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2015年3月 6日 (金)

品種比べ

品種比べ   平成27212

早春の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  同じ野菜にもいろんな品種があり、同じ野菜でも品種が違えば育ち方も収穫時期も姿も違ってきます。1つの品種に頼るよりも数種類の品種を栽培したほうが、多様な品種の特長を楽しめるし、栽培に失敗して全く収穫できなくなる危険性を減らすこともできます。

  みなさんにお届けしているほうれん草の葉の形は、品種によって微妙に違っています。葉に切れ込みがあるのが、昔から日本で栽培されてきた日本種のほうれん草です。一方で葉の形が広幅で葉先に丸みがあるのが、東洋種と西洋種を交配して作られた品種です。

  この冬、この2種類の品種の生育を観察してみると、明らかに品種間で生育差が生じました。日本種は寒さで縮こまってしまいあまり収穫できませんでしたが、交配種は抜群の耐寒性を見せ付けて、青々とした葉をふっくらと膨らませて、たくさん収穫できました。

  「品種に勝る技術なし」という言葉があります。品種の選定がその作物栽培の良し悪しを決める大きな要素となります。

 種は大きく分けて「固定種」と「交配種」の2種類に分かれます。固定種は昔から継続して採種されてきた品種。前述の日本種のほうれん草が固定種です。交配種は種苗会社が数種類の品種を交配させて作った品種です。交配することによって、すばらしい特長をもった品種を開発することができます。

食の自給を目指す小林農場としては、種も自分の畑から採種していくことが望ましいと考えています。交配種の大きな欠点は、良質の種を採種できないということで、そのため、毎年、種苗会社から新たに種を購入しなくてはいけません。

固定種の作物を増やそうと思い、去年はキャベツや大根やほうれん草などで固定種の品種を導入してみましたが、あまり良い結果は得られませんでした。結果的に収量を落としてしまい、野菜セットに入れる種類数を確保していくのが苦しい時期も多くありました。

一方、さすが種苗会社が力を入れて交配した品種だけあり、交配種は収量が良くて出荷しやすい品種が多くあります。今年は、みなさんに豊富な量の野菜を安定的にお届けしていけるよう、交配種の品種を増やしていきたいと考えています。

一般的に交配種よりも固定種の作物のほうが味が良いと言われていますが、実際に食べ比べてみるとそんなに違いはありません。交配種も十分においしいと思います。

固定種は、毎年種を採種しながら栽培していると、その品種はその土地の環境に馴染み、年々、生育が向上していくと言われています。やがて交配種にも負けぬ優れた特長をもった品種に育っていきます。長い年数をかければ、我が農場で新たに品種を改良していけるという夢が、固定種にはあります。

この先数年間は野菜の収量を上げていきたいので、交配種も積極的に利用していこうと思っています。同時に少しずつ固定種も栽培して、種を採種してゆこうと思います。長い年数をかけて、徐々に交配種から固定種へと移行してゆく計画です。

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