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2015年7月23日 (木)

おかげさまで忙しくて  平成27年7月2日

おかげさまで忙しくて  平成27年7月2日

あじさいの花が美しく咲いております。みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  畑ではたっぷりと恵みの雨を受けて、作物だけでなく、雑草も元気に生育しています。作物のまわりで作物を覆い隠そうとする雑草だけを退治するだけではすみません。畑のまわりに生えている草も、放っておいたら公道まで飛び出してしまいます。取り除いたり刈ったりしてもまたすぐに雑草は生えてきて、草刈りに追われています。

  ナスやキュウリなどの夏野菜も実を増やし始め、収穫が本番を迎えようとしています。これらの作物は「草」というよりは「樹」です。無駄なわき芽をかいて剪定したり、支柱をたてて倒れないようにしたり、肥料を定期的に与えたりします。葉物野菜や人参のように種をまいて雑草を取り除けば収穫できる作物とは違って日々のこまめな管理が必要です。

  そして、放っておいたら無限に散らかってゆく住まいや作業場。毎日、ちゃんと片づけの時間を確保しておく必要があります。

  これらの作業は、毎日少しずつ片づけてゆくことが肝心な「毎日の習慣にすべき仕事」です。しかし、収穫・出荷作業や作物の種まきや苗の植え付けなどの作業をまず優先されるので、毎日の習慣にすべきはずの仕事はどうしても後回しになります。夏休みが終わる直前まで夏休みの宿題をやらずにためこんでしまう子供たちのように、仕事もためこんでしまうほど気が重くなって手がつけられなくなり、後でてんてこ舞いすることになります。

  やらなくてはいけない仕事がありすぎて、忙しくて忙しくて途方にくれてしまいそうになります。「心を亡くす」と書いて「いそがしい」と読みます。人間、あまり生活が忙しすぎると、本当に心の余裕をなくしてしまいます。

  草が元気に育つ夏に農家の仕事が忙しくなるのは当たり前。心を亡くさずに忙しい仕事をこなしていく秘訣は、「毎日の習慣にすべき仕事」を後回しにせずにこなしていくことです。早めに作物のまわりの雑草を取り除いておけば、心も軽くなっていきます。

  暑い時期にも生育する貴重な青物、モロヘイヤは人気のある作物なので、たくさん苗を作りました。でも、今の忙しい状況ではたくさん苗を畑に植えても全部をしっかりと育てる時間を確保できそうもないので、作付け数を減らすことにしました。自分の身の丈に合った仕事量を設定して、どの仕事を優先してどの仕事を切り捨てるか、判断しています。

  会社で決められた時間に働くのとは違い、農家は働きたいときに働き、休みたいときに休めます。畑仕事していて疲れたら、畑に寝転がって昼寝もできます。時間の使い方が自由自在な農家の暮らしは、どんなに忙しいといっても、ゆったりとしていると思います。

  農家にとって最も辛いことは、仕事が忙しいことよりも、やるべき仕事がないことだと思います。仕事を生きがいとしている農家は多く、私もその一人です。

自分が作った作物を食べてくださる人が増えれば増えるほど、仕事はますます忙しくなります。それは心を亡くすような忙しさではなく、「おかげさまで忙しいです。」と言いたくなるような忙しさなのです。

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