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2015年11月14日 (土)

製粉までの道のり  平成27年10月1日

製粉までの道のり  平成27年10月1日

涼風の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  今年の6月に収穫した小麦を製粉・製麺して、今年度の小麦で作った小麦粉とうどん(乾麺)ができ上がりました。ご希望される方々にお届けしてまいりたいと思います。

  前年度に栽培した小麦は、「南部」という岩手県の銘柄品種でした。この品種より製粉された小麦粉は比較的に粘り気が強く、手作りパンの生地としても使われています。今はホームベーカリーという簡単にパンが作れる家電製品がご家庭で一般的に普及されているようで、小林農場の南部小麦をパン作りに愛用してくださる方々もいらっしゃいました。

  また、南部小麦は香りの良さでも知られている品種で、製麺されたうどんの後味にも良い香りが舌に残ります。ご好評につき、今年度も小麦の品種は南部を選んで栽培しました。

ただ、うどんについては、「南部小麦のうどんを煮込むと、食感がボソボソとなっておいしくない。」という意見もいただきました。そこで今年度は、日本人にとって最も馴染みのあるうどん用の小麦の品種「農林61号」も栽培してみました。煮込んだうどんを食べたくなる寒い時期は、農林61号で製麺した太麺を主に販売してゆきたいと思っています。

  毎年、冬の気配をはっきりと感じられるようになる11月上旬に、小麦の種まきが行われ、厳寒期に少しずつ生育してゆきます。寒い時期なので害虫も雑草もなく、ほとんど農家は何もしなくても小麦はたくましく育ち、6月に収穫時期を迎えます。

  ここまでは簡単です。大変なのは、収穫から製粉に至るまでです。小麦の栽培は各野菜の栽培よりも広い畑の面積が必要で、小林農場の小麦畑も1反(1000㎡)くらいあります。鎌を使って手で麦刈りをしていたら時間がかかって仕方がないので、機械を使います。

  小麦畑に機械を持ち込むと、機械が小麦を刈り取って束ねて、麦わらから麦粒を取り出してくれます。私が一人でたくさんの小麦を収穫できるのも、便利な機械のおかげです。

取り出された麦粒を雨除けハウスの中に広げて、しばらく日にさらして乾燥させます。十分に乾いたら仕上げに、「唐箕(とうみ)」で麦粒に混じっているゴミを取り除きます。

唐箕は機械のなかった昔から使われている道具で、唐箕についているハンドルを手でグルグル回すと、唐箕の中で羽が回って風が起こり、干していた麦粒を唐箕に入れてその風に当てながら落としてゆくと、軽いゴミは風に吹き飛ばされ、重たい麦粒のみがきれいに取り出されます。その麦粒を紙袋に詰めて製麺所に持っていって製粉・製麺していただきます。

機械はいつも調子が良いわけでなく、毎年、理由のわからぬ不調が生じて、作業の途中で動かなくなったりします。仕事の段取りが狂ってしまい、途方にくれたりします。

ずっとハンドルを手で回し続ける作業は疲れますけれど、唐箕を使う作業は機械を使う作業よりも気が楽です。機械と違って仕組みが単純なので、唐箕が不調を生じても自分で手直しできます。風の力を利用した単純で素朴な仕組みの中に先人の知恵を感じられます。

製麺所でもさまざまな工程を経て、小麦が小麦粉や乾麺になって小林農場に帰ってきました。長い道のりの末に作られた加工品を、みなさんも味わっていただければと思います。

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