冬支度
年が明けて1月以降になれば寒さも本格的になり、畑は毎朝、霜でまっ白に凍りつきます。作物はまともに生育できず、収穫できる野菜の種類は減ることはあっても増えることはありません。
3月になって次第に暖かくなってくると、今度は、低温の中で貯蔵が可能だった白菜やカボチャやじゃがいもが傷み始め、さらに出荷できる作物が減っていきます。5月の中旬まで出荷できる野菜をかき集めて野菜セットを作るのに、苦労することになります。
ずいぶん先の話をしているように思われるかもしれませんが、出荷できる野菜がなくなった後に慌てて種を播いてみてももすぐに収穫できるわけがなく、今の時期には種を播いておかないと、栃木の長い冬の間中、なにも食べるものがなくなってしまいます。
ほうれん草、油菜、からし菜、ターサイ、みず菜、みぶ菜。霜でまっ白に凍っても枯れない耐寒性の強い葉物野菜をできるだけ多く、畑に作付けしてみました。
いろんな作物を今年、初めて作ってみました。大豆の栽培は失敗しましたが、小豆、落花生、赤トウガラシなどはおそらく、少しでも出荷できると思います。これらは乾燥させれば、寒さに関係なく長期間貯蔵しながら出荷できます。
秋に種まきして早春に収穫できるキャベツやレタスを実験的に作付けしてみました。うまく育てば4月頃より収穫できると思います。
1年間を通じて内容の詰まった野菜セットを皆さんにお届けするため、1月から4月の出荷できる野菜が乏しくなる時期をどう乗り切るか。私がおもいつくかぎり、手を打ってみました。
今、私の目は秋晴れを楽しみながら、頭の中では寒気の降り注ぐ冬の畑の光景が映っています。サトイモや白カボチャなどの、貯蔵しながら冬に出荷する野菜も、春の頃からすでに畑で栽培していました。1年中、アリのように冬の準備をしてきたようなものです。