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2013年2月

2013年2月28日 (木)

新聞切り抜き ネット版

私が気になる旬の話題を、各新聞社の最近の社説を中心に、切り抜いてみました。

放射能の安全基準について政府は根底から考え直すべきだ。政権交代はその好機と言えよう。

野田政権は、食品中の放射能基準を海外より厳格化した。政府の放射線審議会は、弊害が出ると警告したが、小宮山厚生労働相(当時)が政治的に押し切った。

 その結果、基準超過が増え、食品の信頼回復は進まない。過去の核実験の影響としか考えられない放射性物質が検出され、出荷停止となった野生キノコもある。

 問題なのは、野田政権が年1ミリ・シーベルトの

被曝

(

ひばく

)

線量を安全と危険の境界線としたことだ。年1ミリ・シーベルトは法的に放射性物質を扱う施設の管理基準に過ぎないのに、この線引きを食品基準にも適用した。

 国際放射線防護委員会(ICRP)も、年1ミリ・シーベルト以下が望ましいとしている。ただ、野田政権との違いは、これを超えても直ちに危険とは見なさないことだ。

 ICRPは総量で100ミリ・シーベルトまでなら明確な健康影響は検出できないとの立場だ。ICRPが考える1ミリ・シーベルトは、安全性に余裕を見込んだ数値で、合理的に達成できるなら、との条件も付く。

 世界には、大地などから年10ミリ・シーベルトの放射線を浴びる地域がある。病院の放射線診断で1回に約7ミリ・シーベルト被曝することもある。

 1ミリ・シーベルトでの線引きは、16万人近くの避難者の帰還を遅らせる要因にもなっている。

 ICRPは、被災地の復旧過程では、年20ミリ・シーベルトまで許容し、可能な範囲で年1ミリ・シーベルト以下にするとの考え方を示している。

 だが、細野環境相(当時)は、1ミリ・シーベルト以下への除染を強調した。ICRPの考え方は、住民の生活確保と除染の両立だが、除染が偏重される結果となった。(読売新聞 2月25日)

「事故の時の法規や基準はない」という人も多いようです。たとえば「11ミリと法律に決まっているけれど、それは原発の事故がないときだ。だからICRPが勧告した20ミリまで良いのだ」という「ウソ」です。

それでは、原発は「通常時」と「事故時」でどのような被曝限度が設定されていたのでしょうか? 

●普通の時:
普通の時には被曝限度を11ミリとして、具体的に11ミリを守るために原発の敷地境界で生活する人の被曝量を、その20分の1になる0.05ミリシーベルト以下にするようにしていました。

次に、原子力発電所を運転するにあたっては、一般公衆が被曝しないように、11ミリのさらに20分の1である0.05ミリシーベルトにすることが明確に示されています。このことも少しでも原子力に関係した人なら誰でも知っていますが、なぜ11ミリの限度なのに、原発はその20分の1にしようとしていたかというと、「被曝は危険だから」という考え方です。

これも、東電の原発事故が起きた時に、「被曝は健康に影響ない」などと言う政府、自治体、専門家が登場したことにビックリしました。なぜ、今までなん10年も検討してきたのに何も言わず、事故が起こったら突如として逆のことを言うのです。原子力規制庁の委員候補の中村佳代子さんなどもその一人です。

 事故の時
また、原発の運転に当たって、「事故が起こったときに許容される被曝線量」についても詳細に決まっていました。それは設計上も運転上も必要だからです。

ここには、ICRPの基準では「一般的に11ミリが守れないとき、5年間で合計5ミリでも良い」という考え方があることを応用して、日本では「発生頻度のきわめて低い事故(まれに起こる事故)」では、「1事故あたり5ミリ」まで認めるという事である。

もし今度の事故が1万年に1度という評価をしたとしても、1事故あたり5ミリシーベルト(数年にわたる。典型的には5年で5ミリ)を超えることはできないのです。仮にこのような国内の指針が都合によっていつでも変更ができるということになると、指針自体の意味がありませんし、専門家も線量を決める根拠を持っていないことになります。

また日本は法治国家ですから当然ですが、ICRPという民間のNPOが勧告した通りではなく、日本国としてもう一度審査し、国内の基準を決めていたこともわかります。このような基準を決めた一人が中村佳代子さんで、彼女が原子力規制庁の委員になりそうになると、全く違う事を言い始めたのには驚きます。

少し長くなりましたので、今回は、
1) 被曝は危険と考えられていた、
2) 11ミリが法令上の基準だが、(被曝は危険なので)原発ではその20分の1にするようにしていた、
3) きわめて希に起こる事故でも数年で5ミリを超えないようにするとしていた、
4) このことは原子力の専門家なら誰もが知っていた、
ということをハッキリさせるにとどめます。

そして、ここに書かれたことを故意に、もしくは勉強せずに無視したり、逆のことを言う人は、子供に危険な被曝をさせるということでもあり、瓦礫の搬出でもわかるように懲役になるような言動であることを、国民が糾弾する必要があります。特にお役所に勤める公務員は懲戒免職が相当でしょう。人の健康に関する事ですから、賄賂などより重罪であることは間違いありません。

(武田邦彦 中部大学教授のブログ 平成24917日)

2013年2月27日 (水)

栽培暦 2月17日~2月23日 雨水(獺祭魚)

以下はこの週に行った仕事です。

収穫、出荷  片づけ、掃除  育苗  ハウス屋根取り換え  もみ殻入手  確定申告  ボカシ肥袋詰め  壊れたハウスを修復  追肥(玉ねぎ、ナタネ)  ナタネ、カルチ除草  トラクターのロータリー刃、取り換え  温床用障子作成  播種(キャベツ、ブロッコリー、レタス、サニーレタス、サラダ菜、カリフラワー、白菜、茎ブロッコリー)

小林の手帳より

  2月上旬に育苗用ポットに播いた種の発芽が悪かった原因を調べるため、先週、いろんなやり方で種を播いて比較してみた。市販の床土に播いた種はほとんど発芽して、自家製の床土にまいた種はほとんど発芽しなかった。自家製の床土になんらかの問題が生じているようだ。

  今回使用した自家製床土には、初めて床土の材料としてもみ殻を混ぜてみた。ところがもみ殻は分解が遅く、土にならずに元の形のままに残っているのが気になった。

  今回の自家製床土の不調はもみ殻のせいなのかどうかは分らない。ただ、あまり斬新なことをやろうとはせず、私が農業研修生として研修していた頃に教わったやり方に忠実に従えば、普通に床土が作れるだろう。研修中に何回も床土を作ってきたが、一回も失敗したことはない。普通は失敗するようなものではない。

2013年2月25日 (月)

美技

(2月18日作成した農場通信より)

  2月に入ってすぐ、春野菜の苗作りが始まります。まだまだ厳しい寒さが続き、この寒さから幼い苗を守ってあげるために、「ゆりかご」を用意しました。それが、「踏み込み温床」です。

  竹や稲わらで畳5枚くらいの広さの温床の枠を作り、その中に落ち葉や米ぬかや鶏ふんなどの有機物を積んでいき、水を加えます。すると、温床枠の中で有機物が発酵して、数ヶ月間、ぽかぽかと発酵熱を発し続けます。温床枠の中はいつも暖かく、そこで作物の苗を育てます。有機物を上から足で踏み込んでおくと、良い具合に熱が長続きします。

  このようにして作られる温床を踏み込み温床と呼びます。電熱のなかった古い時代から行われてきた伝統技術です。

  5月になってすっかり暖かくなる頃に苗作りも終わりますが、踏み込み温床の中で発酵した有機物をもうしばらく置いておくと、来年には有機物はすっかり分解されて土になっています。このようにしてできあがった土は植物が暮らすには理想的な土で、次の苗を育てる床土として利用していきます。有機物を無駄なく循環させて有効に利用することができるのが、踏み込み温床の魅力の1つです。

  踏み込み温床のように、昔の農業には自分の身近にあるもののみを巧みに利用しながら暮らす知恵があふれていたと思います。近代の農業では、自分のほしいものを世界中から持ち運んでくるやり方に変わってきています。畑仕事に使う軽トラックやトラクターを動かすための燃料を他から入手している小林農場もまた、近代農業の流れの中にいます。

  現在は、電気を使えば簡単に電熱を得られて苗を暖めることができるし、床土もお店でお金を支払えば簡単に手にはいります。今時、手間をかけて踏み込み温床を作る農家は、数えるばかりしかいないかもしれません。

  しかし、地球上の物やエネルギーは無限にあるわけではありません。いずれなくなって、他からほしいものが手にはいらなくなります。そうなってくると、地域内で自給できて消費の少ないエネルギー獲得方法が要求されます。その時になって踏み込み温床の技術はきっと、見直されることになるでしょう。

  発酵という自然の摂理を生かして苗を育てる踏み込み温床の技術は、本当に美しいと思います。この技は、ひとつの芸術作品です。どんなに世の中が変わってきても、この古くからの技は後世に伝えていく価値が十分にあると思います。小林農場では踏み込み温床で苗を育てていこうと思っています。

  上記のように、小林農場では落ち葉を主体として床土を作っています。2年前の福島第一原発事故以来、北関東地方では落ち葉の放射能汚染に注意する必要があります。先日、今年使用される床土を検査しました。いずれの検体も60Bq/kg以下で、国が定めている規制値400Bq/kgを大きく下回り、安全性が確認されました。今後も検査を続けます。

小林農場 風家(かざいえ)のお問い合わせ先

電話 0285-81-5228 携帯電話 090-4915-1418

(留守の場合、留守番電話にご自宅の電話番号を伝えていただければ、後ほどこちらから連絡させていただきます)

メール kobayashi7kazahiko@yahoo.co.jp

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小林農場の野菜セットを食べていただく方を募っています。野菜セットに関する詳細は、画面右の「カテゴリー」の「大切なお知らせです」をクリックしてご覧ください。

2月17日~2月23日の野菜セット

以下はこの週に出荷した野菜セットの内容です。

19日

じゃがいも、人参、大根、聖護院大根、かぶ、ゴボウ、カボチャ、白菜、キャベツ、ほうれん草、油菜、みず菜、からし菜、ターサイ

小林の手帳より

  カボチャ、白菜、キャベツ、聖護院大根など、がさばる品目が多く、今まで野菜セット用に使っていた箱では収まらない。見た目では、今の時期の野菜セットの量が一年で一番多く見える。

  ミブナが枯れ葉が多くなり出荷しにくくなったので、代わりにからし菜を出荷。からし菜もまた耐寒性があり畑の片隅で寒さに負けずに生育していたが、他にもたくさん葉物野菜が収穫できたので、出荷せずに温存しておいた。

  貯蔵しているカボチャの多くが、傷みが見え始めている。白菜も同じく。冬の間、野菜セットの主力だったこれらの作物も、もう長くはない。

2013年2月23日 (土)

命名図鑑 ミズキの輪生状の枝

普段、何気なく見ている風景を名前で呼ぼう!小林農場版なんでも図鑑。

P1131802

ミズキ(1月 益子町)

冬の寒さに葉は落ちて

裸体のような樹形美も露

ミズキの幹の一つの節に

左右前後に伸びたる枝が数本

この枝の群れのなす美形、輪生と呼ぶ

2013年2月22日 (金)

かぶのトロリ煮物

小林農場の食材で試してみてください、この料理

材料  かぶ  しょうゆ かつおぶし 片栗粉

かぶを食べやすい大きさにくしぎりして

水としょうゆを鍋に煮て、切ったかぶを加えてふたをして煮て

かぶが柔らかくなったら水溶き片栗粉を加えてとろみをつけ、かつお節も加える

  とろりと煮えたアツアツのかぶをふうふうしながら食べます。かぶ以外にも油揚げもくわえるてもよいです。

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2013年2月21日 (木)

栽培暦 2月10日~2月16日 立春(魚上氷)

下記はこの週に行った仕事です。

収穫、出荷  片づけ、掃除  育苗  もみ殻入手  床土作り  刈り払い  播種、トンネル張り(長ネギ、人参)  販路開拓  落ち葉かき  温床踏み込み  施肥、トラクター耕  播種(キャベツ、ブロッコリー、レタス、サニーレタス、サラダ菜、サヤエンドウ)  堆肥作り  ハウス整備

小林の手帳より

  苗を育てる床土を用意。床土の材料として主に落ち葉を主体としているが、去年はもみ殻も加えてみた。しかし、比較的に早く分解して土になる落ち葉とは違い、もみ殻は分解されるまで時間がかかり、今年になってもそのままの形で残っているもみ殻が床土の中で目立つ。あまりもみ殻は床土の材料としてふさわしくないかもしれない。

  去年の秋に種まきしたサヤエンドウは発芽は良くなく、不調。春に種まきできるサヤエンドウの種を見つけたので、その種をポットに播いて、温床で苗を育てることにした。

  まだ空にしてあった温床枠の部屋に落ち葉、米ぬか、鶏ふん、水を加えて足で踏みこみ、2つ目の踏み込み温床を作る。作り終わった後に気付いたが、落ち葉に対する米ぬかと鶏ふんの比率がいつもよりもかなり少なくしてしまった。ちょっと今後に影響を与えるかも知れない、気になる誤りだった。

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新聞切り抜き ネット版

私が気になる旬の話題を、各新聞社の最近の社説を中心に、切り抜いてみました。

耐震設計上考慮すべき活断層である可能性を否定できない」とする報告書案が、原子力規制委員会の有識者会合によってまとめられた。

 東北電力・東通原子力発電所の敷地内の地層の割れ目についての判定結果である。

 日本原子力発電・敦賀原子力発電所に続く2例目の実質的な活断層宣告だ。

 規制委は今後、部外の専門家から意見を聞いて報告書をまとめるとしている。一見、客観性に配慮した措置だが、人選次第では「自画自賛」になってしまう。

 現行の断層調査に従事している有識者についても、専門分野の偏りが指摘されている。第三者評価は、報告書案の考えに反対の意見を持つ専門家に依頼すべきだ。そうしなければ、断層評価の中立性は保てまい。

 本来なら、現在の断層調査のメンバーに、建設前の評価などに携わった専門家を加えて、科学的な議論を行うべきだったのだ。経験豊富な専門家に「原子力ムラ」のレッテルを貼って一律除外する姿勢は不公正でさえあろう。

原子力規制委員会の本来の任務は、原子力発電の安全性の向上のはずである。にもかかわらず、その活動は「活断層狩り」に狂奔している感がある。中世の魔女裁判を彷彿(ほうふつ)させる異様さだ。

日本が地震国であり、エネルギー資源小国であることを考えると、規制委のなすべきことは原発の災害対応力の向上であり、速やかな安全審査を経ての再稼働の実現のはずである。

 それに背を向け続けた結果が、原発の長期停止の慢性化とそれに伴う火力発電の燃料代の増加である。電力会社は軒並み経営難に直面し、東北電力も先週、電気料金の値上げを申請したところだ。

 規制委は下北半島全域とも取れる広域の地質調査を示唆している。そうなれば原発停止は一段と長期化し、追加値上げも避けられず、震災復興の妨げとなろう。

 東通原発の地層の割れ目は、活断層だとしても規模の小さなC級のものだ。そのリスクを過大に評価する姿勢は、かえって社会全体のリスクを肥大させていく。(産経新聞 2月20日)

自民党やメディアの一部から原子力規制委員会に対する批判が急速に高まっている。

 原発敷地内の活断層評価や安全基準づくりで「公正さに欠ける」という。批判の出どころは、もっぱら原発の再稼働を急ぐ人たちだ。 

 例えば、「人選や評価に偏りがある」という批判だ。評価会合の専門委員は活断層学会など関連する学会の推薦を受けている。公開原則のもと、科学者同士が議論を続けている。

 学者によって判断には幅があるが、学会側から結果に対する異論が相次いでいるわけでもない。何をもって「偏り」というのだろう。

 「経済への影響を無視している」も、おかしい。福島の原発事故は、経済性を重んじるあまり安全規制の手を抜いてきた原発行政の延長線上で起きた。

 経済の問題それ自体は重要だが、別途、対策を講じるべきであり、規制委に「手を緩めろ」と求めるのはお門違いだ。 (朝日新聞 2月20日)

エネルギー資源を海外に依存している日本は、安価な電力を安定的に確保する必要がある。

 東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、大半の原発が停止している。発電コストが安く、石油などより燃料の調達先が多様な石炭火力発電に改めて注目したい。

 東電は経営再建の一環として、他社が新設する石炭火力発電所から電力調達を目指している。

 原発の新増設が難しい現状を踏まえ、政府は石炭火力の活用を続ける方針を打ち出すべきだ。

 石炭火力の最大の利点は、低コストにある。政府の有識者会議の試算では、石炭火力の発電コストは、1キロ・ワット時あたり9・5円で、LNG火力の10・7円や石油火力の22・1円より安い。

 一方、石炭火力は温室効果ガスの排出が多い欠点がある。二酸化炭素(CO2)の排出量はLNG火力の約2倍だ。

 石炭火力でCO2発生を抑制する技術は進歩している。弱点をいかにカバーするかが問われる。(読売新聞 2月20日)

)

(

2013年2月18日 (月)

立春

  2月4日は立春でした。1年で最も寒い時期の1月を越して、暦の上では春が始まります。まだまだ厳しい寒さは続くものの、確かに暦どおりに、日差しにぬくもりを感じる日も増えてきたように思います。

  旧暦では今の時期に正月を迎えて新年を祝っていたようです。現在の西暦よりも、春の兆しを感じ始める立春を一年の開始として立春に新年を祝ったほうが人々の心情にあっていると、私は個人的に思います。アジア諸国では立春の時期に新年を祝う風習が残っています。

  そして、春へ向かって植物が活動を開始させるのも、この時期です。日の出ている時間が次第に長くなっていくのを、土中の植物の種は敏感に感じ取り、春が間もなく訪れ自分たちの出番がやってくることを知り、発芽の準備をしているころです。

  小林農場でも2月に入ってすぐ、小松菜やホウレン草などの種まきを行いました。農繁期が静かに始まろうとしています。前年の秋からしばらく種が播かれることもなく眠っていたように静かだった畑も、これからいろんな作物で彩られていくことでしょう。雑草もいっしょに生えながら。

  麦の種は秋に播かれ、発芽した芽生えは小さいまま、冬をじっと暮らします。そして春になるとみるみるうちに大きくなり、6月頃に実りをならします。

  冬の間はほとんど大きくならないのであれば、春になってから小麦の種を播けば良いのではないか。そのように思う人もいるかもしれません。しかし、春に種を播かれた小麦は、葉ばかりが茂って実はならないのです。

  小麦が実をつけるには、芽生えの状態で寒さを感じる必要があります。真冬に花を咲かせてしまっても花は寒さのために枯れてしまい、実をつけられず、子孫を残せなくなります。だから、暖かい時期に花を咲かせられるように、芽生えが寒さを感じて冬がとおりすぎていくのを用心深く確認してから、実をならせる準備に入るのです。

  小麦以外の作物でも、さやえんどうやソラマメなども同じように、実をならして食用部分のマメを収穫するには、芽生えの頃に寒さにあてる必要があります。梅や桜などの樹木も、冬芽が寒さに当たらずしてきれいに花を咲かせることはありません。

  寒さを感じ、それを合図にして自分たちの子孫を残す準備を始める、植物たちのたくましい生き残り戦術。それがこれより、結実していきます。

2013年2月16日 (土)

2月10日~2月16日の野菜セット

10日

じゃがいも、人参、玉ねぎ、大根、かぶ、ゴボウ、かぼちゃ、白菜、キャベツ、ほうれん草、油菜、みず菜、みぶな、ターサイ

15日

じゃがいも、人参、大根、聖護院大根、かぶ、ゴボウ、かぼちゃ、白菜、ほうれん草、油菜、みず菜、みぶな、ターサイ

小林の手帳より

  去年の秋に種まきしたほうれん草が、この時期になってようやく出荷するのにちょうどよい大きさに生育してくれた。これからたくさん出荷していきたい。

  現在、野菜セットに入れている白カボチャは、たくさんの方から「おいしい」と好評をいただいている。私自身もお気に入りの作物である。ホクホクとする普通のカボチャと比べ、しっとりとした食感で、煮崩れしにくい。つまり、白カボチャの中の水分が少なく、それゆえに貯蔵性が良く、普通のカボチャが12月から1月まで貯蔵できるが、この白カボチャは3月まで貯蔵ができる。

  みず菜、みぶなに、枯れ葉が多く見られるようになっている。出荷する前にできるだけ枯れ葉を取り除くようにしているのだけれども、全部は取りきれない。おそらく、みず菜、みぶなを受けとったみなさんも、これらを調理するとき、枯れ葉を取り除くのに少し手間をかけてくださっているのではないかと思う。

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2013年2月15日 (金)

立春

P2041905 立春きてみて気がついた

冬に枯れた大根の 

葉っぱが新芽を青々と

顔をのぞかせいつの間に

立春きてみて気がついた

冬は小さなほうれん草

大きくなって食べ頃に

立春きてみて気がついた

キャベツのまわりに取り取りの

色をなしてる雑草が

茶色の地面を染めている

P2041904  

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2013年2月14日 (木)

栽培暦 2月3日~2月9日  立春(東風解凍)

収穫、出荷  片づけ、掃除  育苗  ハウス修理  トラクター修理  播種、トンネル張り(小松菜、ほうれん草、みず菜、山東菜、ルッコラ、二十日大根、かぶ、大根、人参)  床土作り、播種(キャベツ、ブロッコリー、レタス、サニーレタス、サラダ菜、サヤエンドウ)  トンネル張り直し  販路開拓  秋作のトンネル片づけ  肥料、堆肥作り  落ち葉かき  もみ殻入手  

小林の手帳より

  新年最初の種まき開始。畑に種を播いた後、まだ寒いので、小型のトンネルビニールを畝の上に張り、防寒する。この時期は強風が吹く日も多く、トンネルが吹き飛ばされてしまうこともある。トンネルを作った次の日にはさっそく強風が吹き、トンネルが派手に吹き飛ばされてしまった。しかし、吹き飛ばされなかったトンネルもあったので、そのトンネルを参考にして、今度は飛ばされない工夫をしながらトンネルを張り直してみた。次に強風が吹く日が楽しみだ。

  キャベツやレタスなど育苗できる作物は、ハウス内の温床の中で大事に育てていく。今から種をまくと、3月のまだ寒い時期に苗を畑に定植しなくてはいけなくなる。そうなると管理が大変なので、今の時期にまく種は少しだけ、たくさん苗を作ることを控える。種まきの本番は2月の下旬より。今回の種まきは練習みたいなもの。

  種まきの練習とはいえ、今回の種まきではキャベツやレタスの種がうまく発芽せず、どうやら失敗したようだ。その原因は何か?種まきのやり方か、温度管理か、水やりか、それとも床土か。2月下旬の種まき本番の前までには、原因を確かめておきたい。

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2013年2月11日 (月)

土の食べ物、施し方

小林農場では、畑に肥料をたくさん与えすぎないように気をつけています。肥料はたくさんあればあるほどいいというわけではありません。人も食べ過ぎて栄養をとりすぎるとさまざまな健康障害を発症させてしまいますが、それは土や作物も同じです。

肥料が少ないほうが作物の味はよくなるといわれています。現在の日本の田畑は肥えすぎてしまっている傾向が強く、栄養過剰の問題が今後、大きくなるかもしれません。

また、小林農場では、一度肥料の材料となる有機物を発酵させてから畑に散布するようにしています。発酵させずに生の状態で畑に散布してしまうと、有機物の効果が発揮するのに時間がかかるし、土に障害を起こす危険性もあります。

有機物を混ぜ合わせて水を加えれば、有機物の中で微生物が繁殖して活発に活動して、有機物がすごく高温になります。微生物が有機物を細かく分解して、植物が有機物から栄養を吸収しやすい形にします。これを発酵と呼び、土づくりのうえで大事な過程です。

小林農場では、畑にまく肥料は化学肥料を使わず、米ぬかや鶏ふんやもみ殻などで作られた有機質肥料を使っています。近年開発された化学肥料では、土づくりはできません。昔から日本の農家は身の回りにある有機物を捨ててしまわずに肥料の材料として大事に使って土を作ってきました。

  しかし、有機質肥料であればなんでも安心して使用していいわけではありません。たとえば、上下水道の浄化で排出される固形物を材料とした肥料も有機質肥料として販売されていますが、これらの材料の中には人体に悪い重金属がたくさん含まれている場合もあるので注意が必要です。

  家畜ふんは昔から使われてきた有機物ですが、現在の畜産では、抗生物質や消毒剤が頻繁に使われる場合もあり、そのように育てられた家畜のふんを利用するときも注意が必要だと思います。

  以前は私もホームセンターで安い鶏ふんを購入して利用していましたが、どのように育てられた鶏のふんなのか、どのような過程で作られた肥料なのか、確かめようがありませんでした。素性のわからない肥料を使うのは、やはり不安でした。

  先月、隣町の養鶏農家のかたの養鶏所までうかがい、鶏舎の中に堆積している鶏ふんをかき集めて、軽トラックの荷台にいっぱい積んで農場まで持ち帰りました。鶏を広い空間で育て、鶏ふんの積もる床は稲わらなどが敷かれていつもふんわり、抗生物質や消毒剤に頼らず、安全な材料でえさを自家配合して鶏に与えている養鶏所で、このように大事に育てられている鶏のふんなら、安心して畑の肥料の材料として使えると思いました。

  最近は米ぬかやもみ殻なども近所からいただいて、自分で発酵させて肥料を作るようにしています。完成された肥料をお店で購入するよりも手間も時間もかかる方法ではありますが、そうすることによって、自分が安心して使える肥料を作ることができます。また、みなさんも小林農場の野菜をより安心してたべていただけるのではないかと思います。

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2013年2月10日 (日)

2月3日~2月9日の野菜セット

5日、9日

じゃがいも、人参、玉ねぎ、大根、かぶ、ゴボウ、かぼちゃ、白菜、キャベツ、ほうれん草、油菜、みず菜、みぶな、ターサイ

小林の手帳より

  しばらく貯蔵室に保管していた玉ねぎを、思いのほか貯蔵状態がいいので出荷。玉ねぎの多くは秋には芽を伸ばし始めて食べられなくなるけれども、最近は秋になっても芽が出ずに冬の間保存できる品種もある。今回は玉ねぎの在庫はほとんどないが、ちゃんと管理すれば、真冬でも出荷できる作物だと思う。

  キャベツを久しぶりに出荷。10月上旬、年内に収穫するには遅すぎる、冬越しさせてから収穫するには早すぎる、中途半端な時期に種を播いたキャベツだが、たっぷりと肥大はしなかったが、一応、結球してキャベツの形にはなった。そんなに耐寒性のある作物ではないので多くが寒さに当たってやられているが、中には無事に収穫できるものもあった。虫害の激しい秋がすぎた後に畑に苗を定植して真冬に収穫できるかどうか試してみた、試験的なキャベツ。

  在庫が少なくなってきた長ネギは出荷せずに、しばらく畑に温存しておく。今の時期、長ネギは食べられはするものの、寒さにやられてずいぶんみすぼらしい姿になり、出荷をためらう。春が近くなりもう少し暖かくなってくれば、長ネギの姿も蘇生するので、その時にまた出荷しよう。

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新聞切り抜き ネット版

私が気になる旬の話題を、各新聞社の最近の社説を中心に、切り抜いてみました。今回も原発問題に関する記事より。

それにしても、たかが一つの発電方法に過ぎない原発をやめることが、なぜそんなに難しいのか。

 原子力委員会の新大綱策定会議の委員などを務める慶応大学の金子勝経済学部教授は、経済学者の立場から脱原発問題の本質が電力会社の経営問題にあると指摘する。今日、日本にとって原発は1990年代に問題となった金融機関の不良債権と同じような意味合いを持つと金子氏は言う。よしんば原発事故が再び起きなかった起かなかったとしても不良債権は速やかに処理しなければ膨らみ続ける。最終的にそれは国民が税金や電気代をもって負担しなければならない。しかし、今その処理を断行すれば、大半の電力会社は破綻するし、同時にこれまで「原発利権」の形で隠されていた膨大な原発不良債権が表面に出てくる。原発利権や電力利権が日本のエスタブリッシュメントの間にも広く浸透しているため、政府が原発をゼロする方針、つまり不良債権を処理する方針を打ち出した瞬間に、経済界や官界では、そんなことをされてはたまらないと、蜂の巣を突いたような大騒ぎになってしまったというのだ。

 一方、原発をめぐる二項対立の構図を避けるべきと主張してきたジャーナリストの武田徹氏は今回、政府案が切り崩された一因と取りざたされるアメリカ政府の意向について、アメリカは日本が核兵器の保有が可能な状況を作ることで、それを押さえ込めるのはアメリカしかいないという立場を得ることで、アジアの政治的な影響力を保持しようとしているとの説を紹介する。日本が原発をやめ、核燃料サイクルを停止すれば、核兵器に転用するくらいしか価値のない大量のプルトニウムを保有することになってしまう。そのような安全保障にも深く関わる政策転換となると、日本の官界、財界にはアメリカの意向を代弁する人が大量に出てくるのがこれまでの日本の常だった。どうやら今回もご多聞に漏れずそのような事態が起きているようだ。(平成24年9月22日 ビデオジャーナリスト神保哲夫のブログより)

2013年2月 8日 (金)

命名図鑑 ハクセキレイ

普段、何気なく見ている風景を名前で呼ぼう!小林農場版なんでも図鑑。

P2011873 ハクセキレイ(2月、農場)

冬になるとよく畑で見かける、体長20cmくらいの留鳥。長い尾をひょこひょこと振りながら地上を歩き回っている。昆虫やミミズをついばんでいるらしい。

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2013年2月 7日 (木)

栽培暦 1月27日~2月2日

収穫、出荷  片づけ、掃除  玉ねぎ苗植え戻し  もみ殻入手  腐葉土移動  肥料、堆肥作り  施肥、トラクター耕  温床枠拡大  温床踏み込み  落ち葉かき

小林の手帳より

  畑に植えられている玉ねぎの苗が霜で浮かされて根っこが土の中から地表に飛び出してしまった。苗を一本一本、ギュッと土の中に植え直す。苗を定植した時期が遅く、しっかりと根が張る前に寒さが厳しくなると、苗は霜で浮かされやすくなる傾向があるようだ。

  今年苗作りに使う腐葉土をハウスの中に移動。湿り気が少し強いので乾燥させて、床土として使いやすい状態にしたい。腐葉土から三か所取り出して放射能検査をしてみた結果、いずれも25~57Bq/kgで規制値の400Bq/kgを大きく下回り、安全性が確認された。

  いろいろと試行錯誤したが、苗作りの基地となる温床枠が完成。今まで作ったことのないような広い温床となった。温床の中で直接、セルポットや3~4寸ポットに作物の種を播いて定植するまでそのまま育て、苗作り中の移植作業をできるだけ省きたい。できるだけ多くのセルポットや3~4寸ポットを温床の中に並べられるよう、温床を広くした。

P2021889

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2013年2月 6日 (水)

白菜のすまし汁

P2031900 材料  白菜  塩  昆布だし

鍋に水と昆布だしを入れて火にかけ

沸騰したらざく切りした白菜を鍋に入れて煮て

最後に塩をふって味を調える

  味噌汁を作るつもりで白菜を煮て、味噌を入れる前に味見をしてみたら、白菜からかもし出されただしのあまりのおいしさにびっくり。思わず味噌を入れるのをやめて、味付けを塩だけにしてみました。

  これほどまでに慈愛に満ちただしを作り出せる野菜が、他にあるでしょうか。

 

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2013年2月 4日 (月)

土を作り土が育てる

人の足が踏み入ることのできないような山の奥に、大きな木が茂って大きな森が生まれます。人が肥料を与えなくても、植物は育つことができます。土の力が、または、土の中の無数の生き物が、植物を育てるのです。

  畑では作物を収穫して土の中の栄養を外に持ち出してしまうため、肥料を与えないと畑の土はやせてしまいます。それでも、山奥の森林のように、作物を育てるのは畑の土の力であり、作物が生育するためには、実は肥料はそれほどたくさんの量を必要としません。力のある土を作るために、農家は「土づくり」にはげんできました。

  落ち葉や稲わらや米ぬか、または家畜のふんなどの有機物を、捨ててしまわずにかき集めて発酵させて堆肥化して、堆肥を畑に播いていきました。この堆肥の中にはたくさんの微生物が、たくさんの命が含まれています。畑に播かれた生き物たちが、植物の生育の手助けをしていきます。「土をつくる」とは、畑に生き物の数を増やしていくことなのだと思います。

小林農場では、畑に散布する肥料は化学肥料を使用しない方針です。化学肥料とは何か簡単に説明すると、工場で化学的処理により製造される人工的な肥料のことです。

  化学肥料の中には植物が育つために必須の化学的な特定の栄養素が多く含まれ、散布すればすぐにその効果が作物の生育に表れます。化学肥料は軽くて少量でも効果があるので、農家の施肥の作業が楽になり、効率的に収穫量を増やすことに貢献してきました。今の日本の農業では、有機質肥料よりも化学肥料が使われることのほうが多くなっています。

  化学肥料が登場して、「肥料によって作物を育てる」という考え方が浸透し、「土づくり」を重視しなくなっている傾向があるという指摘があります。化学肥料には特定の化学的な栄養素は含まれていても、有機物のように微生物のような生き物は含まれていません。化学肥料ばかりに頼りすぎて有機物を田畑に入れないでいると、その田畑に生き物が増えなくなって、長期的にみると、作物も育たなくなっていくでしょう。

  「化学肥料をたくさん播いたら、作物の中身が充実しないうちから体ばかりが大きくなって、作物に含まれる栄養素が少なくなって、味もまずくなった。」「土が酸性化してしまい、作物が育ちにくくなってしまった。」などの化学肥料にまつわる良くない報告もいくつかあります。

  過剰に特定の化学物質を土に与えていくことにより土のバランスが崩れ、作物も健全に育たなくなるということもあるのではないでしょうか。作物栽培の効率化に貢献してきた化学肥料も、使い方を誤ると、土に障害を与えてしまいます。化学肥料とは距離を置いたほうが無難だと私は考えます。

作物を育てるのは農家によって施される肥料ではなく土の力で。力のある土を作ることこそが農家の役目。そんな意識を持ちながら、これからも有機物を利用して、たくさんの生き物が暮らしやすい畑になるように、土づくりにはげみたいと思います。

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2013年2月 2日 (土)

新聞切り抜き ネット版

 私が気になる旬の話題を、各新聞社の最近の社説を中心に、切り抜いてみました。

 茂木経済産業相が就任早々、「未着工の原発の新増設は認めない」という民主党政権の方針を白紙にすると表明した。

 新増設の中止は、脱原発への幅広い民意を受けての決定だった。自民党も公明党との連立合意で「可能な限り原発依存度を減らす」としている。

 新増設を認めて、どうやって原発を減らしていくのか。あまりに思慮に欠ける発言だ。

 福島第一原発は、政府による「冷温停止状態」宣言から1年たつが、爆発が起きない程度に落ち着いただけである。詳細な事故メカニズムも不明だ。廃炉作業にも入れていない。

 周辺市町村の除染作業も遅々としており、避難した16万人の帰還や生活再建はめどが立っていない。二度と事故を起こさないために何が必要か。原発の新たな安全基準や「起きてしまった場合」の防護策すら整備できていない段階だ。

 安全神話のもとで事故への備えを怠ってきた原子力行政は、長期にわたる自民党政権が築いたものだ。

 だからこそ、総選挙で自民党も「原発に依存しなくてよい社会」をうたい、「自分たちは変わった」と主張してきたのではなかったか。

 脱原発への航路や速度に議論の余地があるにしても、乗客が船に乗り込んだとたん、逆方向へかじを切るようなやり方は、政治の信頼性に関わる。これでは「反省ゼロ」政策だ。

 茂木氏は核燃料サイクル政策についても「完全放棄の選択肢はない」と明言した。だが、長年にわたって巨額の投資をしながら実現していない事業だ。そもそも原発を減らすなら、サイクルの必要性は薄れる。

 こちらこそ白紙に戻し、放射性廃棄物の現実的な処理策を真剣に議論すべきときだ。

 安全対策や後処理にかかるコストを勘案すると、原発の新設は他の電源に比べて決して安くない。それは、すでに検証済みだ。事故のリスクを考えれば、地震が多く、狭い日本での経済合理性はさらに怪しくなる。

 むしろ電源構成の思い切った組み替えや電力システム改革を進めたほうが、新しいビジネスや雇用を生む芽になる。

 原発の新増設に含みをもたせて、旧来の地域独占に守られた電力体制を維持していては、新規の民間投資も、健全な競争も進まない。原発依存から地域が脱する手立ても失う。

 茂木さん、「経済再生」と「新産業育成」が安倍政権の最優先課題ですよね。どっちが得か。よく考えてみてください。(朝日新聞 平成24年12月28日)

政権交代に伴う現実的な政策転換として、歓迎したい。茂木敏充経済産業相が、野田佳彦前政権の「原発ゼロ」方針を見直す意向を表明したことである。

 代替エネルギーの見通しもないまま打ち出された無責任な目標だっただけに、見直しは当然だ。安定的な電力供給は社会や経済発展の基盤であり、安倍晋三内閣は安全性が確認された原発について、早期の再稼働も主導しなければならない。

 原発について、民主党政権は「2030年代に稼働をゼロにする」方針だった。これに対し自民、公明両党は政権合意の中で「可能な限り原発依存度を減らす」としている。

 茂木氏は、中長期的なエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」をこれからまとめる中で、「原発ゼロ目標の再検討が必要」と述べた。電力の安定供給に責任を持つ立場の経産相として、現実的かつ妥当な判断だ。

 「脱原発」など一時的なムードに流されることなく、資源小国に最もふさわしい電源構成の議論を進めるべきだ。

電力各社は原発に代えて火力発電をフル稼働させており、燃料代も上昇している。関西電力や九州電力が値上げ申請したが、原発再稼働が遅れれば、それだけ追加的な値上げが避けられない。日本経済に与える打撃も大きい。

 原子力規制委は来夏に新たな安全基準を策定するが、政府はその前倒しや原発の新増設など、実効性のあるエネルギー政策を示してほしい。

 民主党政権が進めてきた電力の自由化も、改めて検証が必要だ。競争を加速させて料金引き下げを促す政策は有効だが、現在のような電力不足の下で発送電を分離すれば、かえって料金の値上がりを招くとの指摘もある。慎重に対応すべきだ。(産経新聞12月29日)

人間はいまだ、自然の猛威にあらがう技術を持ちません。これからも持ちうることはないでしょう。雨風に運ばれ、複雑な地形の隅々にまで入り込んでしまった放射能を集めるすべはありません。

 ひとたび事故が起きたとき、電力会社はおろか、政府にも、広範で多様な損害を満足に償うことはできません。補償は莫大(ばくだい)な額になり、安全のための補強にはきりがない。ほかよりずっと安いといわれた原発の発電コストが、本当は極めて高くつくことも、福島の事故が教えてくれました。

 核のごみ、危険な使用済み核燃料の処分場は決まりません。各原発の貯蔵プールからいまにもあふれ出そうとしている。

 その上、原発の敷地内やその周辺からは、大地震を引き起こす恐れのある活断層が、次々に発見されています。日本列島は地震の巣です。原発を安全に運転できる場所など、あるのでしょうか。(東京新聞 1月4日)

   

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2013年2月 1日 (金)

1月27日~2月2日の野菜セット

29日、1日

じゃがいも、人参、大根、かぶ、赤かぶ、ゴボウ、長ネギ、白かぼちゃ、白菜、油菜、ほうれん草、みぶな、ターサイ

小林の手帳より

  かぶは、直売所で売る時、大きなかぶはあまり売れないけれども、小さなかぶなら売れる。大きい野菜は扱いにくいので敬遠されやすい。大きなかぶは特に「スがははいっているかも」と疑われやすい。小林農場のかぶの品種「耐病ひかり」は、形が小さいうちはもちろん、どんなに大きくなってもスの入りにくく高品質を保てる品種だ。

  油菜は生育の早い葉物野菜で、この厳しい寒さでほうれん草が小さいまま生育を止めてしまっていても、油菜は寒さが本格的になる前にそれなりに大きくなっていたので、収穫にこぎつけることができた。

 

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