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2012年12月

2012年12月30日 (日)

一期一会

  今年も残すところ、あとわずか。

  近所の稲作農家の方の敷地内に、今年収穫された新米の調整作業で取り除かれたもみ殻がたっぷりと山積みされていました。それらのもみがらはそのまま不要物として処分されるというので、その代わり、私がこのもみ殻をいただくことにしました。

  私にとっては畑に使用するための貴重な有機物資源が無料で手に入るので、とてもありがたいことです。そればかりか、「自分の代わりにわざわざもみ殻を持ち運んでくれてありがとう。処分する手間がなくなって助かった。」と逆に稲作農家の方から感謝され、そのお礼として、新米や加工したお餅までどっさりといただいてしまいました。

  同じように、今まで、米ぬかや鶏ふん、ソバ殻など、近所の農家のみなさんからいただいてきました。これらの肥料の材料となる有機物をいただけたことにより、肥料代を節約しながら良質な肥料を作ることができました。

  私が農家として独立する際、地主さんが中古のトラクターなど、営農していく上でなくてはならない高価な農業機械をいくつか、私にくださいました。

  また、私の父と母が私の幼い頃、わが子の将来のためにと働いて資金を蓄え、私に就農資金としてその貯金を授けてくれました。そのために私は、収入が少なくてもお金に困ることがなく、ゆとりをもって今まで暮らしていけることができました。

  農家として独立したといっても、自分一人の力で暮らしていけているわけではありません。まわりの人が支えてくれたからこそ暮らしていけました。

  人が自立するとはどういうことか。もちろん、できるだけ誰の助けも借りずに自分のことは自分でやることは大切だと思います。しかしそれ以上に、人は一人では生きていけないことをしっかりと認識して、自分はまわりの人に支えられていることに気づき感謝することが重要なのではないでしょうか。その感謝の気持ちこそが、生きていく活力となります。

  農業は一人ではできない。これが農家として独立してから思った私の実感です。

  自分も周りの人も快く暮らしていけるように、人と人が助けあえる関係を築くにはどうすればよいのか。それは、人と顔を合わせる機会をもっともっと増やすことにより、見えてくるのでしょう。人と顔を合わせる機会をふやすことを、私の来年の課題にしていきたいと思います。

  今年もみなさんに小林農場の野菜を食べていただきました。みなさんが定期的に野菜を購入して農場の経営をささえてくれることにより、どれだけ私は勇気と安心感をいただいたことでしょう。小林農場の野菜を楽しみに待ってくださるみなさんの存在が、どれだけ私の生き甲斐になったことか。常に出荷作業があることによって、私は社会と関わっていくことができました。

  この先もずっとずっと、みなさんにおいしい野菜をお届けできるように、感謝を活力としながらがんばりたいと思います。よいお年を。

2012年12月28日 (金)

大雪 栽培暦 12月16日~22日

収穫、出荷  葉物野菜にトンネル張り、防寒補強  小豆、エゴマ脱穀、風選 干し芋作り  ナタネ踏み  トラクター耕  堆肥作り  稲わら片づけ  事務仕事    

  今年は11月以降、例年より寒いせいか、10月以降に種まきしたほうれん草などの葉物野菜が小さいまま、大きくなってくれず、収穫できない。このままでは、冬の間ずっと、収穫できないまま、終わってしまう。追肥をし、間引いて、トンネルを張って保温してみて、生育をうながしてみた。(写真はトンネルを張った後の葉物野菜畑の様子)

P1160805

  去年、秋に播いたナタネは、ちゃんと発芽したのにも関わらず、寒さが厳しくなると多くが枯れて消えてしまった。霜によって根が土中より浮かされて、根が乾燥してしまったのかも知れない。今年は試しに、ナタネを足で踏みつけ、根が浮かされてしまわぬように周りの土を固めておいた。作物を踏む方法は、同じ時期に栽培される麦によく行われるが、おそらく、ナタネにも適用できる。

  小豆、エゴマを調整。数か月の間日干しして乾燥させた小豆やエゴマの作物を足で踏みつけたり熊手で叩いたり掻いたりして種を外へ飛び出させ、ふるいにかけて大きなゴミを取り除き、扇風機を使って小さなゴミを吹き飛ばし、種だけ取って、保存する。この先、このような作物の種を脱穀、選別の作業はしばしば行われることになるから、試行錯誤していきたい。

Pc211694 日干しして乾燥したエゴマのサヤ。

Pc211697サヤから取り出された エゴマの種。種よりもゴミが多く混じっている。

Pc271706 ごみを取り除いた後のエゴマの種。

Pc271710 同じような過程で取り出された小豆。出荷する前には、さらにごみやクズ豆を取り除く。

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新聞切り抜き ネット版

私が気になる旬の話題を、各新聞社の最近の社説を中心に、切り抜いてみました。

青森県にある東北電力東通(ひがしどおり)原発の敷地内にある断層について原子力規制委員会は「活断層の可能性が高い」と判断した。 全員一致の見方だという。  同じ地層を見ながら、なぜ原発建設前やその後の調査で確認できなかったのだろうか。 これまでの国の審査がいかにずさんで、検査が電力会社まかせだったか、改めて考えさせられる。 活断層の調査は、関西電力大飯原発(福井県)、日本原子力発電の敦賀原発(同)に続く3例目だ。電力会社にはいずれも厳しい評価が続いている。なかには「委員や専門家が反原発派で占められている」との恨み節さえ聞こえる。 だが、評価にあたった専門家たちは、日本活断層学会などが推薦する候補のなかから、電力会社との利害関係を調べたうえで選ばれた中立な人たちだ。 現地での調査や評価会合もすべて公開し、透明な手続きを経ての判断である。政府も民間も重く受けとめるべきだ。 電力会社や原発立地県の知事は「科学的根拠はどこにあるのか」と反発している。経営難に陥りかねないことや、地域の経済への心配が背景にある。 それはそれで考えるべき重要な課題だが、安全への判断をまげる理由にはならない。 経済的利害をおもんぱかって科学側が遠慮すれば、規制行政への信頼は崩壊する。3・11の大震災と原発事故を経験した私たちが、これから決して見失ってはいけない反省だ。 今後、電力会社や地元からの反論が出れば、規制委は公開の場で立証を求めればよい。 どちらの見方がより合理的なのか、科学的な議論を尽くすことが基本だ(朝日新聞12月22日)

大飯原発については、3、4号機を建設するための設置許可申請の際に、関電から保安院に提出されたとされる地質調査結果の「スケッチ」の中に明らかに活断層の存在が疑われるデータが含まれていた。しかし、当時の原子力安全・保安院も原子力安全委員会もこれを問題にせず、3、4号機の建設許可は降りてしまった。

しかし、それにしてもなぜよりによって活断層の上に原発が建設されてしまうのだろうか。確かに日本は地震国で活断層は日本中至るところに広がっているのは事実だ。しかし、自らを「反原発派ではない」と語る渡辺氏は、活断層のない場所に原発を建設したければ、それが可能な場所はいくらでも存在すると指摘する。例えば、若狭湾周辺は日本でも最も活断層が多く集中する場所だが、そこが同時に日本の原発の3割近く(50基中14基)が集中する原発銀座であることはよく知られている。これではあたかも活断層が多い場所を選んで原発を建設しているようにさえ見えてくる。実際渡辺氏は、日本のすべての原発のうち、玄海原発を除くほとんど全ての原発が活断層の「上」または付近にあるのが現実だと言う。原発行政に不信感をお持ちの向きは、そろそろどこに問題の本質が隠れているかにお気づきのはずだ。日本のほとんどすべての原発が活断層の上に建設されてしまう理由は、渡辺氏が「普通の地質学者が常識的に見れば明らかな活断層」といえる断層が、電力会社の調査では見つからなかったとして報告されていなかったり、報告されていても、それを審査する側の原子力安全保安院、原子力安全委員会側の専門家たちが、それをそのままスルーしているからなのだ。そして、保安院、安全委員会の下でこの問題を審査する「有識者」らからなる専門委員会は、ほぼ例外なく電力会社や原子力産業との間で利益相反問題を抱える委員が多数を占めていたり、実質的に彼らによって牛耳られているのが実情であり、「とにかくいろいろ背負っている人が多すぎる」と渡辺氏は笑う。(神保哲夫ジャーナリストのブログ 7月14日)

原発の敷地内で活断層が見つかれば原発は再稼働するべきではありませんが、「活断層」はあくまでも事故の原因要素の一つでしかなく、活断層が敷地内にない原発は安全というわけではありません。津波、火山爆発、人為ミス、テロ攻撃など、他にも無数に事故を起こす要素があり、それらを全部調べて安全性を確保することは大変なことです。(小林)

2012年12月24日 (月)

12月16日~12月22日の野菜セット

Pc081663 畑から霜の当たらない屋内に持ち運ばれて貯蔵されている白菜。

18日

じゃがいも、人参、大根、聖護院大根、かぶ、里芋、さつまいも、長ネギ、白菜、サニーレタス、油菜、からし菜、ほうれん草、みず菜、ターサイ

21日

じゃがいも、人参、大根、、かぶ、里芋、さつまいも、長ネギ、かぼちゃ、白菜、サニーレタス、油菜、みず菜、ターサイ

  冬至なので、カボチャを21日の野菜セットい加えてみた。18日の野菜セットにもくわえればよかった。

  畑に残している白菜が毎日、早朝に霜で凍りつき、日が出てきてもなかなか解凍しにくくなってきている。早く畑に残している白菜は出荷しきりたい。長ネギも霜を何度も浴びて葉が枯れて、みすぼらしい外見になってきた。味はおいしいけれど。

  毛布をかぶせて防寒しながら室内で貯蔵してきたさつまいもも、寒さで傷み、もう出荷は無理だと思う。この保存方法でさつまいもをまともに出荷できるのは12月中旬まで。それまでに出荷をのんびりしていると、大量に破棄しなくてはいけなくなる。  

  

2012年12月22日 (土)

畑の行程表

  同じ種類の作物を同じ畑に数年間作り続けると土のバランスが崩れるので、同じ畑でも毎年、違った種類の作物を作るように気をつけています。 どの時期にどの畑でどんな作物を作るのか、来年以降の作付け計画をたててみました。

  小林農場の大きな課題は、土作りです。粘土質の性格の強い土質の畑は、耕してみてもゴロゴロと大きな土塊ができてしまい、種を播くための播き溝を作るにも、種を播いた後に覆土するにも、あらゆる畑仕事がやりにくくてしかたがありませんでした。

  このような畑では、作物も根を伸ばしにくいと思います。この土の物理性を改善してもう少しふんわりとした土質にするために、積極的にもみ殻や草や堆肥を畑に投入していって鋤きこんでいこうと思います。

  現在の小林農場の作物を栽培できる栽培面積は、だいたい1.5町(15000㎡)くらいです。今年の夏は、この広い面積を全部使って野菜を栽培しようとしたために手が回り切れず、畑の大部分が雑草に覆われて多くの作物が雑草に飲まれて消えてなくなりました。

  そこで今回の作付け計画では、小林農場の畑を5区画に分けて、そのうちの2つ、または3つの区画のみで作物を栽培することにして、自分の手が回る面積で栽培することにしました。残りの区画では、たいして手間のかからない土作りに専念いたします。

  そして次の年には、土作りをした畑で作物を育てて、作物を育てて疲労した畑は土作りをしながらしばらく栽培を休ませてあげようと思います。これを毎年繰り返すことにより、効率的に作物栽培と土作りを平行して行っていくのが、作付け計画の狙いです。

  2,3年で終わってしまわずに、10年も20年も、この先長く続けていける農場を作っていきたいと思っています。そのために健全な土作りは大切です。今まではその日の気分であっちこっちに種をまいたり苗を植えていたりしていましたが、これからは、数年先を見据えて、計画的に作付けしていきたいと思います。

  計画を具体的にたてて仕事をすることにより、自分が思い描いている理想と実際の自分の実力がどれくらい距離が離れているのか確かめることができます。自分の身の丈を測るための計画表にもなります。

新聞切り抜き ネット版

野田佳彦民主党政権がこの9月に決定した革新的エネルギー・環境戦略は、30年代に稼働ゼロとする原発の代わりに、太陽光、風力などの再生可能エネルギーを拡大するとしている。だが、政府試算では原発ゼロ実現のために必要な投資は、省エネを含め100兆円を超える。その場合、電力料金も現在の2倍超に上昇するなど国民生活や産業に大きな打撃を与えるのは確実だ。自民党は衆院選の政権公約で、「10年以内に電源構成を決め」、3年内に全原発の再稼働の可否を判断するという、他党に比べれば現実的な選択肢を示している。だが、今は、原発再稼働の遅れに伴う電力不足を補うため、火力発電の燃料費が年3兆円も余計に嵩(かさ)んでいる。再稼働の判断に時間をかける余裕はあまりない。(産経新聞12月20日)

地震国日本に、原発の安全を確証できるような場所があるのでしょうか。原発敷地内と周辺で、地震を起こす活断層や活断層かもしれない地層が次々見つかってもいる。電気料金が上がるとか、経済に影響が出ると言いますが、原発事故で損なわれるものの大きさは、比べものになりません。もちろん「原発後」の産業、雇用確保は必要です。使用済み核燃料が、原発内の貯蔵プールからあふれ出そうとしています。処分の場所や方法を世界中が探しあぐねる核のごみ。それでも、原発を動かし続けるのでしょうか。(東京新聞 12月6日)

現実的に考えれば、原発の再稼働が簡単に進むとは思えない。原子力規制委員会が進める活断層の再調査では、これまでの電力会社の調査や規制当局の審査の甘さが浮き彫りになった。全原発での見直しは避けられない。規制委は、来夏までに新たな安全基準を策定する。既存の原発施設にも最新基準の適応を義務づける「バックフィット制度」も盛り込まれる。その結果、大規模な改造が求められる施設も出てくるだろう。原発の寿命を原則40年とする改正原子炉等規制法もないがしろにはできない。総合的に見て、原発が減り続けることは自明であり、脱依存を前提とした政策に向き合わねばならない。規制委の厳しい判断に異論が出る恐れもあるが、自民党は「安全性については規制委の専門的判断に委ねる」と明言している。規制委を独立性の高い「3条委員会」にするよう求めたのは自民・公明両党であり、その独立性を侵害するようなことがあってはならない。(毎日新聞12月19日)

10年後に日本の子どもの誰もが被曝で病気にならないように、これからは苦しい日が続くと思います。「大したことはないじゃないか」に始まるさまざまな攻撃も予想されます。でも、緩めることは病気になる「確率」を増やすことになります。私は日本人が自ら決めた法令をできるだけ守る事、これが原発を運転したという間違いを犯した私たち大人の責任と思います。1) 一般人の内部と外部の合計被曝 1年1ミリ以内 2) 土壌の汚染:1平方メートルあたり4万ベクレルを超えたところは東電が除去する、3) 食品の安全は1キロ40ベクレル以内(内部被曝0.4ミリシーベルト)(平成241217日 武田邦彦 中部大学教授のブログ)

日本の法律では、上記のブログのように、一般人の被ばく限度量は年間1ミリシーベルトまで、土壌の汚染は1平方メートルあたり4万ベクレルまでにおさえなくてはいけないことになっています。この法律に従うと、武田教授の試算では、食品の安全基準値を1キロあたり40ベクレル以下にするべきと主張されています。(小林)

2012年12月20日 (木)

農産物スクリーニング検査結果

12月5日に、福島第一原発事故による農作物の放射能汚染の影響を調べるために農作物のスクリーニング検査を芳賀農業振興事務所にて行いました。検査結果は以下の通りです。

大根、かぶを検査。いずれも測定下限値未満。(測定下限値は3.1Bq/kg)

参考 国が定めている基準値は100Bq/kg。これよりも高い数値が検出された農作物は出荷停止の要請を受ける。

小林農場では、定期的に農作物を検査しています。

長ネギの七味焼き

Pc051657 材料  長ネギ、醤油、ゴマ油、七味とうがらし

フライパンにごま油を熱し、ぶつ切りにした長ネギを焼き、

ネギに焼き色がついてから、最後にしょうゆをかけて、七味とうがらしをふる。

普段は薬味など、料理の名脇役を演じてくれているネギを、主役にしてみた料理です。酒のつまみにもいかがでしょうか。

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2012年12月19日 (水)

栽培暦 12月9日~12月16日

収穫、出荷  干し芋作り  大掃除  白菜収穫、貯蔵  里芋収穫、貯蔵  堆肥作り  もみがら入手  葉物野菜間引き  トラクター耕

  白菜も里芋も、冬の間長期間保存しておきたい作物は全部、畑より持ち出して、霜の当たらない場所で保温した。貯蔵作業は終了した。

  間もなくさつまいもが全部、傷み始めてくる。売り切れずに残っているさつまいもは干し芋にして長期保存する予定。

  トラクターで空いている畑をどんどん耕して雑草を退治しておきたい。これ以上寒くなると、畑が凍って固くなって耕せなくなる。

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12月9日~12月15日の野菜セット

11日

  じゃがいも、人参、大根、かぶ、里芋、さつまいも、長ネギ、白菜、ブロッコリー、サニーレタス、あぶら菜、ほうれんそう、春菊、みず菜、ターサイ

14日

  じゃがいも、人参、大根、かぶ、里芋、さつまいも、長ネギ、白菜、サニーレタス、あぶら菜、ほうれんそう、からし菜、みず菜、ターサイ

  

2012年12月15日 (土)

みんなで考えよう

  まもなく総選挙の開票日を迎えようとしています。 今回の選挙では、原発をめぐる問題が大きな争点となりました。

  3.11の福島第一原発事故以来、今まで全く関心のなかった原発について、私なりに勉強してきました。多くの人が同じように原発に関心を持つようになり、原発についていろいろ考えがあると思いますが、私は原発はすぐにやめるべきだと思いますし、現実的にそれは可能だと思います。

  原発がなくても、日本の電気供給量は十分に足りています。最も電気を消費している首都圏を含む関東地方では、原発事故以来、一基も原発事故を動かすことなく、必要な電気量を発電し続けてきました。今年の夏には関西電力が大飯原発を再稼働させましたが、わざわざ原発を再稼働させなくても関西地方の電気は十分に足りていたことが判明し、関西電力自身もそれを認めています。

  発電だけで考えると石油などの化石燃料を使う火力発電と比べて原子力発電の方が経済的に安いのかもしれませんが、原子力発電所の建設費、安全性を確保するための維持費、そして、廃炉にするための費用などを含めると、原子力発電にかける費用は莫大になると見積もられています。経済的にみても、原子力発電のコストは高くつきます。

  原子発電所が事故を起こした時の処理費は、いったいどれだけかかるのでしょうか。私が暮らしている北関東の山林や川は、福島第一原発事故により放射能汚染をうけましたが、これらの地域を除染するために莫大な費用が必要なはずです。そんな費用を払えるわけがないから、この先数十年間、山林や川は汚染されたままになるのでしょう。電力会社が「原子力発電のコストが他のどの発電よりも安い」と説明する度に、腹ただしさをおぼえます。

  他の国々は努力して化石燃料をできるだけ安く入手している一方、日本の電力会社は産油国から高い値段で化石燃料を入手しているため、日本の電気料金は世界で一番高くなってしまいました。電力会社が地域独占経営をしてきたため、あまりコスト削減に力をいれてこなかったことが指摘されています。それどころか、電力会社の場合にかぎって、コストが上がれば上がるほど電力会社の利益が上がるという、特殊な経営方法が採用されていました。今後、電力の自由化が進めば、電力会社も本気でコスト削減に取り組むようになり、化石燃料でも安く発電されるようになるでしょう。

  化石燃料の消費量増加によって引き起こされる地球温暖化の問題に伴い、化石燃料に代わるエネルギーとして原子力が期待されました。しかし、原子力発電所から海へと排出される排熱は海の気温を上げてしまうことがしばしば問題になりました。そもそも「CO2地球温暖化説」にはたくさんの異論があり、その真偽をめぐって議論が起こっている最中です。

  もし本気で地球環境問題のことを考えるのであれば、原子力発電によって必ず排出される放射性廃棄物の管理の問題こそ考えるべきだと思います。放射性廃棄物は十万年もの間、危険な放射線を発散し続け、その気が遠くなるような長い間、どこか安全な場所に保管していなくてはいけません。今までにものすごい量の放射線廃棄物が排出されていますが、保管場所はすでに満杯になりつつあります。これ以上、日本のどこに十万年間、廃棄物を保管しておける場所があるというのでしょうか。そもそも、十万年後まで、日本列島は存在しているのでしょうか?

  福島第一原発事が早くも過去のものとして風化していく兆しが見られます。本当は何も終わってなんかいません。福島第一原発は今でも危険な状態が続き、原発作業員の方々が被ばくしながら命がけで作業をしてくれているおかげで、かろうじてもっているような状況なのです。また大災害に見舞われたりしたら、再び爆発して大量の放射線物質をそこらじゅうにまき散らす可能性があるのです。

  事故によってまき散らされた放射性物質は除染されずに福島県やその周辺に散らばったままになっています。十六万人もの方々が避難のために自分たちの町を離れ、そして、今でも帰れずにいます。

  科学的な知見により、日本の法律では被ばく限度量は年間1ミリシーベルトまでと定められています。しかし、原発事故以降、東北・関東地方のあちらこちらで年間1ミリシーベルトを超える放射線が計測されています。そんな環境の中でで、多くの人々が日常生活を送っています。法律を厳密に守ろうとすればもっと多くの人々を避難させなくてはいけないのですが、現実的にそれは相当大変なので、政府はこの法律を無視して、被ばく限度量を年間20ミリシーベルトまで緩めて、これ以下の被ばく量は安全と宣言してしまっています。異常な状況だと思います。

  これだけ人と物が行き来する世の中なので、今は福島県周辺にとどまっている放射性物質もいっしょに遠くへ運ばれて広がっていくこともあります。つまり、東日本の人々が味わった苦しみもまた、西日本や世界の人々にも拡散されていくかもしれません。そうならないように気をつけなくてはいけないのに、東北地方で発生した大量のがれきが九州地方に運ばれたりするなど、危ういことが多いように思います。

  原発がなくても電気は足りています。化石燃料の値段は高いから火力電力での発電はコストがかかるというのであれば、まず電力の自由化を進めるのが先決です。他の国々が安い値段で化石燃料を入手しているのだから、日本にもできないわけがありません。自然エネルギーが実用化されるまで時間がかかるでしょうが、その間は、普通に化石燃料で発電すればよいと思います。

  せっかく育てた農作物が放射能汚染のために出荷停止処分を受け、そのあとは風評被害に苦しみ、作物を育てる土も落ち葉や稲わらなどの資源も汚され、福島県や東北・関東地方の農家はこの悔しさを一生、忘れないでしょう。農家だけではなく、全ての人々が原発事故に苦しみました。被ばくの影響を受けやすい子供たちはもっとひどい目にあいました。

  これからの政治家のみなさんに、切に望みます。

「原発利権」を断ち切ってください。自分たちの利権より国民の幸せを優先して、政治家と国民の間に信頼関係を取り戻すことを願っております。

参考文献

yahoo 福島第一原発事故

東京電力

農林水産省

新聞社説一覧

武田邦彦 中部大学教授のブログ

TBSラジオ Dig 

神保哲夫 ビデオジャーナリストのブログ 

小林よしのり「ゴーマニズム宣言スペシャル 脱原発論」

食品と暮らしの安全

2012年12月13日 (木)

小雪 畑の様子

収穫、出荷  じゃがいも芽かき  白菜囲い  肥料作り  もみ殻入手  片づけ

小林の手帳より

  朝の9時くらいまでは霜で畑がまっ白に覆われ、まともに畑仕事ができない。この時間は身の回りの生理整頓などに費やしたい。大掃除は年末を待たず、今のうちから。

  寒くて体が動かなくなり、どんな仕事をするにも時間がかかるようになってきた。もっと体を動かして、体を暖めていこう。

12月2日~12月8日の野菜セット

12月4日

じゃがいも、人参、大根、かぶ、里芋、さつまいも、長ネギ、レタス、白菜、サニーレタス、ほうれん草、アブラナ、春菊、みぶな、ターサイ

6日

じゃがいも、人参、大根、かぶ、赤かぶ、里芋、さつまいも、長ネギ、レタス、白菜、サニーレタス、ほうれん草、アブラナ、春菊、みず菜、ターサイ

7日

じゃがいも、人参、大根、かぶ、里芋、さつまいも、長ネギ、レタス、白菜、ブロッコリー、サニーレタス、ほうれん草、アブラナ、春菊、みず菜、ターサイ

小林の手帳より

  レタスは霜に凍りついて傷み、出荷終了。二十日大根もみんな凍ってしまい出荷不可能。布をかぶせて防寒しておけばもう少し収穫できたと思う。耐寒性のある白菜は霜が降っても耐えているが、そろそろ霜の降らない場所に移さないと傷んでしまうかもしれない。

さつまいもがそろそろ低温障害で傷み始めてくる頃。出荷前には芋の端を少し切って中身が傷んでいないか確かめているけれど、それでも傷みを確認するのが難しい場合もある。この時期、さつまいもの出荷には、神経を使う。

2012年12月 8日 (土)

人参から考える野菜の出荷

12月に入ったばかりなのに栃木では数回雪も降り、真冬になったような強烈な寒さです。みなさん、お体にはくれぐれにお気を付け下さい。

今秋の人参はかつてないほどに惚れぼれとするできばえで、人参畑から引っこ抜く人参のほとんどすべてが肌に障害もなく、つやのある赤色に染まっています。大きさもみんな、大きすぎず小さすぎず、良いあんばいです。

ただ、身長の高い人もいれば低い人もいるし、五体満足に生まれてくる人もいれば心身に障害を抱えて生まれてくる人もいます。同じように、作物もまた、いろんな姿になって発芽して生育していき、みんながみんな、同じ形、同じ大きさに育つことがありません。それが自然なのです。

いくつかの人参は、何かの原因で肌に割れ目が入ったり枝分かれしたりします。一般流通ではこれらの人参は見た目が悪くてまともに売れません。しかし、それで味が格段に落ちるわけではなく、十分においしくいただけます。

まともに売れないからといって廃棄してしまうのは、あまりに忍びありません。特に人参は長い冬の間中ずっと貯蔵していく、とても希少な作物です。私は一般流通からはじかれた人参も大事に、野菜セットに入れて出荷してまいりました。

小さかったり形が悪かったり、少し料理に手間がかかる人参もあったとは思いますが、それでもそんな人参を寛容に受け取って大事に料理してくださったみなさんには、感謝をしております。みなさんの理解があるからこそ、一本一本の人参を大切に扱える農場を実現できているのだと思います。

ありがたいことに、先月は地元の小・中学校から給食用の食材としてものすごい量の人参の注文をいただき、一生懸命に出荷をさせていただきました。限られた時間の中で数多くの子供たちの給食を作らなくてはいけない調理人さんに、少しでも料理しやすい大きな人参をたくさんお届けしました。そのため、野菜セットには大きな人参をお届けするのが難しかったです。

この先人参の出荷も落ち着き、みなさんにももう少し大きい人参をお届けできる機会も増えると思います。楽しみにお待ちください。

新聞切り抜き ネット版

反原発派は夏のピーク時に停電しなかったため「原発なしで電気は足りる」と主張するが、生産停滞や電力料金の上昇などの悪影響を無視した的外れな見解だ。火力発電の増加による温室効果ガス排出や大気汚染など、環境問題に触れずに、「脱原発」を唱えるのはご都合主義である。(読売新聞 11月25日)

槌田 気温は、数十年単位で温暖化したり、寒冷化したりしています。 この数十年は温暖化してきたのですから、そのうちに寒冷化がまた始まります。 寒冷化すると食糧が不足します。すると、世界は大混乱しますから、 寒冷化の方がずっと大変で、それに備えようと警告しているのです。

 CO2は温暖化ガスではないのですか。

槌田 温暖化ガスの代表格は水蒸気です。 寒い冬でも、夜中に雲があるとあまり冷えないでしょう。 このようなことを少し考えれば、水蒸気が最大の温暖化ガスであることは明らかです。 それに比べれば、CO2は本当に温暖化に関与しているのかわからない程度の存在です。 それを最大の温暖化ガスとしているところからして、CO2温暖化説はおかしいのです。

槌田 気象学者のキーリングが、CO2濃度を長期にわたって計測したのです。 するとCO2増加と気温上昇が一致したので、CO2の増加が地球を温暖化させていると警告しました。 これがCO2温暖化説の原点です。その後、キーリングは、より詳しく気温とCO2濃度の前後関係を比べました。 その結果は、気温の変化がCO2濃度の変化よりも1年ずつ早く生じていることを見つけて、発表しました。 気温が原因でCO2濃度は結果なのです。

そこで、共同研究者の近藤邦明さんと私は、長期的傾向を除くことなく、 気温そのものとCO2濃度の変化率の関係を示すデータ【図3】を得ることに成功しました。この図では、1969年から2003年まで34年間にわたって気温とCO2の変化率が見事に対応しています。 変化率とは年間増加量と同じですから、気温によりCO2濃度の年間増加量が決まることになります。 つまり、気温の上昇が原因で、CO2濃度が増えることが実測データで証明されたのです。 これに対して、人為的なCO2が原因で温暖化したという通説では、この【図3】を合理的に説明できません。

槌田 1986年のチェルノブイリ原発事故で、原発の建設が世界中でストップしました。 そこで、原子力業界は各国政府に働きかけ、CO2温暖化説を唱える研究者に莫大な研究費を出させたのです。 つまり原発業界が仕掛けたワナなのです。

人為的CO2温暖化説を利用して、放射能を大量に残す原子力発電が世界に拡大しているので、 これに少しでも歯止めをかけるためにも、裁判に勝ちたいと思います。 そして、「CO2による温暖化」というバカ騒ぎを止め、【図1】や【図2】から予想される寒冷化に備えて、できるだけ早く準備を始めねばなりません。(月刊誌「食品と暮らしの安全」2009年9月1日発行 No.245 元・理化学研究所研究員、元名城大学教授 槌田敦氏にインタビュー )

私が原子力研究に身を投じた頃、エネルギーの未来は暗く描かれていました。 でも、恩師の手紙もあり、それからジックリと考えてみますと、「エネルギーが枯渇する」というのは単に石油や石炭の価格を高く保つための商業的なことで、それにのせられた自分を反省したものです。 その点から、「人体に対する放射線の影響」、「事故が起こったときの救命ボート」などが明確ではない段階で、原子力を実用化したのは時期尚早だったと反省するようになりました。 私の著述物にも書きましたが、石油や石炭はあと8000年ぐらいあると見積もられ、どんなに短くみても1000年はあるでしょう。石油や石炭は十分にあるのですから、資源など気にせず、少し節約をしながらゆったりと過ごし、 「日本の山紫水明、四季折々を楽しむ」 「愛する家族、信頼できる友、誠実な社会、誇りの持てる日本」 「働いて普通に生活する党」 「明日は今日より少し良くなるという希望」 を持って明るく、楽しく、静かに、張り切って生活を送りたいものです。(武田邦彦 中部大学教授 のブログより)

産業界が「悲鳴」を上げている。全国に広がる電力料金値上げの動きのためだ。関西電力と九州電力が引き上げを申請し、東北電力や四国電力なども追随する。値上げの理由は原子力発電所の再稼働が進まず、これに代わる火力発電の燃料費が嵩(かさ)んでいるからだ。中でも産業用は家庭用に比べて値上げ幅が約14~19%と大きく、影響が深刻だ。このまま原発を再稼働できなければ追加値上げも避けられない。工場などが海外に移転し、国内の雇用が失われる産業空洞化が一気に加速してしまう。政府は日本企業を救う視点に立ち、安価で安定的に電力を確保できる原発の早期再稼働を検討すべきだ。(産経新聞11月29日)

原発に頼らない安心できる社会」を目指す方針を掲げる、城南信用金庫が今月スタートさせたのが「城南総合研究所」。原発がなくても経済や社会は成り立つという専門家の分析を、分かりやすく情報発信していくのが狙いだ。「脱原発にかじを切れば経済の拡大要因になり、中小企業などものづくり企業の活躍の機会が増える。経団連雇用が減ると言うが、むしろ脱原発雇用拡大につながる」と、経済効果の大きさを強調している。このほかリポートでは、原発のコスト構造を検証した。経済産業省のエネルギー白書によると、1キロワット時当たりの発電コストは原発が5~6円、火力が7~8円。しかし、これには原発のある地域に支払われる巨額の交付金は含まれていない。立命館大学の大島堅一教授の試算によると、原発が10.3円、火力が9.9円で、原発の方が割高になっている。さらに、使用済み核燃料の保管や処理に掛かる費用もかさむことから、「原発のコストは恐ろしく高価で、将来、大幅な電気料金の値上げにつながる。原発廃炉にすることが経済的にも正しい判断」と結論づけている。(「3.11後を生きる:『原発やむなし』目覚まして/城南信金総研」、『東京新聞』2012年11月28日(水)付。)

日本の電気代は、アメリカや韓国に比べて2倍以上にもなる。

電気を作るときにかかる装置代、保全代、燃料代、本社代などの合計を「コスト」という。普通なら「努力してギリギリのコストでやる」というのだが、電力の場合は、「世間的におかしくない範囲でできるだけ高いコストでやる」というのが優れた経営者となる。それは次のような仕組みだからだ。1) 電力会社の儲けは、「コスト」を出して、それに10%程度の利益をのせる。だから、コストが10円と20円なら、20円の方が1円だけ儲けが多くなる(電力会社のもうけ)、2) 電力からとる税金は電気代に比例しているので、電気代が高ければそれだけ税金が増える(官僚のもうけ)、3) 電力会社はコストを高くしなければならないから、業者は高く納入できる(関係会社のもうけ)、4) 電力会社が儲かれば賃金も高くなる(労働組合のもうけ)、5) 「電力会社のコストはどの程度が適切か」と言うことを決める{政府、議員、マスコミ、学者、評論家・・・}にたっぷりとお金を回しておく(関係者のもうけ)、6) そして、これら1)から5)のために一方的に損をしている人たち(おとなしい庶民)は高い電気代を払う・・・・

電力会社が役人の天下りを支援し、政治家に献金し、公共広告機構の理事長(広告の一番多い会社)が東電で、東大の学者に研究費を出すのは、もちろん、ハッキリした目的があるからだ。政治家は電力に手も足もでない。活動資金のもとになる献金と選挙の時の票(電力労働組合、関係会社の人の票)があるからだ。役人も手も足もでない。天下り先を広く準備してくれるからだ。(武田邦彦 中部大学教授のブログ)

よって、火力発電所よりもコストのかかる原子力発電所を建設したほうが、電力会社と政府、その関係者が利益を得ることになります。そのような利権を手放したくないから電力会社も政府も、事故の危険性には目をつぶってでも原子力発電の稼働にこだわっているのではないかと、多くの国民が疑念を抱いています。(小林)

2012年12月 5日 (水)

小雪 畑の様子

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Pb281641 Pb291648粉雪が降ったかのように、霜が大地を白く染めた。

Pc011652 そして、12月に入ってすぐ、雪が畑を白く染めた。

Pb291651  畑に溝を掘って、大根を土の中に埋めていった。

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栽培暦11月25日~12月1日

収穫、出荷  かぶ土寄せ防寒  落花生保存  大根伏せこみ、土寄せ  人参伏せこみ、土寄せ  カボチャ保温  

小林の手帳より

  ものすごい量の人参の注文をいただき、毎日、嬉しい悲鳴をあげながら、収穫作業に時間を費やした。畑から引っこ抜いた人参の中には出荷できないような形の良くない人参も混じっていたが、これらは捨ててしまわず、再び土に埋め戻して保存することにした。この先数カ月間、真冬の間ずっと出荷していきたい貴重な作物なので、人参は一本たりとも捨てることはできない。  

  例年よりも早く本格的に霜が降りて、12月に入るとすぐに雪が降った。冬野菜を寒さから守る貯蔵作業を急ぐことにする。

  畑に溝を掘り、大根を土の中に埋めていった。防寒のため。青首大根が200本ほど、聖護院大根が100本ほど、この冬のために蓄えられた。

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2012年12月 3日 (月)

11月25日~12月1日の野菜セット

27日

じゃがいも、人参、大根、かぶ、里芋、さつまいも、長ネギ、二十日大根、レタス、サニーレタス、ブロッコリー、ほうれん草、油菜、からし菜、春菊、みぶな

小林の手帳より

  季節は秋から冬に変わり、鍋料理など、煮て食べる食材が望まれる季節になった。今まで温存してきた里芋や白菜も出荷して、冬を感じさせるような野菜セットにしていきたい。

  春に続いて、秋もキャベツとブロッコリーの生育が遅い。秋は虫害がひどかった。11月の終わりにようやくブロッコリーが出荷できた。

2012年12月 1日 (土)

新聞切り抜き ネット版

私が気になる旬の話題を、各新聞社の最近の社説を中心に、切り抜いてみました。

民主党は、マニフェストに「2030年代に原発稼働ゼロ」を目指す方針を盛り込むという。しかし、その道筋が一向に示されないため、説得力に欠ける。野田内閣が、同様の方針を閣議決定しなかった経緯から「本気度」を疑う声もある。一方、自民党の公約は「10年以内に電源構成のベストミックスを確立する」というものだ。これでは、問題の先送りであり、脱原発を目指すのか、従来路線を踏襲するのかも定かでない。日本維新の会は、原発ゼロ政策の旗を降ろし「安全基準などのルールを作る」というにとどまる。原発推進派の石原慎太郎前都知事と手を組むために、原発政策をないがしろにしたと見られても仕方あるまい。これでは国民は選択しようもない。(毎日新聞 11月23日)

反原発派は夏のピーク時に停電しなかったため「原発なしで電気は足りる」と主張するが、生産停滞や電力料金の上昇などの悪影響を無視した的外れな見解だ。脱原発のマイナス面も率直有権者に示して選択を求める誠実な姿勢が求められる。ほとんどの党は、原発の代替電源として太陽光や風力など再生可能エネルギーを挙げる。再生エネの普及に期待したいが、水力を除けば全発電量の1%強にすぎない。すぐに原発に代わる主要電源に育つと見るのは甘すぎる。当面は石炭やLNGなど火力発電の増強で対応せざるを得まい。火力発電の増加による温室効果ガス排出や大気汚染など、環境問題に触れずに、「脱原発」を唱えるのはご都合主義である。(読売新聞 11月25日)

大敷地内に活断層はあるのか、ないのか。白黒の決着がつかないまま、関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の稼働が続いている。原子力規制委員会は、関電に追加調査を指示し、その結果を踏まえて稼働の是非を判断する方針だが、活断層が動くことがあれば重大な事故につながりかねない。追加調査を進めるとしても、運転を止めてから行うのが筋だろう。規制委は稼働停止を関電に要請すべきだ。そもそも飯原発3、4号機は、政府が暫定的にまとめた安全基準に従って7月に再稼働された。事故時の対策拠点となる免震棟建設など時間がかかる対策は後回しで、地域防災計画の見直しもできていない。活断層の現地調査も、本来なら再稼働前に実施すべきだった。(毎日新聞11月25日)

電力を安定供給するため、電力会社が一定の値上げに踏み切るのはやむを得まい。東京電力福島第一原子力発電所の事故後、関電管内では福井県の大飯原発2基しか再稼働していない。代替電源である火力発電所の燃料費が増大し、赤字拡大に歯止めがかからない状況だ。関電は「このままでは最大の使命である電力の安定供給に支障をきたしかねない」と説明した。再稼働が実現しないと想定を超える燃料費がかかり、追加値上げを迫られる可能性がある。(読売新聞11月27日)

現在、電力コストのほぼ半分は燃料費だ。関電はこれまで電力供給の半分強を原発に頼ってきており、原発代替の火力用燃料増加による負担増は一応理解できる。しかし、産ガス国に液化天然ガスの価格を決定する原油価格連動方式の見直しを粘り強く迫らず、世界最高値で買い続けていることまで理解するわけにはいかない.(東京新聞11月29日)

関西電力が原発を止めるから電気代を上げてくれと言っていますが、もともと世界の相場の2倍の電気代の方をまず2分の1にして、そこから値上げ交渉を始めてもらいたいと思います。またエネルギーの専門家は「専門家の倫理」を厳しく考え、日本のために「原発30%と世界でも原発比率が高かったのに、なぜ、日本の電気は高いのか」についての解説をしてください。

1) 鉄鋼生産は石炭を外国から買ってきて溶鉱炉で燃やして鉄鋼を作る。それでも鉄鋼のコストは世界と同じ。

2) 電力生産は石炭を外国から買ってきて発電所で燃やして電気を作る。鉄鋼と同じなのに、電気のコストは世界の2倍。3) 送電線の短い日本は本来、電気代は若干安めになる。それに送電、変電の技術は世界で日本がトップ、4) 従って、この差は、鉄鋼は世界的な競争に晒されていて、電気は独占だからと考えられるが、経産省と電力の料金設定は「現状の2倍という異常な電力費を認めている」という点で、国民に対する一種の脅しと考えられる。この点について誠意ある回答を求める。9) アメリカの原発依存率はこれまで日本の2分の1だったが、電気代は2分の1。つまり原発を余りやらなかったアメリカの方が電気代が安い。さらに先日、売りに出たアメリカの原発は「コスト高」で買い手がついていない。(武田邦彦 中部大学教授 11月26日のブログ)

もう一つ別の道

3.11の福島第一原発事故以来、多くのの人々が国のエネルギー問題を真剣に考えるようになりました。それは、新技術の開発のみならず、私たちの暮らし方、ものの考え方も見直されようとしています。

栃木県上三川町で有機農業の研究、実践、指導を行っているNPO法人「民間稲作研究所」の技術支援センターの建物を見学させていただく機会がありました。エクセルギーハウスと呼ばれ、自然環境に配慮した造りでした。

現在の日本の消費電力の6割近くが、給湯や暖房のための熱源として使われています。一昔前はこれらの熱は石油やガスなどの熱源で全部まかなっていたとおり、本来は電気をつかわなくても、生活に必要な熱は熱によって得ることができます。

技術支援センターの建物は、太陽光などの熱源や熱を貯め込む性質のある水や樹を上手に利用して、必要な熱を生み出していました。電気に頼る必要のない快適な住空間を作り出しているようでした。

民間稲作研究所では植物油を大規模に生産されているのですが、それから取り出される廃油を利用して電気に代わるエネルギーを生み出すSVO方式と呼ばれる技術にも取り組んでいます。とても研究と工夫を重ねられてきたようで、「東京電力から電気を買うよりも安い値段でSVO方式でエネルギーを自給できるようになり、ようやく採算のあう技術になってきた」と代表の稲葉光國さんが胸を張っておっしゃっていました。

栃木県那須町の「非電化工房」の見学会には、エネルギー自給に関心のあるたくさんの農家たちが足を運びました。こちらの工房では電気を使わなくてもよい冷蔵庫や除湿機など、多くの「非電化」の製品を発明しています。

我慢を強いることから出発する節電の取り組みは、皆すぐに飽きていやになってしまうかもしれません。非電化工房で大切にしていることは、今の大量なエネルギーに依存する私たちの暮らしを見直していくことはもちろん、暮らしに愉しみをとりいれてくことだと、代表の藤村靖之さんがお話してくださいました。「我慢をしなくても生活の「幸せ度」を落とさずに、それどころか、幸せ度を上げながら電気使用量を半分にすることだって可能」と。

非電化工房の非電化の発明品の数々は、自然界の力をとりこんでいきます。原理は簡単なので、自分で管理ができます。自分の五感を活用して創意工夫ができる愉しみがあります。

私たちの時代は、世の中が手間をかけずにすむ「便利」なものに溢れれば幸せになれると多くの人々が信じてきました。ボタン一つ押しせえすればあとは自動的になんでもしてくれる家電製品が次々に発明され、自分でものを作り出さなくてもお店でお金を支払えば必要なものはなんでも手に入るようになりました。

私たちの心は昔と比べて豊かになれたでしょうか?幸せになれたのでしょうか?なぜ今の時代に私たちは原発を産み出し、そして、なぜ福島が犠牲にならなくてはいけなかったのでしょうか?じっくりと考えてみたいところです。

本当の幸せにつながる道があると思います。私は毎日、コツコツと農作物を栽培していますが、その中から幸せを見つけていきます。

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