八十八夜の後
5月。月が変わってすぐ、八十八夜を迎えました。立春から数えて88日目にあたるこの日から、「八十八夜の別れ霜」と言われるように農作物への霜害が少なくなり、畑へ苗を植えていけるようになります。農家にとって、農作業が本格的に始まる大切な節目です。
2棟ある育苗ハウスの中は足の踏み場を確保するのも難しいくらいに、3月から2カ月間ほど育ててきた夏野菜の苗でいっぱいに満たされています。これらの苗が全て、この5月に畑へと巣立っていきます。
よって、毎年5月は息の抜けぬ忙しい畑仕事が繰り広げられます。年の上半期の最高潮、「定植祭り」の始まり、始まり。
去年の5月を振り返ってみます。5月に入るまでに畑にまく肥料も定植された苗を支える支柱も用意していなかったので、肥料や支柱を必要とするナスやピーマンなどの作物の苗を畑に定植するのにかなり手間取りました。
ナスやピーマンの世話に手間取っている間に、とっくに定植適期を迎えていた長ネギや里芋の定植が遅れました。長ネギや里芋の定植をしている間に、畑の雑草があっという間に大きくなっていました。
こちらの畑の大きく育った雑草を退治している時には、すでにむこうの畑の雑草が大きく育ってしまいました。もう雑草を退治しきれなくなり畑は雑草で茂り、いくつかの作物は草波に飲まれて消えてなくなりました。6月から10月、草だらけの畑を眺めてはため息が出て、畑にむかう足取りが重かったです。
雑草は小さいうちになら鎌をさっと通しただけで簡単に取り除けます。除草作業を遅らせて雑草が大きくなり畑に根付くと、抜き取ろうとしてもなかなか抜き取れなくなり、除草が10倍、困難になります。
除草作業の基本は、小さくて弱いうちに雑草を退治しておくことです。小林農場では去年の反省を踏まえ、今年はこの姿勢を徹底したいと思います。
除草に限らず、あらゆる仕事において、問題は早めに摘んでおくこと。どの作業にも行うべき適期があります。適期を逃して後回しにしていると、問題を大きくしていくでしょう。
雑草や害虫が活発に活動するのは、いよいよこれからです。特にこの忙しい5月が勝負です。ここで転べば、全ての作業が後手後手に回り、悪循環が夏と秋まで続くことになるでしょう。逆にここをうまく乗り切れば、ほっと一息つけます。
夏にむかい、収穫できる野菜が増加していけば、比例して出荷作業も増えていきます。農繁期が始まっています。今の時期、早朝の4時半にはすっかり外は明るくなっています。お日様が「いつまでも部屋の中でぐずぐずしていないで、早く外に出て働きなさい」と言っているように聞こえます。
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