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2014年7月30日 (水)

土作りの実際

土作りの実際   平成26722

子供たちに夏休みがやってきました。みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  作物が健全に育つような田畑を作るため、昔から農家は地道に土作りをしてきました。稲を脱穀した後に排出される稲わらも、お米を精白された後に排出される米ぬかも、無駄に捨てずに堆肥や肥料の材料にして、せっせと田畑に堆肥や肥料を散布してきました。

  これらの有機物の中には、作物にとって大切な栄養素がたくさん含まれています。そしてそれ以上に重要なことは、有機物の中には、かぞえきれないほどの小さな微生物が生息しています。有機物を田畑にまくということは、微生物を田畑にまくということです。

  これらの微生物が農家に代わって土を耕して柔らかくして、土の中の栄養を作物の根が吸いやすいように分解してくれます。直接土を作ってくれているのは土の中に暮らす小さな生き物たちであり、農家はそれらの生き物たちが暮らしやすい環境を整えていきます。

  栄養素のみを抽出して化学的処理を施して製造される化学肥料の中には、これらの生き物が生息していません。化学肥料を田畑にまいただけでは、土作りはできません。

  2年ほど前の春先、春作のキャベツやブロッコリーの苗を畑に定植する前に、地力をつけるために大量に入手した米ぬかをそのまま畑に散布しました。でも、キャベツもブロッコリーもまともに育たず、その春は不作でした。

  生の米ぬかは分解されて作物に吸収されるまでに時間がかかります。暖かくならないと微生物は活動できないので、春先のまだ寒い時期に米ぬかをまいても、なおさら分解されるまでに時間がかかります。

  作物を育てる有益な微生物は、暖かな温度と十分な水分と酸素の中で繁殖しますので、農家は小屋などに数種類の有機物を積んで、温度や水分を管理しながら微生物を繁殖させます。これを「発酵」と呼んでいるのですが、有機物は生の状態で田畑に散布するよりも、発酵させてから散布したほうが早く分解されて、早く地力をつけることができます。

  さて、キャベツが不作だった畑に、次は大豆を栽培してみました。大豆の根には「根瘤菌」という小さな生き物が好んで生息します。この菌は空気中からチッソを捕まえて土の中まで運んでくれます。チッソは作物の体を作る上で重要な栄養素です。だから、おもしろいことに、大豆を栽培した後はチッソも土の中に残り、土は肥えます。

  大豆を栽培した翌年の春、じゃがいもを栽培しました。どのイモも大きく太り、今まで経験したことのないような大豊作でした。大きいだけではなく、その中身の味もとてもおいしく、いかにじゃがいもが健全に生育したかを示していました。

  キャベツが全く育たなかった畑が変貌しました。散布した生の米ぬかが時間をかけながら分解されたこと、大豆を栽培したことなど、前年の土作りが効いた結果だと思います。

  土作りはすぐに結果がでるものではありません。長期的な視野を持って行う必要があります。そして、土の中の目に見えぬ小さな生き物たちへの眼差しも忘れてはいけません。

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