霜降りる
朝と晩はすっかり冷え込むようになりました。本格的な冬の到来はもう少し先の話なのでしょうが、体に応える寒さになってきました。
小林農場の畑では先週末の早朝、霜が降りて地が白く染まりました。直売所に販売するための野菜を収穫しようとしたら、葉物野菜はパリパリに凍りついてしまっていたので、収穫をあきらめました。
凍った状態で無理矢理収穫してみても、暖かくなって葉が解凍された時、しんなりとしなびたまま回復せず、商品になりません。収穫をするには、日が差してきて凍りついていた作物が状態を回復するまで待たなくてはいけません。
できるだけ新鮮な野菜をみなさんにお届けするために、夏は野菜セットに入れる作物を配送当日の早朝に収穫して、大急ぎで野菜セットをバタバタと作っていました。これからは早朝には霜が降ることもあるでしょうから、配送日の前日に収穫を終わらせておくことになるでしょう。
人から伝え聞いた受け売りですが、冬の作物は、寒さのために凍死してしまわぬように、自ら体内の水分を排出するようです。水分が少なくなればなるほど、凍りにくくなるからです。結果的に作物内の糖分の濃度が高まり、味が濃くなります。
実際に、農家の間では「霜に当たると作物がおいしくなる」とよく言われます。霜が降りるまでサトイモを畑から掘り出さない農家もいます。
かぶが特に分りやすいかと思いますが、間もなく霜が本格的に毎朝降りるようになると、今までのかぶとは違う、さらに甘みが増しておいしいかぶに変身します。
この先、毎朝まっ白に染まる畑が冬の風物詩となることでしょう。まだ紅葉も楽しんでいないうちから冬の話ばかりするのも気がひけますけれども。
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