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2013年12月18日 (水)

小さき者たち

小さき者たち   平成25年12月9日

師走の候、みなさん、いかがおすごしでしょうか。

  日本の国土には山がたくさん連なっていることもあり、古くから日本の農家はわずかに広がる平地に創意工夫を加えながら小さな田畑を開拓してきました。農場の規模は小さく、それをさまざまな小さな家族農家が管理してきました。

  日本政府は近年、小規模家族農家が中心だった日本型農業を改め、広い面積の農地を大規模に管理して経営していけるような企業的・大規模農場に農地を集積させようとしています。農地の面積を拡大すれば、農場経営の経済効率が上がります。

大規模化によってお金儲けしやすくなって農家が意欲的に農業に励むようになることが政策の狙いです。ただし、とても人の手だけでは広い面積を管理できなくなるので、機械や資材に頼る機会が多くなり、栽培方法が自然からかけ離れていきます。

小林農場では自分たちが食べる野菜を自給していくことが大切だと考えて、あらゆる種類の旬の野菜を栽培してきました。いつも何種類もの作物の世話をすることは手間がかかりますが、それによって農場内の生物の多様性は保たれ、豊かな生態系が育まれています。お金儲けを一番の目的にして大規模化した企業農家は、売れる作物しか作らなくなるので、広い農地にわずかな種類の売れる作物しか作らず、場内の生態系を貧しくしてゆき、ますます農薬や化学肥料を頼りにしなくてはいけなくなります。

要するに、ものすごく単純に言ってしまえば、農場を大規模化・企業化させればお金儲けはしやすくなるけれど自然環境への負担を増やしてしまいます。豊かな自然環境を保全しながら農業を営んでいきたいと考えたとき、自ずと小さな農家が小さな規模で田畑を管理していくことが良いという結論になります。

もっと言ってしまえば、我が家の食の自給のためだけを目的とした小さな小さな家庭菜園こそが、最も自然に優しい作物栽培の姿だと思います。政治家も医者も教師もサラリーマンも、どの世帯もみんな家庭菜園を持って、ほんのわずかな時間でもいいから仕事の合間に野良仕事をして我が家の食材を自給していければ、ずいぶんと自然に優しくて人の健康にも良い社会が実現することでしょう。

消費者が自分たちの食べ物を自給すれば、もう専業農家は商売できなくなるかもしれませ。でも、自給自足が当たり前のステキな世界がやってくれば、私は喜んで専業農家をやめます。「専業」という型から解放されて、もっと好きなように農を楽しめるでしょう。

農業の大規模化を進めようとする政府の方針を、多くの報道機関も支持しています。どのようにして小さな農家を離農させて大規模な農家に農地を集積させていくかを真剣に論じている記事を目にすると、悲しくなってきます。大規模化を目指す農家がいてもかまわないと思いますが、政府や報道機関が小さな農家の存在を否定するのはいけません。

小林農場も小さな農家です。大規模化・企業化することを拒み、小さいことに誇りを感じる農家は小林農場以外にもまだまだたくさんいます。

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