端境期 終盤
端境期 終盤 平成26年5月5日
日中は汗ばむほどの陽気です。みなさん、いかがおすごしでしょうか。
四月から五月の中旬にかけては野菜の端境期(はざかいき)で、一年間で最も出荷できる野菜の種類が少なくなる時期です。その端境期も終盤にさしかかってきています。
冬の間中ずっと貯蔵してきた人参やじゃがいもを良い状態で出荷できるのは三月まで。春になって暖かくなると次第にこれらの根菜類の貯蔵状態は悪くなっていきます。でも、他に出荷できる野菜も少なく、四月以降も根菜類をぎりぎりまで出荷してきました。この時期に新たに収穫できる品目を増やすことができれば、四月以降に無理して根菜類を出荷しなくてもすむようになるでしょう。
四月の上旬に、サニーレタスの苗を畑に植えました。早く新たな新鮮な作物を出荷したいので、サニーレタスの上に不織布という薄い布でできている保温資材をかけてみました。するとまるで魔法をかけられたようにサニーレタスはみるみる大きくなっていき、五月に入る前からサニーレタスを野菜セットに加えることができました。
関東地方の北部に位置する栃木県の気候では、四月はまだ霜の降りるような寒い日が続き、露地で葉物野菜を収穫することができません。四月からみなさんにお届けしている葉物野菜は、ビニールや不織布などの簡単な資材を利用して保温しながら育てられました。
ビニールハウスのような大量に石油を消費しながら保温するような大掛かりな施設がなくても、上記のような簡単な資材さえあれば栃木県でも端境期に青物野菜を収穫できます。資材に頼らずに自然に作物を栽培することを心がけている小林農場ですが、端境期にもできるだけ充実した内容の野菜セットをお届けするために、この時期だけはこれらの資材を積極的に活用して、出荷できる野菜の種類を増やしていこうと思います。
資材がなくても四月に収穫時期を迎えるありがたい作物もあります。アスパラガスです。アスパラガスは種が播かれて収穫時期を迎えるまで二年間かかります。去年、種が播かれて小林農場の畑に植えられたアスパラガスの苗が順調に育ち、今年の春には若々しい新芽が地上に萌え出てきていました。この調子なら、来年の春から本格的に収穫ができ、それから数年間は毎年春になればアスパラガスを収穫できます。端境期の救世主になってくれることを期待しています。
去年の晩秋に種がまかれ、冬を越してきたキャベツも、五月に入る前から収穫され始めました。今作のキャベツは面倒をみてあげられなく、あまり生育は良くなく、葉が少し固くて食味が最良ではありません。でも、端境期の真っ最中にキャベツが新たに収穫できるのは嬉しいもの。種を播く時期を工夫すれば、この時期からキャベツが収穫できます。
端境期にいかにして出荷できる作物を増やしていけるか、今後も工夫を重ねていきたいと思います。これからの季節は出荷できる野菜の種類が増えてゆき、その中から良い状態で生育している作物を選んで出荷していきたいと思います。出荷できる作物の種類がたくさんありすぎてどの作物を野菜セットに入れるか迷うような状況に変わることでしょう。
« 観察 オオムギのノゲ | トップページ | 小林農場の人参で作りました。人参ジュース »
「農場通信」カテゴリの記事
- 子供の安全が第一 令和4年2月17日(2022.08.03)
- 無農薬栽培の筋 令和4年2月3日(2022.07.31)
- 低すぎる種の国内自給率 令和4年1月27日(2022.07.23)
- 感染は必ずしも悪いことではない 令和4年1月20日(2022.07.17)
- 菌が土を作る 令和4年1月13日(2022.07.08)
コメント