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2014年5月 6日 (火)

播種の暦

播種の暦  平成26年4月28日

惜春の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  それぞれの作物には種まきの適期があります。農家は長い経験を基にして、いつがその作物の種を播く適期かを記した「播種暦」を頭に入れておきます。

  ナスやピーマンなどの熱帯の地域を原産地とする夏野菜は、お日様が元気に照りつける夏に旺盛に生育します。いっぽう、寒さにはとても弱く、霜が降りるような低温に一度でもあたれば致命的な損傷を受けてしまいます。

  小林農場のある栃木県東部では、五月十日頃まで霜が降りる可能性があります。それまでは夏野菜を露地で栽培することはできません。露地に種を直に播くのであれば、五月中旬以降です。

  十月には早朝に霜が降りるようになり、夏野菜は収穫できなくなります。それまでにできるだけ長く夏野菜を収穫したいので、小林農場では五月中旬になるまで待たず、もっと前に夏野菜の種を播いて、霜の当たらないハウスの中で苗を保温しながら育てておきます。そして、五月中旬以降に苗を畑へ定植します。

  定植するにも適期があり、ナスの場合は本葉が5枚から10枚くらいできた頃に定植すると畑にすんなりと根を張ってくれます。ナスの種が播かれてそのくらいの大きさに育つまでに、だいたい2カ月くらいかかります。苗を育てる場合、逆算して、三月上旬頃がナスの播種適期となります。このようにして播種時期が決められていきます。

  麦は晩秋の十一月に種が播かれ、次の年の六月に収穫されます。秋のうちに発芽した麦は、冬の寒い間、眠っているかのように小さなまま生育が進みません。春になって十分暖かくなってから、今度は目覚めたかのようにいっきに生育を速めていきます。

  暖かな春に麦の種を播けば、すぐ発芽してすぐ大きくなります。ならばわざわざ秋に種まきせず春に種まきをすればよいのかといえば、そうではありません。

  暖かな時期に種を作れば、麦は効率的に自分たちの子孫を残すことができます。そうするためには、麦は麦なりに逆算して、冬から種を実らせる準備を始めようとします。寒さに当たることにより、麦は種作りの準備をする時期がきたことを感じとります。

  麦の種の部分を農家は収穫して、小麦粉やうどんなどに加工します。春に種を播かれて寒さを経験してこなかった麦は、あまり種を実らせません。よって麦の栽培では、麦が幼い頃に寒さに当てておく必要があり、そのためには秋が種まきの適期となります。

  「梅が咲く頃にじゃがいもの種イモを植えろ」「ネムの木が開花した頃に小豆の種を播け」など、昔からまわりの木や花の様子を播種時期の目安とする播種暦もあります。また、月の周期が作物の生育に影響を及ぼすと考え、月の満ち欠けを見て播種時期を決めていく宇宙規模の壮大な播種暦もあるようです。

  農家は常に気象状況に注意を払いながら、慎重に種まきの適期を見極めていきます。その時点で農家は季節の移ろいを敏感に感じ、その暮らしは自然界に溶け込んでいきます。

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