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2013年5月17日 (金)

新聞切り抜き ネット版

私が最近、気になった記事をご紹介いたします。今回は原発問題について。

1) 固有安全性と多重防御という2大概念を設計に取り入れていなかった、

2) 事故時の被曝限界を決めておいたのに、真剣に守ろうとはしていなかった、今、被曝限度不明のまま、基準が決まろうとしている、

3) 「想定外の事故」に対して責任を持たなくても良いことになっていた、

4) 危険だから東京でつかう電気を新潟と福島で作っていたのに安全だとしていた、

5) 原発からでる廃棄物をどうするか決まらないまま運転していた、

6) 事故が起こった時、何をすれば良かったか決まっていなかった、

7) 低線量被曝による健康被害が明確になっていなかった。

原発に少しでも関係した専門家なら、この7つの未解決課題があることに合意できるだろう。だから、この7つの課題に対して明確な回答をせず、原発を稼働させるのはきわめて危険である。

多重防御については、それが原発の安全の基幹であると繰り返し述べられたにもかかわらず、現実は福島原発、他の原発を含めて多重防御になっていないことが明らかになった.核爆発系、電源停止系、テロ系、多重防御系および人為的事故系について、「多重」とは「何重」なのか、具体的にそれぞれについて、どのような「多重防御」が施されているかも曖昧である。

次に、安全設計には具体的に「どういう状態を安全と言うのか」ということが決まっていないとできない。素人なら「おおよそ安全」ですむけれど、工学的には、基本設計はもちろん、制御系や機器の信頼性、鉄板の厚みからはじめてすべての設計は基本として守らなければならない「数値」が必要である.これまでは、その基本となる数字は「通常時11ミリ、1万年に1度の頻度で起こる事故に対して5ミリを限度とする。原発敷地境界で0.05ミリ」となっていたが、福島原発事故ではあらかじめ決まっていた基準の根幹をいとも簡単に放棄した.これでは安全設計は意味が無かったことになる.現在進んでいる規制委員会の基準に「守るべき数値」が表面にでていない.仮に「政治的に明らかにできない」という状態で安全基準を決めるなら、また危険な原発を動かすことになろう。

第四に、原発の安全に関する3つの大きな「論理的矛盾」を新しい基準で解決しておく必要がある。まず、東京で消費する電力を300キロほど離れた新潟と福島で製造し、送電線で東京に送っているのは原発が危険であるからに他ならない. 現実に著者が安全委員会の専門委員の時に強く感じたことだったが、安全投資が議論される時には「どうせ、地方に作るのだから危険でも良い.そのことは金をもらっている地方はわかっている」という暗黙の了解があった。このことは一見、「経済的」に見えるが、それが今回の福島原発事故の一因になったことは間違いない。地方に作るのだから危険でも良い、その分だけ危険手当を出しているのだから、というのは安全技術上は最も忌避しなければならない考え方である.これからの被害を無くすためには福島の人もどのように考えていたかを明らかにして欲しい。「安全を信じていたが、お金は受け取った」というのは理屈に合わない。

5項目では、現代の日本の工業界において、新設工場から出る廃棄物をその実施者が自ら処理できない状態で運転が認められるというのはおそらく原発だけだろう.水俣病の例を挙げるまでも無く、現代工場はその原料から製品、廃棄物に至るまで100%の責任を実施者がもつからこそ事業である.日本の電力会社は巨大で、人材も豊富、研究費も電力費の0.15%をあてるという好条件にあるのだから、自ら廃棄物の処理をするのは当然である.今、日本には原発の使用済み核燃料が130万本あると推定されるが、この危険な廃棄物を子孫に送るのは不適切である。「危ない者は子孫に」という考え方は日本の文化には無い。

次に第6項目だが、安全に万全を期している大型客船でも左舷と右舷にすべての乗客を収容できる救命ボートを備えている.原発事故に対しての救命ボートを備えずに原発を再開するのは見識がないとされても仕方が無い.

最後の決定的に重要な問題は、事故で多くの人が低線量被曝をするが、この領域の被曝と健康への影響がわかっていないということである。そのもとで原発を稼働するというのはどういうことか、もう一度、考えなければならない。これについて私は「日本の法令で定められた11ミリシーベルトという限度を守れ」と言ってきているが、アメリカの雑誌やICRP(外国のNPO)を根拠に「日本の子どもたちにもっと被曝させて良い」という意見が絶えない.なぜ、日本の子どもたちを白人の雑誌や任意団体の判断にゆだねて、日本の法令すら無視しようとするのか、到底考えられない。(平成25年1月 武田邦彦 中部大学教授のブログより)

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