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2015年7月31日 (金)

夏休み特別企画 農業ってなんだろう?私なりの農業論 その2

夏休みになりました。

そこで特別企画「私なりの農業論」。
農業とはなんなのかを語ってみた過去の農場通信を集めて、再公開いたします。
今回は2年前に書いた農場通信より。
自給自足の意味

  農家は米や野菜を作るだけではなく、肥料も種も道具も動力も、そして自分が暮らす家も、身近に手に入る材料で自分の生活に必要なものをなんでも自給することができるとききました。そんな世界に憧れて、私は農業を始めてみました。

  私は人づきあいが苦手だという悩みを抱えていて、「自分に必要なものをなんでも自分で作り出せるようになれば、誰にも頼ることなく一人で暮らしていけて、わずらわしい人間関係から解放される」と考えていました。

  小林農場に畑を貸してくださっている地主さんは大工仕事も達者で、ご自分の家を手作りして建てました。私も少しだけお手伝いさせていただいたことがあります。

  長くて重い材木を高い位置にまで移動したり、二人以上の人数が必要な仕事がいくつかありました。たった一人で作業するには、物理的に難しいと感じました。

  地主さんのお友達も時々、手伝いにかつけてきてくれました。そのようなお友達との関係を、地主さんは大切になさっていました。

  家づくりの材料を全部、店で購入していたら、ものすごい出費になります。そこで地主さんは地域をまわり、地域の人々からいらなくなった材料を譲り受けていました。

  助けを必要な時に助けにかけつけてくれる友人がいるか。材料を分けていただける知人が身近にいるか。そういったことも家づくりの重要な要素になるようです。

  昔は特に、農村は「結(ゆい)」を大切にしていました。田植えや屋根替えなど、一時に多くの労働力を要する仕事をする際に、村人たちは互いに人手を貸し合っていました。そうすることによって、地域内の自給自足を可能にしてきました。

  お金を支払って家を借りたり買ったりするのであれば、それほどまわりの人々と関わらなくても自分の住居を手に入れることができるかもしれません。それとは違う生活が自給自足にあります。

要するに、自給自足をしようとすればするほど、まわりの人々との関わりが大切になってきます。人間関係が苦手な人は、おそらく、自給自足も苦手だと思います。

  そうはいっても、万人に愛される必要はないと思います。身近に信頼し合える人が少しいてくれれば十分、自給自足は可能だと思います。

  言い換えれば、自給自足によって、身近な人々との交流の場が生まれます。自給自足を基盤にした社会になってほしいと、小林農場は願っています。

消費者の方々が身近な生産者、顔の見える生産者の生計を支えることによって、その地域の、その国の食糧自給は可能となります。小林農場の畑はみなさんにとっての家庭菜園、そして、小林農場の野菜を食べることは、みなさんが自分の食べ物を自給しているということ。そんなふうに感じていただけるくらいに、みなさんにとって身近な農場になれればいいと思います。


私なりの結論・・・農業とは、自給自足をすることによりまわりの人々との絆を深めてゆくなりわい。

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