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2014年2月19日 (水)

消費者の力

消費者の力   平成26年2月8日

残雪の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  私は「生産者」としてみなさんに野菜をお届けしてきましたし、自分自身も農場で採れた野菜を食べて、お店で野菜を買うことは滅多にありません。でも、お米や果物や肉や調味料を入手する時は「生産者」から「消費者」に変身して、買い物に行きます。

  有機農業の推進のために活動されている栃木県上三川町のNPO法人「民間稲作研究所」では、搾油所を新設して、自分たちが栽培したひまわり、ナタネ、大豆などの油脂作物から油をしぼり、料理油に加工して販売されています。民間稲作研究所が油脂作物の栽培に本格的に取り組むようになったきっかけは、3年前に発生した福島第一原発事故でした。放射能で汚染された田畑の除染方法として、田畑から放射性物質を吸い取ってくれる油脂作物を田畑で栽培することになりました。

  放射性物質は油脂植物の根や茎や葉に移行していくのですが、実には移行しません。放射性物質を吸収した油脂作物の実を搾って作った料理油でも、放射性物質が検出されないのです。田畑を放射能で汚染された農家が油脂作物を栽培することによって除染をしながら、同時に料理油を売って収入も得られるよう、民間稲作研究所では支援をしています。

  ひどい放射能汚染を受けた農家に心を寄せ、問題の解決に真剣に取り組んでいらっしゃる民間稲作研究所の姿に、敬意を払わずにはいられません。この除染活動は料理油を購入する消費者がいなければ成り立たないので、少量ではありますが、私も購入しました。

  自分が食べるお米は、近所の農家の方々から直接、購入しています。ある農家の方は、田植えの時期になると消費者を田んぼに招いて、催し物として「田植え体験」を提供してくださいます。私も毎年、お米の消費者として田植えに参加しています。このような交流の場で楽しみながら、参加者は自分たちが食べているお米がどのような場所でどのように作られているかを見て感じることができます。

  その商品が作られて販売されるまでの物語。その商品を作った生産者の顔。手にしたときにそれらが思い浮かぶような商品は豊かで、そして安心できます。

  生産者は日々、安全で、そして豊かな物語が詰まった商品を消費者に提供していこうと努力しています。そして消費者がそのような商品を選んで買うことにより、生産者は質の高い商品を生産し続けていけます。消費者も品質の向上に関わることができるのです。

しかし実際は、大部分の消費者は、商品に込められた物語よりも、価格の安さや便利性を重視して購入する商品を選択していることが多いと思います。私自身もそうです。

  冷凍食品など簡単に料理ができる便利な食料品と比べると、小林農場の野菜セットはけっして便利な商品ではありません。価格もそんなに安いわけではありません。それでもみなさんはこだわりを持って作ってきた小林農場の野菜セットを選んでくださいました。きっと、みなさんもこだわりを持った消費者なのではないでしょうか。野菜セットをお届けし続けながら、みなさんから学ばしていただくことも多いかと思っています。

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