床土について
2月、今年になって初めての苗作りを始めました。去年より熟成させておいた自家製の床土をポットに敷き詰め、そこに種をまき、温床の中にポットを入れて温め、種が発芽するのを待ちました。ところが、通常どおりに種は発芽してくれず、種まきは失敗しました。
その原因を調べてみたところ、どうやら自家製の床土が不良であることがわかりました。
小林農場が創立してから今まで、苗作り用の床土は自分の思うどおりに用意できていませんでした。自家製床土は一年以上じっくりと時間をかけて熟成させないとできあがらないので、創立して一年目は自家製床土の用意はできていませんでした。
そこで敷地内から腐葉土をかき集めて即席で床土を手作りしてみましたが、その土では苗がうまく生育してくれず、床土は即席で作るのは難しいと感じました。けっきょく、市販の床土を購入して苗を作りました。
二年目になると、一年目に熟成させておいた自家製床土を苗作りに使用。ところが、すっかり計算を間違え、床土の量が全然足りず、けっきょく多くの苗を市販の床土で育てることとなりました。二年目にできあがった自家製床土で育てた苗は、順調に生育してくれていました。
そして今年、三年目。たっぷりと床土を熟成させて準備は万全、今年こそ市販の床土に頼らずに苗作りができると思っていたのですが・・・。自家製床土が不良だと分かり、けっきょく市販の床土を購入して、種を播き直すことになりました。
たいていの市販の床土は化学肥料で成分調整をされています。良質な床土で、経済的で、なおかつ化学肥料を含んでいない土を探してみたけれども、見つかりませんでした。現在、小林農場が使用している市販の床土にも、化学肥料が含まれています。
市販床土も自家製床土と同じように有機物を主体にして土づくりが行われ、化学肥料の散布は補助的なもの。そして、苗が大きく育った後は化学肥料のない小林農場の畑に植えられ、作物は残り半分の生涯をおくります。床土に含まれている化学肥料に対して、あまり神経質になることはないと思っています。
ただ、今まで「小林農場では化学肥料を使用しない」と皆さんに宣伝してきただけに、化学肥料が混ざった床土を使用すること、心苦しく思います。みなさんのご理解が得られるよう、お願いしてまいりたいと思います。
今まで種苗会社サカタから販売されている床土を使用してきました。その床土で育った苗の葉は大きくて色がさわやか、茎は太く、節と節のつまった腰の低いがっしりとした苗が生育していました。理想的な苗の姿をみて、この市販床土は健全な土であると判断しています。
ただ、床土は自分で作るものだという考えに、変わりはありません。床土の作り方は確立されていて、めったに失敗するものではありません。もう一度、私が以前に農家の方々から教わった床土の作り方を思い出して、次回は自家製の床土で苗を育てたいと思います。
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