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2014年2月

2014年2月27日 (木)

生きものざっくり物語  ムギざっくり

畑に暮らす生きものたちの奥深き生き様をざっくりと物語ります。今回はムギについて。

  今からおよそ1万年前、西南アジアの肥沃な地域でヒトの手によりムギの栽培が始まりました。ムギは腐りにくくて飢饉にそなえて長期間保存ができ、穂にたくさんの実をならして多くの人口の分の食糧を生み出してくれます。それまで狩りなどで食糧を入手してきたヒトは、ムギの栽培の開始によってより容易に、そして安定的に食糧を供給できるようになりました。暮らしに余裕が生まれてくると同時に、ヒトはいろんな道具や神殿を作ったり都市を築きあげたりして、ムギは人類の文明が急激に発展していく礎となりました。

  いろんな種類のムギがありますが、日本に伝わってきたのは主にオオムギとコムギの2種類です。オオムギの実は外側の皮が柔らかくて水を吸いやすく、ヒトはお米と同じようにオオムギの実を蒸したりして食べてきました。お米といっしょに炊いた「ムギメシ」などが一般的に食べられてきました。一方で、コムギの実は外側の皮が固くて水を吸いにくく、粒のままでは料理しにくいです。外皮を取り除くと中の実がばらけて粉になるので、ヒトはまずコムギの粒をすったりついたりして粉にしてから食品に加工していきました。

  コムギを粉にした小麦粉に水を加えて練ると、粉はくっつきあってゴムのような弾力を持った粘りのあるかたまりになります。この時、粉同士が手を結びあって、「グルテン」と呼ばれる、ヒトの目には見えないような小さな物質を形成していきます。このグルテンを多く含む小麦粉を「強力粉」と呼ばれ、水を加えて練ったときに粘り気が強くなります。逆にグルテンの少ない小麦粉を「薄力粉」と呼び、粘り気が少ない性質があります。強力粉と薄力粉の中間くらいの量のグルテンを含んでいる小麦粉を「中力粉」と呼びます。

  小麦粉に含まれているグルテンの量によって違う性質を持つ小麦粉をうまく使い分けることにより、ヒトはさまざまな食糧を小麦粉から生み出してきました。粘り気の強い生地が作れる強力粉を使って生地の形を整え、それを発酵させて焼けば、ふっくらとふくらんだパンができます。粘り気の少ない薄力粉でころもを作って食材にくっつけて火に揚げれば、サクリとした歯ごたえのてんぷらを楽しめます。中力粉を水で練って作った生地をそのまましばらく置いておくと、生地はなめらかになってよく伸びるようになり、おいしいうどんを打つことができます。他にもヒトは小麦粉からラーメン、スパッゲッチ、クッキー、ケーキ、おまんじゅう、お好み焼きなども小麦粉から作りだしてきました。

  ムギは秋に種がまかれ、次の年の6月に収穫されます。冬の間は小さなままほとんど生育しません。しかし、この時に受ける寒さを合図にして、ムギは穂を作り実をならせる準備をします。春なって種を播いてもムギは発芽して生育しますが、寒さを経験していないムギは葉を茂らせるばかりで、穂をつけることはありません。冬の間、まだ小さなムギの根は、霜柱によって地表へと持ち上げられて傷んでしまいます。ムギの根を地中に戻すため、ヒトは愛情を注ぎながらムギを足で踏みつけていきます。冬を越して6月、大きく育って穂を黄金色に輝かせたムギの畑の見事な光景は秋のようで、ヒトは「麦秋」と称しました。ヒトはムギを刈り取った後、穂を棒で叩いたりして粒を取り出し、粒を何日も日に干して十分に乾燥させ、粒に風を送って混ざっているゴミや虫を吹き飛ばし、それから食糧として利用します。

参照  農文協  編/吉田 久  絵/めぐろ みよ  「そだててあそぼう7 ムギの絵本」

2014年2月25日 (火)

自分で種を採るということ

自分で種を採るということ  平成26年2月17日

春とは名ばかり、余寒の厳しい毎日です。みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  先日、栃木県内の農家を集めて行われた研修会に参加してきたのですが、そこで「種苗交換会」もあわせて行われました。栃木県の各地域からやってきた農家たちが、自分たちの栽培している作物から採った種を持ちより、お互いに交換します。

ここで他の農家から入手した種を持ち帰り、自分たちの畑に播きます。種から発芽した作物を育てます。収穫時期を迎えた時に、生育が良くて素晴らしい質の食材を生産してくれた個体を選んで、それは収穫せずに残しておきます。そして、その個体がやがて実をならして種をつけたとき、その種を採種します。その種を次の年に播き、また同じことを繰り返します。数年間たつと、その作物は自分の畑の風土に馴染んでいき、その土地でますます生育旺盛で質の良い作物を生産してくれるようになります。

こうして長い間採種されてきた昔からの品種を「固定種」といいます。人類は今まで自分たちで種を採り、多様な風土の中で多様な作物、多様な固定種を生み出してきました。

しかし、現在は自分で種を採る農家は稀で、たいていは種苗会社が新たに開発した「交配種」の種を購入して種を入手しています。私も滅多に自分で種採りすることがないので、「種苗交換会」では他の農家にお分けできる種を持参できませんでした。

「交配種」の作物は見栄えが良く市場で売りやすいので、大部分の農家は交配種の種を購入して栽培し、多くの固定種は姿を消そうとしています。この地球上で栽培されているのはほんの数種類の「売れる品種」だけになり、生物多様性は貧しくなっていきます。

多くの種苗会社は、遺伝子組み換え技術によって改良された種子の開発に力を入れています。これらの種子は種苗会社にはたくさんの利益を与えますが、それらがもたらす自然環境への影響、または、それで育った作物を食べた人の人体への影響などわからないことが多く、安全性に疑問があります。種苗会社に種の生産を任せていたら、いつの間にか遺伝子組み換えされた種しか手に入らなくなる時代が来るかもしれません。

農家が自分の気に入った種を自分で採る必要があると思います。しかし、交配種の種は品質が悪く、自分で種採りしても良い作物を栽培できません。埼玉県や静岡県に固定種ばかりを扱っている希少な種苗店を見つけましたので、さっそくそちらから今年度の春作の種の分を注文して購入し、自分でできるだけ種を採る準備をしています。

交配種の作物と比べ、昔ながらの固定種は味が良い傾向があります。小林農場に固定種の種が導入されていくことにより、農場の野菜がさらにおいしくなるかもしれません。

見栄えが良くない傾向のある固定種の作物は、スーパーの店頭に並べても誰も買ってくれないかもしれません。でも、野菜セットに入れてみなさんにお届けしたら、最初はみなさんもその見栄えにとまどうかもしれませんが、もしその味がおいしければ、次回からは外見を気にせずに受け取ってくださると思います。野菜セットの中にこそ、固定種の作物が生き残れる場所があると思います。

2014年2月22日 (土)

野菜セットについてのお知らせ

・みなさんのご自宅に野菜セットを宅急便でお届けする場合、2月より宅急便代がお安くなります。

 今まで 野菜代2000円+宅急便代1000円=合計3000

 これからは 野菜代2000円+宅急便代800円=合計2800

・お試しセットの注文を検討されている方々からよくいただくご質問にお答えいたします。

 「野菜セットに入る野菜の種類は自分で選べるの?」

 野菜セットの内容は、その時期の畑の状況に応じて小林農場が決めさせていただき、基本的にはどのご家庭にも同じ内容の野菜セットをお届けしています。ただ「子供がほうれん草などのアクの強い野菜を食べるとアレルギー反応を起こしてしまうので、ほうれん草はいれないでほしい」「我が家は夫婦二人だけなので、野菜の量を少し減らしてくれないと食べきれない」「ジャガイモや玉ねぎは親戚からいただくことができるので、これらの野菜はセットに入れないでほしい」など、それぞれのご家庭にそれぞれの事情がありますので、そのご家庭の事情に合わせたセットを作って、私のできる範囲で個別に対応しています。

 「野菜セットを購入する日はいつでもいいのか?」

 野菜セットを購入されるご家庭に、「毎週1回」「2週間に1回」「1カ月に1回」など、定期的に、継続的に購入してくださるようにお願いいたしています。特に「1000円セット」を購入されるご家庭には、毎週1回購入してくださるようにお願いしています。ただ、「入院しなくてはいけなくなった」「旅行に出かけることになった」など、野菜セットを受け取れなくなることもあるかと思います。その場合は小林農場に連絡していただければ、野菜セットの配送をお休みさせていただこうと思います。

  ちなみに、宅急便で野菜セットをお届けする場合は金曜日か土曜日にお届けしています。私が直接ご自宅まで野菜セットをお届けする場合(市貝町、芳賀町、宇都宮市などにお住まいの方)は毎週火曜日にお届けしています。お留守のとき、置き場所を決めていただければ、そちらに野菜セットを置かせていただきます。

野菜セットの詳細については下記をごらんください。ご質問があれば、いつでも小林農場のほうにご連絡ください。 

2014年2月21日 (金)

(二十四節季七十二候)  立春末候  魚上氷(うおこおりにあがる)

候の言葉は「渓流釣り」「春寒(はるさむ)」  

「日本の七十二候を楽しむ 旧暦のある暮らし」(東邦出版)より

二月十四日(金) 聖バレンタインデー  雪 0℃~2℃

P2040026 仕事  収穫、出荷  温床を踏み込み

食事  白かぼちゃ炒め

二月一五日(土) 雨、満月  -1℃~3℃

P2150052 仕事  事務仕事、買い物

食事  赤飯

(写真)大雪で育苗用のハウスがつぶされる。昨夜には雪がやんで安心していたら、この日の早朝になってかなりの大雪が再び降りだした。外が明るくなってからハウスの屋根の雪降ろしをしようと思っていたが、明るくなった頃にはハウスはつぶされていた。

二月一六日(日) 二の午  晴れ  1℃~10℃

P2160054 仕事  ハウス建て直し

食事 ジャガイモ炒め

(写真)育苗用ハウスがつぶされた翌日、折れた支柱を全部取り外し、近所の農家からいただいてきたハウスの支柱を利用して新たにハウスの骨組みを建てた。次の日にビニールを張って、元通りになった。

二月一七日(月) 晴れ  -3℃~10℃

P2170062 仕事  ハウス建て直し  収穫、出荷

(写真)ネギ畑。3日前に降り積もった大雪は、もうほとんど溶けて消えた。

二月一八日(火)  晴れ -4℃~7℃

P1300009 仕事  配送、いろんな手続き

食事  酒粕炒め

(写真)小麦。冬の間は小さなままでいる。 

2014年2月19日 (水)

消費者の力

消費者の力   平成26年2月8日

残雪の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  私は「生産者」としてみなさんに野菜をお届けしてきましたし、自分自身も農場で採れた野菜を食べて、お店で野菜を買うことは滅多にありません。でも、お米や果物や肉や調味料を入手する時は「生産者」から「消費者」に変身して、買い物に行きます。

  有機農業の推進のために活動されている栃木県上三川町のNPO法人「民間稲作研究所」では、搾油所を新設して、自分たちが栽培したひまわり、ナタネ、大豆などの油脂作物から油をしぼり、料理油に加工して販売されています。民間稲作研究所が油脂作物の栽培に本格的に取り組むようになったきっかけは、3年前に発生した福島第一原発事故でした。放射能で汚染された田畑の除染方法として、田畑から放射性物質を吸い取ってくれる油脂作物を田畑で栽培することになりました。

  放射性物質は油脂植物の根や茎や葉に移行していくのですが、実には移行しません。放射性物質を吸収した油脂作物の実を搾って作った料理油でも、放射性物質が検出されないのです。田畑を放射能で汚染された農家が油脂作物を栽培することによって除染をしながら、同時に料理油を売って収入も得られるよう、民間稲作研究所では支援をしています。

  ひどい放射能汚染を受けた農家に心を寄せ、問題の解決に真剣に取り組んでいらっしゃる民間稲作研究所の姿に、敬意を払わずにはいられません。この除染活動は料理油を購入する消費者がいなければ成り立たないので、少量ではありますが、私も購入しました。

  自分が食べるお米は、近所の農家の方々から直接、購入しています。ある農家の方は、田植えの時期になると消費者を田んぼに招いて、催し物として「田植え体験」を提供してくださいます。私も毎年、お米の消費者として田植えに参加しています。このような交流の場で楽しみながら、参加者は自分たちが食べているお米がどのような場所でどのように作られているかを見て感じることができます。

  その商品が作られて販売されるまでの物語。その商品を作った生産者の顔。手にしたときにそれらが思い浮かぶような商品は豊かで、そして安心できます。

  生産者は日々、安全で、そして豊かな物語が詰まった商品を消費者に提供していこうと努力しています。そして消費者がそのような商品を選んで買うことにより、生産者は質の高い商品を生産し続けていけます。消費者も品質の向上に関わることができるのです。

しかし実際は、大部分の消費者は、商品に込められた物語よりも、価格の安さや便利性を重視して購入する商品を選択していることが多いと思います。私自身もそうです。

  冷凍食品など簡単に料理ができる便利な食料品と比べると、小林農場の野菜セットはけっして便利な商品ではありません。価格もそんなに安いわけではありません。それでもみなさんはこだわりを持って作ってきた小林農場の野菜セットを選んでくださいました。きっと、みなさんもこだわりを持った消費者なのではないでしょうか。野菜セットをお届けし続けながら、みなさんから学ばしていただくことも多いかと思っています。

2014年2月17日 (月)

2月9日~2月15日の野菜セット

以下はこの週の野菜セットの内容です。

じゃがいも、玉ねぎ、人参、大根、かぶ、里芋、長ネギ、白かぼちゃ、白菜、ほうれん草、油菜、かき菜、ターサイ  サービスで小麦粉

小林の手帳より

・寒さが厳しい日は、かぶを土から掘り出してみると、外見を見ただけでもすぐにわかるくらいに凍ってしまっている。暖かなば場所に置いておけばやがて解凍されて出荷できる状態に戻る。しかし、凍ったり溶けたりを繰り返す環境は、長期間畑に貯蔵するには良くない。品質は落ち、傷みも早めていくだろう。かぶが埋まっている畝にさらに土を厚くかぶせて、防寒を補強しておいた。

・寒さに当たると、多くの作物が甘味を増す。今の時期のかぶなんかは特に、辛味がなくなり、刻んで塩をふってそのままサラダで食べるだけでもとてもおいしくいただける。

(二十四節季七十二候) 立春次候 黄鶯睍睆(うぐいすなく) 

候の言葉は「鶯(うぐいす)」「梅に鶯」「鶯の谷渡り」

「梅は咲いたか、桜はまだか」  

以上、参照は「日本の七十二候を楽しむ~旧暦のある暮らし~(東邦出版)」より。栃木県ではまだ、梅は咲いていない。

二月九日(日) 三りんぽう  晴れ 〇℃~9度

P1310020 仕事  温床枠作り

食事  人参をごま油で炒める。

起床は2時30分、就寝は20時

(写真)毎朝、早朝は畑は霜でまっ白に。雪も残って水分がたくさん畑に含まれている。

二月十日(月)  晴れ  -3℃~8℃

P2120048 仕事  収穫、出荷  ビニールトンネル張り

食事  ほうれん草のお好み焼き

起床2時30分、就寝21時

(写真)寒い冬に苗を暖めてあげるための温床の枠。

二月十一日(火) 建国記念日  晴れ -2℃~8℃

P2060035

仕事  配送、チラシ配り、収穫出荷

食事 カボチャと豚肉のお好み焼き

起床3時、就寝は深夜2時

(写真)ターサイの中心部。よーく見ると、つぼみを咲かせ始めている。

二月一二日(水)  晴れ  1℃~8℃

P2120050 仕事  温床枠作り、有機物踏み込み

食事 人参と大根のきんぴら炒め

起床6時、就寝20時

(写真)農場の敷地内からかき集めてきた落ち葉。発酵させて発酵熱を発熱させて、温床の温源とする。

二月一三日(木)  晴れ -3℃~8℃

P2170056 仕事  収穫、出荷  播種

食事  人参と大根のきんぴら炒め

起床3時、就寝21時

(写真)昔から栽培されてきた東洋種のほうれん草の種。丸くなく、角をはやしている。

  

2014年2月11日 (火)

栽培暦 2月2日~2月8日

以下はこの週に行われた仕事です。

収穫、出荷  片づけ  小麦粉袋詰め  温床作り  切り干し大根作り  播種(ほうれん草、小松菜、山東菜、からし菜、二十日大根、かぶ)  かぶ、人参土寄せ 事務仕事

小林の手帳より

いつの間にかに1月が終わって、2月になっていた。まだ温床を準備できてなく、今年はすっかり苗作りが遅れてしまった。もう農閑期はとっくに終わっている。気持ちを切り替えること。

収穫・出荷作業に時間を費やしすぎて、畑仕事も農場の大掃除も進めることができていない。今後、出荷量が増えていけば、この出荷作業の速度ではやっていけなくなる。時間を見つけては出荷作業所を片づけ、出荷作業のしやすい空間を整えていきたい。 

販路開拓作戦中

販路開拓作戦中  平成26年2月3日

春寒の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  小林農場は自然環境にできるだけ負担を与えない永続的な作物の栽培方法を目指してきました。しかし、まずは自分の暮らしの生計を成り立たせていかなくては、農業を続けていくのは困難です。なにがなんでも、農作物の販路を確保していかなくてはいけません。

  多くの農家は、まずは地元の農協や市場に自分たちの作物を出荷し、農協や市場が農家に代わって販路を見つけて販売してくれます。私も試しに、市場に小松菜を出荷しようとしたことがあります。できるだけ見た目のきれいな小松菜を持ちこんだのですが、それでも市場の方からお説教をいただき、出荷できずにそのまま持ち帰ることとなりました。

  農協や市場での規格は厳しく、よっぽど見た目を整えなくては、持ち込んだ作物を商品として扱ってくれません。虫害の避けられない無農薬栽培で育てた野菜を市場に売るのは、かなり困難でしょう。例え市場が引き取ってくれたとしても、安い値段でしか売れません。自分のこだわりの栽培方法で作った作物を適正な価格で販売するには、農家が自ら販路を切り開いていくしかありません。

  毎週、市貝町や宇都宮市のみなさんのお宅に野菜セットを配送し終えたその帰りに住宅地に立ち寄り、一軒一軒のお宅の郵便受けに小林農場の野菜セットを宣伝したチラシを配っています。だいたいチラシを500枚以上も配れば、一軒の方が「お試しセット」のご注文をしてくださいます。

  とても手間と時間のかかる販路開拓方法ではあります。でも、今まで足を踏み入れたことのない住宅地を訪れることはわくわくする冒険で、気持ち良くジョギングしながら一軒一軒のお宅に「ラブレター」を配っていく時間は、すばらしい気分転換となります。

  小林農場ではインターネット上にブログを開設して、農場の様子をつぶさにお伝えしています。小林農場のブログを検索して農場の様子を確かめながらじっくりと熟考してから「お試しセット」をご注文された方もいらしたかと思います。ブログを作ることは私の趣味です。趣味が仕事にも活かされているのだから、幸せなことです。

  宅急便で野菜セットをお届けしてきた首都圏のみなさんには別紙でお伝えしたように、2月より宅急便代は1000円から800円に値下げされ、野菜代と合わせた合計金額が2800円となります。今までの宅急便の利用方法を見直して複数の運輸会社と交渉してみたため、宅急便代の値下げが可能となりました。

  ほんのわずかな値下げではありますが、高い宅急便代を今までお支払いしていただいたみなさんの負担が少しでも軽くなればと思います。また、新規で野菜セットを購入したいとお考えの遠方の方々が少しでも購入していただきやすい価格になったかと思います

  販路を拡大する方法はいろいろでしょうが、多くの農家の方々は「口コミ」が一番効果があったと語っています。良い商品は人から人へと伝わっていきます。小林農場もみなさんが思わず知り合いにすすめたくなるような質の高い野菜をお届けできればと思います。

2014年2月 9日 (日)

(二十四節気 七十二候)  立春初候 東風解凍(とうふうこおりをとく)

候の言葉は「東風」「春一番」

「東風(こち)吹くや 耳現はるる うなじ髪」  杉田 久女

二月四日(火) 立春、初午  雪 2℃~9℃

P2040027 仕事 配送、買い物、小麦粉の袋詰め

今年度初めて、栃木県に雪が積もった。

二月五日(水) 晴れ  -7℃~2℃

仕事  温床作り、切り干し大根作り

小麦粉を袋に小分けして保存P2050031     

二月六日(木) 旧七草  くもり  -8℃~4℃

P2070038 仕事  出荷

雪が降った後、日陰ではいつまで経ってもつららが消えない。

二月七日(金) 北方領土の日  晴れ -5℃~6℃

P2070043_2 P2070044 仕事  播種、温床作り、かぶに土寄せ

上空高く、サシバが空を悠々と舞うがごとく、何かがうまく風を捕まえて気持ち良さそうに浮遊していた。不織布だ。5分間ほど畑の上空を舞った後、静かに畑に舞い降りてきた。なんて不思議な光景。

二月八日(土) 御事始、針供養   雪 -3℃~-1℃

P2070040 仕事 片づけ、雪かき、車の整備、事務仕事

今年度の種まき開始。

2014年2月 8日 (土)

2月2日~2月9日の野菜セット

以下はこの週の野菜セットの内容です。

じゃがいも、玉ねぎ、人参、里芋、大根、かぶ、長ネギ、白カボチャ、白菜、ほうれん草、油菜、かき菜、ターサイ (2月7日の出荷には小麦粉もサービス品として加える)

小林の手帳より

小林農場で作った小麦を地元の製粉所に製粉していただき、小麦粉を作った。農場にとって、初の本格的な加工品の販売となる。

小麦粉には食品添加物は加えられていない。保存料も加えられていないので、冷蔵庫などに入れて低温で管理したほうがよいと思う。時間が経つと風味は徐々に落ちていくので、製粉したらできるだけ早く、多くの人に食べていただきたい。

小麦の種類は中力粉。一般的に販売されている薄力粉と比べて、粘りが強い。うどんをうったり、パイのようなお菓子を作ったり、すいとんを作ったり。パンも作れるかも。てんぷらにも。

今後は小林農場の小麦粉を希望される方々に別注文していただき、野菜といっしょにお届けしていこうと思う。とりあえず、今は販路が確保されていないので、サービス品として野菜セットに加えていき、みなさんに小麦粉を宣伝していこうと思う。

現在、近所の製麺所で小麦を製麺していただいている。まもなく、小林農場産のうどん(乾麺)も登場する。

2014年2月 5日 (水)

霜降る季節の青物野菜

霜降る季節の青物野菜  平成26年1月27日

大寒の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  一年間で最も寒い時期を迎えている小林農場では、早朝になると畑一面に霜が降りて土は凍りついて真っ白となります。露地で育てている油菜、かき菜、ほうれん草などの葉物野菜は霜で凍りつきながらも緩慢に生育し、辛抱強く春の到来を待っています。

  葉物野菜の上には不織布という防寒用の軽くて薄い布を直接かけています。これを1枚かけておくと、いくらかは霜を葉物野菜に当てずに守ってあげることができます。

鍋料理の食材としても利用でき、いつも冬の時期に出荷してきたみず菜とみぶ菜。しかし、去年の秋に激しい虫害にあい、あまりに虫に食われた跡が目立ちすぎるといろんな方からご指摘をいただき、出荷をやめることにいたしました。

  「虫が好んで食べる野菜は人が食べてもおいしい」「虫食われ穴が目立っていても食べるのには何の問題はない」といくら私が力説してみても、虫食われ穴がひどく目立つ葉物野菜を野菜セットの中に入れれば、どうしても野菜セットの印象を悪くしてしまいます。どこまでの虫害なら商品として許容されるのか、見極めていく必要はあります。

  みず菜とみぶ菜の上にかけていた不織布を外して、そのまま放置してみました。みず菜とみぶ菜はすっかり霜にあたって、私ですら食べる気がしなくなるほど枯れ葉だらけになってしまいました。栃木の厳しい冬では、やはり防寒なしでは葉物野菜を良い状態に維持して出荷していくのは困難でしょう。

  去年の冬は不織布を一枚だけではなく二重にして葉物野菜の上にかけてみました。かなりの防寒効果があり、ほとんど枯れ葉がなくて出荷しやすい葉物野菜が収穫できました。

  ただ、あまりに不織布に頼ってしまうやり方に疑問は感じていました。作物は日光を浴びることにより豊富な栄養を貯めこみ、味もおいしくなります。しかし、不織布は葉物野菜に降り注いでくる直射日光を遮ってしまいます。不織布を買うにもお金がかかります。

  今年は不織布を一枚だけにしてみました。一月に入ると、油菜、かき菜、からし菜などの葉物野菜に枯れ葉が目立ってきました。できるだけ枯れ葉を取り除いてからみなさんに葉物野菜をお届けしていますが、どうしても取り除けきれない枯れ葉もあるかと思います。少しだけみなさんにも、枯れ葉を取り除くお手数をおかけしています。

  いっぽうで、抜群の耐寒性を見せているのがほうれん草です。発芽の悪かったほうれん草の畑は、なんの防寒もせずに放置していたのですが、そこで生育したほうれん草は何度も強烈な霜を直接浴びてもびくともせず、青々とした葉を維持していました。ほうれん草にはわざわざ不織布をかけなくてもよいのではないかと思わせてくれました。

  ほうれん草のようにやたらと寒さに強い作物は例外的です。一昔前は、この地域では、冬に青物野菜はたいてい枯れて、食べられることがめったになかったようです。冬に青物野菜を豊富に食べることは、資材を使った防寒技術が発達した今では当たり前ですが、本当は昔の人々が羨むようなぜいたくな暮らしなのでしょう。  

2014年2月 2日 (日)

1月26日~2月1日の野菜セット

以下はこの週にお届けした野菜セットの内容です。

じゃがいも、玉ねぎ、人参、大根、かぶ、里芋、長ネギ、白カボチャ、白菜、ほうれん草、油菜、かき菜、ターサイ

小林の手帳より

白菜は去年の暮れに畑より室内に移してひとまとめに並べ、毛布をかぶせて防寒してきた。しかし、うまく保存できず、外葉の多くが傷んでしまった。出荷するときは、かなりの量の外葉を取り除かなくてはいけない。このまま放置すると、どんどん外葉だけでなく結球部分の葉にまで傷みが広がってしまうので、今週、全ての白菜の傷んだ外葉を全部取り除き、また並べ直して保存し直してみた。

一方、毛布ではなく、稲わらをかけて保温している白菜は保存状態が良い。おそらく毛布よりも稲わらのほうが通気性が良いだろうから、保温に使う素材としてはより優れているのだと思う。

しかし、稲わらをかけて保存していた早生の白菜は、かなり葉を傷めてしまっていた。畑で育てていた早生の白菜は去年の秋、霜が降り始めてすぐから、すでに霜で葉を枯らしてしまい、やたらと寒さに弱かった。あまり大きくならないし、他の農家からも早生はあまり評価が良くない。大きく育つ晩生の白菜は、貯蔵しやすいし、売りやすい。

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