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2014年4月28日 (月)

人参の生まれ変わり

人参の生まれ変わり  平成26年4月21日

花冷の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  去年の夏から秋にかけて種が播かれ、秋から今年の冬、春まで収穫されてきた人参。人参一本一本にも個性があり、形のきれいな人参以外にも、二股に分かれている人参、ヒビが入っている人参、大きすぎる人参など、規格外の人参もたくさん収穫されます。

  これらの規格外の人参は出荷しづらいです。しかし、そのまま捨ててしまうのも心苦しく、とりあえず土の中に埋め戻して大事に保存しておいていました。

  このような規格外の作物は、野菜ジュースなどの加工品の原材料として利用できます。

知り合いの農家たちが私に、新潟県の加工所を紹介してくれました。

  加工所で人参を加工するとき、まず人参の外皮をむきます。形のきれいな人参ならば機械を使って簡単にむけるのですが、こちらの加工所では規格外の形の悪い人参も受け入れているため、手間をかけて人の手でむいているようです。加工所の方と何度か電話でお話しましたが、農家を支えていきたいという想いを強くお持ちしているように感じられました。私の知り合いの農家の多くが、こちらの加工所で人参をジュースに加工しています。

  秋播きの人参が良い状態で出荷できるのは三月までですが、今年の三月下旬にはまだ多くの人参が土の中に埋まったままでした。埋め戻された規格外の人参もそのまま、土の中に残っていました。今回初めて、人参の加工へと踏み切ってみることにいたしました。

  小林農場から加工所に送られた人参は裏ごしされ、国内産の果実が加えられて味を整えながらジュースとなり、瓶に詰められて農場に返ってきました。これらを販売するのは小林農場ですが、この商品は小林農場と果樹農園と加工所の合作と言ってよいでしょう。

  原材料に使われている長野県産のリンゴは、無農薬栽培ではなく農薬を使用して栽培されています。果物は糖分がたくさんあるため虫も喜んで実をかじってしまうので、野菜と比べてずっと無農薬栽培が難しい作物です。加工所のお話によると、無農薬栽培の果物はとても高価で、加工用の原材料として利用するのは難しいようです。

  ただ、ジュースの原材料の主体は小林農場の無農薬栽培の人参なので、一般的に販売されている野菜ジュースと比べれば安全性が高い商品だと自負しています。いきなり「完全無農薬ジュース」を求めたりせず、自分のできるところから段階を踏んでいって、少しずつ「完全」を目指していくのが良いと思います。今回は小林農場の人参の風味をひきたたせるために長野県のりんご農園の皆さんが愛情を注ぎながら育てたりんごが使用されたことを、私は歓迎しています。

  さっそくジュースを試食してみました。爽やかな甘味に仕上げていただき、とてもおいしかったです。今後、人参ジュースを希望される方に販売していきたいと思います。

  加工された人参ジュースはこれからの季節でも、常温で保存できます。規格外の人参、出荷しきれなかった人参を無駄に捨てずに有効に利用していく。この「加工」というすばらしい知恵を、ジュースのすばらしい風味とともにみなさんにお伝えできればと思います。

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