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2012年7月 8日 (日)

辰年小暑 その2(落ち葉の放射能汚染の話)

関西電力・大飯原発の再稼働が、連日、ニュースで大きく取り上げられています。電力会社は原発の必要性を訴え続け、政府も原発維持の方針を固め、原発の地元の自治体はこれを支持しました。

去年3月11日の福島第一原発事故によって、福島県を中心にして、東北、関東地方の人々があれほどまでに悩み、苦しみ、悲しみに暮れた姿を全国にさらけだしてきたのにも関わらず、日本は原発を再稼働させる道を選びました。

小林農場の借地の一番奥には見上げるくらいの高い巨木が何本も立ち並び、秋にはたくさんの落ち葉がそのまわりに落ちます。去年になって初めて、ここで落ち葉をたくさん拾い集めることができることに気づきました。落ち葉は、大事な土作りの材料となります。

ここ数年間、この場所で落ち葉を拾い集めたことがなく、地表は何年分もの落ち葉で厚く覆われていました。通常なら、大喜びでこれらの落ち葉を好きなだけ拾い集めたことでしょう。

しかし、これらの落ち葉は、原発事故当時、福島から流れてきた放射線物質をかぶってしまいました。落ち葉は特に、放射線物質の影響をうけやすいと言われています。実際に検査してみると、これらの落ち葉から1kgあたり300ベクレルを超える放射性物質が検出されました。

国が定めている有機物の基準値は1kgあたり400ベクレルなので、際どい検査結果です。おそらく、同じ敷地内でも400ベクレルを超える箇所がある可能性は十分に考えられます。

とりあえず、他に落ち葉はないので、この落ち葉を使って堆肥を作ってみることにしました。落ち葉を主体にすれば良い堆肥を作れるのですが、今回は落ち葉の代わりに落ち葉以外の有機物を大量に加えて、できるだけ落ち葉の比率を下げるように努めてみました。

この堆肥を作物栽培に使用する前には、放射能検査をして安全性を確認する予定です。もし検査して高い数値が検出されることがあれば、せっかく作った堆肥ですが、使用をあきらめざるをえないでしょう。

私たち農家は、落ち葉も米ぬかも家畜のフンも、その辺に落ちているものを無駄なく畑へ循環させてきました。それが農家の誇りであったし、落ち葉は農家にとって宝物で、キラキラと輝いて見えました。

でも今は、落ち葉に対して「汚染されているかもしれない」と疑いの目を向けて、怖々と扱っているような感じです。なんだか情けなくなるやら、虚しくなるやら。この心境、分っていただけますか?

古い落ち葉を全部、地表から取り除くか地中に鋤きこむかして除染すれば、この先、この場所でも落ち葉を安心して入手することができるようになります。本当は去年すべき作業でしたが、今からでも遅くありません。次の秋に落ち葉が落ちるまでには、とりかかりたいと思います。

福島県とその周辺の山や川は放射能で汚染され、あまりに莫大なお金が必要なので、事実上、これらの場所での除染は不可能でしょう。これから数十年間、汚染されたままになるのでしょうか。

今回の原発事故のコストは支払いきれていません。「原発は最もコストのかからない発電方法」なんて、絶対に嘘です。

現在、小林農場では、定期的に出荷する作物を検査しています。この地域の野菜は深刻な放射能汚染をうけていないことは明らかとなり、今でもわざわざ手間をかけて検査を受ける必要性はあまりないのだけれども、せっかく検査できる環境は整っていることだし、「このまま簡単にこの事故を風化させれてたまるか」という想いを込めながら、検査を継続していきたいと思います。

福島第一原発事故が起こるまでは、原発の話も放射能の話も、私にとって関心のない世界でした。でも、これからは、しつこくこの問題に噛みついていこうと思います。

放射能検査結果通知(6月26日測定、芳賀農業振興事務所)  

小林農場のじゃがいも、人参を検査 いずれも測定下限値未満(測定下限値は3.4ベクレル/kg)

参照 100ベクレル/kg以上の数値が検出されると、出荷停止の要請を受ける。    

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