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2015年4月17日 (金)

心配の許容限度量   平成27年3月20日

心配の許容限度量   平成27320

寒さもだいぶゆるんできた今日この頃です。みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  前回の農場通信で、4年前の福島第一原発事故による現在の農場への影響をお伝えしましたが、今回も放射能汚染について。いろんなことを深く考えさせられた事故でした。

  この事故によって、放射性物質が大量に福島県とその周辺地域に飛散しました。果たしてこれらの放射性物質はどれだけ人々の健康に危険なのか?それとも危険はなく心配する必要はないのか?事故以後、日本中で議論されてきました。

  今回のような放射性物質による低い線量での被ばくが人体に与える影響は、現在の科学ではどれだけ危険でどれだけ安全か、結論がでていません。危険か安全かよくわからない化学物質については、「予防原則」という国際的に合意されている約束事が適用されます。

  予防原則では「危険性が確認されないのであれば安心してもよい」と考えるのではなく、「安全性が確認されるまでは十分に注意を支払う」と考えます。放射性物質のような未知の化学物質に対しては、低い線量であっても、用心してしすぎることはないと考えます。

  ただ、この話はそう単純ではありません。25年前のチェルノブイリ原発事故では、被ばくの危険から守るために強制的に汚染地域から避難させられた住民たちの多くが、慣れない新生活に精神的ストレスを受けて深刻な健康被害に陥ったことが報告されています。

  厳しい団体や専門家からは、東北・関東地方産の農産物は放射能汚染を受けている可能性があるから、これらの地域産の農産物の出荷を全て、制限するべきという声もあがりました。本当にそうなれば、東北・関東地方の農家は生活できなくなって離農してしまい、広い範囲で産地が消えてなくなります。それは放射能汚染よりも怖い事かもしれません。

 「低い線量の放射能汚染を心配しすぎることによって新たに深刻な社会問題を生み出す」という意見もあります。どこまで心配しどこまで心配しなくてもよいのかは、けっきょくはその人、その家族、その地域の判断に委ねられていくことになるのでしょう。

  チェルノブイリ原発事故では実際に多くの人々が放射能汚染による健康被害を生じさせましたし、事故から25年経った現在でさえ、放射能汚染が原因だと疑われている健康被害が原発周辺地域の住民たちから報告されています。これから長期間、福島県やその周辺地域は放射能汚染への警戒心を緩めずにしっかり監視するべきだと、私は考えます。

  日本ではまだ、放射性物質への根強い心配が社会全体に残っています。だから各自治体は、事故後、定期的に農産物の放射能検査を実施しています。これらの検査結果より、日本の土壌では野菜は放射能汚染の悪影響を受けにくいことがわかってきました。

  また、行政では農家が自分たちの畑で採れた野菜を無料で放射能検査してくれる支援も行っています。小林農場も何度か野菜を検査していただき、安全性を確かめてきました。

  社会が放射能汚染への不安を共有して監視体制を緩めずにいるうちは、私も安心してみなさんに野菜をお届けできます。一人で心配していればそのうち気が病んでゆきますが、みんなで心配を共有すれば「心配」はひっくり返って「安心」に変えられます。

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