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2013年12月12日 (木)

耕さない畑

耕さない畑   平成25年12月2日

年末の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか?

  最近の農業界では「不耕起栽培」がひっそりと注目され始めています。一般的な栽培方法ではトラクターで田畑を耕してから作物を育てるのですが、不耕起栽培では田畑を耕さないで作物を育てます。

  もう10年以上前の話になりますが、奈良県の農家の方の田畑を見学させていただいたことがあります。20年以上も土を耕さずに不耕起栽培を実践されている田畑でした。ほろほろとしている土は黒々と光っていて、足を踏み入れると心地よい弾力が体に伝わってきました。その豊かでふくよかな感触は、今でもはっきりと思い出すことができます。

  人が足を踏み入れることのない奥深い山林でも木々が旺盛に育っているのを見れば分かるとおり、本来、植物は土が耕されていなくても生育することができます。耕さなくても、土は無数の生き物にあふれ、自然とフカフカと柔らかくなっていきます。

  耕せば耕すほど土が良くなると一般的に思われがちですが、現在の農業では耕しすぎることによる土への害が指摘されるようになってきています。耕すことにより、土が本来持っていた健全な物理性が破壊され土中の生き物に混乱を生じさせます。土の健康を考えるのであれば、人があまり土に手を加えないほうが良い場合が多いようです。

  多くの農家が田畑を耕す主な理由は、田畑の雑草を抑えこむためです。雑草だらけの田畑では、あらゆる仕事が困難となります。トラクターで雑草を退治してから作物の種を播いたり作物の苗を植えたりすれば、雑草よりも先に作物を生育させることができます。言い換えると、耕しておかないと、作物は雑草と厳しい競争にさらされてしまいます。

不耕起栽培でも鎌を使って作物の周りに生えてくる雑草を刈り取りますが、そのようなゆるい除草方法では手間と時間のかかる上にあまり除草効果が期待できません。このやり方で小林農場に生えるような勢いのある雑草を抑えることは困難でしょう。

我が家の自給自足を目的にした家庭菜園のように狭い畑であれば、除草作業もそんなに大変ではないので、不耕起栽培はとても有効だと思います。いっぽう、小林農場のようにある程度広い面積の田畑を管理している専業農家の多くは、機械を使って耕し雑草を抑えておく必要があります。前述の奈良県の農家の方も、もともとは専業農家でしたが、不耕起栽培を始めてからは専業農家をお辞めになり、現在は食の自給と不耕起栽培の普及に取り組む日々を送っていらっしゃるようです。

私が知っている限りでは、不耕起栽培ほど自然界と調和して自然環境に負担をかけない栽培方法は他にないと思います。私が本当にやりたい農業はこれです。

私も本当に狭い面積ではありますが、農場の中に不耕起畑を作ってみました。これから数年間、この畑は耕さないと決め、アスパラガスやニラを栽培しています。

一歩でも半歩でも四分の一歩でも。私のできる範囲で少しずつ自分の理想としてきた栽培方法を実現し、長い年月をかけて小林農場を桃源郷にしていきたいと思います。

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