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2012年12月15日 (土)

みんなで考えよう

  まもなく総選挙の開票日を迎えようとしています。 今回の選挙では、原発をめぐる問題が大きな争点となりました。

  3.11の福島第一原発事故以来、今まで全く関心のなかった原発について、私なりに勉強してきました。多くの人が同じように原発に関心を持つようになり、原発についていろいろ考えがあると思いますが、私は原発はすぐにやめるべきだと思いますし、現実的にそれは可能だと思います。

  原発がなくても、日本の電気供給量は十分に足りています。最も電気を消費している首都圏を含む関東地方では、原発事故以来、一基も原発事故を動かすことなく、必要な電気量を発電し続けてきました。今年の夏には関西電力が大飯原発を再稼働させましたが、わざわざ原発を再稼働させなくても関西地方の電気は十分に足りていたことが判明し、関西電力自身もそれを認めています。

  発電だけで考えると石油などの化石燃料を使う火力発電と比べて原子力発電の方が経済的に安いのかもしれませんが、原子力発電所の建設費、安全性を確保するための維持費、そして、廃炉にするための費用などを含めると、原子力発電にかける費用は莫大になると見積もられています。経済的にみても、原子力発電のコストは高くつきます。

  原子発電所が事故を起こした時の処理費は、いったいどれだけかかるのでしょうか。私が暮らしている北関東の山林や川は、福島第一原発事故により放射能汚染をうけましたが、これらの地域を除染するために莫大な費用が必要なはずです。そんな費用を払えるわけがないから、この先数十年間、山林や川は汚染されたままになるのでしょう。電力会社が「原子力発電のコストが他のどの発電よりも安い」と説明する度に、腹ただしさをおぼえます。

  他の国々は努力して化石燃料をできるだけ安く入手している一方、日本の電力会社は産油国から高い値段で化石燃料を入手しているため、日本の電気料金は世界で一番高くなってしまいました。電力会社が地域独占経営をしてきたため、あまりコスト削減に力をいれてこなかったことが指摘されています。それどころか、電力会社の場合にかぎって、コストが上がれば上がるほど電力会社の利益が上がるという、特殊な経営方法が採用されていました。今後、電力の自由化が進めば、電力会社も本気でコスト削減に取り組むようになり、化石燃料でも安く発電されるようになるでしょう。

  化石燃料の消費量増加によって引き起こされる地球温暖化の問題に伴い、化石燃料に代わるエネルギーとして原子力が期待されました。しかし、原子力発電所から海へと排出される排熱は海の気温を上げてしまうことがしばしば問題になりました。そもそも「CO2地球温暖化説」にはたくさんの異論があり、その真偽をめぐって議論が起こっている最中です。

  もし本気で地球環境問題のことを考えるのであれば、原子力発電によって必ず排出される放射性廃棄物の管理の問題こそ考えるべきだと思います。放射性廃棄物は十万年もの間、危険な放射線を発散し続け、その気が遠くなるような長い間、どこか安全な場所に保管していなくてはいけません。今までにものすごい量の放射線廃棄物が排出されていますが、保管場所はすでに満杯になりつつあります。これ以上、日本のどこに十万年間、廃棄物を保管しておける場所があるというのでしょうか。そもそも、十万年後まで、日本列島は存在しているのでしょうか?

  福島第一原発事が早くも過去のものとして風化していく兆しが見られます。本当は何も終わってなんかいません。福島第一原発は今でも危険な状態が続き、原発作業員の方々が被ばくしながら命がけで作業をしてくれているおかげで、かろうじてもっているような状況なのです。また大災害に見舞われたりしたら、再び爆発して大量の放射線物質をそこらじゅうにまき散らす可能性があるのです。

  事故によってまき散らされた放射性物質は除染されずに福島県やその周辺に散らばったままになっています。十六万人もの方々が避難のために自分たちの町を離れ、そして、今でも帰れずにいます。

  科学的な知見により、日本の法律では被ばく限度量は年間1ミリシーベルトまでと定められています。しかし、原発事故以降、東北・関東地方のあちらこちらで年間1ミリシーベルトを超える放射線が計測されています。そんな環境の中でで、多くの人々が日常生活を送っています。法律を厳密に守ろうとすればもっと多くの人々を避難させなくてはいけないのですが、現実的にそれは相当大変なので、政府はこの法律を無視して、被ばく限度量を年間20ミリシーベルトまで緩めて、これ以下の被ばく量は安全と宣言してしまっています。異常な状況だと思います。

  これだけ人と物が行き来する世の中なので、今は福島県周辺にとどまっている放射性物質もいっしょに遠くへ運ばれて広がっていくこともあります。つまり、東日本の人々が味わった苦しみもまた、西日本や世界の人々にも拡散されていくかもしれません。そうならないように気をつけなくてはいけないのに、東北地方で発生した大量のがれきが九州地方に運ばれたりするなど、危ういことが多いように思います。

  原発がなくても電気は足りています。化石燃料の値段は高いから火力電力での発電はコストがかかるというのであれば、まず電力の自由化を進めるのが先決です。他の国々が安い値段で化石燃料を入手しているのだから、日本にもできないわけがありません。自然エネルギーが実用化されるまで時間がかかるでしょうが、その間は、普通に化石燃料で発電すればよいと思います。

  せっかく育てた農作物が放射能汚染のために出荷停止処分を受け、そのあとは風評被害に苦しみ、作物を育てる土も落ち葉や稲わらなどの資源も汚され、福島県や東北・関東地方の農家はこの悔しさを一生、忘れないでしょう。農家だけではなく、全ての人々が原発事故に苦しみました。被ばくの影響を受けやすい子供たちはもっとひどい目にあいました。

  これからの政治家のみなさんに、切に望みます。

「原発利権」を断ち切ってください。自分たちの利権より国民の幸せを優先して、政治家と国民の間に信頼関係を取り戻すことを願っております。

参考文献

yahoo 福島第一原発事故

東京電力

農林水産省

新聞社説一覧

武田邦彦 中部大学教授のブログ

TBSラジオ Dig 

神保哲夫 ビデオジャーナリストのブログ 

小林よしのり「ゴーマニズム宣言スペシャル 脱原発論」

食品と暮らしの安全

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