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2015年12月 4日 (金)

ジャガイモという安心  平成27年10月15日

ジャガイモという安心  平成27年10月15日

爽冷のみぎり、みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  6月から畑より掘り出して収穫してきたジャガイモを、10月に入ってようやく全部、掘り出し終えました。現在、ジャガイモを長期間保存しておく農場の暗室には、ジャガイモを詰めたコンテナが高々と積まれています。

  今までの私の経験から判断すると、ジャガイモを良い状態で収穫できるのは9月まで。それ以降もイモを土の中に残しておくと、やがてイモから新芽が伸びて地上に青々と葉を茂らせてしまい、イモの中身の品質は落ちます。10月まで収穫がもつれこんでしまった今年のジャガイモは、品質の低下は否めないでしょう。

  今現在、野菜セットに入れているジャガイモは真夏の頃に収穫したものですが、そのうち遅れて収穫されたジャガイモも出荷していくことになると思います。料理のしづらいジャガイモかもしれませんが、私もみなさんにそのようなジャガイモをできるだけおいしく食べられる方法をお伝えしていけるように努めてまいりたいと思います。今年のジャガイモの品質はけっして最良ではないとはいえ、それでも良質な味わいは保てています。

今年の9月の始めには雨がたくさん降り、畑に残されていたイモがたくさん傷んで消えてなくなりました。私は今までジャガイモをのんびりと収穫する癖がありましたが、やはりできるだけ早い時期にジャガイモを掘り出しておいたほうが安全だと痛感しました。来年は8月までに全部のジャガイモを収穫できるように段取りを組みたいと思います。

小松菜などの葉物野菜は収穫時期が短く、収穫した後もあまり長く保存できないので、出荷作業は慌ただしくなって神経を使います。それに比べるとジャガイモは収穫すれば長く保存できて、好きな時に好きな量だけ出荷ができて、販売が楽です。学校の給食用の食材として、たくさん小林農場のジャガイモを地元の学校へ出荷させていただいてきました。

日本列島の気候は温暖で多く雨が降るために水田で稲がよく育ちますが、収穫されたお米は長期間保存できます。悪天候のため他の作物が不作になっても手元にお米を保存していれば、飢えることがありませんでした。ゆえに、米は日本人の主食の座に置かれました。

  ジャガイモは収穫される6月から年を越して4月になるまで長期保存ができます。収穫後10か月もの長い間保存できる野菜は、他にはありません。私は自分で稲を栽培していないので、お米の代わりに自分が栽培したジャガイモを主食として食べることが多いです。ジャガイモは小林農場の作物の中で「エースで4番」の役割を果たすことができる作物です。

  小麦も収穫して製粉して小麦粉にしたり製麺して乾麺に加工すれば長期保存できるので、小林農場では広い面積で小麦を栽培しています。いつでも手元に食べられる食材があると、とても安心します。長期保存のできる作物は私たちに「安心感」を与えてくれます。

  豊かな日本に暮らしていると忘れてしまいがちですが、世界ではまだまだ飢餓に苦しむ地域が多く、「安心して暮らせる生活」は人類にとってかけがいのない宝だと思います。小林農場でも、「安心感」を与えてくれる作物を優先してたくさん作るようにしています。

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