年明け後の作物
年明け後の作物 平成27年1月15日
寒気厳しきおりでございます。みなさん、いかがおすごしでしょうか。
関東平野のほぼ北限に位置する小林農場では、12月より毎朝、畑は霜で真っ白に染まります。水気のあるものはなんでも凍ってしまう、氷点下の世界です。
ここ数年の傾向ですが、畑の作物はまるでカレンダーに合わせるかのように、年が明けるのと同時に、寒さによる傷みが目立ち始めます。長ネギは1枚、2枚と葉を枯らしてゆき、だんだんとみすぼらしい姿になってゆきます。
白菜は畑より全部収穫して、霜の当たらない屋内に並べて防寒しています。1度畑より根が切り取られているので、どうしても外葉がしおれてしまう傾向があります。出荷する前に気になる外葉を取り除きながら、できるだけ格好を整えてから出荷しています。
露地の葉物野菜も枯れ葉が増えて、商品として出荷する前に枯れ葉を取り除く作業に手間をかけています。できるだけ枯れ葉を取り除くようにしていますが全ては取りきれず、みなさんにも台所で少しだけ枯れ葉を取り除く手間をかけていただくことをお願いする場合もあるかと思います。
早朝は霜をたっぷりと浴びて凍りついた葉物野菜は、午前中はずっと凍ったままです。氷が解けるの待って、収穫は午後に行うようにしています。先日、収穫が遅れて気温が下がってゆく夕方の6時頃に葉物野菜を収穫しようとしたら、すでに凍り始めていました。
毎朝強烈な霜を浴びて凍りついても、葉物野菜はそのまま凍死することなくお昼には収穫できる状態にまで蘇生します。春が来て花を咲かせて種を残すまで、生き延びます。今はみすぼらしい姿の長ネギも、3月頃に温かくなると新葉を伸ばして、見違えるほど立派な姿に戻ります。
その生命力の強さを示すかのように、霜に当たる度に、露地野菜の味が濃厚になっていきます。他の季節にはない、冬ならではの味わいになります。
ジャガイモも日が経つにつれて水分が抜けて、冬になると表面にシワが目立ち始めます。このようなみすぼらしい姿のジャガイモを買ってくれる消費者は少ないので、普通は店で売られることはありません。農家は冬になる前にジャガイモを売り切ろうとします。
でも、水分が抜けた分だけ、中身の味が濃くなっていきます。小林農場では、冬の貴重な一品として、ジャガイモを冬まで大事に保管しています。野菜セットでは、そんな「しわしわジャガイモ」の魅力を皆さんにお伝えしていくことができます。
栃木県の関東平野では、朝は寒くても、昼になればお日様の日がさんさんと降り注いでくれます。冬になっても雪が積もることがなく、1年中畑仕事ができて収穫もできます。
こんなに寒い栃木県の冬でも食糧を自給していくことができる幸せを、野菜セットを通してみなさにお届けしていきたいと思います。出荷しにくくなっていくこの時期にできるだけみなさんに受け取りやすい形に整えて野菜をお届けしてまいりたいと思います。
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