新聞切り抜き ネット版
私が最近気になった記事を紹介します。今回も原発問題について。
取り組むべき順序を間違えているのではないか。自民党が大詰めの調整に入った電気事業法改正案をめぐる動きを見ての印象である。
改正案には、電力会社の発電部門と送電部門を5年後にも分離する将来の改革も盛り込まれている。国民生活や産業活動にも大きく影響する内容だが、喫緊の課題である「安価で安定した電力供給」の実現にはつながらない。
いま政府・与党が最優先で取り組むべきは、原発の再稼働などによる電力不足の解消である。それを抜きに、実効性のある電力制度改革など期待できない。
何より、現在の電力不足を解消するめどが立っていない。このままだと、安倍晋三首相が掲げる経済再生にも影響が出かねない。にもかかわらず、電力制度の見直しばかりを急ぐ改革の姿勢には首をかしげざるを得ない。
原発再稼働が遅れ、今夏も全国規模で厳しい節電は避けられない見通しだ。電力の安定供給に全力を挙げることが、電力制度改革を進める環境整備にもつながることを政府は銘記すべきだ。(平成25年3月25日 産経新聞)
原子力発電所の再稼働がなければ、電力不足に陥るとして大飯原発3、4号機の再稼働を強行したのが野田佳彦首相と関西電力でした。ところが関電が発表した今夏の電力需給データは、原発の再稼働がなかった場合でも、ピーク時の供給電力に余力があったことを示していました。
この夏、関電管内の最大需要は、8月3日の2682万キロワットでした。関電発表データによると、同日のピーク時の供給電力2999万キロワットでした。大飯原発の電力供給は、236万キロワットです。ピーク時供給電力から大飯原発の電力供給を除くと2763万キロワットになります。最大需要2682万キロワットに対し、81万キロワットの余力があったことが分かります。
また、関電が電力融通を受けることができる中・西日本の電力会社全体は、この日、大飯原発再稼働がなかった場合でも、754万キロワットの余力がありました。他電力会社からの融通は十分に可能でした。
大飯原発の再稼働がなかった場合、「非常に厳しい状況」になっており、「大飯発電所3、4号機の再稼働は必要不可欠であった」と、関電は説明しています。
瞬間的な電力の需要変動にも対応できるためには、供給が需要をある程度上回っていなければなりません。供給が需要を上回る割合を予備率といい、関電が言う「厳しい状況」とは、予備率が3%以下になることです。
この夏の81万キロワットの余力は、予備率でいえば3・02%でした。たとえ予備率3%を下回る状況であっても、ただちに計画停電などが必要になる水準ではありません。この水準はあくまで、政府が警報を出し、電力会社が電力使用を抑制する手段を講じる段階です。あくまで黄色信号が出ている、危険ラインを切っていない状況です。
計画停電の実施が発表されるのは、供給予備率が1%程度を下回る見通しとなった場合です。この夏の猛暑でも、予備率が1%以下に落ち込んだことは、一日たりともありませんでした。
しかも、予備率が3%を下回りそうだと分かった段階で、需給調整の努力をして計画停電を回避することは可能です。
電力が足りなくなりそうになった段階で可能なあらゆる手段を用い、電力を供給する責任が地域独占を認められた電力会社にはあります。
関電は、あらゆる手段をつくすことなく、大飯原発を再稼働しました。安全対策もあいまいなまま危険な原発を再稼働し、原発なしでの電力供給の努力を追求しなかった関電、政府の姿勢が改めて問われます。
関電は、夏の節電期間が終了する7日以降も大飯原発の運転を継続しようとしています。しかし、「電力不足論」がもはや成り立たなくなった以上、ただちに大飯原発を停止すべきです。(平成24年9月7日 しんぶん赤旗)
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