« 2013年12月 | トップページ | 2014年2月 »

2014年1月

2014年1月28日 (火)

アレルギー時代

アレルギー時代  平成26年1月20日

寒気厳しきおりでございます。みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  私は生まれて間もない頃から、体中に湿疹が起きてしまいやすい体質でした。お医者さんからは「アトピー性皮膚炎」と診断され、この症状が小学生時代まで続きました。

  いつでもどんな所でも体中がかゆくなって掻きむしり、肌のあちらこちらに掻き傷ができて、その掻き傷がまたかゆくなり、さらに掻き続けてしまいました。特に夜、布団で寝ているときにますますかゆくなり、体を掻き続けてなかなか眠れない時もありました。布団の所々には、私の掻き傷から流れた血の跡がついていました。

  母は夜遅くまで私の体を優しくさすってかゆみをなだめようとしてくれました。父も仕事の休日には私をいろんな病院に連れて行ってくれました。家族も大変でした。

  アレルギー症状を被った子供たちの多くは、思春期をすぎて子供から大人の体へと成長していく過程で、アレルギーを乗り越えて症状が現れにくくなるようです。私の場合もそうでした。今ではおかげさまでアトピー性皮膚炎に苦しめられることはありません。

  この近年、花粉症、喘息、アトピー性皮膚炎など、一昔前ではあまり見られなかったアレルギー症状の患者が増加しています。その原因は複合的で特定しにくいのですが、私たちの生活の中にまき散らされている人工的に生成された化学物質が原因の一つではないかと強く疑われています。

  近年になって自動車やエアコンなどの便利な物質の使用が急増していますが、それに伴って排気ガスなどが副産物として大気中に排出されていきます。田畑の作物に散布された農薬も、環境中に残留していきます。これらの人工的な化学物質は今までに自然界に存在しない未知の物質で、人体にどんな影響を及ぼしていくのかよく分かっていません。

まだ人体が慣れていない新たに生まれた化学物質が人体にアレルギー反応を起こさせているという説が一般的に認知されています。有害物質が体内に侵入してきたとき、咳や湿疹によって人体は必死になって有害物質を体外へ排出しようとしているのです。

  私も毎日、自動車を運転しながら排気ガスを大気中にまき散らしています。自動車の使用が自然環境に悪いと分かっていても、収穫した野菜を持ち運ぶにも、みなさんのお宅に野菜をお届けするにも、自動車という便利な道具を必要とします。

  一度手に入れた便利な道具を手放すことは困難をともないます。突然に自動車の使用を禁止されたら、社会はたちまち大混乱を引き起こすでしょう。

  一方で、私は無農薬栽培を実践されている数軒の農家のもとで農業研修を受け、農薬がなくても作物を作れることをしっかりとこの目で確かめてきました。私も無農薬栽培を実践することによって農薬なしでも農業は可能であることを証明していきたいと思います。

  自動車をなくすのは難しいけれども農薬はなくせます。便利なものを次々に生み出すために未知の化学物質も副産物として生み出す現代。人体はアレルギー反応を起こしています。できることから少しずつ、アレルギーの原因を取り除いていきたいと思います。

2014年1月27日 (月)

生き物ざっくり物語  ホウレンソウざっくり

畑で暮らす生き物たちの奥深き生き様をざっくりと物語ります。今回はホウレンソウについて。

今から二千年ほど前、寒冷なペルシア地方でタンポポの葉に似た草、ホウレンソウが育てられて食べられるようになりました。古い時代にペルシアから中国、そして日本に伝わってきたのが東洋種で、葉肉が薄いのでヒトはおひたしにして食べることを好みました。ヨーロッパ各地で栽培され、近代になってから日本に導入されたのが西洋種で、葉肉が厚くて崩れにくいので、バターや油で炒める料理に適しています。現在は東洋種と西洋種のどちらの良いところを取り入れた雑種が主に日本で栽培されています。

ホウレンソウはもともと、寒さに強くて暑さに弱い生き物です。春に種が播かれたホウレンソウは、気温が高いので生育が速くなりますが、自分の体に栄養を貯めこむことができず、食べ物としては栄養価の低いものとなります。秋に種がまかれて、冬の間は太陽光を浴びながらじっくりと育つホウレンソウは、栄養も甘味もたくさん自分の体に蓄えていきます。ヒトは冬に収穫できるホウレンソウを好んで食べてきました。寒くなれば生育速度はゆっくりとなりますが、それでも氷点でも生育することができ、氷点よりも10度くらい低い低温にも耐えることができます。

ホウレンソウの種が発芽する頃にはすでに、太くて地中にまっすぐと伸びていく一本の根、主根の姿が目立ちます。生育が進むと、主根は地中60cmほどの深さに達し、ホウレンソウの生育を支えます。主根は赤く染まり、ここに甘い糖分が貯蔵されていきます。

冬までに生育して収穫時期を迎えたホウレンソウは、寒くなっていくと同時に、空に向かって伸ばしていた葉を地べたに下ろします。一枚一枚が重ならずに全ての葉が太陽の光を浴びられるよう、葉を地面と水平に放射状に広げていきます。こうすることにより、他の季節と比べて太陽の光が少なくなる冬に、葉はできるだけ日光を逃さずに取り込もうとします。吹きつける厳しい寒風も避けられます。放射状に葉を広げたホウレンソウの形はバラの花飾りに似ていて、ヒトはこの姿を「ロゼット」と名付けました。タンポポなどの他の植物も、寒くなるとロゼットになって冬を越していきます。

冬を乗り越えて春を迎えたホウレンソウは、茎を伸ばしてその先に花を咲かせます。動物にはオスとメスがいますが、植物の場合、たいていはオスとメスに分かれていません。一つの花の中におしべとめしべがあったり、一つの株に雄花と雌花がいっしょに咲いたりします。ところがホウレンソウには、雄花しか咲かせないオスの株と雌花しか咲かせないメスの株があり、これは植物としては珍しい性質です。ヒトは開花前にホウレンソウを収穫しますが、その時にはどれがオスでどれかメスかは分かりません。

数ある野菜の中でもホウレンソウの食物としての栄養価は抜群に高く、「一皿のホウレンソウは一瓶の薬に値する」と言われています。ただ、栽培中、ヒトがホウレンソウに肥料を与えると、ホウレンソウは肥料の中に含まれている「硝酸(しょうさん)」という成分を好んでたくさん吸収します。硝酸は人体には有害な成分であり、ヒトは栽培中にホウレンソウに肥料をやりすぎないように気をつけます。また、ホウレンソウの体内には「シュウ酸」という成分も比較的多く含まれています。えぐ味があって「アク」とも呼ばれていますが、ヒトはホウレンソウを食べる前にゆでて、アクを取り除きます。

参照

農文協 編・香川 彰 絵・石倉 ヒロユキ 「そだててあそぼう47 ホウレンソウの絵本」

著・木嶋 利男 「伝承農法を活かす マンガでわかる 家庭菜園の裏ワザ」

著・稲垣栄洋 絵・三上修 「身近な野菜のなるほど観察記」

 

2014年1月26日 (日)

栽培暦 1月19日~1月25日

以下はこの週に行った仕事です。

収穫、出荷  片づけ  玉ねぎ除草、植え直し  小麦を製粉・製麺へ  もみ殻入手

小林の手帳より

畑に定植した玉ねぎの苗の多くが霜柱によって持ち上げられて、根が地表に飛び出してしまった。改めて土の中に埋め直したが、はたして、ちゃんと回復してくれるかどうか。定植の時期が遅れると、苗が根を張る前に寒くなってしまい、根が霜で浮かされやすくなる。今回は定植時期が遅れたのでこうなることは予想していたが、厳しい玉ねぎ栽培となってしまった。  

新聞切り抜きネット版 チェルノブイリ原発事故後の住民への健康被害について

最近、私が気になった記事をご紹介いたします。

以下は「食品と暮らしの安全基金」より

研究者が被害を隠していた 安全基金の活動と考え方(91)

2011年3月に0~18歳だった福島県の子に実施されている検査で、12人が甲状腺ガンと診断され、 別に、甲状腺ガンの疑いのある子が16人いたと、6月6日に報道されました。
 検査の責任者である福島県立医科大学の鈴木眞一教授は「最新の超音波機器を用いて専門医が実施したうえでの発見率。想定の範囲ではないか」と述べています。 国連科学委員会も同時期に「放射線被曝による甲状腺ガンの発生は考えにくい」と表明しています。小児甲状腺ガンが見つかるのは100万人に1~2人。 今回は、85~170人に相当する子がガンにかかっているので、異常に多いのです。
 福島で、2年で多数の子に甲状腺ガンが見つかったのは、理由があるはず。 ところが原子力ムラの専門家は、異常な実態の原因をしらみつぶしに調べて行こうとはせず、多いとは言えないと発言するだけです。
チェルノブイリ原発事故では、4~5年後から小児甲状腺ガンが多く発生したので、福島で、甲状腺ガンが多いのか、 そうでないのかは、2年たてば明らかになります。問題は、専門家が本気で原因追及を行おうとしないこと。
 なぜ、そうなったのでしょうか。
「因果関係の解明が不十分」として、放射能が原因の病気を少なく報告する研究者には研究費を出し、
病気が多いと報告する研究者には、「科学的厳密さが足りない」として、研究費を出さないようにすれば、被害を少なく見せるのは簡単です。
 ウクライナの学校では多くの子どもが体調異常で苦しんでいるのに、放射線の研究所のトップは、「ゲームが普及し、運動しなくなったから」と、平然と言いました。
こうして研究者たちも、事実を隠してきたのです。

以下は「ゴーマニズム宣言ライジング」より

そしてさらに20年経ったチェルノブイリ事故被災地住民の健康被害はどうなっているのかをレポートしたのが、先週紹介したNHKのETV特集と、同番組のスタッフが書いた『低線量汚染地域からの報告 チェルノブイリ26年後の健康被害』(NHK出版)である。

 先週は紹介しきれなかったが、ここにはまだまだ深刻な事態が報告されている。
 何より衝撃的なのは、事故当時18歳以下だった人たちの甲状腺がん発症が、今なお毎年右肩上がりに増えているという事実である!
 チェルノブイリ事故前はウクライナの子供の人口1200万人に対して甲状腺がんは年間4、5例。極めて珍しい症例だった。
 それが事故4年後の1990年には62例と急増した。
 そしてここ5年は、事故当時18歳以下の世代の甲状腺がん発症が年間600症例、取材の前年・2011年には700例を記録したというのである。
 甲状腺に集中して蓄積される放射性ヨウ素は、半減期8日と極めて短く、2か月ほどで0になる。つまり、これは長期間にわたる被曝によるものではない。1986年の事故当初2か月以内に受けた被曝の影響が、今なお拡大の一途をたどっているのだ!!さらに先週号でも書いたように、事故以後に生まれた子供にも深刻な健康被害が発生しており、健康な子供はわずか6%しかいない。78%の子供が慢性疾患を抱えている。
 ウクライナでは、白内障、免疫疾患、神経精神疾患、循環器系疾患、気管支系疾患、消化器系疾患と、あらゆる病気で健康状態の悪化が見られ、特に循環器系、すなわち心臓・血管等の病気は圧倒的で、がん以外の慢性疾患による死因の実に89%を占めるという。
 IAEAなど国際機関は、未だに白血病、白内障、小児甲状腺がん以外の病気については原発事故の影響とは認めないし、認めた病気も、発症に至る放射線量をものすごく高く見積もっている。
 現地の医師たちは、原発事故に関係のない地域ではありえない患者数の増加を目の当たりにしている。それなのに、IAEAなどは「放射線が原因だという証拠はない」と言い張る。
 その「証拠」とは、誰がいつ、どれだけの放射線を浴びたかというデータである。
 しかし事故直後の混乱や、ソ連当局によるカルテの隠滅などで、そんなデータはほとんどない。そのために、原発被災地だけで異常な健康被害が出ていようと、因果関係は証明できないというのだ!
 放射線と健康被害の関係を実証するためには、データは命綱である。
 ウクライナの医師は言う。
福島が心配です。今の日本で最も重要なことは住民の健康検査をし、そのデータをしっかりとることです
一番重要なのは、モニタリングし続けることです。それがなければ、対応策を練ることもできません
 しかし福島では、事故直後の住民の健康検査もモニタリングもしなかったし、今なお「不安を煽るな」とか言って、住民の健康検査には消極的である。
 そうして、将来不幸にして健康被害が生じた時、政府が何を言うかはもう決まっている。「データがないから原発事故との因果関係は証明できない」だ。

2014年1月24日 (金)

1月19日~1月25日の野菜セット

以下はこの週の野菜セットの内容です。

じゃがいも、人参、玉ねぎ、大根、かぶ、里芋、長ネギ、白カボチャ、白菜、ほうれん草、油菜、からし菜、ターサイ

小林の手帳より

白カボチャはとても甘味があり、おいしい。ただ、外皮がとても固くて、包丁で切りにくい。多くの方が料理中に、このカボチャの固さに苦戦しているようだ。「1個のカボチャを半分に切る場合、へたの手前に包丁を入れて押し切り、そのまま側面に沿わせるように包丁を底まで回す。180度回転し同様にし、裏返して底から、入れた切れ目に沿って切るとラク。」と料理本に「楽なカボチャの切り方」が解説されていた。半割りの状態のカボチャは、切り口を下にして置き、包丁で押し切ると良い。

火を通せば、カボチャの外皮もすぐに柔らかくなって食べられる。ただ、小林農場のカボチャは、外皮の表面がゴツゴツとしていてなめらかではない。よって、手間をかけて外皮を切り除く方も多いようだ。カボチャの実は栽培中に、地面に接している面が湿気ってしまい、そのため外皮の肌が荒れる。カボチャの実ができ始めた頃、実の下にプラスチックの敷き物を敷いてやると、肌はきれいに保てる。次回のカボチャ栽培では敷き物を敷いてみようと思う。

カボチャは包丁を入れて切ると、保存性が悪くなる。特に、種とワタの部分から傷み始める。半割りにしたカボチャを出荷する場合は、種とワタを取り除いてから出荷するようにしている。

2014年1月23日 (木)

小寒末候 雉始鳴

一月一五日(水) 小正月  晴れ  -3℃~5℃

P1150360 仕事 ハウス解体、運搬

(写真)近所の方からいただいてきたハウスの資材を軽トラックに乗せて持ち運ぶ。

一月一六日(木)  晴れ、満月  -5℃~7℃

P1160367 仕事 収穫、出荷

(写真)冬の間、里芋を積んで貯蔵している貯蔵穴。

一月一七日(金) 防災とボランティアの日 晴れ -3℃~8℃

P1090336_2 仕事 ハウス解体、運搬

(写真)畑のほうれん草

一月一八日(土) 晴れ -4℃~7℃

P1160362 仕事 片づけ 不織布べたかけ

(写真)早朝の寒さはますます厳しく室内も氷点下、昨夜のうちに作っておいたお味噌汁も鍋の中で凍りついていた。

一月一九日(日) 晴れ -2℃~5℃

P1220368 仕事 朝市出店  遊び 外食

(写真)最近お気に入りの料理、人参と大根のきんぴら炒め。

2014年1月22日 (水)

予防原則

予防原則   平成26年1月13日

星も凍るような寒い夜が続いております。みなさん、いかがおすごしでしようか?

  無農薬栽培を行う小林農場も、現在の農薬事情について関心を持っています。一昔前の農業では有機リン系の農薬が主に使用されていましたが、現在はより人体への健康被害が少ないとされているネオ・ニコチノイド系の農薬が主に使われています。

  近年になって各地の養蜂家から、飼育していたミツバチが突然に大量死、大量失踪してしまったという報告が相次ぎました。原因の調査では、大気に拡散されたネオ・ニコチノイド系の農薬がミツバチになんらかの健康被害を与えたのではないかと疑われています。

  ミツバチは多くの農作物の授粉を担うとても大切な昆虫です。ミツバチがいなくなれば、ナスもトマトも実をならさず、私たちは収穫できなくなってしまいます。また、この新農薬を浴びた人々が脳や神経系へ障害を被ったとの報告も相次ぎました。これらを受けてネオ・ニコチノイド系の農薬の使用に厳しい規制を設ける国が増えています。

  ただし、ミツバチや人体への健康被害について、ネオ・ニコチノイド系の農薬が原因であると科学的にはっきりと証明されたわけではありません。ネオ・ニコチノイド系の農薬を開発している農薬会社からは、厳しい使用規制に反対する声があげられています。

  この新農薬のように、安全なのか危険なのかはっきりと分からない化学物質に対しては、「危険性が確認されていないのだから、安心して使用してよい。」と考えるのではなく「安全性が確認されていないのなら安全性が確認されるまで厳しい規制を設けながら使用する。」と考えます。これは小林の個人的な見解ではなく、国際会議にて国際的に合意された概念で「予防原則」と呼ばれています。

ひょっとしたら研究が進んでネオ・ニコチノイド系の農薬は実は無害で安全であることが判明される日がくるかもしれません。それでも、安全性がはっきりと確認されるまで使用を厳しく規制すべきです。予防原則とはそういうことです。

  「公害の原点」と言われている昭和31年に熊本県水俣市で発生した水俣病では、化学工場から海に排出された廃液中の水銀が食物連鎖を通してその周辺の住民の体内に取り込まれて、多数の被害者を出しました。当時は水銀が人体に与える影響が知られていなかったため、水銀の海への排出が規制されませんでした。このような悲劇を未然に防ぐために、「予防原則」という考え方が生まれました。

  ネオ・ニコチノイド系の農薬のように安全性が疑われる農薬が新たに開発され使用されています。それらは今まで自然界に存在していなかった未知の化学物質です。果たしてこれが今後自然環境にどのような影響を与えていくのか、わかりません。農薬を使うたびにいちいちそのことを心配しなくてはいけません。だから私は農薬を使うのが嫌なのです。

  「新しいものに過剰に不安を抱いていては何もできないし何も進歩しない」と批判されるかもしれません。でも、未知の化学物質への警戒心を緩めれば、第二、第三の水俣病が発生することでしょう。「予防原則」は忘れてはならない考え方だと思います。 

2014年1月20日 (月)

栽培暦 1月12日~1月19日

以下はこの週に行った仕事です。

収穫、出荷  片づけ  ハウス解体、運搬  

小林の手帳より

農場にハウスを増設して、物置小屋やハウス栽培などのために使おうと思う。しかし、新品のハウスを購入するとなると、お金がたくさん必要になる。近所の畑で長い間使われずに放置されていたハウスがあったので、持ち主の方にお願いしてハウスをいただけることになった。そのハウスを解体して農場に運ぶ作業に、ずいぶんと時間がかかってしまった。もしもっとハウスをほしいと思ったら、次はお金を払って新品のハウスを購入して、お金の代わりに時間を節約したい。

生きものざっくり物語  カボチャざっくり

畑で暮らす生き物たちの奥深き生き様をざっくりと物語ります。今回はカボチャについて。

  カボチャの原産地はアメリカ大陸で、古くから現地の住民たちにとっての重要な作物でした。日本で食べられるカボチャは主にニホンカボチャ、セイヨウカボチャ、ペポカボチャの三種類に分かれています。最初に日本に渡ってきたのはメキシコなどの熱帯地方が原産地のニホンカボチャで、実の水分が少なくてねっとりとしています。一九世紀ごろに導入されたセイヨウカボチャは冷涼な気候のアンデス山脈を原産地とし、実がホクホクとして甘味があります。油を使った料理やスープにむくことなどが最近の日本人の食生活にあい、今では栽培されて店で売られているカボチャのほとんどがセイヨウカボチャです。北アメリカの乾燥地の原産のペポカボチャは、いろんな色をしていたり縞模様がはいっていたり、ずんぐりしていたり細長かったり、個性豊かな外見でヒトを楽しませてくれます。最近はペポカボチャの一種、ズッキーニが家庭料理で食べられるようになりました。

  カボチャの種が発芽する適期は桜の花が咲き終わった頃。カボチャの種の生命力はたくましく、畑の隅に生ごみとして捨てられたカボチャの実の中に含まれている種から、自然に芽を出して雑草のように葉を茂らせていく光景がよく見られます。カボチャの実の中の果肉には発芽を抑える物質が含まれていて、種は実の中では発芽しません。寒い時期に発芽してしまうとすぐに枯れてしまうので、十分に暖かくなって実が腐って果肉が取り除かれてから、種は発芽します。カボチャの皮は固く腐ることなく長持ちしますが、その中で種は発芽の適期をじっと待っています。ヒトは実から種を取り出し、種についている果肉をしっかり洗い落してから種を播きます。発芽したばかりのカボチャの双葉には順調に発芽するために必要な栄養がつまっているので、双葉は厚くて大きいです。そのため、種の中には双葉がぎゅうぎゅうにつまっています。だから種の大きさも大きいです。

  発芽したカボチャはやがて、あたり一面にツルを伸ばして地表を葉で覆っていきます。ヒトが栽培する時は広い面積が必要です。ツルのあちらこちらからも新たに根が生えて土から養水分を吸い上げ、またツルが風で飛ばされてしまわぬように地面に固定させます。

  夏の真っ盛りに、カボチャのツルから花が咲きます。雌花と雄花が同じツルから別々に咲きます。夜明けと同時に花が開き、早朝にはミツバチやアブが花の蜜を吸いに集まりカボチャの受粉を手伝います。花粉の寿命はわずか数時間で、花は午前中にはしぼみます。

雑草が生えてこないようにヒトはカボチャのまわりにワラなどを敷きますが、実がなり始める頃、新たに地表から生えてきた雑草をヒトは抜かずにそのまま残しておきます。実が太陽の日を浴びて日焼けしないように、雑草が実の上に日陰を作ってくれます。また、実は地面に接している部分は湿ってしまって皮の肌がゴツゴツと荒れてしまうので、ヒトは実の下にワラなどをざぶとんのように敷いておきます。

セイヨウカボチャの実はやがて、ヘタがコルクのようにひび割れして、表面のつやがくすんでいきます。ヒトはそれをセイヨウカボチャの収穫時期と判断して、畑より持ち運びます。ヒトは収穫してからすぐにはカボチャを食べてしまわず、少なくとも一〇日間ほど風通しの良い日陰に置いておきます。すると、実の中にためられていたデンプンが糖分に変わって、ますますおいしく食べられるようになります。そして、長く保存ができます。

参照

農文協 編・伊藤喜三男 絵・ささめやゆき 「そだててあそぼう12 カボチャの絵本」

著・稲垣栄洋 絵・三上修 「身近な野菜のなるほど観察記」

著・竹内孝功 「これならできる 自然菜園 耕さず草を生やして共育ち」

2014年1月18日 (土)

1月12日~1月18日の野菜セット

以下はこの週の野菜セットの内容です。

じゃがいも、人参、玉ねぎ、大根、かぶ、長ネギ、里芋、白かぼちゃ、白菜、ほうれん草、油菜、かき菜、ターサイ

小林の手帳より

油菜やかき菜などの露地の葉物野菜が寒さで傷んだ葉を増やし、出荷しにくくなっている。いっぽうで抜群の耐寒性を発揮しているのはほうれん草。不織布をかぶせずに防寒していないほうれん草もほとんど葉を枯らすことなく、出荷しやすい。ターサイも耐寒性があり、信頼できる。

白菜が例年よりも保存状態が良くない。外葉の多くが傷み、外葉を厚くむいて出荷している。大きな白菜が出荷できない。

2014年1月15日 (水)

農家の暮らし24時 小寒次候 水泉動 

一月十日(金) 十日えびす 晴れ  -5℃~5℃

P1100343 起床 3時  就寝 20時

仕事  収穫、出荷

(左の写真)出荷されたかぶ

/

一月十一日(土) 鏡開き 晴れ  -5℃~7℃

P1110344 起床 3時  就寝 20時

仕事 ハウス解体

(右の写真)寒さが厳しくなり、台所の蛇口につららができた。

一月十二日(日) 晴れ -4℃~9℃

P1120348 起床 3時  就寝 20時

仕事  朝市出店、堆肥整理、片づけ

(左の写真)奥はもみ殻や野菜の残さ、我が家の1年分の残飯を発酵させて作った堆肥。手前は新たに堆肥枠に入れられた堆肥の材料。

一月十三日(月) 成人の日 晴れ -3℃~7℃ 

P1120349_2 起床 3時  就寝 23時

仕事  収穫、出荷

一月十四日(火)  晴れ  -6℃~6℃

P1140355 起床 4時  就寝 19時半

仕事  配送、チラシ配り、買い物

(左の写真)水洗いしてから出荷された里芋。

2014年1月14日 (火)

農家の暮らし 小林の場合

農家の暮らし 小林の場合  平成26年1月6日

新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

  農家の暮らし方は季節に左右されます。畑仕事のできる時間はお日様が顔を出している時間で決められます。この時期は一年間で昼の長さが最も短く、朝は九時頃まで畑は霜で凍っていて畑仕事ができません。畑仕事以外のことに時間を費やす時期でもあります。

  無法地帯のようにいろんな物が散らかしっ放しになっていた農場を年が明ける前に片づけていこうと思い、去年の暮れより大掃除を始めました。ところが片づけの苦手な私は、あまりの散らかりぶりにいったいどこから手をつけていいのやら途方にくれてしまいました。散らかした状態のまま逃げるようにして東京の実家に帰り、年を越しました。

  久しぶりに実家の家族の顔を見て気合いを取り戻し、農場に戻ってきてから三日間、大掃除に専念しました。小林農場には物を置いておくための屋根付きの物置小屋がほとんどありません。だから、狭い空間にごちゃごちゃといろんな物を詰め込んでしまい、農場内は常に散らかっている状況でした。畑の一部に新たにハウスを建てて、そこを物置小屋として使うことにしました。

  新しく作った物置小屋に次々と物が移り、足の踏み場のなかった住まいや倉庫に開けた空間が生まれ、今、農場の風景が明るく変わろうとしています。小林農場の大掃除はこれから。二月上旬の苗作りが始まる立春までには片づけを終わらせようと思っています。

  去年の秋から早起きする習慣がすっかりと定着しました。現在私は、早朝の二時や三時に起きるようにしています。良い睡眠がしっかりととれているのでしょう、目覚めがとても良いです。起きてから六時頃に朝食の準備を始めるまでの三、四時間は、一日のうちで最も頭が冴えている「黄金の時間帯」。この時間内に、仕事の予習、復習を兼ねた勉強、事務仕事、または読書をしたり日誌をつけたり農場通信を書いたりしています。

  食事も去年の秋から、「一日三食」を「一日二食」に減らしてみました。今までは食べ過ぎて体調を崩すことが多かったのですが、少食にしてみたら体が身軽になりました。食事の準備に費やす時間も削減できました。最近は「一日二食」だとやはりお腹がすいてしまうので、おやつの時間を設けて「一日二.五食」にしました。季節によって食欲が変わってくるだろうから、常に自分の体と相談して食事を調整していきたいと思っています。

  日が暮れて畑仕事を終えた後は、疲れて何もできません。本を読んでも、一行読んだだけで居眠りをしてしまいます。夜はなるべく早く寝るようにしています。

  農家が農業を長く続けていくために一番大切な仕事は何か?私は「睡眠」「食事」「整理整頓」だと思います。

お陰様で今まで私は大きな怪我をすることなく、病気にかかることもなく、元気に農業にはげんでこられました。今まで春夏秋冬、休むことなくみなさんに野菜セットをお届けしてきました。これが私の誇りです。今後も絶え間なくみなさんに野菜をお届け続けられるように、自分の体や住環境を大切に管理してまいりたいと思います。

2014年1月12日 (日)

1月5日~1月11日の野菜セット

この週の野菜セットの内容は、以下のとおり。

じゃがいも、人参、玉ねぎ、大根、かぶ、さといも、長ネギ、白かぼちゃ、白菜、ほうれん草、かき菜、からし菜、ターサイ

小林の手帳より

秋の頃に激しく虫害にあい今でも虫食い穴が目立つみず菜とみぶ菜は、あまりに評判が良くなかったので、出荷をやめる。ゴボウも栽培を失敗して出荷できず。出荷できる作物が減っていく厳しい時期ではあるが、あまり保存性の良くない玉ねぎが今年の冬は保存状態が悪くなく、初めて玉ねぎを冬に出荷できている。

不織布をかぶせて露地の葉物野菜を防寒しているが、寒さが厳しくなり葉の傷み方が目立ってきた。大事に出荷していきたい葉物野菜には、不織布を二重にしてかけて保温を強化したほうが良いかもしれない。

2014年1月11日 (土)

生きものざっくり物語 ネギざっくり

畑で暮らす生き物たちの奥深い生き様をざっくりと物語ります。今回はネギについて。

植物によって姿形は違いますが、ネギの姿はとても変わっています。ネギの下の部分は淡い緑色、または白色の太い筒のような形をしていますが、この部分は「葉鞘(ようしょう)」と呼ばれています。茎のようにも見えるのですが、実は葉鞘は茎ではなくてネギの葉の部分にあたります。葉鞘の上から先のとがった濃い緑色をした葉が数本伸びていて、この部分は「葉身(ようしん)」と呼ばれています。やはり葉身も葉の一部で、ネギの葉は下部の葉鞘と上部の葉身からできています。葉鞘も葉身も、中身は筒のように空洞になっています。葉鞘では、外側の葉の葉鞘がすぐ内側の若い葉鞘を包み、その葉鞘もさらにすぐ内側の若い葉鞘を包み、葉鞘が何枚も重なってできています。葉身では、内側に丸まりながら生えてきた葉の先がつながって円筒のような形を作ります。そのため、見えている葉身の外側の部分は葉の裏側で、裏側が見えにくい他の植物の葉とはこれまた違います。

  葉鞘の一番下から生えている細かなヒゲのように見えるのがネギの根です。では、ネギの茎はどこにあるのか?ネギの茎はとても短く、葉鞘と根の間のわずか1~2cmの固い部分が茎です。ヒトがネギを料理するときに、根といっしょに切り落とされて捨てられる目立たない部分です。しかし、春になってネギが花を咲かせる頃、茎は勢いよくぐんぐんと伸び始め、やがてその先につぼみをつけます。伸びた茎は「花茎」と呼ばれますが、その姿は葉身に似ていて中身も空洞になっていますが、葉身と比べて厚くて固く、しっかりと先に咲かせたつぼみを支えようとしています。

  ネギのつぼみには花全体がまとまっておさめられ、丸くて薄い膜に覆われています。この姿が僧侶の頭に似ていることから、ヒトはネギのつぼみを「ねぎ坊主」と名付けました。やがて薄皮が破れて、いよいよ花が姿を現します。花はどれも小さく、その花の集団は子供のいがくり頭に似ていて、あまり華やかではありません。それにもかかわらず、この花にはハチやアブやチョウチョなど、ありとあらゆる虫が蜜を吸いに集まってきて、ネギの受粉を助けます。不思議な魅力を放つ花なのです。

  根深ネギは種が播かれてから収穫されるまで9カ月以上もかかります。ネギの栽培中、ヒトはこまめに除草します。ネギの葉は地面を覆わずに上へ上へと生育していくため、ネギとネギの間で雑草が日の光を浴びてどんどん大きくなっていきます。その上、ネギは生育が遅いので、除草されぬまま雑草と競争をすればネギは負けてしまい、その場で消えてなくなってしまいます。

  ネギが大きくなるにつれて、ヒトはネギの株もとに土を寄せていきます。土に埋められたネギの葉鞘は、太陽の光を浴びなくなるので、緑色にならずに白いままです。その部分は柔らかくておいしくなるのですが、これを「軟白」と呼びます。また、土を株もとに寄せられることにより、ネギはもっと背を高く伸ばそうとする性質があります。ただし、あまりにたくさんの土を一度に寄せてしまうと、ネギは背ばかりが高くなり、しっかりと太りません。ひょろ長くなったネギは風を受けると折れやすくなってしまいます。よってヒトは、ネギの太り具合を確認しながら、何回にも分けて土寄せをして、葉身の生え際よりも上には土をかぶせないように気をつけます。

参照

農文協  編・小島昭夫、安藤利夫 絵・峰岸達 「そだててあそぼう57 ネギの絵本」

著・稲垣栄洋 絵・三上修 「身近な野菜のなるほど観察記」

2014年1月10日 (金)

農家の暮らし24時  小寒、芹乃栄

一月六日(月) 晴れ  -4℃~8℃

P1090335 二時半  起床、目覚まし、日誌、勉強、事務仕事

六時  散歩、料理、朝食 

八時  仕事(収穫、出荷)

一二時半  おやつ

一三時  仕事(収穫、出荷)

一八時  夕食

二〇時  仕事(出荷)

二三時  就寝

(上の写真)出荷するために箱詰めされたターサイ

一月七日(火)人日の節句 晴れ  -6℃~7℃

P1070323 四時  起床、日誌、事務仕事 

七時  朝食

八時  仕事(配送、チラシ配り、買い物)

一九時  夕食、映画鑑賞

二二時  就寝

(右の写真)配送される野菜を軽トラックに積む)

一月八日(水)  くもりのち雨  -3℃~10℃ 

P1080329 四時  起床、日誌、勉強

七時  仕事(片づけ)

八時半  料理、片づけ

一〇時  仕事(落ち葉かき)

一五時  講演会に参加

一八時  夕食

二〇時  就寝

(左の写真)人日の節句の七草?粥

一月九日(木) くもりときどき雨  4℃~8℃

P1080332 三時  起床、目覚まし、日誌、勉強、事務仕事

六時 料理、朝食

八時 仕事(収穫、出荷)

一二時半 おやつ

一三時 仕事(出荷)

一八時 夕食

二〇時  就寝

(左の写真)農場の雑木林での落ち葉かき  

2014年1月 8日 (水)

農家の暮らし24時  冬至(雪下出麦)

一月三日(金)  晴れ  -4℃~7℃

P1030307_2 四時  起床、目覚まし、日誌、勉強、事務仕事

六時  散歩、調理、朝食

八時  仕事(住まいの大掃除)

十二時  おやつ

十三時  仕事(住まいの大掃除)

十六時半  調理、夕食

十九時  就寝

(上の写真)片づけた後の我が住まい

一月四日(土)  晴れ  -2℃~11℃

P1040315_2 三時  起床、目覚まし、日誌、勉強、事務仕事

七時  散歩、調理、朝食

九時  仕事(ハウス作成)

十二時  おやつ

十三時  仕事(ハウス作成)

十七時  調理、夕食、風呂

十九時半  就寝

(上の写真)早朝、畑は霜でまっ白に凍る 

一月五日(日)小寒  晴れ  -5℃~7℃

P1050319 二時半  起床、目覚まし、勉強、事務仕事

六時  散歩、調理、朝食

八時  仕事(ハウス作成、買い物)

十二時  おやつ

十三時  仕事(片づけ)

十七時  調理、夕食、音楽

二十時  就寝

(上の写真)物置用のハウスが完成

2014年1月 5日 (日)

冬至の風景

Pc210284 Pc180263(右の写真) 堆肥の中にカブトムシの幼虫がたくさん眠っていた。

Pc260285 (左)白菜は霜の当らない屋根の下に持ち運んで並べて置き、ワラをかけて防寒。

Pc180265 (右)落ち葉かき。大きな樹木が山ほどの落ち葉を落としてくれた。堆肥の材料として落ち葉を使用。

2014年1月 3日 (金)

謹賀新春

謹賀新春。

P1010290 P1020297

私の故郷、東京下町の元日の早朝の風景です。この景色を気に入り、十五年ほど前に小林家は隅田川のほとりに移住しました。まだ暗いうちから川を行き来するゆりかもめの声が聞こえてきました。初日の出がゆっくりと高層ビル群を赤く染めていきました。

P1020301 今年の元日の朝はすっきりと晴れず、富士山があまりきれいに見れなかったのが残念。

P1010296

« 2013年12月 | トップページ | 2014年2月 »

フォト
無料ブログはココログ