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2013年5月 6日 (月)

無為自然

今年は自然農法の創始者、福岡正信さんの生誕100周年にあたります。私が大学生の頃、福岡さんがお書きになった農業の書との出会いが、それまでほとんど農業に関わったことがなかった私が農業に強く惹かれるきっかけを作りました。

  みなさんは福岡正信さんのお名前をご存じでしょうか?「自然農法」を確立して日本のみならず世界中に広め、世界でその名を知られている日本人のお百姓さんです。

  正信先生曰く、「ああすればよい、こうすればよい、とやればやるほど、忙しくなるばかり、苦労するばかり。あれもしなくてもいいのではないか、これもしなくてもいいのではないか、ということを追求して、それらをみんな、やめていった。」そのような考え方の基で確立されていったのが、「自然農法」です。

  自然農法では、農薬を使いません、化学肥料を使いません。そればかりか、除草にも手間をかけず、そして、田畑を耕すことすらしません。人為を徹底的に排除していき、その代わり、卓越した自然観察力に基づき自然界の摂理を生かして、自然の力に任せきる農法です。そのやり方で、畑では大根がびっくりするくらいに大きく育ち、田んぼでは1反で10俵もの米を収穫できていたようです。

  福岡さんは田畑を耕さないで作物を栽培する「不耕起栽培」を提唱されていました。一般的には耕せば耕すほど土が良くなると思われがちですが、現代の農業では、耕しすぎることによる土への害が指摘されています。耕されることなく巨木が生い茂っている山林を見れば分かるとおり、本来、植物は土が耕されていない所でも生育できます。

  しかし、不耕起栽培は広く普及されることはありませんでした。トラクターを使って土を耕せば楽に農作業をこなせるようになるのに、トラクターという便利な機械を使うのをやめてわざわざ手間のかかる不耕起栽培を行うことは、多くの農家の感覚からすれば、むしろ、「不自然」なことなのです。

  ただ、トラクターを動かすために他所から大量に石油を持ちこんで消費していく私たちのエネルギー大量消費型農業は、永遠に続くことはありません。いずれは地球上のエネルギーは底をつきます。そのとき、人類は省力的で自然界に負担を与えない農業技術を求めるでしょう。50年後、100年後には自然農法の技術や哲学が人々に必要とされる日が必ずやってきます。

  今の時代、自然農法が広く普及され実践されていくには、まだ機は熟していません。しかし、福岡正信さんと同じ時代に生きている私たちには自然農法の哲学を後世に伝えていく義務があると、私は思います。

  自然はそのままで美しい。人が手を加えることによって自然が破壊されていきます。小林農場でも、農場経営を成り立たせていくためにはどうしても田畑にさまざまな人為を加えていく必要があります。でも、自然界の力に委ねていくのが本来の農業の姿です。胸の奥にはいつも自然農法という理想を忘れずにしまっておこうと思っています。

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