恒例の端境期に備えて
恒例の端境期に備えて 平成26年4月7日
花便りしきりの今日この頃です。みなさん、いかがおすごしでしょうか。
現在、毎年恒例の野菜の「端境期(はざかいき)」を迎えています。春になって暖かくなると、大根などの貯蔵野菜の貯蔵が効かなくなって傷んでいきます。冬を越してきたほうれん草などの葉物野菜もつぼみをつけて花を咲かせ始め、もう食べられなくなります。
春になったとはいえ早朝には霜が降りるほど冷え込む日もあり、作物にとってはまだまだ寒い時期が続きます。今年に入って新たに作物の種を播いていますが、これらが本格的に収穫されるのはもう少し暖かくなってから。まだ先です。
以上の理由で、冬野菜から春野菜へと移り変わっていく三月下旬から五月の上旬にかけては、一年間で最も収穫できる野菜の種類が少なくなります。この時期だけは思いきって野菜の出荷をお休みにする野菜農家も少なくありません。
去年は無理して大根を4月の終わりまで出荷していましたが、どうしても傷みが目立ってきているので、今年は3月が終わってすぐ、出荷を打ち切りました。玉ねぎも質が低下し、まだ出荷できなくはありませんでしたが、熟考の末、出荷することをやめました。自信を持てない品目を無理して出荷することを控えました。白菜も白かぼちゃも出荷終了し、野菜セットに入れる種類数を確保するのに、思案しています。
人参やゴボウも中身が筋っぽくなり始め品質の低下は否めませんが、まだおいしく食べられるので出荷を継続。地主さんから家庭用の冷蔵庫をいただけたので、畑から掘り出してきた人参やゴボウを詰められるだけ詰めて冷蔵保存してみました。ぐんぐん外気温が上がっていく今の時期では、畑に残しておくよりも良い状態で貯蔵できると思います。
通常は注文をしてくださった方にのみお届けしている乾麺(うどん)ですが、この時期は野菜が品薄のため、2000円セットを購入されている方には野菜セットの一品目として乾麺を加えています。また、収穫されてから今までひっそりと貯蔵されていた落花生や赤唐辛子などの乾物も野菜セットに加えてみました。他にも大豆や小豆も控えています。
野菜セットに入るのは新鮮野菜だけではありません。端境期のような時期には、畑で獲れたもの全てを総動員してお届けしてまいりたいと思います。
冬を越してきた小松菜や油菜やかき菜などの葉物野菜も、春になると花を咲かせる準備を始めて、中心部から太くて固い茎をニョキニョキと高く伸ばして、その先につぼみをつけます。こうなってしまうと葉は固くなり食用としてむかなくなります。
でも、その茎とつぼみの部分は食べるとコリコリとしておいしく、爽やかな苦みが春の味覚を感じさせてくれます。伸びた花茎の部分を一本一本かきとって束ねて出荷しているのが「菜の花」です。
冬には葉を食べ、それでは終わらず春には茎やつぼみを食べて端境期をしのぐ。長く葉物野菜と付き合っていけるこのすばらしい知恵をみなさんにお伝えしていけるだけでも、がんばって端境期に野菜セットを出荷し続けていく甲斐があると思います。
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