自分の身の丈を計る日々
自分の身の丈を計る日々 平成26年3月24日
春便りの嬉しい季節となりました。みなさん、いかがおすごしでしょうか。
今年の春から夏にかけて収穫される作物の種を、次々に畑に播いています。先日は、じゃがいもの種イモを植え付けました。
去年は大量生産を狙って、じゃがいもの種イモをたっぷりと購入して、畑のかなり広い面積に種イモを植え付けました。たくさんのじゃがいもが実りましたが、じゃがいもの収穫ばかりに時間をかけているわけにもいかず、けっきょく全部掘り出しきれないまま冬がきてしまい、全部収穫することをあきらめました。立派に肥大してくれたイモをたくさん捨てることとなり、私の胸はきりきりと痛みました。
夏は雑草が旺盛に育ち、作物のまわりをあっという間に取り囲みます。この雑草を退治するのに大変な時間が費やされ、じゃがいもを収穫している場合ではなくなります。
広い面積で作物を作ればたくさんの量を収穫できるけれど、その分、除草作業に労力を費やすこととなります。除草に失敗すれば作物は雑草に飲まれて消えてなくなります。
小林農場の畑の面積は全部で2町(約20,000㎡、6,000坪)以上あります。まわりの農家の方から、「一人で管理するには広すぎる」とよく言われます。案の定、去年の夏、畑一面は雑草に覆われ荒れ地のようになり、緑色に炎上していました。
この時は少し本気で借地の一部を地主さんにお返しすることも考えました。一度お返しすれば、再びお借りすることは難しいでしょう。今までお借りしてきた畑は平らで日当たりが良く、自分の住まいから徒歩で行ける距離にあります。こんなに条件の良い畑は他では借りられません。今までどおり、私に管理させていただくことになりました。
今年植え付けたじゃがいもの種イモの量は、去年より減らしました。他の作物の作付け量も減らしていくつもりです。そうすれば、除草作業の手間も減らしていけます。
作物を何も育てていない空き地が畑に増えることになりますが、そこはトラクターを入れて耕せば、簡単に雑草を抑えられます。作物栽培を休んだ畑は地力が回復するので、多くの面積の土を休ませながら地力を維持させることができます。
常にたくさんの野菜を出荷できるようにと思い、自分の実力以上に作る作物の数をいっぱいに増やすのが今までの私のやり方でした。でも、けっきょく管理しきれずにダメにしてしまった作物も多く、このやり方では必ずしも収量があがりませんでした。
今まで作物を栽培してきて、一日のうちにこなせる仕事量は本当に少なく、自分の身の丈は自分が思っている以上に小さいことを痛感いたしました。身の丈が小さいことは恥ではありませんが、自分の身の丈の小ささに気づかぬままでいることは恥だと思います。自分の身の丈を計り間違えて無理をしてつぶれてしまうようでは、プロとは言えません。
自分の身の丈にあった栽培面積というものがあるのです。作る量を減らせば、一つ一つの作物に丁寧な気配りを施しながら健全に育てることができます。作付け量を減らしながらも、今までと同じように充実した内容の野菜セットを作ってみせましょう。
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