5月24日~5月30日の野菜セット(カブの品種についてのひとり言)
この週の野菜セットの内容は以下の通りです。
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この週の野菜セットの内容は以下の通りです。
肥料の中身 平成27年5月1日
日中は汗ばむほどの陽気です。みなさん、いかがおすごしでしょうか。
稲からお米を取り出した後に排出される稲わら、米ぬか、もみ殻。家畜を飼育している時に排出される家畜糞。日本の伝統的な農業では、それらは「ゴミ」ではなく、肥料の貴重な材料として、捨てることなく大事に田畑に循環させてきました。
現在の養鶏場の多くは効率性を優先して、大量の鶏を狭いゲージに入れて飼育します。そのような風通しの良くない環境では鶏は病気になりやすいので、鶏に与えるエサにはあらかじめ抗生物質を混ぜたりします。
私はお隣の町にある養鶏場まで、軽トラックを走らせて鶏糞をいただきにうかがっています。そちらでは、鶏は走り回れるくらいに広い鶏舎の中で飼育されています。風通しの良い環境で鶏も健全に育ち、エサに抗生物質を加える必要がありません。
そちらの養鶏場ではさらに鶏のエサの材料にこだわり、ご自身で配合して作っています。遺伝子組み換えされている材料は使用しないなど、エサの安全性を考慮しています。
その鶏舎の床には、たっぷりともみ殻や細かく切り刻んだ稲わらなどが敷かれていて、柔らかな床の上で鶏たちも気持ちよさそうに暮らしています。その床の上に鶏糞がたくさん落ちています。鶏舎の中におじゃまさせていただき、もみ殻などが混ざった鶏糞をスコップですくって紙袋に入れて、軽トラックの荷台がいっぱいになるまで積みこみます。
養鶏場の方の善意により無料で大量の鶏糞をいただいています。入手するのに手間をかけますが、健全に飼育されている鶏の糞はそれでもほしい安全性の高い高級な材料です。
稲作農家の方の田んぼに山積みにされているもみ殻も、毎年いただいています。もみ殻はふんわりとしているので、そのまま畑にまけば、土をフカフカにしてくれます。手間をかけて蒸し焼きして炭にすれば、良質な肥料の材料となります。
日本の風土では米ぬかを好んでエサにする有用な微生物が多く、米ぬかは手に入れておきたい材料です。コイン精米機の管理者の方の許可をいただいて、精米機のすぐ横に取り付けられている貯蔵タンクから米ぬかを大量にいただいています。
落ち葉は作物の苗を育てる床土の最良の材料になります。農場の敷地内には巨木が並び、秋の紅葉の季節がすぎると地面は落ち葉で埋め尽くされます。それらを竹ほうきでかき集めて、1年間かけて発酵させて床土を作っています。
今年はもっと畑に肥料をいれてゆきたいので、地域の生ゴミを収集してそれらをしっかりとした施設で発酵させて堆肥を作成している会社より、堆肥を購入して畑に散布していこうと思っています。地域の資源の循環を重視している会社の方針には共鳴いたします。
去年の秋には「緑肥」と呼ばれる植物の種を畑の広い面積にまき、現在はそれらが大きく生育しています。それらは生育することによって畑の土を改良してくれます。
できるだけ自分の農場の中で有機物を確保できれば、とても安全性の高い堆肥を作れます。農場の敷地内で刈った大量の草もかき集めれば、土を肥やす材料として使えます。
5月18日撮影
ここに注目・・・小林農場で作っているカブは一般的な白いカブだけではありません。首が紫色をしているカブが、最近の私のお気に入り。
以下はこの週に行った仕事です。
以下はこの週の野菜セットの内容です。
土、ホロホロと 平成27年4月24日
惜春の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。
この春は作物の生育に勢いがなく収穫時期が遅れ、野菜セットの中の野菜の種類数を確保するのに苦慮しています。3月中に種まきした葉物野菜がほとんど発芽せず、少しの間、葉物野菜の出荷をお休みしなくてはいけなくなるかもしれません。
作物栽培に適した土の手触りは、粘土のようにゴロゴロとしているわけでなく、砂のようにサラサラとしているわけでもなく、その中間の「ホロホロ」とした感じになります。いつまでも触っていたいと思えるような、とても気持ちの良い感触です。
その感触を例えるのであれば、スポンジです。スポンジのように排水性がよく、なおかつ吸水性にも優れ、土中は天候に左右されにくく、適度な水分を保持しています。
小林農場の畑は強い粘土質で、耕すとゴロゴロとしてしまう性質があります。種をまく前にまき溝を作るにも、種をまいた後に土をかぶせるにも、とてもやりにくい土です。
それでも今まで、どんなゴロゴロとした土でも種を発芽させていく技術を身につけてきました。でもこの春は、発芽に失敗しました。この春、栃木県では2週間以上、まとまった雨が降らない時期があり、ゴロゴロとしている土はとても乾きやすく、種は水分を得られぬまま、消えてなくなってしまいました。
やはり「ゴロゴロ」のままではどんな作業をするにもやりにくくてしかたがありません。作物にとっても、発芽するにも根を伸ばすにも、ゴロゴロした環境では苦労していると思います。土質を改善していく努力を支払うべきでしょう。
土をホロホロと柔らかくするには、米ぬかや家畜糞などの有機物を発酵させた堆肥を畑へ継続的に散布していくことが有効だと思います。これらの堆肥の中には微生物がたくさん含まれていて、これらが土を耕して柔らかくして、作物の生育を助けてくれます。
作物を育てるのは私ではなく、土中の微生物や小動物などです。私の仕事は、土中にこれらの生き物を増やしていくこと。まずは、有機物を他から入手することです。
他からいただいてくる有機物の中にはどうしても農薬などの化学物質なども少量ながら含まれているので、今まで有機物を他から入手して堆肥を作って散布していくことに消極的でした。しかし、そのためか、この春作の作物の生育具合を見ていると、畑の地力が落ちてきていることが鮮明になってきているように感じています。
前述のとおり、堆肥の中身は微生物の塊で、堆肥を使用する利点は大きいです。堆肥を田畑に施して土を作ることは、昔から日本で行われてきた作物栽培の基本中の基本です。
私の住まいの目の前にあるお隣の農家の方の畑を、毎日、目にしています。土は気持ち良くホロホロとしていて、どの作物の生育ぶりも惚れぼれとするほど美しいです。
こちらの農家の方は数十年間、無農薬栽培を実践されてきました。堆肥を継続的に与え続け、力強い土を作ってきました。作物栽培の基本に戻ればいろんな問題が解消されていくのではないかと思わせてくれる、すばらしいお手本です。
以下はこの週の野菜セットの内容です。
以下はこの週に行った仕事です。
材料: サトイモ、サニーレタス、お好みの味付けで作ったドレッシング
以下はこの週に行った仕事です。
以下はこの週の野菜セットの内容です。
(写真をクリックすると写真が確認されて見やすくなります。)
5月6日撮影 9月10日播種の玉ねぎ
写真の手前の列は早生系の品種。このように、まっすぐ立っていた茎葉が倒れた時が、玉ねぎを収穫する合図となる。
早生系を収穫したけれど、大きく肥大した玉ねぎが少なく、みんな小さい。去年の秋、肥料を入れる手間を省いて玉ねぎの苗を畑に植えたのだけれども、本当は玉ねぎは肥料をたくさん必要とする作物。土を肥やしてから玉ねぎの苗を植えるべし。
写真の奥でまっすぐに茎が立っている玉ねぎは晩生系。6月に収穫時期を迎える。
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3月21日撮影 9月10日播種の玉ねぎ
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12月26日撮影 9月10日播種の玉ねぎ
定植してからほとんど玉ねぎの苗は大きくなっていない。冬の寒い間は時間が止まったように変わらず、春になってから日に日に大きくなっていく。
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11月10日撮影 9月10日播種の玉ネギ
(右)間隔を空けながら再び畑に植えられた苗。このまま、収穫時期を迎えるまでこの畑で育つ。
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10月8日撮影 9月10日播種の玉ねぎ
(左)雑草に囲まれた玉ねぎの苗。いったいどこに苗が生えているのか、よく分らない。
(左)9月19日に播種した玉ねぎの苗。これくらい雑草が小さい時に除草をしておくと、楽に雑草を取り除くことができる。
9月10日撮影 9月10日播種の玉ねぎ
端境期と春がやって来た 平成26年4月9日
花冷えの候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。
桜の花が咲き始める頃から新緑の頃までは、1年のうちで最も出荷できる野菜の種類が少なくなる「野菜の端境期(はざかいき)」です。気温が暖かくなるにつれて、寒い頃に貯蔵していた大根や白菜などの貯蔵が効かなくなって傷んでゆきます。いっぽうで、この冬に種まきした作物が収穫できるようになるまで、もう少しだけ待たなくてはいけません。
冬の間、土をたっぷりかぶせて防寒してきた人参は、4月の終り頃まで出荷していく予定です。寒い頃は葉を枯らしていた人参も、春を感じて盛んに新芽を地上に伸ばしています。食用部の根から葉の部分に水分や養分が移っていく最中です。
冬はちょうど人参の食べ頃で、畑仕事をしている時に小腹がすいたら、よく人参畑から人参を引っこ抜いて、簡単に泥を服でふき取って、生のままポリポリとおいしくいただいていました。今の時期は、生で食べるとどうしても筋っぽさを感じます。
現在出荷している人参は、しっかりと火を通せばその味わい深い甘みはまだまだ健在、良い食味を維持しています。今の時期は常温に置いておくと根から芽が生えてくるので、冷蔵庫に保存しておいたほうが鮮度を保てるでしょう。長ネギも人参と同じように、この時期から中身が固くなってきているので、よく火を通したほうがおいしく食べられます。
今年の2月に種まきしてビニールトンネルをかぶせて保温しながら育ててきた葉物野菜。予想していたよりも生育が遅れてまだまだ小さいですが、葉が込み合っている部分から間引くような感じで収穫しています。
このような「間引き菜」は小さいので、料理する時に少し扱いづらいこともあるかと思いますが、その味はクセがなく初々しい。厳しい寒さの中で生育する冬の葉物野菜の濃厚な味わいとは違います。季節の変化によって変わってゆく味わいをお楽しみください。
この先、根菜類の作物が減っていくいっぽうで、数種類のレタスが収穫されるようになり、野菜セットの中に占める葉物野菜の割合が多くなるかと思います。葉物野菜は鮮度の落ちないうちに食べたいところではありますが、お届けした葉物野菜を全部、すぐに食べられない場合もあると思います。
葉物野菜は、育った状態で保存すると良いらしく、葉先を上にして立てて収納しておくと長持ちするようです。今は野菜を保存するのに適したジッパー付きの何度も使い回せる保存袋も販売されています。酸化や乾燥から守るため、袋で密封すると良いようです。
たくさんの葉物野菜を冷蔵庫の野菜室の限られた空間に詰め込むのも大変な場合もあるでしょう。小松菜などの葉物野菜は、一度お湯でさっと煮て体積を減らして、水気をきってから冷凍室で冷凍保存ができます。使いたい時に解凍すれば、料理も楽です。
これからの時期は冬眠から覚めた虫たちが、畑の作物をかじり始めます。虫害に気をつけなくてはいけません。でも、普段はやっかいな存在である害虫も、今の時期は春の訪れを告げに来た使者に見えて、愛おしく感じてきます。冬を超え、春になりましたね。
この週の野菜セットの内容です。
以下はこの週に行われた仕事です。
八十八夜は、旧暦の年の始まりにあたる立春(新暦では2月上旬)から数えて八十八日目にあたる日のことをいいます。今年の八十八夜は5月2日でした。
ここに注目・・・小林農場の秘蔵の一品が野菜セットに初登場。生食ができるイモです。すりおろせば「とろろ」になります。
料理方法・・・加熱して食べるよりも、生食するのが一般的です。すりおろせば「とろろ」になり、うどんやそばにかけて食べたり、刺身といっしょに食べたり、ご飯にかけて食べたり、お好み焼きの生地に混ぜて焼き上がりを良くしたりします。細かく刻んでサラダやあえ物にして食べても。(今回は収穫時期が少し遅れたので、少しだけイモの中身が筋っぽいかも。やはり、すりおろして「とろろ」にすることをおすすめします。)加熱して炒めたりしてもおいしいです。外皮は切り除いたほうがおいしいと思います。
保存方法・・・冷暗所に。使いかけは切り口をラップでくるんで、湿気を保つために新聞紙にくるんで。すりおろして冷凍保存することもできます。
栄養・・・漢方薬として利用されるほど、滋養強壮効果(老化防止、疲労回復など)が高いようです。ながいものような粘り気のある食材は、たいていムチンなどのたくさんの栄養が含まれています。
追記・・・「ヤマトイモ」とか「ヤマノイモ」とか呼ばれることも。地域によって呼び方がバラバラに違っていて、頭が混乱してしまいます。小林農場の「ながいも」は、すりおろすと比較的に水気を多く含み、その味はまろやかです。
5月1日撮影 9月20日播種のキャベツ
秋に種まきして冬のうちに生育したキャベツは、虫の少ない時期に大きくなるので、虫害はほとんど受けない。全く害虫を捕まえる手間をかけずに、「本当は農薬を使用したのでしょ?」と疑われてもしかたがないくらいに虫食われ穴のないきれいなキャベツが収穫できる。
畑の肥料が少なく、あまりたくさんのキャベツを収穫できそうもない。次回はもっとしっかりと肥料を与えて管理して、たくさん収穫できるようにしたい。出荷できる野菜が少ない今の端境期にキャベツがたくさん収穫できるようになれば、ものすごく助かる。
3月3日撮影 9月20日播種の春キャベツ
「十分に堆肥を入れて耕した畑に植え、追肥もしっかり行います。肥切れになると、キャベツは固くなり、味が落ちます。」(金子美登著「絵とき、金子さんちの有機家庭菜園」より)
「キャベツは、本葉10枚まではしだいに大きな葉になって横に広がり外葉となります。それ以降の11枚目からは葉が立って結球し始めます。」「追肥はすぐに吸収されるボカシ肥を。追肥は遅くとも結球が始まる本葉10枚の頃までとします。以降の追肥は効果もなく、害虫を呼び込むので禁物です。」(竹内孝功著「これならできる!自然菜園、耕さず草を生やして共育ち」より)
1月下旬撮影 9月20日播種の春キャベツ
12月26日撮影 9月20日播種の春キャベツ
1カ月前から、本葉の数はあまり増えていない。寒くなって生育が一休みしている感じだが、明らかに葉1枚1枚は大きくなっている。
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11月23日撮影 9月20日播種の春キャベツ
現在、はっきりと展開している本葉は6~9枚くらい。霜から守るため、布をかぶせて保温。
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10月18日撮影 9月20日播種の春キャベツ
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