アレルギー時代
アレルギー時代 平成26年1月20日
寒気厳しきおりでございます。みなさん、いかがおすごしでしょうか。
私は生まれて間もない頃から、体中に湿疹が起きてしまいやすい体質でした。お医者さんからは「アトピー性皮膚炎」と診断され、この症状が小学生時代まで続きました。
いつでもどんな所でも体中がかゆくなって掻きむしり、肌のあちらこちらに掻き傷ができて、その掻き傷がまたかゆくなり、さらに掻き続けてしまいました。特に夜、布団で寝ているときにますますかゆくなり、体を掻き続けてなかなか眠れない時もありました。布団の所々には、私の掻き傷から流れた血の跡がついていました。
母は夜遅くまで私の体を優しくさすってかゆみをなだめようとしてくれました。父も仕事の休日には私をいろんな病院に連れて行ってくれました。家族も大変でした。
アレルギー症状を被った子供たちの多くは、思春期をすぎて子供から大人の体へと成長していく過程で、アレルギーを乗り越えて症状が現れにくくなるようです。私の場合もそうでした。今ではおかげさまでアトピー性皮膚炎に苦しめられることはありません。
この近年、花粉症、喘息、アトピー性皮膚炎など、一昔前ではあまり見られなかったアレルギー症状の患者が増加しています。その原因は複合的で特定しにくいのですが、私たちの生活の中にまき散らされている人工的に生成された化学物質が原因の一つではないかと強く疑われています。
近年になって自動車やエアコンなどの便利な物質の使用が急増していますが、それに伴って排気ガスなどが副産物として大気中に排出されていきます。田畑の作物に散布された農薬も、環境中に残留していきます。これらの人工的な化学物質は今までに自然界に存在しない未知の物質で、人体にどんな影響を及ぼしていくのかよく分かっていません。
まだ人体が慣れていない新たに生まれた化学物質が人体にアレルギー反応を起こさせているという説が一般的に認知されています。有害物質が体内に侵入してきたとき、咳や湿疹によって人体は必死になって有害物質を体外へ排出しようとしているのです。
私も毎日、自動車を運転しながら排気ガスを大気中にまき散らしています。自動車の使用が自然環境に悪いと分かっていても、収穫した野菜を持ち運ぶにも、みなさんのお宅に野菜をお届けするにも、自動車という便利な道具を必要とします。
一度手に入れた便利な道具を手放すことは困難をともないます。突然に自動車の使用を禁止されたら、社会はたちまち大混乱を引き起こすでしょう。
一方で、私は無農薬栽培を実践されている数軒の農家のもとで農業研修を受け、農薬がなくても作物を作れることをしっかりとこの目で確かめてきました。私も無農薬栽培を実践することによって農薬なしでも農業は可能であることを証明していきたいと思います。
自動車をなくすのは難しいけれども農薬はなくせます。便利なものを次々に生み出すために未知の化学物質も副産物として生み出す現代。人体はアレルギー反応を起こしています。できることから少しずつ、アレルギーの原因を取り除いていきたいと思います。