届ける前に食べる
届ける前に食べる 平成26年10月28日
行楽の秋、みなさん、いかがおすごしでしょうか。
昨日、この秋初めて、人参を収穫しました。さっそく台所で短冊切りにして塩をふって炒めて、夕食のおかずとしていただきました。小林農場の人参は、中身が黄色っぽくて色があまり良くない場合もあります。でも、味はとてもおいしいことを確認できました。
当たり前ですが、みなさんにお届けする野菜は、まず自分が料理して味見するのが基本です。実際に自分が野菜を水洗いしたり野菜に包丁を入れたりすることにより、農場の野菜を受け取ってくださるみなさんの立場に、少しでも近づくことができます。
先日、小林農場の地主さんのお宅で鍋料理をいただきました。小林農場産の小麦で作った乾麺を持参して、鍋でぐつぐつ煮て、みんなで食べてみました。
「麺がボソボソとしてしまっている。この麺は煮込み料理にはむかない」と地主さんより感想をいただきました。以前に地主さんの農場で生産された乾麺を同じように鍋で煮込んで食べたことがありますが、そのシャキリとしたコシのある噛み応えがおいしかったです。それと比べると小林農場の麺は、洗礼された噛み応えがないように思いました。
今回私が栽培した小麦の品種は「南部」。加工した小麦粉で、パンやおやきが作れるのが特徴です。次回はおいしい乾麺を作れる小麦の品種も探して栽培してみたいと思います。
今回の南部小麦を製粉した小麦粉を「自分の家でパンが作れる小麦粉」と宣伝して売り出すことにしました。まずは本当にパンが作れるのか、この小麦粉を使って自分でパンを作ってみました。今まで全くパンを作る習慣がなかったので、作り方を勉強しました。
ちょうどその頃、一品持ち寄りの交流会があり、私は自分が作ったパンを持参して、それを食べるみなさんの反応をうかがってみました。作ってきたパンは残ることなく食べきられ、南部小麦産のパンに対して自信を深めることができました。
先日、南部小麦粉を買ってくださった方より感想をいただきました。普段からパンをご自分で作られる方で、一般的に販売されている外国産の小麦粉で作るパンに比べて、南部小麦粉で作ったパンは膨らみ方が弱かったとおっしゃっていました。
多湿の日本の気候ではパン作り用の小麦は栽培しにくく、長い間、日本でパンを食べる習慣はありませんでした。現在、国内でもパン作り用の小麦の品種が開発されてきている途中です。現在はまだ、外国産の小麦粉と国産の小麦粉には違いがあるようです。
今回の小林農場の乾麺は、パスタなどにして食べるとおいしいと思います。私はよく、さっとゆでてサラダにして食べています。南部小麦粉で作ったパンは、ヨーロッパの国で見かけるような噛み応えを残したようなパンに似ています。パン作りを趣味とされる人の中には、香りが良いという理由で、南部小麦粉を選ぶ人もいます。
自分で作った作物や加工品を自分で試食し、さらに他の方から食べた感想をいただきながら、より正確に作物や加工品の特徴を把握し、より的確にみなさんにその特徴をお伝えしていきたいと思います。
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