九州電力・川内原発、再稼動か!?今思い出したい福島第一原発事故 その1
九州電力・川内原発が早ければ8月10日に再稼動されることになり、再び日本は原発を活用してゆく方向へ向かおうとしています。
打てない終止符 平成25年11月18日
向寒の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。
11月10日、栃木県宇都宮市にて、原発再稼働反対を訴える大規模なパレード「さよなら原発 栃木アクション」が行われ、私も参加してきました。2000人を超える一般人が足を運び、「原発はいらない!」と声を上げながら、市内の中心街を練り歩きました。
私が農業研修を終えて農家として独立して小林農場を設立したのは、平成23年の1月のことでした。そのわずか2カ月後の3月11日に東日本大震災が発生し、悪夢の原発事故が引き起こされました。小林農場の歴史は、福島第一原発事故とともに始まりました。
事故によって栃木県内にも放射性物質が拡散し、当時、放射性物質によって自分たちが育てている野菜がどのくらい汚染されているのかよく分かりませんでした。私のまわりの農家の中には、汚染の状況がはっきりと分かるまで野菜の出荷を自粛する方もいました。
私は収穫時期を迎えた小松菜をさっそく出荷してみました。出荷することによって、まだ設立したばかりの農場の第一歩を踏み出したかったので。
もし自分が出荷した小松菜が本当に放射性物質に汚染されていて、それを食べた人が健康被害を被ってしまったらどうしよう?出荷した後になってそのような不安がこみあげてきて、背筋が凍りついてきました。第一歩を踏み出してみたら、つまずいてケガをしました。一回出荷したきり、小林農場もしばらく出荷を自粛することにしました。
現在は日本の田畑の性質では作物に放射性物質が移行しにくいことが分かり、検査をしてみても作物から放射性物質が検出されることはほとんどなくなりました。ただ、原木で育てたシイタケなどのキノコ類や山菜類、イノシシなどの獣肉など、除染の難しい山から採れる「山の幸」からは今でも高い数値の放射性物質が検出され、私たちの地域でもこれらの出荷が規制されています。小林農場でも原木でシイタケを作るつもりでいましたけれど、せっかく作っても、今は安心してシイタケを出荷できる状況ではありません。
今年も行政から落ち葉を堆肥の材料として使うことを控えるように呼びかけられています。落ち葉には降り積もった放射性物質がたくさん混じっている可能性があるからです。
小林農場が利用している雑木林には、原発事故当時に放射性物質を浴びた古い落ち葉もたくさん残っています。落ち葉で堆肥を作ったら必ず検査をして安全性を確かめようと思います。もし高い数値の放射性物質が検出されれば使用をあきらめなくてはいけません。
原発事故によって被った小林農場への被害はまだまだ小さいもの。福島第一原発周辺の市町村で農業を営んでいる農家の方々は、本当に悲惨な被害を受けています。代々引き継がれてきた田畑が放射性物質によってもう使えなくなってしまうほどに汚染され、自分たちの田畑から離れなくてはいけなくなった農家の方々の絶望はどれだけ深いものなのか。
この原発事故が起こった後に私が見たこと、聞いたことを、これからもずっと忘れずにいようと思います。そして、原発事故によって世の中がどのように変わっていくのか、私が死ぬまでずっと追いかけて見届けてみようと思っています。
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