カボチャのできない理由
カボチャのできない理由 平成26年10月13日
秋月の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。
8月から9月、カボチャの収穫時期を迎えます。その大きさ、その重量、その濃厚な甘さ、味わい。存在感の大きな作物です。長期間保存できるすぐれ物でもあります。9月中旬より野菜セットの内容が保存の効きにくい葉物野菜に偏る傾向となっていますが、そこにカボチャを野菜セットに加えるだけでも、つりあいのとれた内容のセットとなるでしょう。
そのカボチャですが、今年度、小林農場では見事に栽培に失敗しました。9月から来春の3月まで出荷する予定だったカボチャが、全く出荷できなくなってしまいました。カボチャは多くの方々に好まれる作物だけに、心苦しいかぎりです。その失敗を総括して、来年の栽培に活かしていきたいと思います。
カボチャはツルを地表に広く這わせながら生育していきます。よって、カボチャを育てるには広い栽培面積が必要となります。広ければ広いほど夏場の雑草作業に手間がかかります。けっきょく手が回らなくなり、小林農場のカボチャ畑は毎年、どこにカボチャあるのか分からなくなるくらい、ジャングルのように大きな草に覆われてしまいます。
「肥沃すぎる畑ではカボチャはツルばかりを伸ばして実をつけなくなり収量が落ちる」とよく言われています。なので、私は肥料を全く施さず、カボチャを栽培してきました。でも、数年前にたっぷりと堆肥を与えて育てたことがありますが、とてもたくさんの実をつけてくれました。堆肥を与えなくなってから、よく収穫できなくなってしまいました。
畑が広いと管理が行き届かなくなるので、カボチャの苗を植える間隔をもっと狭くして栽培面積を縮めてよいと思います。そうすれば雑草が生えてくるすき間もないくらいに畑はカボチャのツルで覆われるでしょう。さらにカボチャ苗のまわりの地表をもみ殻などで覆って雑草が発芽しにくいようにすれば、ずいぶん雑草は抑えられます。
カボチャは、苗が畑に定植されたばかりの初期の段階で生育が停滞すると、その後の生育も良くなくなる傾向があります。苗を植える部分にはしっかりと堆肥を施して土壌環境を整え、植えられた苗がすぐに根を張りやすくしてあげるとよいと思います。
以上のことをしっかりと実行すれば、来年はたくさんのカボチャをみなさんにお届けできるでしょう。数年前までは小林農場でも、簡単にたくさんのカボチャを量産していました。よって、除草しなくても肥料を与えなくても、カボチャなら人が何もしなくても勝手に育ってくれると思いこんでしまう悪癖がいつの間にかについてしまいました。
野菜は人の手助けを受けることによっていきいきと育ちます。人に放っておかれて健全に育つことのできる野菜なんて、ありません。
できるだけ余計な手だしをせずに、作物が自然に育つように心がけてきました。でも、「自然に育てる」ことと「放ったらかしにして育てる」こととは、似ているようで違います。そこを取り違えると、作物をうまく育てることができなくなります。
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