雨と畑
雨と畑 平成25年8月12日
立秋とは名ばかりの暑い日が続いております。みなさん、いかがおすごしでしょうか。
今年、関東地方では梅雨入りしたのは例年よりもずいぶん早く5月の下旬から。でも、それから6月の上旬にかけて、二週間ほどまともに雨が降ることなく、空梅雨でした。
小林農場の畑は強い粘土質です。粘土で人形や器などを作ったことのある人ならおわかりだと思いますが、粘土は乾くと固くなります。雨が降らない間、畑の土は固くしまってしまいました。
作物の苗を畑に定植するためにトラクターで耕すと、固い土を叩くトラクターの刃が太鼓を叩くようにものすごい音を響かせていました。やめておけばよいのに意地をはって耕し続けていたら、ついにはトラクターの刃が丸ごと全部、本体から外れてしまいました。
こんな故障は前代未聞です。なんとか近所の修理屋さんに修理していただくことができましたが、大事なトラクターにはかわいそうなことをしました。トラクターの刃をうち負かせてしまう固い土で、雨で湿らせて柔らかくしないと耕せない畑がいくつかあります。
畑に播いた種が発芽するには、雨が必要です。畑に植えた苗が根付くには、やはり雨が必要です。雨が降って土がびしょびしょに湿ってしまうと作業がしにくくなるので、種まきや定植は、雨が降る直前を狙って行われます。
常に天気予報で雨がいつ降るか確認して、その日の作業内容をきめていきます。朝は晴れの予報だったのに昼になると雨が降る予報に変わり、昼飯の時間を抜いて慌てて種まきや定植を行ったこともありました。
待てども待てども雨が降らずに畑の土がカラカラに乾ききっていた6月中旬、ようやく天気予報で雨が降る予報に変わったので、モロヘイヤなどの苗をいっきに畑へ植えていきました。ところが、空は曇るのみで、肝心の雨がなかなか降ってきません。畑に植えられたモロヘイヤの苗は日に日に葉をしおらせて見るも無残なほど乾ききってしまいました。
いよいよ手間をかけて自分で苗にかん水するしかないと覚悟を決めたその夜、カンカンと雨が何かを叩く音が聞こえ、その音が次第に大きくなって、ついには本降りとなりました。恵みの雨とはまさにこのこと。次の朝には、苗は両手を広げたように葉を瑞々しく伸ばして蘇生していました。現在、みなさんに良質のモロヘイヤをお届けできているのは、この雨のおかげでした。
雨が多すぎてもいけません。土が乾かずに作業がしにくくなります。7月に入ると雨が多くなり、先日、新たにキュウリの苗を畑に植えたら、ほとんどの苗が地際から傷んで葉をしおらせて、消えてなくなってしまいました。おそらく多湿による害だと思います。
理想的な畑の土は、排水性が良く、それでいて保水性の良いスポンジのような感じのする土です。適切に畑に有機物を与えて土を作るとそのような畑土に変わっていきます。
小林農場のすぐお隣の地主さんの畑がまさにそのような土で、雨が降ろうが降らなかろうが、フカフカとしたスポンジのような状態を維持しています。良いお手本になります。
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