼んでいました。とはいえ、それでも住まいから歩いて通える位置にある畑で、よく飼い犬をこの畑に散歩に連れていって遊ばせたりしていました。たいていの農家は自分の住まいと自分の畑が離れていて、車で数分間かけて往復していますが、それを考えると、全ての畑が散歩するように通えるほど近い小林農場の仕事環境は、とても恵まれています。

小林農場を始める前から、私は農業研修生としてこの「外畑」で数年間、作物栽培を学んできました。私を研修生として受け入れてくださっていた地主さんよりこの「外畑」を借地としてお借りすることになり、私は小林農場を設立して、農家として独立しました。

それから徐々に地主さんより「新畑」や「下畑」をお借りすることになり借地が拡大してゆくのですが、一番最初の頃は、「外畑」1枚だけで作物を栽培していました。研修中から長くつき合ってきた馴染みの深い畑で、円滑に農場を新規に始めることができました。

小林農場周辺の畑の土は赤い粘土質なので、ゴロゴロと固まりやすく、畑仕事をするにはやりにくい土ではあります。今から10年ほど前に私が初めて「外畑」で畑仕事をした頃は、ゴロゴロとした土を相手に苦労した記憶があります。

それから数年間、畑に堆肥をまいて耕し多品目の作物を栽培しているうちに、土はよくほぐれてきました。私が独立した頃には、以前と比べて畑仕事がやりやすい畑に変わっていました。畑の土が畑の土へと変わってゆく過程に、私は立ち会うことができました。

去年の秋作は、主力作物の栽培地として、この「外畑」を選びました。白菜もよく肥大して、「外畑」は農場に収穫の秋をもたらしてくれました。今年の夏も、ナスやピーマンなどの主力の夏野菜をこの畑で育てましたが、今までで一番良い初期生育だったと思います。

冬を迎える今の時期、「外畑」の土を一面、ハコベやオオイヌノフグリなどの小さな草が覆っています。作物が良く育つ畑に生えてくる草で、畑の豊かさを表してくれています。

10月下旬、外畑をお返しするために、夏野菜を片づけ、畑全体をトラクターで耕しました。どんな季節にも何かしらの作物が生育していた「外畑」が、今では作物の姿がいっさい消え、まるで絵描きが作品を描く前の画布のように、まっさらな空間が広がっています。「今までありがとうございました。」と「外畑」に深々と頭を下げ、その場から退きました。

今まで管理してきた畑の合計面積は、自分の能力では広すぎると思っていました。管理する畑が減れば管理するための負担も減り、作物栽培はやりやすくなってむしろ収量を増やしてゆくことができると思っています。畑は広ければ良いというものではなく、自分の身の丈に合った広さを見極めることが大切だと思います。

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