緑の王国
緑の王国 平成25年9月16日
15日と16日の連休中に大型の台風が関東地方に上陸しました。みなさんはいかがおすごしでしたか?
夏の間ずっと足を踏み入れなかった公道と畑の境、または耕さずに放っておいた畑の中など、すっかり雑草が人の背丈以上に伸びてしまいました。夏が終わろうとする今更ながら、ようやくこれらの草を刈り倒して、畑やその周りを掃除しています。
公道と畑の境にある斜面には、セイタカアワダチソウが群生していました。高さは2mにもなり、茎はがっしりと太く、草というよりも木のように立っていて、セイタカアワダチソウの林が形成されていました。
秋になると黄色い花が咲き乱れ、春の菜の花のように美しい風景ではありますが、農家はあまりこの風景を好みません。花が種になり無数の種があたり一面にこぼれれば、次の年もさらにこの草が勢力を広げてしまいます。刈るのも大変な木のような草がうっそうと茂ってしまいます。
もともとは北アメリカ大陸の草だったのですが、近年になって日本に侵入して、荒れ地の周りで広がっていった帰化植物です。畑にも侵入されないように農家はこの草を見つけ次第刈ってきましたが、繁殖力が強く、すっかり日本全国に居ついてしまいました。
セイタカアワダチソウの他にも私の背丈より高い草がそびえたち、草刈り機をぶんぶん振り回しながら刈り倒していますが、大変な作業です。もっと背丈の小さいうちに刈り倒しておけば楽に草を刈れたのでしょうけれども。刈り倒されていく草は、私を道連れにしようと私の頭に覆いかぶさってくるので、私の頭は草だらけになります。
背は高くないけれどやっかいな草がカナムグラ。つる性の植物であらゆるものにからみついて伸びていき、地面を覆い尽くしていきます。草刈り機で刈ろうとしてもつるが刃にからみついて、刈りにくいです。
この草も畑の周りから畑の中に侵入していく機会をうかがっています。子孫を増やそうと揺れながら大量の種をまき散らしている姿はホラー映画の一場面を観ているようです。
温暖で多湿の日本の気候は、植物が生育していくのにとても適しています。人が何も管理しなければ、たちまち国土は緑で覆われてしまい、人が住める空間がなくなってしまいます。そして、草がぼうぼうと生えている光景は、日本人の美的感覚に合いません。草がうっそうとしていると、人の気分もうっそうとしていきます。
その土地の地主はその土地を借りる農家に、草をしっかりと刈ることを求めます。私の地主さん、私のご近所のみなさん、今まで借地の周りを草だらけにしてしまってもうしわけございませんでした。これからはどんなに畑仕事が忙しくても草を刈る時間を確保して、うっそうとしている畑の光景を明るくしていくように努めてまいりたいと思います。
草を刈った跡を振り向くと、土地が日を浴びてとても明るいです。なによりも、うっそうとした草に囲まれながら仕事をしてきた私の心が明るくなります。
« 9月22日 キュウリの種を採種しました。 | トップページ | 9月23日 ニンニクを植えました。 »
「農場通信」カテゴリの記事
- 令和5年5月22日の野菜セット・家庭菜園の季節(2023.05.25)
- 自然な生活を取り戻せる好機 令和5年3月10日(2023.05.24)
- 人とウイルスの祭典 令和4年12月8日(2023.05.17)
- 声をあげるべき時は今 令和4年12月15日(2023.05.10)
- マスクを着用する自由、着用しない自由 令和4年11月24日(2023.05.09)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント