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2013年6月14日 (金)

新聞切り抜き ネット版  農業構造改革について

私が最近気になった記事をご紹介いたします。今回は農業構造改革について。

「人・農地プラン」は、政府の「我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画」(平成23年10月25日決定)を地域で実際に進めるための施策である。その基本方針・行動計画の「はじめに」で、その目的とするところを次のように述べている。

「我が国の食と農林漁業は、所得の減少、担い手不足の深刻化や高齢化といった厳しい状況に直面している。農山漁村も活力が低下しており、食と農林漁業の競争力・体質強化は待ったなしの課題である。同時に、我が国の貿易・投資環境が他国に劣後してしまうと、将来の雇用機会が喪失してしまうおそれがある。こうした認識に立って、食と農林漁業の再生会議は、『包括的経済連携に関する基本方針』(平成22年11月9日閣議決定)にあるとおり、『高いレベルの経済連携の推進と我が国の食料自給率の向上や国内農業・農村の振興とを両立させ、持続可能な力強い農業を育てるための対策を講じる』ことを目的として、これまで精力的に議論を積み重ねてきた」

 ここで確認しておきたいことの一つは、「包括的経済連携に関する基本方針」が政府・財界・マスコミが至上命題とする「新成長戦略」、つまり「強い経済」の実現を目的としていることである。その意味で「人・農地プラン」はTPPや消費増税、原発再稼働と同根のものであり、そのどれもが「強い経済」を渇望する輸出大企業にとって欠かすことができないものなのである。

 そしてもう一つ押さえておきたいことは、「人・農地プラン」の施策を通じて、集落や地域ごとに、話し合いによって担い手(中心となる経営体)を定め、そこに過半の農地が集積するように集落全体で協力することで、その担い手が実質的な規模拡大を図り、平地で20~30ha、中山間地で10~20haの規模の経営体が大宗を占める構造をめざしていることである。

 戦後農業を支えてきた昭和一桁世代から次世代への大世代交代期を最後のチャンスとばかりに、半世紀にわたる失敗続きの「構造改革」についての反省もなく実施に移される究極の構造改革=「人・農地プラン」。だがこれによって、持続可能な「力強い農業」が実現できるのか。そもそも、競争力の強化などが問題ではなく、持続可能な「農家経営と地域社会」の再生こそが課題ではないのか。

先に挙げた「JAグループの提言」の「提言の概要」では「(1)わが国がめざす持続的発展が可能な農業のあり方」を次のように描いている。

「わが国は、国土面積が狭く中山間地域が多いことから、米国など大陸型農業のように数百・数千ha規模の大規模経営は不可能である。わが国が目指すべき持続的発展が可能な農業とは、規模拡大や価格競争力のみを追求することではなく、各地域の集落や農地の実態に応じて、資源を最大限に活用する形態の農業を持続的に発展させていくことである。そして安心・安全な国産農産物に対する消費者・国民の信頼関係のうえに、農業・農村の価値観を共有することである」

日本の伝統的な「家」や「ムラ」=共同体は、戦後西欧近代の理念的価値を基準に、「民主化」「近代化」の障害物として解体・克服の対象とみなされてきた。そしていま、「人・農地プラン」によって改めて問われていることは、日本の社会の基層にある「家」と「ムラ」=共同体を、グローバル化によってさらに徹底して解体する方向に未来を展望するのか、逆に、「家」と「ムラ」の復権、現代的に地域を再生する方向に新しい社会・経済を展望するのかの選択である。

現代農業 2012年12月号

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