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この週の仕事は以下のとおりです。
以下はこの週の野菜セットの内容です。
じゃがいも 長ネギ 大根 かぶ 二十日大根 きゅうり ピーマン 甘とうがらし キャベツ ブロッコリー レタス サラダ菜 小松菜 春菊 フダンソウ ニラ ニンニク
小林のひとり言
野菜セットの内容が、保存の効きにくい葉物野菜に少し偏ってきている。保存の効く根菜類を加えていけば、つり合いがとれると思う。カボチャの栽培が失敗して全く出荷できないのが悔しい。
本当は人参やサツマイモがとっくに収穫時期を迎えていて、いつでも出荷できる。これらの根菜類は人気があり、たくさん収量が採れそうならば今頃、どんどん野菜セットに加えていってもよい。しかし今年は人参もサツマイモも不作で、これから寒くなって出荷できる野菜が少なくなる時期まで、温存しておくことにした。
もう夏野菜が完全に収穫できなくなってきている。代わりに少しずつ、サツマイモや人参を出荷し始めていい頃だと思う。
以下はこの週に行った仕事です。
収穫、出荷 片づけ 育苗 苗の間引き 玉ねぎと長ネギの苗の除草 大根の間引き 葉物野菜の播種
小林のひとり言
除草が遅れ、玉ねぎの苗の周りに雑草が生い茂ってしまった。大変な除草作業となり、ほぼまる1週間費やして、雑草を手で引き抜きまくった。
もう1週間早く除草を始めていれば、まだ雑草はそんなに大きくなっていなかったので、この3分の1の手間と時間で除草をすますことができただろう。除草作業によって、雑草と間違えて引き抜かれてしまった苗も少なくなかったと思う。「除草作業は遅れれば遅れるほど困難になる」ということを、改めて思い知った。
こだわり 平成26年9月15日
涼風の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。
畑を耕さないで作物を栽培する「不耕起栽培」という栽培技術があります。そこでは作物の根やミミズなどの小動物や微生物によって自然と畑の土が耕されていきます。トラクターで人工的に土を耕せば、大事な小動物や微生物をたくさん殺傷してしまいます。
耕さずに生命がたくさんあふれている畑では、人が肥料を与えなくても作物が育つようになります。人が手を加えて土を作るよりも、自然の力に身を委ねながら作物を栽培する不耕起栽培は、私が知っている中でもっとも自然と調和した栽培方法だと思います。
とても魅力的な栽培方法です。でも、不耕起栽培を指導されている農家の方が、印象的な教え方をされていました。「耕さなくても作物が健全に育つから耕さないのです。耕してはいけないとこだわっているわけではありません。耕す必要が生じるようなら、耕してください。」と。
理屈では人工的に耕すよりも耕さないほうが豊かな土ができると言えます。ただ、自然界のさまざまな要素が複雑に絡まって農業が成り立っているので、単純に理屈どおりにいかないこともたくさんあります。耕したほうが良い畑ができることもあります。
不耕起栽培を試みた人の中には、「耕さない」ということにこだわりすぎて、耕した方が良い場面でも耕そうとせずに、うまく栽培できずに挫折してしまう人も少なくないようです。特に広い農地を扱う専業農家は、耕さないと作業効率が非常に落ちるので、トラクターで耕すことが普通です。
私も不耕起栽培には強く惹かれていますが、それにこだわらず、土を耕しながら栽培しています。今の小林農場の力量に則した現実的な栽培方法を選びたいと思っています。
「こだわりの農産物」と宣伝されて売られている作物をスーパーなどの売店でよく見かけます。他とは違う特別なこだわりを持つことは一般的に良いことだと思われています。
私は逆に、自分の栽培方法に強いこだわりを持たないように気をつけてきました。こだわりを持てば、一つの栽培方法を絶対視してしまい、他の方法の可能性を探ることなくそこから動けなくなります。栽培方法を型にはめてしまい、常に要求するものが変わる作物の生育に柔軟に対応できなくなります。
「私は絶対に何にもこだわりを持たない」ということにこだわってしまうのも良くないと思います。農薬を使わなくても作物が元気に育つことはすでに実証済みなので、「農薬をいっさい使わない」ということにはこだわってもよいと思います。
自分のこだわっている栽培方法で作物を栽培するのではなく、作物が望む栽培方法で作物を育てるのが栽培の基本姿勢だと思います。そのためには、言葉を発することのない作物がいったい何を望んでいるのかを見極めていく目を養っていく必要があります。先入観やこだわりのないまっさらな眼で作物の生育を見守れるように、日々、目の訓練をしたいと思っています。
以下はこの週の野菜セットの内容です。
じゃがいも、長ネギ、大根、かぶ、ナス、キュウリ、ピーマン、甘トウガラシ、二十日大根、キャベツ、レタス、チマサンチュ、サラダ菜、小松菜、シュンギク、ニラ、ニンニク
小林のひとり言
大根やかぶは根の部分だけではなく、葉の部分もほしいというご要望が多いので、葉を切り取らずに出荷している。確かに葉の部分もおいしいので、捨ててしまうのももったいない。乾燥させてふりかけにする食べ方をいろんな方から教えていただいた。
大根などは根も葉も丸ごと食べることにより、体の栄養のバランスがとれるらしい。大根以外の多くの食物は、何も捨てることなく丸ごと食べるのが健康上、好ましいらしい。
6月に種まきしたダイズが実を膨らませて、間もなく種がカラカラに乾いて熟して収穫されます。
種が未熟で柔らかいうち収穫すると、エダマメとしておいしく食べられます(ダイズとエダマメは実は同じ植物。収穫時期が違うだけ)。
小林農場の食卓では、今の時期、ダイズ畑からエダマメを抜きとって、アツアツのお湯に煮て塩をふって食べています。暑い時期にビールのおつまみとして楽しむ印象のあるエダマメですが、今の時期の収穫のほうが虫による食害が少なく、私はエダマメの本当の旬は秋ではないかと思っています。
収穫してからすぐに鮮度の落ちやすい作物のため、出荷しづらいです。とりあえず今は、採ってきたばかりのエダマメを自分一人で楽しんでいます。
小林農場産・南部小麦粉 登場
今年の夏に小麦を収穫して製粉して、小麦粉を作りました。今回の小麦の品種は、岩手県の銘柄「南部」。この品種の小麦を製粉すると、パンが作れるほど粘りの良い小麦粉になります。パンが作れる国産小麦粉は、希少だと思います。手作りパンに関心のある方はぜひ、小林農場産・南部小麦粉をお試しください。
初めて手作りパンを作りたいと考えている方のために、簡単に作り方をまとめてみました。どうぞご参考にお使いください。
手作りパンの大まかな流れは・・・
材料を合わせてねり、生地を作る
↓
生地をねかして(放置して)発酵させる
↓
生地の形を整える
↓
もう一度生地をねかせて発酵
↓
生地を焼いて出来上がり
作り方の詳細について、私が参考にしたページを紹介いたします。
もっと手軽にパンを手作りしたい方は・・・
材料を合わせれば自動でパンが作れる「ホームベーカリー」を使うと便利です。家電専 門店で約1万円から約2万円で購入できるようです。詳細は「ホームベーカリー」で検索してお調べください。
もっと味にこだわりたい方は・・・
一般的にはパンを発酵させるためにドライイーストが使用されますが、他にもいろんな酵母菌を使用すれば、いろんな味わいのパンを楽しめます。詳細は「自家製酵母」「天然酵母」などで検索してお調べください。
以下はこの週に行った仕事です。
収穫、出荷 片づけ 育苗 ゴボウの除草、追肥 葉物野菜の播種 堆肥散布、耕運 じゃがいも収穫 防虫ネット片づけ 大根やかぶの除草、間引き 玉ねぎ苗の除草
小林のひとり言
6月よりコツコツと畑より掘り出してきたじゃがいもを、やっと全部、掘り終えた。現在、暗室で600kgほどのじゃがいもを保管している。
冬になれば他の農家の方々はあまりじゃがいもを出荷しなくなるので、直売所などに出荷すれば売れ残ることなく売りきることができる。地元の学校の給食ではじゃがいもの需要がたくさんある。じゃがいもは、販売先を確保できる希少な作物だ。
収穫した後もすぐに腐ることはなく、売りたい時に売ることができる。今後、じゃがいもを大量に栽培していきたいと思う。
問題は収穫作業に莫大な時間を費やさなくてはいけないことだ。今年も6月から始めて10月に入るまで収穫作業がもつれこんだ。今までのように自分一人でスコップでイモを掘り出すやり方では、時間がかかりすぎる。ひとつ、工夫をしてみたいと思う。
以下はこの週の野菜セットの内容です。
じゃがいも、長ネギ、ナス、ピーマン、キュウリ、甘とうがらし、小松菜、みず菜、フダンソウ、シュンギク、空心菜、チマサンチュ、かぶの葉、二十日大根、エゴマのと葉、ニラ、ニンニク
小林のひとり言
9月は葉物野菜が順調に育ってくれたおかげで、豊富な内容の野菜セットが作れたと思う。収量が激減して例年よりも調子が悪くて早く収穫が終わりそうな夏野菜の穴を、十分に埋めてくれた。
以下はこの週に行われた仕事です。
収穫、出荷 片づけ 育苗 じゃがいも収穫 除草(サトイモ、大根、かぶ) 堆肥散布 草刈り トラクター耕 播種(かぶ、大根、葉物野菜) 定植(レタス類、シュンギク、白菜) 自家製パン作り ニンニクの植えつけ ネギの土寄せ 稲わら入手 人参の間引き、除草 防虫ネットの片づけ
小林のひとり言
今年の秋作は主に「外畑」にて栽培。小林農場の中で、最も安定して作物が育つことのできる土が出来上がっている畑だと思う。今のところ、この畑に作付けされた作物は順調に育っている。
最近の9月の天候は残暑が厳しかったが、今年の秋は秋らしい爽やかな天候の日が多い。秋作の作物にとって、良い気候だと思う。日本の秋はこうあってほしい。
緑色に染まる国 平成26年9月8日
仲秋の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。
温暖な気候で雨がよく降る日本列島では、夏になると草や木がよく育ち、地上を一面に緑に染めていきます。日本の夏の畑に生える草は生育旺盛で、世界最強の雑草といっても過言ではないような気がします。
小林農場でも、畑一面が大きな草に覆われて緑色に炎上してしまう光景が、すっかり夏の風物詩になってしまいました。いったい今まで、どれだけの作物が草に飲み込まれて消えてなくなってしまったことか。草対策を真剣に考えてみたいと思います。
雑草は大きく育ってしまうと引き抜くことが大変ですが、小さいうちなら鎌をサッととおしただけで簡単に取り除くことができます。雑草が小さいうちに退治しておくことが除草作業の基本です。それは百も承知しているのですが、畑仕事はいつも忙しくてどうしても間に合わず、けっきょく草を大きくさせてしまいます。
今まで私が管理してきた栽培面積では私には広すぎて雑草を抑えきれないと思い、この夏は育てる作物の数を減らして栽培面積を縮小してみました。それでも、栽培地は草に覆われてしまいました。
大きな草でも一瞬のうちに木端微塵にできる強力な草刈り機を新たに購入しました。それでも、刈られても刈られても草は再び生い茂り、間に合いませんでした。
キュウリは根が浅く張るので、キュウリの苗を畑に定植した後は日や雨から根を守るため、苗の株元にもみ殻を播いて覆います。もみ殻で地面を覆われると、そこでは雑草が発芽しにくくなります。だから、キュウリ栽培で雑草に困ったことはほとんどありません。
もみ殻は地元の稲作農家の方々から無料で大量にいただくことのできる資材です。キュウリだけではなく他の作物の周りにももみ殻を散布する手間を惜しまなければ、ずいぶん雑草対策は楽になるかもしれません。来年は試してみたいと思います。
一般的には、農家は除草剤を畑にまいて雑草を抑えます。小林農場は、除草剤による畑の生態系への影響が心配なので、除草剤をいっさい使いません。
同じように自然環境を考慮している農家の方々から、除草剤を使わない雑草対策の提案がいくつか出されています。例えば、ヤギは草をたくさん食べてくれるので、ヤギを畑で飼って雑草を抑える農家の方々もいます。他にも、作物を作付けする前に雑草を太陽の熱で蒸し焼きにする「太陽熱マルチ」や、小麦の種を播いて雑草を生やさないようにする「リビングマルチ」という雑草対策もあるようです。
小林農場の畑と公道の境は広く、そこで生えている草をマメに刈り倒して景観をきれいに保つように努めています。この刈り倒されて放置されている草をかき集めれば、けっこうな量になります。これを堆肥の材料として利用するのもおもしろいと思います。
日本は資源のない国とよく言われますけれど、緑ならいくらでも手に入ります。これらの緑を有効に使うことができれば、日本も「資源大国」になれるかもしれません。
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