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2012年12月30日 (日)

一期一会

  今年も残すところ、あとわずか。

  近所の稲作農家の方の敷地内に、今年収穫された新米の調整作業で取り除かれたもみ殻がたっぷりと山積みされていました。それらのもみがらはそのまま不要物として処分されるというので、その代わり、私がこのもみ殻をいただくことにしました。

  私にとっては畑に使用するための貴重な有機物資源が無料で手に入るので、とてもありがたいことです。そればかりか、「自分の代わりにわざわざもみ殻を持ち運んでくれてありがとう。処分する手間がなくなって助かった。」と逆に稲作農家の方から感謝され、そのお礼として、新米や加工したお餅までどっさりといただいてしまいました。

  同じように、今まで、米ぬかや鶏ふん、ソバ殻など、近所の農家のみなさんからいただいてきました。これらの肥料の材料となる有機物をいただけたことにより、肥料代を節約しながら良質な肥料を作ることができました。

  私が農家として独立する際、地主さんが中古のトラクターなど、営農していく上でなくてはならない高価な農業機械をいくつか、私にくださいました。

  また、私の父と母が私の幼い頃、わが子の将来のためにと働いて資金を蓄え、私に就農資金としてその貯金を授けてくれました。そのために私は、収入が少なくてもお金に困ることがなく、ゆとりをもって今まで暮らしていけることができました。

  農家として独立したといっても、自分一人の力で暮らしていけているわけではありません。まわりの人が支えてくれたからこそ暮らしていけました。

  人が自立するとはどういうことか。もちろん、できるだけ誰の助けも借りずに自分のことは自分でやることは大切だと思います。しかしそれ以上に、人は一人では生きていけないことをしっかりと認識して、自分はまわりの人に支えられていることに気づき感謝することが重要なのではないでしょうか。その感謝の気持ちこそが、生きていく活力となります。

  農業は一人ではできない。これが農家として独立してから思った私の実感です。

  自分も周りの人も快く暮らしていけるように、人と人が助けあえる関係を築くにはどうすればよいのか。それは、人と顔を合わせる機会をもっともっと増やすことにより、見えてくるのでしょう。人と顔を合わせる機会をふやすことを、私の来年の課題にしていきたいと思います。

  今年もみなさんに小林農場の野菜を食べていただきました。みなさんが定期的に野菜を購入して農場の経営をささえてくれることにより、どれだけ私は勇気と安心感をいただいたことでしょう。小林農場の野菜を楽しみに待ってくださるみなさんの存在が、どれだけ私の生き甲斐になったことか。常に出荷作業があることによって、私は社会と関わっていくことができました。

  この先もずっとずっと、みなさんにおいしい野菜をお届けできるように、感謝を活力としながらがんばりたいと思います。よいお年を。

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